『ウマ娘』新育成シナリオ「無人島へようこそ」先行プレイ感想。あふれるスキルPtに高い能力値、高評価のウマ娘が比較的簡単に生み出せる個人的良コンテンツ
強いウマ娘を育てるのも良いが、各キャラクター固有のストーリーもまたウマ娘の楽しさの1つ。今回はその2つが両立できるのかが気になっていた。それでは内容を見ていこう。
Cygamesは『ウマ娘 プリティーダービー』の新育成シナリオ「無人島へようこそ -DESIGN YOUR ISLAND-」を2025年6月27日(金)にリリースする。今回は新育成シナリオの先行体験会に参加する機会に恵まれたので、その先行プレイレポートをお届けする。なお、体験会でプレイした新育成シナリオは開発中のものとなるため、リリース時とは異なる点があることをご了承いただきたい。
『ウマ娘 プリティーダービー』は、実在する競走馬の名前と魂を受け継いだウマ娘たちの物語を描いたクロスメディアコンテンツだ。ゲーム版は育成シミュレーションとなっており、プレイヤーがトレーナーとなってウマ娘を3年かけて育成する事となる。今回の育成シナリオは11番目の育成シナリオであり、育成シナリオの更新が4か月ごとになって4回目になる。また、過去4回の更新では距離別育成シナリオが3回続いた後、距離制限のないLegends編が実装される事になり育成は容易になった。一方キャラクターの固有シナリオが存在しないため、筆者はこの4か月で引いたキャラクターの個別シナリオを読めていない。過去のシナリオで育成する手間を惜しんだためである。強いウマ娘を育てるのも良いが、各キャラクター固有のストーリーもまたウマ娘の楽しさの1つ。今回はその2つが両立できるのかが気になっていた。それでは内容を見ていこう。
無人島でダチョウと修行!? 新育成シナリオのあらすじとその流れ
「無人島へようこそ -DESIGN YOUR ISLAND-」(以降無人島編)のストーリーはそのタイトル通り「ウマ娘を鍛えるために無人島に最強のトレーニング施設を立てよう!」という大変シンプルなものであり、その目標を立てたタッカーブラインとともに無人島の建設を進めていくことになる。トゥインクル・シリーズの危機や怪我で走ることが出来なくなったウマ娘の夢を叶えることに比べると牧歌的であり、畑を作ってみんなで野菜を育てよう!というノリに近い。
キービジュアルに登場するダチョウから一体どのようなトレーニングが待っているのかと戦々恐々とするトレーナーもいるかもしれないが、ちゃんとした設備を作ってトレーニングすることになるのでそこは安心してほしい。また、今回の育成シナリオでは個別シナリオとURAファイナルズが復活。ウマ娘固有のストーリーも閲覧することが可能だ。一方、シナリオ進化スキルの関係上中長距離向けの育成となっており、ここは少し意外なところだった。今回の体験会において筆者はまずオルフェーヴルを育成対象として選んだ。強いとか弱いとか好みとかではなく、先日の6th EVENTの衝撃覚めやらなかったためである。新育成シナリオの最適距離を予想して選んだわけではないのだが、結果オーライだったと言えよう。
島でのワイルドな訓練の前にはクレバーな計画が必要。建設計画とは?
「無人島編」シナリオは事前に建設計画を立て、ウマ娘を育成することで施設建設を進め半年に一度開催される評価会に向けて計画達成を目指すという形で進行する。この「事前計画とその達成」という流れはメカウマ娘編に近いイメージを感じた。詳細な育成の流れについて記載していく。
まずは建設計画を立てるところからスタート。ここで能力値に応じた施設を建設することでどの能力値を重点的に上げるかを決めることになる。これはメカウマ娘編のチューニングに近い。この計画を達成できたかを半年ごとに評価し、評価が決まった後次の建設計画を立てる。この繰り返しで無人島編は進むことになる。
トレーニング実行やレース出走で発展Ptを稼ぎ、施設を建設するのだ。そして半年ごとの評価が大好評だとその後の育成にボーナスが発生する。この流れもまたメカウマ娘のUGEに近いのだが、発展Ptが非常に溜まりやすい。そのため、メカウマ娘のときのようにスキルPtのためにレースに出たり、望まぬトレーニングを踏んだりということはない印象を受けた。ただし、メカウマ娘と違い建設計画はクラシック級の12月後半が最後となる。シニア級1年間はその建設計画のまま育成することになるので、ここは注意が必要だろう。また、建設計画の上限値やコストについては友人サポカであるタッカーブラインを編成することで変化するため、こちらが非常に重要になると思われる。
SSR[本能は吼えているか!?]タッカーブライン
見た目通りいろいろな意味で熱いキャラクター
建てた施設を有効活用。島トレーニングの内容について
今回の育成では、建築計画に応じて作成した施設を利用した島トレーニングという特殊なトレーニングを行うことができる。建設計画の達成に応じて島トレ券がもらえるのだが、それを使ってトレーニングを行うこととなる。
こちらは既存のトレーニングとは異なる専用のトレーニングになるのだが、建てた施設のトレーニングに応じたキャラクターが配置されることになり、すべてのトレーニングが一度に行えることになる。そのため「友情トレーニングが複数発生していてどちらを踏めばいいのか?」という悩みを解決するトレーニングではないだろうかと思えた。ただ、島トレ券は基本的には蓄積できないのだが、発展Ptが非常に溜まりやすいため早々に島トレ券が配布されてしまう。そのためなかなかに使い所が難しかった。
また、夏合宿期間はこの施設を利用した特殊なトレーニングが発生する。普段の島トレーニングと違いすべてのトレーニング効果が一斉に発生する訳ではないが、施設のボーナスを存分に活用することができるのだ。ただし、当たり前だがこのトレーニングは建設されていない施設に対してボーナスが発生しない。たとえばスピードとスタミナの施設しかない状態で根性のトレーニングを行ってもあまり恩恵を受けられないのだ。このシステムの関係上、今回の育成シナリオでは編成していないサポカの能力値がやや凹みがちなため、育成時にはどの能力値を重視して育成するのかという選択が必要になりそうだ。
なお、建築計画はクラシック級の12月が最後となる関係上、最終評価回はシニア級の6月がラストとなるがその後のシニア級9月以降(夏合宿終了後)は、島トレーニングを2回好きなタイミングで行えるようになる。またシニア級の6月以前に取得した島トレ券も持ち越せるため、ここで3回島トレーニングを行うことも可能だ。どのタイミングで島トレ券を使うかはウマ娘の体力次第となるだろう。
簡易な難易度で高評価のウマ娘が生み出せる良育成
以上が無人島編の内容となるが、プレイした第一印象は全体的に低めの難易度で高評価のウマ娘が生まれるというものだった。
今までの説明は煩雑に見えるかもしれないが、プレイしてみると感覚的にプレイできる。能力値も高くなるのはもちろん、スキルPtが余るぐらい手に入る。初回のプレイではLegends編で育成しているウマ娘よりは明らかに評価が高く、初プレイでこれなら慣れてくればさらに評価の高いウマ娘が育成できるだろうと考えるとモチベーションが上がる。先にも書いたが目標達成は容易なこともあり、「ではどのような建設計画がベストなのか?」という内容の試行錯誤が重要となるように思えた。
建設計画において、すべての基礎能力を高めるための施設は設定できない。建設計画は決まったマス目の数だけ設定でき、施設の建設が進むと幅が広がりマス目の数が増えていくのだが、より強力な効果を得るためには施設そのものが多くのマス目を必要とする選択肢も存在する。そのため、施設の発展をどのように設定するかも重要になると思われる。また、高い評価のウマ娘が作れる上でキャラクター固有のシナリオが存在するということは、強力なライバルに挑みやすいのではないかとも考えられる。ウインバリアシオンやヴィルシーナと行った強力なライバルが待ち構えているウマ娘達のIF展開も楽しみやすくなるのではないだろうか。
また、何度かおまかせ育成を試してみたがこちらもかなり快適。設定次第では過去の育成に比しても遜色のないウマ娘が仕上がったように思う。さらに強力になったおまかせ育成はウマ娘から遠ざかっていた人やライトユーザーにも勧められるものではないだろうか。筆者は実はここしばらくおまかせ育成のみで育成したウマ娘をLoHやチャンミに出場させてどこまでいけるか試しているのだが、さすがに真面目に育成したウマ娘たちに比べると分が悪いという印象を受けている。今後、無人島編でおまかせ育成した場合どこまでいけるかが楽しみだ。
なお、当日行われたメディア対抗レースではおまかせ育成を利用したウマ娘を利用したレースが行われた。舞台は日本ダービーだったため、筆者は何度かおまかせ育成を施行した結果それなりに仕上がったジャングルポケットを出場させることに。継承を意識せずにダービー向けのスキルを持っているためである。諸事情により1度目はテストランとなったのだが、その際2着に入賞しておりやはりおまかせ育成も悪くないのでは?と思わされることに。
ただ、ここで「なぜ勝てたか」までは分析しづらい勝ち方であった。なお、本番では電撃オンライン記者氏が育成したナリタタイシンが優勝。タイシンの誕生日が6/10ということもあり、その場は祝福ムードに包まれる事となった。筆者のジャングルポケットは本番では掲示板外。出場者に後方脚質のウマ娘が多く、前に壁ができてしまいうまく抜けられなかったのがレースを見ていてよくわかった。勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしという言葉が心で理解できた次第である。
メディア対抗レースでは残念な結果となったが、今後も個人的におまかせ育成でのLoHやチャンミへの挑戦は続けてみたい。もちろん、Legends編の間に引いて個別ストーリーを見ていないウマ娘たちも育成したい。まだまだこれからもウマ娘を楽しめそうだ。
『ウマ娘 プリティーダービー』は、PC/iOS/Android向けに配信中だ。