ナ・リーグ優勝決定シリーズで最終回のマウンドを託されるなど、ポストシーズンではゲームを締める守護神を務めているドジャース・佐々木朗希投手(23)。ポストシーズンでチームに貢献する投球を見せるまでに、本人が経験したのは右肩の痛みの再発とリハビリの日々だった。9月の「週刊文春 電子版」インタビューから一部を抜粋してお届けする。
5月に右肩の「インピンジメント症候群」と診断され負傷者リスト(IL)入りしていた佐々木だが、9月9日の5度目のリハビリ登板で見違えるような姿を見せていた。160キロ台を連発し、持ち味の剛速球が復活。その直後に行ったインタビューでは、復活の裏にあった“ひらめき”を語っていた。(初出:「週刊文春 電子版」9月18日配信)
「大船渡高校時代の良かった頃の映像を見返していた」
「実はその前夜に過去の自分の動画を見ていて、"ひらめいた"ことがあったんです」と佐々木は語る。一体、いつの動画を見ていたのか。
「自分は高校時代から、ロッテ時代も含めて過去の投球動画を保存してあって、ことあるごとに見返しています。あの日、空港に深夜に着いて、ホテルの自室で食事をしながら、大船渡高校時代の良かった頃の映像を見返していた」
そこで下半身の使い方について気づきがあったという。
「昔は左足を高く上げて、折り畳み、マウンドに着地してボールをリリースするまで、グーっと力をためて、一気に放出していた。でも今の自分は足を上げたあとに、一度ふっと体幹から力が抜けている」
美馬のフォームもイメージに取り入れた
佐々木はその違いを走り幅跳びにたとえた。本来は助走から全力疾走し、踏切の時に一気に力を解放すべきところ、途中でスピードを落としてしまう状態になぞらえた。部屋で昔のフォームを確認しながらシャドーピッチングを繰り返し、翌日のブルペンでは早速ストレートが約3.2キロ速くなっていたという。
さらに佐々木は、ロッテ・美馬学投手の引退のニュースも刺激になったと明かした。同じ右投手で足の上げ方も似ている美馬のフォームもイメージに取り入れ、高校時代に163キロを記録していた感覚を取り戻したという。
〈この記事の詳細は「週刊文春 電子版」で読むことができる。また、記事では今季の中継ぎ転向決断の舞台裏や妻の合流について詳しく語っている〉
「週刊文春 電子版」では、佐々木朗希を今シーズン6度にわたってインタビューした記事をすべて配信中。ドジャースの“守護神”となるまでにあった、結婚、不調、ケガ、そしてリハビリの日々。10月10日にも本人の思いを丹念に聞いたインタビューの全文は「週刊文春 電子版」で読むことができる。
■「サイ・ヤングへの道」過去記事は、以下の通り「週刊文春 電子版」で配信中。
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