- 1◆VLlUGaOg9c25/05/02(金) 23:36:41
- 2◆VLlUGaOg9c25/05/02(金) 23:37:21
- 3◆VLlUGaOg9c25/05/02(金) 23:47:29
ナレーション
それは勇気ある者の光。ただ純粋に、仲間たちの生きる世界を守りたいという願いの形。
一条の光は雲を切り開き、生徒たちの勇気と願いを乗せた流れ星となって蒼穹を走る。
アコ「ビームの軌道を計算中―――誤差は0.003%!問題ありません!!
発射されたエネルギーは、まもなく箱舟の中央に届きます!・・・ですが――」
ハナコ「・・・・・・そうですね。果たして、箱舟の「多次元バリア」を光の剣は貫けるのでしょうか・・・・・・」
ナレーション
揺るがぬ意思は真っ直ぐに、未来を閉ざす黒の要塞へ突き進む。
届くかどうか?なんて、不安する生徒も居るが、そんなのは問題ではない。
出来る出来ないではなく、やるのだ。勇気を以て一歩を踏み出し、仲間たちが歩む道を開くのだ。
ヒマリ「アリス・・・・・・!!」
リオ(通信)「アリス――――!!」
カナ「アリスぅーーーっ!!」
ナレーション
例え何が相手だろうと、その勇気は、意思は、光は未来を導く。
ズガァァァン―――――――っ!!(直撃音)
ハナコ「直撃です!多次元バリア、粉砕!」
ナレーション
それが天童アリス。ミレニアム・・・・・・いや、キヴォトスの勇者である。 - 4二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 23:48:45
これは勇者アリス
- 5◆VLlUGaOg9c25/05/02(金) 23:53:08
代理モブ「保守代わりに置いておきますね」
前前スレ
【立て直し】神輿は軽くてバカが良い編 第十一、五章 第6サンクトゥム攻略編|あにまん掲示板前スレまでのあらすじ空が赤く染まり、正体不明の高エネルギー反応は「虚妄のサンクトゥム」となってキヴォトスへと牙を剥く。自分たちの街を、学園を、友人を守る為、各校の生徒たちはシャーレの名の下に集まった。…bbs.animanch.com初代スレ
虚しい!|あにまん掲示板何度切っても髪が伸びる!何度ととのえてもみんな髪を乱雑にする!なのにバカのマダムは何も買ってくれない!ハサミも!櫛も!シャンプーも!リンスも!ドライヤーもないのに!だから、シャーレの先生とやらに買って…bbs.animanch.com - 6◆VLlUGaOg9c25/05/03(土) 00:09:34
キキョウ「多次元バリアの「状態の共存」の消失を確認した!最終機能も停止したよ!」
アコ「約5秒後、こちらに衝撃が来ます!みなさん衝撃に備えて下さい!」
ナレーション
多次元バリアが破られても気を抜くことは出来ない。
もうアトラ・シハースの箱船の直ぐ近くまで来ており、このままの速度なら直ぐに衝突する。
最初から駐車場ならぬ駐船場があるなんて期待は誰もしてないので、想定通りではあるのだが、
流石に宇宙船と空中要塞の激突ともなれば頑丈なキヴォトス人でも備えが必要だ。
リン「このチャンスを、逃してはなりません・・・・・・!」
キキョウ「同意する。で、次の一手は?」
リン「ウトナピシュティム、最大速力で突進します!」
キキョウ「了解。加速を始める」
ナレーション
リンの指示に少なからず動揺が走るものの、キキョウは誰よりも・・・指示が出るより早く加速の準備を始めていた。
戦術家としての経験が彼女に「相手に隙を与えるな」と囁き、キキョウもまた自らの出した結論を信じた。
あの尊敬すべき小さな勇者の光を無駄にすることは、絶対にあってはならないのだから。 - 7◆VLlUGaOg9c25/05/03(土) 00:30:01
- 8二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 00:30:56
- 9二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 00:37:07
スレ立て乙
画像はどっちも良いスチルなので比べ難いですね・・・アリス顔良いな? - 10二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 07:21:24
立ておつです
- 11二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 14:38:10
ほしゅ
- 12二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 22:48:02
- 13◆VLlUGaOg9c25/05/04(日) 00:06:10
ナレーション
急加速が与えた凄まじい衝撃は船員たちに容赦なく襲い掛かり、まるで別世界に居るかのような重力がのし掛かる。
船員たちは座椅子やモニターにしがみついてやり過ごそうとするが、そんな中でも己の仕事はやらねばならない。
リンはモニターに手をついて身体を支えながら、重たい首を動かしてアトラ・シハースの箱船を睨んだ。
ノア「バリア衝突まで約3秒・・・・・・!!」
ユウカ「ほ、本当に大丈夫なの・・・?」
キキョウ「多次元バリアは無力化されているから平気。
何より、ここで相手に先手を打たれたら、アリスさんが作った好機が無駄になる・・・!」
リン「はい。バリアを突破し、このまま箱舟内部に侵入します!!」
ナレーション
と言われてしまえば、ユウカたちはアリスの為にも奮起しない訳にはいかない。
来るべき衝突に備えて、少女たちは覚悟を決めて突入の成功を祈る。
モモカ「衝撃くるよ!しっかり捕まって!」
- 14二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 09:19:34
なんとかなれー!
- 15二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 15:06:43
中身も変わってんのかな
- 16◆VLlUGaOg9c25/05/05(月) 00:27:22
ナレーション
まるでガラスが割れるかのように、黒い破片が砕け散り、
アトラ・ハシースの箱舟を護っていたバリアを打ち破って、ウトナピシュティムは箱舟内へと駆け抜ける。
それは一瞬の出来事だったが、しかし、キヴォトスを覆う暗雲を打ち破る。大きな一撃でもあった。
アコ「バリア突破!!アヤネさん、緊急制御を!」
アヤネ「はい!緊急制御シーケンス、稼働!!」
ノア「「ウトナピシュティムの本船」、逆推進装置を稼働しました!エンジンへの過負荷にご注意を!」
ハナコ「まもなく、箱舟本体と衝突します!!みなさん、さらなる衝撃に備えてください!」
ナレーション
オペレーターたちの怒号にも似た報告が飛び交い、更なる衝撃がウトナピシュティムを襲う。
ヘイローを持たない先生のような人は、シートベルトのような安全装置がなければ7キロの衝撃で死ぬというが、
今回の衝撃は事故ではなく、文字通りの突撃。頑丈なキヴォトス人でさえ呻き声をあげるほどの力がのし掛る。
シッテムの箱が無ければ、先生は骨ごと挽き潰されて肉塊になっていただろう。
リン「・・・・・・」
ナレーション
アトラ・ハシースとの衝撃は、その脅威が過ぎ去ってからも暫くの間、船員たちの思考を奪った。
みんな、今何がどうなっているのか?目の前のことに必死過ぎて、良く分からなくなっていた。
モモカ「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・せ、成功した・・・・・・の?」
ナレーション
彼女たちが思考を取り戻すには、荒いモモカの息ともに疑問が投げられるのを待たなければならなかった。
- 17二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 08:03:45
ほ
- 18二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 14:31:33
やったぜ
- 19二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 20:55:59
やったか!?
- 20二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:39:00
調整ほ
- 21◆VLlUGaOg9c25/05/06(火) 00:50:26
代理モブ「すいません。アトラ・ハシース占領戦ですが、
ミカ*テラー以外は原作通りにするか、オリジナルイベントを作るか、ちょっと展開に悩み中でして・・・」
代理モブB「代わりに、番外編を用意しましたので今日のところはこれで・・・・・・」
オマケ 『本スレ世界線の先生たち。又の名を、神子柴カナファンスレ』
15:生徒好きの匿名先生
最終編で泣いてるの見てびっくりした。いや、1回泣くぐらいで立ち直れるのが凄いんだけど…
16:生徒好きの匿名先生
まぁ、光属性強過ぎるだけでカナちゃんだって子どもだからね。
17:生徒好きの匿名先生
正直、ベアトリーチェ戦もパヴァーヌ2章も判断が凄すぎて遠い存在に見えてたから、
ちゃんと弱いところ見せて泣いて甘えてくれて一気に好きになったし、凄い安心した。
18:生徒好きの匿名先生
本当これ。カナちゃんも子どもなんだから少しは甘えて欲しい。
19:生徒好きの匿名先生
まぁ、ブルアカの1部生徒頑張り過ぎ問題は、カナちゃんに限った話ではないのだが・・・・・・
20:生徒好きの匿名先生
同じ光属性でも、モモイは割とクソガキというか子ども故の向こう見ず。って感じだからな。
バカを自称してても命の重みを理解した上で「私が責任を負う」と言えるのは本当強い。
21:生徒好きの匿名先生
ところで、カナちゃんもそうだけど、アリウス勢の2着目はいつ頃実装出来そうですかね?
22:生徒好きの匿名先生
私にも分からん。
- 22二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 08:26:57
草
- 23二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 15:35:11
神輿は担がれる覚悟も大事だからね
- 24二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 22:58:20
どんな展開になるか楽しみ
- 25◆VLlUGaOg9c25/05/06(火) 23:00:39
リン「・・・状況を整理しましょう」
ナレーション
モモカに続いたリンの言葉を切欠に、オペレーターたちは一斉にウトナピシュティムを操作し始める。
他の生徒たちも実働班は装備の最終点検を始め、観測手であるノドカは愛用の望遠鏡で周囲を観察、
移動班のフウカとヒフミは車両の整備と、各々の仕事へ移り始める。
アトラ・ハシースに乗り込んで終わりでない。ここからが、全ての始まりなのだ。
ハナコ「多次元解釈システム、問題ありません。
ただ衝突の影響で中枢システムがダメージを受けたようです」
アヤネ「エンジンはシャットダウンしてしまって・・・再起動シーケンスも動きません・・・」
アコ「メインコントロールシステムも動作不能ですね」
キキョウ「・・・各エリアの通信もダメね。それに演算システムの損傷も大きい・・・
ナレーション
衝突が齎した影響は大きく、ウトナピシュティムの本船は大破と言わざるを得ない大きな損傷を受けた。
一応、リア・・・もといリオとヒマリの協力によって、いざという時の脱出方法は確保しているのだが、
それでもウトナピシュティムという「母船」が持つ力は偉大である。
半ば覚悟した上での突撃だったとはいえ、船員たちは高い代償を支払うことになった。
- 26二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 07:24:48
背水の陣になってしまった
- 27二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 13:43:15
突入には成功してけが人も出てなさそうだけど、船自体が動かなくなったのは痛いね
- 28◆VLlUGaOg9c25/05/07(水) 22:46:48
アユム「な、何でしょうか!?」
ナレーション
突如、モニターが警告の赤に染まり、アユムは驚愕の声を上げながらも状況の把握に努める。
原因は直ぐに分かった。隅から隅まで探さずとも、モニター中に彼等・・・或いは彼女等は映っていたからだ。
モモカ「うわっ!サンクトゥムにいた敵じゃん!?こっちに向かってきてるよ!」
リオ(通信)『アトラ・ハシース内部に敵勢力が待ち構えているのは想定済みよ。
大丈夫。こういう時の為にウトナピシュティムの本船に秘密兵器を積んでいるわ』
”秘密兵器だって!?”
ナレーション
秘密兵器という言葉に先生は、憧れのヒーローを思い浮かべる少年のようなキラキラした瞳を浮かべる。
そんな真面目な雰囲気にそぐわない先生の様子にリンは若干辟易したように溜息を吐くと、
早くして下さいと言わんばかりに通信越しのリオへと視線をやった。
リオ(通信)『秘密兵器はウトナピシュティムの貨物エリアに搬入してあるわ。
ただコンテナの電子ロックは生体認証なっているから、登録した使用者にしか開けられないわ』
・・・あ、もしかして、秘密兵器って・・・・・・
リオ(通信)『カナは気が付いたようね。そう、これは元々私が「リア」としてアリウスの為に開発したものよ。
ケイが齎した「名も無き神々」の知識と、ベアトリーチェが残した研究資料を基に、
ロイヤルブラッドにしてアリウス分派のホストであるカナの専用装備として開発したパワードスーツ。
アビ・エシェフの次世代機にして、アヴァンギャルドの名を継ぐ傑作機・・・』
リオ(通信)『その名を・・・【武装戦姫・アヴァンギャルド・サニー】!』
- 29二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 05:45:56
おおっ、いよいよか!
- 30二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 12:16:05
パワードスーツだったのか
不安… - 31二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 17:17:51
ほしゅ
- 32◆VLlUGaOg9c25/05/08(木) 21:45:00
ズガガガッ!(銃撃音) ズバンッ!(斬撃音)
ナレーション
パワードスーツらしく、メタリックで厳つい装甲に覆われた少女が戦場を駆ける。
左側にはガトリグ砲が、右側には手甲から伸びたブレード、
腰のスラスターを吹かして、脚部パーツのホバー機能を器用に操る彼女は、踊っているようにも見えた。
リオ(通信)『調子はどうかしら?調整は十分以上にしたつもりだけれど・・・』
・・・これ、強くないか?本当に私が持ってて良いヤツか?
ナレーション
力を振っているカナが若干怖くなるほど、アヴァンギャルド・サニーの性能は圧倒的であった。
以前、カナはトキが使うアビ・エシェフと銃を交えたことがある。
その時に比べれば、エリドゥのバックアップが無い分、アヴァンギャルド・サニーの性能は控えめかもしれない。
ズガガガッ!(銃撃音) ドガァァンッ!(爆発音)
・・・強くないか?
ナレーション
しかし、本来は個人で携行するようなものではない重武装を簡単に扱うことが出来る上、
装備の重さが全く気にならないほどに素早く小回りが利き、オマケに燃費は少し重たくなるが空中戦も出来る。
そんな「兵器」を1個人が気軽に持ち歩くなんて、考えてみればゾッとする話だった。
リオ(通信)『それは私の気持ちを思って、リアとして受け入れてくれたカナへの「感謝」であり、
貴女なら決して使い方を間違えないという「信頼」なの。だから、気にしないで使ってちょうだい』
ヒマリ(通信)『・・・プレゼントにしてはセンスの無いデザインですがね』
ナレーション
頭を覆うヘッドギアのモニターには、アヴァンギャルドの名に相応しい「顔」が映し出されていた。 - 33二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 23:30:02
カナが強いと感じるアヴァンギャルド・サニーすごいな…
- 34◆VLlUGaOg9c25/05/09(金) 06:51:02
代理モブ「ヘッドギアについては他作品ですが、モデルというか参考にした相手が居ます。
『ラブライブ!虹ヶ咲スクールアイドル同好会』の天王寺璃奈さんです」
参考画像↓
https://bbs.animanch.com/arc/img/981716/1
代理モブB「まぁ、細かくデザインを考えている訳ではないので、それぞれの想像にお任せはしますが、
イメージの参考になれば幸いです』
代理モブC「というか、アヴァンギャルド・サニーのヘッドギアのモニターに映ってるのは、
アヴァンギャルド君と同じ顔ですしね。イケメンです」
- 35二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 08:13:07
モニター顔か…
やっぱりあの顔なのか…
まぁ…カッコわるくはないんじゃないか - 36二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 15:05:29
動けばかっこいいいって言葉もある
- 37二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 23:37:15
頼もしい
アバンギャルド君も強かったし流石だ - 38◆VLlUGaOg9c25/05/10(土) 00:25:36
ネル「色々言いたいことはあるけどよ・・・まぁ、あれぐらいなら大丈夫だろ」
ツルギ「・・・たしかに厄介そうな鎧だが、倒せない相手じゃない」
リオ(通信)『・・・可笑しいわね?決戦兵器として設計したつもりなのだけれど・・・?』
ナレーション
アヴァンギャルド・サニーは強い。それは純然たる事実だが、決して無敵ではない。
エリドゥのバックアップを受けたアビ・エシェフほど無法な性能はしていなけば、
何処かの自販機を信奉する予言者たちほど頑丈でもなく、操るのも1人の人に過ぎない。
ズガガガッ!(銃撃音)
ネル「オラオラオラァ!どうした、もう終わりかぁ!?」
ズガンッ!(銃撃音)
ツルギ「カナ様、余り前に出すぎないでくれ」
あ、すまない。思ったより、スピードが出た。
ナレーション
カナ自身が不意打ち戦術に長けた兵士の1面がある上、アヴァンギャルド・サニーには光学迷彩が搭載されている。
つまり、味方は「素早くて小回りが利いて空が飛べて、時々姿が消える兵士」を常に補足しながら戦う必要があり、
碌に打ち合わせもせずに普通に熟せるのは、ネルやツルギたちの強さ故だろう。
キヴォトス最強候補の実力者は伊達ではない。事実、彼女たちは今のカナを相手にしても勝てる自信があった。
ホシノ「お~、こりゃあ凄いや。おじさんたちの出番はないかもねぇ」
ナレーション
冗談交じりのホシノの言葉通り、程なくして襲撃者たちは1体残らず討伐された。
- 39◆VLlUGaOg9c25/05/10(土) 00:37:24
《実際、キヴォトス最強勢なら勝てるの?》
代理モブ「スピードとか透明化とか関係無なく範囲攻撃で薙ぎ払える勢(ヒナ・ミカ)、
空気の震えを「見て」居場所を捕らえ、純粋な能力差で殴る勢(ネル・ツルギ・本気ホシノ)がいます」
代理モブB「アヴァンギャルド・サニーが弱いのではなく、キヴォトス最強勢が強すぎるんですよね。
ぶっちゃけタイマンででアヴァンギャルド・サニー装備のカナに勝てる生徒は、
キヴォトス最強勢の5人か、エリドゥのバックアップを受けたアビ・エシェフ装備トキぐらいです」
代理モブC「まぁ、ミカ*テラーとかいうどう考えても絶対バケモノな相手と戦うんだから、
このぐらいの追加装備は許されるでしょう。・・・許されるよね?」
- 40二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 07:41:45
ほしゅ
- 41二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 14:24:15
強いけど最強にはなれないか
まぁそこはアビエシェフの方がモリモリでヤバかったんだろうな - 42二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 23:25:42
設定だけだともっと強くてよくない?って言われるやつ
- 43二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 23:29:15
このレスは削除されています
- 44◆VLlUGaOg9c25/05/10(土) 23:31:13
アユム「敵の撃退を確認!無事、防衛に成功しました!!」
”みんな、お疲れ。とりあえず、ようやく一息はつけそうかな?”
モモカ「そうだね~。他に特に変な動きもなさそうだし、ちょっとは落ち着けるんじゃない?」
ナレーション
と、怠けたがりの気質があるモモカは早くも一休みと言わんばかりに力を抜こうとした。その瞬間であった。
ドガァァンッ!(爆発音)
モモカ「うぇっ!?ななな、なに!!?ば、爆発!!?」
ナレーション
突然の爆発。黒煙と爆音がウトナピシュティムを満たし、船内に衝撃が走る。
仕事を終えたばかりの実働班は即座に周囲を警戒し、オペレーターたちも何とか状況の把握に努めようとする。
が、彼女たちの奮闘よりも、答えの方が早くやって来た。
ミカ*テラー「あーあ、本当にここまで来ちゃったんだ。ちょっと諦め悪すぎない?」
リン「いつの間に中へ・・・っ!?」
- 45◆VLlUGaOg9c25/05/10(土) 23:52:15
代理モブ「一応、普通のアビ・エシェフ相手には勝てます。アヴァンギャルド・サニーの方が後継機で性能良いので。
ただエリドゥのバックアップ込みだとアビ・エシェフが勝ちます」
代理モブB「まぁ、エリドゥバックアップ付きのアビ・エシェフ装備トキは、
原作でも先生の指揮下のネルがズタボロになりながら何とか倒したレベルの相手なので・・・・・・」
代理モブC「ただ、アヴァンギャルド・サニー装備カナも相当強いので、
有利な状況が揃った上で、かつ相性の良い相手・・・ネル・ツルギ・ミカ辺りなら勝ちの目を拾えますね。
逆に有利な状況でも相性が悪いヒナやホシノには勝てません。硬すぎて攻撃が通らないので」
代理モブ「まぁ、逆に言えば、そこまで条件揃えた上で「勝てるかもしれない」レベルな訳ですが・・・・・・」
- 46二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 08:42:30
なるほど
ヒナこっわ - 47二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 18:03:11
アビ・エシェフってやっぱやばいよ
- 48◆VLlUGaOg9c25/05/11(日) 22:52:24
代理モブ「盾有りとはいえ、アツィルトの光(ビナーのビーム)が直撃して掠り傷すら無いホシノと、
そんなホシノと真正面から殴り合えるヒナ。どう考えても、強過ぎますよね」
ナレーション
ミカ*テラーは色彩の力を利用した、黒い渦による転移能力を持つ。
それ自体はリンも知っていたことだが、しかし現実に自分たちの舟の中に現われたことは衝撃だった。
仮に可能だったとしても、まさか敵だらけの舟の中にのこのこ現われるような真似はしないだろう。
そんな思い込みがあったことを、リンは今になって自覚させられることになった。
ミカ*テラー「まぁ、今更ここまで来て帰れとは言わないよ。ナギちゃんもセイアちゃんも頑固なのは分かってたし。
むしろ、2人が直接乗り込んでこなかったのがビックリかな?2人とも割と直情的なのに・・・」
分からん。ということも無いけど、ミカが言えたことじゃないと思う。
ミカ「ちょっと、カナちゃんっ!?」
ナレーション
気の抜けた会話をしながらも、3人とも引き金から指を離さない。
いや、3人だけではない。隙を見せれば容赦なく撃つ。そのつもりで、実働班の生徒たちは武器を手にしていた。
ミカ*テラー「あはは!言えてる!」
ミカ「私・・・いや、私っいうのもちょっと変だけど、それでいいの・・・?」
ナレーション
黒く染まった少女は無邪気に笑う。ケタケタと、まるで本当に一欠片の邪気も無いかのように笑う。
華が咲いたような笑みの仮面の裏側で、本当に笑っているのか?それとも・・・・・・
- 49二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 06:43:15
ワープが無法すぎる
- 50二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 12:37:13
まぁある意味友人だしな
気軽 - 51二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 19:49:05
嵐の前の静けさ…
- 52◆VLlUGaOg9c25/05/12(月) 22:22:00
ミカ*テラー「いいよ、実際ナギちゃんたちには大分迷惑掛けちゃったし。
だから、こっちの世界では楽に終らせてあげようと思ってたんだけどなぁ・・・」
ミカ「はっ?」
ナレーション
ミカはキレた。以前の戦いで相手の・・・もう1人の自分の強さを身を以て実感したミカは警戒していたのだが、
そんな冷静さは直ぐに失った。それほどに許せないことを、目の前の女は言いやがった。
それほどまでに、ミカにとって「桐藤ナギサ」は特別だった。
ミカ「今、何て言ったぁぁぁぁーーーっ!!?」
ドゴォォォンッ!(衝撃音)
ナレーション
考えるよりも早く振われたミカの拳が打ち砕いたのは、目の前の女ではなく巨大な岩石。
怒りに囚われたミカは直ぐに気がつくことが出来なかったが、
それはミカ自身も持つ「隕石を降らせる力」を、自身も持つを、黒い渦の転移を使って前方に射出したものだった。
ネル「あの、バカっ!」
先生、下がっててくれ!
ズダダッ!(銃撃音) ズダダッ!(銃撃音)
ナレーション
実働班の生徒たちは非戦闘員を庇い、1歩前に出て隕石の破片へと銃弾を放つ。
幸い、彼女たちの奮闘により怪我人が出ることはなかったが、視界が晴れた頃にはミカ*テラーは消えていた。
- 53二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 22:57:21
隕石召喚コンボとかやべぇ事を…
- 54二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 06:37:14
あら、消えた?
- 55二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 12:21:21
様子見だったのか
- 56二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 21:04:20
使いこなしてる…
- 57◆VLlUGaOg9c25/05/13(火) 22:09:31
代理モブ「ここら辺の「ちょっと様子見」は原作でクロコもやってたので、割と原作通りのシーンです。
・・・というか、原作のクロコってナラム・シンの玉座での決戦前から割と頻繁に姿を見せてるんですよね」
ミカ「っ!・・・・・・ちぇっ!また逃げられちゃった」
ナレーション
晴れた視界の向こう側に誰も居ないのが見え、ミカは首を回してキョロキョロと探し回る。
しかし、もう1人の自分が何処にも居ないのだと分かると、やり場の無い怒りのままにブンッ!と腕を振るう。
そんなミカに対して、近づく影が1つあった。
バシンッ!(打撃音)
ミカ「あいたっ!?」
ネル「逃がしちゃった。じゃねぇよ!考えなしに突っ込むな!」
ミカ「だ、だって、あいつがナギちゃんのこと・・・・」
ネル「アホ。そんだけ大事なやつが居るなら、尚更お前が無事に帰らなきゃ意味ないだろうが」
ナレーション
ミカ*テラーの言葉がどれほどミカを揺さぶったのか?想像がつくほど、ネルはミカのことを知らない。
しかし、自分のことで我を失ってミカが倒れたとなれば、尤も傷つくのはナギサだろうことは容易に推測出来た。
だから、ネルは怒った。怒らねばならなかった。
ミカ「それは!・・・そうだけど・・・・・・」
ノア「・・・ですが、ネル先輩もそれほど普段から冷静な方ではありませんよね?」
ネル「うぐ・・・っ!」
ナレーション
ネルは酷く赤面した。
- 58二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 06:42:23
まぁそう
- 59二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 12:50:33
やっぱ大変だ
- 60二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:08:55
ぶっちゃけここのメンバーだと一番冷静から遠いイメージだしなネルパイ
- 61◆VLlUGaOg9c25/05/14(水) 22:33:49
ユウカ「はぁ・・・リオ会長、エンジニア部、聞こえる?船の状態を見て貰えるかしら}
ナレーション
絶妙に格好をつけきれない先輩に若干溜息を吐きながら、ユウカは通信越しに船のメンテナンスを依頼した。
ここまで強行軍で無理をさせてしまったのは事実の上に、船内で隕石が破裂したのだ。船の修理は必須である。
リオ(通信)『既に各システムの診断を始めているけれど、かなりのダメージが入ってるわ。
相応の時間が掛かるし、根本的な修理は不可能だと考えてちょうだい』
ウタハ(通信)『こっちも同じかな。再起動ぐらいなら出来るだろうけど、修理となると・・・』
ナレーション
しかし、リオやエンジニア部の面々の力を持ってしても船の完全な修理は叶わない。
元よりウトナピシュティムの本船は生徒たちが創ったモノではなく、掘り起こしたオーパーツだ。
その内部構造の解析にも失敗しており、何処を動かせばどう動くかを分析して動かしているに過ぎない。
テレビで録画が出来ても、テレビの修理が出来る訳では無いように、動かせると治せるは違うのである。
コトリ(通信)『ですが、ご安心を!こちらにはリオ会長が解析したデータとAMASがあります!
完全な修理は叶わずとも、皆さんを無事地上に送り届けられる状態までは戻してみせましょう!』
リオ(通信)『・・・AMASの指揮権は1度エンジニア部に譲渡するわ。
その代わり、私は緊急脱出システム・・・箱舟を利用した空間跳躍シーケンスの準備をさせてもらう』
ヒマリ「・・・いいでしょう。リオ、貴女には言いたいことが山のようにありますが、今は時間がありません。
で・す・が!私たちは地上に戻ったら、たっぷりと話をさせて貰いますからね!」
リオ(通信)『・・・いいえ。私には、まだそんな資格は・・・』
ナレーション
それから、キレたヒマリを鎮静化させるのに少しの時間を要した。
- 62二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 06:47:05
草
- 63二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 14:24:28
まぁなんとかなるやろ
- 64二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 18:37:29
いい加減腹決めて話し合いなさいなw
- 65◆VLlUGaOg9c25/05/15(木) 22:58:44
ヒマリ「んぐうぐん、うんぐっ!(離しなさい、ユウカっ!)」
ユウカ「ダメですよ、ヒマリ先輩!気持ちは分かりますけど、今は抑えて・・・!」
リオ(通信)『・・・そうね。ヒマリが怒るのも無理は無いわ。
あれだけのことをしておいて、簡単に許されるだなんて私も思っていない』
ヒマリ「んぐーーーっ!!(リオーーーっ!!)
ナレーション
後輩に羽交い締めにされて口元を抑えられながら、ヒマリは腕をブンブン振り回して怒り狂っていた。
この期に及んで、まだミレニアムに帰る気が無いアホに、自分が何を言っているのか分からせたかったのだ。
・・・ヒマリだって口ではあれこれ言いながら、リオの帰りをずっと待っていたのだから。
・・・リア、帰ったらお説教だ。
リオ(通信)『えっ』
ナレーション
わざわざカナが「リア」と呼ぶということは、アリウス分派の仲間として、ホストとして言っているということだ。
つまり、リアは実質的に自分の所属組織のトップ直々に「お説教」を宣告されたのである。
正体がバレた上で、各校の学園の生徒たちが集まっている船内で「リア」として扱うのは、
リア・・・調月リオを自分の部下だと公言するようなもの。本来は余り宜しくない行為なのだが・・・
ユウカ「カナさん、お願いします」
ノア「ちゃんとお説教を聞いて反省して下さいね。リアさん」
ナレーション
残念ながら当然、リオの本来の所属であるミレニアムの生徒たちはカナに味方した。
それだけ、リオに対する怒りが強かったのである。
ヒマリは羽交い締めにされたまま、リオに指を指して笑っていた。
- 66二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 06:07:57
今はトップじゃないから逃げられないねぇ
- 67二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 14:21:11
なんとなく楽しそうで良かった
- 68二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:19:27
これもまた青春か…
- 69◆VLlUGaOg9c25/05/16(金) 23:12:37
リン「話を進めますね・・・!」
ナレーション
リンが出した指示に全員が神妙に頷いた。
笑顔とは本来攻撃的なものであり・・・とは良く言ったもので、リンの笑みには明確な「怒り」が読み取れたからだ。
早く行動を起こさなければ敵の増援が来るかも知れないのもそうだが、今はリンの方が恐ろしかったのである。
リン「「アトラ・ハシースの箱舟」への進入はなんとか成功しましたが・・・・・・私たちは敵の本拠地に居る状況です。
いつ攻撃が始まってもおかしくはありません」
ナレーション
リンは船員たちが黙って頷いたのを確かめると、ゆっくりと溜息を吐いてから話を続ける。
「本当に分かってるのか?お前等?」とミレニアム勢を睨むその目は、下に深い隈を作っていた。
リン「先程のような襲撃が続くかもしれません。つまり、船の防衛にも気を配る必要があります」
ツルギ「・・・私たちの最初の仕事ということか」
リン「はい。調月リオ会長とエンジニア部が復旧作業をしている間、皆さんには船の防衛を担っていただきます。
そして、私たちオペレーターやシャーレには・・・・・・次の作戦をお願いします」
ナレーション
次の作戦。というと、アトラ・ハシースの箱舟突入作戦の次。即ち――
リン「私たちは「アトラ・ハシースの箱舟」を占領し奪取します」
- 70二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 08:09:03
リンちゃんが止めなかったらもうちょっと続いてそうだ
- 71二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 13:36:03
いよいよ本格的な戦闘か
- 72二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 21:05:08
保守
- 73◆VLlUGaOg9c25/05/17(土) 23:18:36
ここに機械みたいなのがあって・・・・・・ここが行き止まりで・・・・・・こんな感じだ。
ユウカ「1回これに助けられた身で言うのもなんだけど、なんで探索してもないのに地図描けるの?」
ノア「私の記憶能力やコユキちゃんの解錠能力みたいなもの・・・・・・でしょうか?」
ナレーション
カナの空間把握能力を利用し、生徒たちはアトラ・ハシースの箱舟のマップを作成。
アリスとケイの1件で1度その力に助けられたミレニアム勢や上空にある箱舟を察知したことを知るミカ等、
カナの力を知る生徒たちや先生の推薦も手伝ってこの方針となった。のだが・・・・・・
モモカ「いやぁ、この状況でお巫山戯するとは私も思ってないけどさぁ・・・・・・これマジで信用して良いの?」
”信用して良いよ。カナのこれは異能みたいなものだから”
リン「まぁ、こういう特異な力を持った生徒は一定数居ますから、不思議ではありません。それよりも・・・・・・」
ツルギ(通信)『分かっている。自爆シーケンスだろう?』
ナレーション
ヒマリや地上のヴェリタスを中心に、ウトナピシュティムの本船の演算機能を利用して箱舟のハッキングを行い、
自爆シーケンスを起動させる。それがリンが立てた計画だった。
その為に、アトラ・ハシース内のシステムへ物理的な干渉を行うべく実行班を動かした。
ツルギ、頼んだ!今から描いた地図を送って貰う!
ツルギ(通信)『・・・ありがとうございます、カナ様』
ナレーション
そして実際、その作戦は滞りなく進行していた。・・・・・・この時点では。
- 74二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 07:39:28
この時点では、か
何が起こるのやら - 75二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 13:14:03
今度はなんだ…
- 76二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 21:29:07
不穏やん
- 77◆VLlUGaOg9c25/05/18(日) 23:14:20
リオ(通信)『ちょっと待ってちょうだい!!』
ナレーション
最初に異変に気がついたのはリオだった。
リオの制止に「何事か」と生徒たちからの注目が集まり、真剣に思考を巡らす姿を見たことで危機感を共有する。
何があったかは分からずとも、何か大変なことがあったことは一目で分かった。
”何があったの?”
リオ(通信)『何かがおかしいわー――今、私たちは箱舟を掌握しているはずなのに・・・・・・』
リン「おかしい?もっと、具体的に説明をお願い出来ませんか?」
リオ(通信)『・・・ハッキングされているのよ』
ナレーション
ハッキング。そのたった5文字の言葉の意味を生徒たちが反芻するのに、少しの時間が掛かった。
言葉の意味は分かる。今、自分たちが正にしようとしていたことだ。そう、しようとしていたことだ。
なのに「ハッキングされている」とはどういうことか?幾ら何でも、そんな簡単に出来ることでは無い
チヒロ(通信)『い、いや、でも待って?それをするには内部からの干渉が必要な・・・筈・・・』
ナレーション
チヒロがそこまで言いかけて、彼女たちは思い出した。
このウトナピシュティムの本船に大胆にも乗り込み、そしてまんまと逃げおおせた黒い天使の存在を。
- 78二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 06:45:13
なんてこった
- 79二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 14:01:42
このままでは折角の作戦が台無しになってしまう
- 80◆VLlUGaOg9c25/05/19(月) 23:10:43
SYSTEM「「自爆シーケンス」を実行します」
っ!先生っ!?
キキョウ「総員伏せて!防御態勢!」
ナレーション
ウトナピシュティムが発したアナウンス。その意味を理解して、即座に行動に移せた生徒は少なかった。
カナはシッテムの箱があるとはいえ生徒よりも脆い先生を覆い被さるようにして庇い、
キキョウは咄嗟ながらもウトナピシュティムの自爆に対して的確な指示を出した。
ドゴォォォンッ!(爆発音)
ナレーション
瞬間、空間が爆ぜた。
ハナコ「ゲホッ!ゲホッ!・・・・・・みなさん。ご無事ですか・・・?」
大丈夫だ。幸い、思ったより威力は低かったから、ウトナピシュティムも完全には破壊はされてない。
ユウカ「確かに「自爆」にしては、それほど爆発は大きくなかったけど・・・・・・」
ナレーション
それでも、ウトナピシュティム全体にダメージを与える「自爆」の威力は絶大だ。船体も大きく損傷している。
加えて、ウトナピシュティムに残っていたのは実働班以外の、普段は余り戦場に出ることのない生徒たち。
突然の衝撃と轟音を前にして、受けたダメージは肉体のそれ以上に大きかった。
- 81二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 05:08:45
これは大変だ
- 82二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 12:14:25
やばい
- 83二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 13:09:10
えげつない事をする…
- 84二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 20:31:38
現場が一気にズタボロや
- 85◆VLlUGaOg9c25/05/20(火) 22:48:06
ヒマリ「・・・本当にやってくれました」
ナレーション
煤けた身体を引き摺るように起こして、ヒマリは状況を良く確かめるべくモニターへと視線を移す。
それと同時に、いつもは自信満々にふんぞり返るのが常であったヒマリが、己の無力さに歯噛みした。
”何があったの?”
ヒマリ「・・・現在、「ウトナピシュティムの本船」の所有権は敵に渡っています。
「アトラ・ハシースの箱舟」の多次元解釈を、「ウトナピシュティムの本船」が助けた形になりました」
・・・あれ?でも、私たちはもう中に居るんだからバリア張っても意味なくないか?」
ヒマリ「カナ。多次元解釈が復活したということは、「アトラ・シハースの箱船」の機能が復活したということは、
・・・・・・このままでは、また「虚妄のサンクトゥム」が現われるということです」
ナレーション
「虚妄のサンクトゥム」。記憶に新しいその名を聞いたことで、生徒たちの表情はまたも強ばった。
疑ってしまったのだ。各学園の最強が居ない今、虚妄のサンクトゥム攻略戦での消耗が残る今、
虚妄のサンクトゥムの守護者を再び倒す力が母校にあるのか?彼女たちは少しでも疑ってしまった。
・・・疑いが自らの精神に巣食う「毒」になると気付いていながら。
っ!みんな、急ごう!また空が可笑しくなった!!
ナレーション
眼下の空は、再び真紅に染まっていた。
- 86◆VLlUGaOg9c25/05/20(火) 22:51:58
- 87二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:12:50
それはそう
- 88◆VLlUGaOg9c25/05/21(水) 22:51:20
《地上 トリニティ総合学園自治区》
ズガァンッ!(射撃音)
正義実現委員会モブ「や、やった!いつも聞く、ライフル弾が敵を貫く音だっ!」
正義実現委員会モブB「流石、マシロ!私たちに出来ない狙撃を平然とやってのける!そこにシビれる!憧れるゥ!」
マシロ「騒いでないで戦って下さい!敵はまだまだ居るんですよ!!」
ナレーション
たった2人とはいえ、委員長であるツルギと委員会員たちから慕われるイチカの欠員は大きい上に、
虚妄のサンクトゥム攻略戦において正義実現委員会を挙げて防衛戦をしたばかり。
更に、ETOの契約を利用したマコトの要請により、空崎ヒナ不在のゲヘナにまで人員を派遣している。
大規模校として治安維持組織の面々が揃っているトリニティでさえ、数多くの難題を前に苦戦は必須だった。
正義実現委員会小隊長「・・・とはいえ、自警団もアリウス分派も居る分、ウチは大分マシな方でしょう。
むしろ、人員が無いからとゲヘナに派遣された副委員長殿の方が心配ですなぁ」
正義実現委員会モブC「ですね。ハスミちゃんは繊細なところがありますし、虐められてないか心配です」
正義実現委員会小隊長「いやいや、副委員長殿は殴り返せる方ですから、そちらは心配は要りません。
それよりも、空崎ヒナ不在とはいえあのゲヘナがウチに救援要請をしたことが大事ですぞ」
ナレーション
おそらくゲヘナは・・・・・・いや、虚妄のサンクトゥムが近い学園はどこも人手不足で疲弊している。
経験で培った直感から、戦況の悪さを感じ取った3年生たちは覚悟を決めて銃を握り直した。
この混乱を一刻も早く納めて、少しでも多くの援軍を各地に送らねばならない。そんな気がしてならなかった。
- 89二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 01:43:35
地上にいる子たちも頑張ってるな
- 90二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 09:45:04
中々我の強そうな子たちだな
キヴォトスじゃこれぐらいじゃないとやっていけないか - 91二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 14:15:07
正実モブちゃん頑張れ~
- 92◆VLlUGaOg9c25/05/22(木) 22:25:45
《一方 ゲヘナ学園自治区》
ズドン(射撃音)
ハスミ「・・・目標、沈黙しました」
ナレーション
どこかの正義実現委員会の懸念の通り、ゲヘナ学園にもおびただしい数の敵が現われていた。
しかし、ゲヘナ最強の委員長と平時は有能な行政官の不在は大きな痛手だが、意外に戦況はそれほど悪くない。
相手がトラップを使わないのでイオリの突撃戦術が良く効くし、トリニティからの頼もしい援軍もある。
何より、万魔殿が何時になく協力的だ。輸送車が襲われ、イブキちゃんのプリンが万魔殿に届かなかったらしい。
風紀委員モブ「すっげぇ、百発百中じゃん。やたらと突っ込むイオリとは大違いだぜ」
風紀委員モブB「言ってやるなよ。突撃屋のイオリに知的で冷静な狙撃手なんて無理に決まってるだろ?」
イオリ「おいっ!?」
ナレーション
なので風紀委員会にも軽口を叩くぐらいの余裕があった。
割と失礼なことを言いながらケラケラ笑い合う余裕があった。
正義実現委員会モブD「あいつら、笑いながら撃ってる・・・・・・っ!怖・・・」
ナレーション
援軍の他校生はドン引きしていたが、兎に角、ゲヘナの戦況はそれほど悪くないようだった。
- 93二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 23:37:14
イブキちゃんのプリンが…そら極刑もんですわ
- 94二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 06:36:57
プリンは許されざるよ
- 95二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 14:55:20
保守
- 96二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 22:52:27
思わぬ被害が
これイブキ以外のプリンもだめでしょう2 - 97◆VLlUGaOg9c25/05/23(金) 23:26:40
セイア(通信)『――ーという感じだね。心配しなくても、トリニティの方は今のところは問題ないよ。
敵は膨大だが、地上に残った戦力で押し留められる範囲だ』
マコト(通信)『こちらも戦況は優勢だ。イブキの為、一刻も早く情勢を治めるべく援軍を要請したが、
この分であれば必要なかったかもしれんな?キキキッ!』
ナレーション
地上の生徒会長たちからの報告を受けて、ウトナピシュティムの面々はホッと一息をつく。
これで「地上ヤバ過ぎることになってるから今すぐ帰って来い」と言われても無理な話だし、
そうでなくとも悪い報告を聞いてしまえば心配で気が散ってしまいかねない。
ナギサ(通信)『トリニティには正義実現委員会に自警団だけでなく、アリウス分派という新戦力も居ます。
なので、手の足りないところには景気良く派遣して、それでも足りないところには―――』
カンナ(通信)『・・・緊急事態というところことで、ウチの生徒を派遣しています。
こう言うと何ですが、カイザーとの癒着の件で大失点をしてしまったので点数稼ぎがしたいのかと』
リン「・・・カヤが?」
カンナ(通信)『いえ、その下・・・副室長ですね。
防衛室長は役職こそそのままですが、癒着の1件で連邦生徒会内での発言力を失っていると・・・』
ナレーション
カンナの報告を聞いてリンは嘆息した。
独断専行は代理の立場であれこれ派手に動いている自分が言えたことではない。ないのだが、相談して欲しかった。
いや、まぁ、虚妄のサンクトゥム攻略戦やアトラ・シハースへの侵攻でバタバタしていて、
カヤの処分を宙ぶらりんのままにしていた自分も悪いとリンも分かっているのだが・・・・・・やる前に一言欲しかった。
- 98◆VLlUGaOg9c25/05/23(金) 23:39:43
カンナ(通信)『・・・止めた方が宜しいでしょうか?』
リン「・・・いえ、そのまま進めて構いません。ただ、各学園の防衛には元SRTの生徒を優先的に派遣して下さい」
”リン?それって・・・”
リン「元々、あんなデモさえ無ければヴァルキューレで挙げさせた成果を元に復興するプランがありました」
ナレーション
リンの言葉に先生とカナは頬をほころばせる。
ミヤコたちRABBIT小隊の苦悩と努力を知る身としては、SRTの復興は我がことのように喜ばしい吉報だ。
特に先生とカナはRABBIT小隊に助けられたことがある。恩人にして友人の幸せを喜ぶのは当たり前だった。
リン「先生のお陰で多少マシになったとはいえ、連邦生徒会長の失踪以来、治安が悪化しているのです。
あれだけの戦力を遊ばせておく理由がない。なのに、みんな責任逃れのことばかり考えて・・・・・・ッ!」
お、おお・・・。リンも大変なんだな。いや、会長の代理なんて大変で当たり前か・・・
リン「・・・失礼。兎に角、SRTとヴァルキューレは役目が違います。合わない場所で腐らせておくには勿体ない。
なので責任と説得力を持つ、誰か都合の良い方が必要だったのですが・・・・・・」
”はいはい!SRTの活動については私が、シャーレが責任を負うよ!”
リン「なら、これからも頑張って信頼を稼いで下さい。まずは、アトラ・シハースの占領から・・・」
ナレーション
地上の憂いは消えたどころか、思わぬサプライズまでやって来た。
なら、あとは、こちら側で頑張るだけだ。先生は気を引き締め直すと、再びリンの話に耳を傾けた。
- 99二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 07:00:49
上司って大変だね…
- 100◆VLlUGaOg9c25/05/24(土) 07:31:48
代理モブ「リンは誤解を恐れずに言えばアコと一緒です。
あくまでも本質は行政官であって生徒会長・・・王では無いんです」
代理モブB「政治的配慮が全く出来ないとまでは言いませんが、それよりも効率を重んじるというか、
必要なだけの資源で必要な結果が出るように全体を管理するのが本領なんでしょうね。
それが無理に政治屋の真似事をしようとするからボロが出る」
代理モブC「アコがアビドスでやったアレは独断専行ですが、リンは他に適任がいなくて代行してるだけですからね。
ぶっちゃけ碌な引継ぎも無しに、本業以外の仕事やらされてるの滅茶苦茶大変だと思いますよ」
代理モブ「しかも、前任が「超人」と呼ばれるほどの敏腕・・・・・・・・・そりゃあ、連邦生徒会の信用も落ちますよね。
引継ぎもされてない、専門でもない人が「超人」と比べられるんですから・・・」 - 101二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 14:23:44
応援はする
- 102二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 19:27:20
大変だねぇリンちゃん
- 103◆VLlUGaOg9c25/05/24(土) 23:49:08
リン「これから、実働隊の皆さんには第4エリア中央の管制室を目指して頂きます」
ヒマリ「そして、アトラ・ハシースのシステムに干渉して直接ハッキングを停止させる。と・・・」
ナレーション
直接敵に入り込まれてハッキングされたのなら、その逆をしてやれば良い。
なるほど、理屈としては通っている。しかし、その作戦を遂行するには問題が1つ。
リオ(通信)『現在、自爆シーケンスは「多次元解釈」の抑制機能を利用して、強制的に抑制させているわ。
さきほどの爆発被害が軽微の収ったのもそのお陰。・・・ただ、それはあくまでも足止めに過ぎない』
ヒマリ「そうですね。私たちには一刻も早い方針決定と迅速な行動が求められています」
ナレーション
時間、余裕が無い。ヒマリの言う通り、最悪の未来は直ぐ後ろで足音を鳴らしていた。
キキョウ「船の構造には詳しくないけど、これだけ大きな施設なら命令系統の中心になる場所がある筈・・・」
ヒマリ「ええ、その通りです。アトラ・シハース全体への命令を中継する端末。これを破壊しなくてはなりません。
それも予備の端末を起動するまでの一時凌ぎになるでしょうが、その一時は大きな隙になります」
カヨコ「なるほど、その「隙」を使ってこっちの体勢を立て直すんだ?」
ナレーション
カヨコの質問にヒマリはコクリッと頷きを返す。
端末を破壊してアトラ・シハースのハッキングから逃れれば、ウトナピシュティムのシステムを復旧させ、
アトラ・シハースの管制権を奪うことが出来る。そうすれば、アトラ・シハースの自爆シーケンスを起動出来る。
- 104二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 08:01:13
一応保守
- 105二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 13:08:25
忙しい
- 106二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 20:38:02
エリートの腕が成るね
- 107◆VLlUGaOg9c25/05/25(日) 22:14:52
ウタハ(通信)『端末の位置ならヴェリタスとエンジニア部で特定したよ』
チヒロ(通信)『場所は「箱舟」の最下層セクション、「シャル・カリ・シャッリ回廊」。
ナビゲーションデータは既に送信してる。んだけど、そこのセキュリティシステムが厄介でね・・・』
ハナコ「・・・システムの全容、確認把握しました!」
チヒロ(通信)『早くない・・!?結構なデータ量だったはずだけど・・』
ナレーション
自身も含めて、普段から数多くの「天才」に囲まれたチヒロでさえも、ハナコの思考速度には驚かされた。
浦和ハナコ。ミレニアムの科学者たちと方向性は違えど、彼女もまた驚異的なまでの天才であった。
ハナコ「1度状況を整理いたします。――ー「箱舟」の最下層「シャル・カリ・シャッリ回廊」にある端末。
これを破壊するには、セキュリティシステムを破壊しなくてはなりません。が・・・」
キキョウ「私たちのウトナピシュティムはハッキングされていて使えない。つまり、ここからハッキングは出来ない」
ナレーション
キキョウの言葉に、ハナコは肯定の首肯を返す。
ハナコ「可能性があるとすれば・・・「箱舟」最東端と最西端のセクションに存在する解除装置を同時に破壊すること。
上手く行けば、約5秒ほどセキュリティシステムを停止させられます。その間に端末を破壊すれば・・・」
カヨコ「5秒・・・・・・?」
ナレーション
大掛かりな作戦の末に得られる、たった数秒の好機に全てを賭けなければならない。
それはとても恐ろしくて、勇気が必要なことだが、もはや他に道は残されていなかった。
- 108二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 06:38:07
舌噛みそうな名前ね
- 109二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 09:32:10
ウトナピシュティムの本船も言い慣れてないと舌が滑る
- 110二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 14:33:01
正直言うとアビ・エシュフも怪しい
- 111◆VLlUGaOg9c25/05/26(月) 19:26:25
- 112二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:10:07
そこはかとないインド感
元ネタ的にはメソポタミアだから当たらからずも遠からずって感じだろうか - 113◆VLlUGaOg9c25/05/26(月) 23:22:24
ナレーション
箱舟の最下層、それも最東端と最西端、そして最下層という遠く離れた場所に同時に人員を送り込む。
本来であれば無理難題だが、この船には「移動」に関するエキスパートが丁度2人搭乗していた。
フウカ「つまり、私たちが運べば良いのね」
ヒフミ「が、がんばります・・・!」
ナレーション
トリニティとゲヘナ、相反する学園に所属2人だが互いの間に確執は無い。
ただ自分たちの仕事に向き合い、戦友として互いに想いを託す。
遙か遠い空の上で、本来在るべき「楽園《エデン》」は実現していた。
リン「最短ルートで必要な人員を拾いながら、阿慈谷ヒフミさんには西と東の遊撃を、
愛清フウカさんには地下1200mの最下層へ人員を送り届けて貰います」
キキョウ「ナビゲートはこちらで行うわ。貴女たちはルート通りに、最速最短で目標を目指すことに集中して」
- 114二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 06:55:20
おかしい…ご飯作ってる子と一般普通生徒が移動役になるのは何かがおかしい…
- 115二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 12:20:10
まぁキヴォトスだし
こういう事もある - 116二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 20:35:09
エデン条約(物理)
- 117◆VLlUGaOg9c25/05/27(火) 22:25:16
代理モブ「ヒフミさんは原作だと、盗んだ戦車で私たち(正実モブ)を蹴散らした実績持ちなんですよ」
代理モブB「アズサとのコンビで単独犯じゃないとはいえ、一般人を名乗るには余りに大事件起こしてますよね」
代理モブC「ToSchoolの子が自信喪失してたのも、ヒフミみたいな野生の強者にやられたのでは・・・・・・?」
ナレーション
履帯が箱舟を切り裂きながら、クルセイダーは疾走する。
強引な加速と方向転換の連続に履帯が、エンジンが絶叫をあげる中、ヒフミは躊躇いなくアクセルをきり続ける。
ヒフミに与えられた仕事は遊撃。だが、ヒフミが本船の船員として期待された役割は「運搬」だ。
誰よりも早く、何よりも早く、より自由に、より大勢を目的の場所へと運ぶことだ。
それを良く分かっていたから、ヒフミは己のセンスが許す限り限界ギリギリまでクルセイダーを酷使していた。
ヒフミ「終ったら、整備して貰いますから、頑張ってくださいね・・・!」
キュラララーーーっ!!(走行音)
ナレーション
ヒフミの声に応えるように、履帯は悲鳴にも似た絶叫をあげる。
90km/h。クルセイダーの奮闘の甲斐あって、カタログ上の最高速度の実に2倍以上の速度を実現していた。
ヒフミ「フウカさんは絶対に間に合う。なら、私も間に合いませんでしたなんて言えません・・・!」
ナレーション
出会ったばかりの戦友を信じて、少女は操縦桿を握り続ける。
阿慈谷ヒフミ、16歳。若くして、一流の戦車乗りへの道を歩み始めていた。
- 118二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 07:47:42
これが…戦車道!(違う)
- 119二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 12:27:10
頑張れクルセイダーちゃん
- 120二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 19:13:26
気になって戦車の最高速度調べてみたんだが、ゼネス世界記録が最高時速88.2キロのスコーピオンで、重量はクルセイダーの半分以下らしい
なんだこの逸般生徒 - 121◆VLlUGaOg9c25/05/28(水) 22:06:58
- 122◆VLlUGaOg9c25/05/29(木) 06:32:24
ナレーション
そうして凄まじいスピードで駆け抜け続けていると、間もなく、一つ目の目標が見えてくる。
運搬役であるヒフミに代わり、戦力として敵勢力と戦う役目を持つ実働班・・・小鳥遊ホシノと剣先ツルギだ。
ヒフミ「・・・見つけた!ヒフミです!2人とも、乗って下さい!」
ホシノ「うへぇっ!?ちょ、ちょっと速過ぎない?乗るから、もうちょっとゆっくり・・・」
ツルギ「行くぞ」
ホシノ「うへぇ。待ってよ、ツルギちゃん・・・」
ナレーション
気の抜けたようなやりとりをしながら、ツルギもホシノは走るクルセイダーの上に飛び乗って見せた。
90km/hの早さで駆け抜ける戦車へと、あの日常会話のようなやりとりをしながら、だ。
これだけでも、2人がキヴォトスの中でも有数の、常軌を逸したほどの実力者であることが良く分かる。
・・・そんな2人に驚きながらも、操縦桿から手を離さないヒフミも流石だ。
ヒフミ「最高速のまま目標の「最東端」まで運んでから、Uターンして次は「最西端」まで向かいます」
ホシノ「・・・え、もしかして、飛び降りろっていってる?」
ヒフミ「い、いえ、流石にそこまでは・・・ただ目標に着いたら出来るだけ早く降りてくれると助かります」
ナレーション
ちょっと引き気味のホシノの問いかけに、ヒフミは苦笑しながら答える。
流石に「飛び降りろ」とまでは言えないが、大急ぎの任務には違いがないのだ。
- 123二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 12:22:35
実際飛び降りも余裕そうではある
- 124二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 15:52:24
彼女たちだからこそできる無茶なオーダー
- 125二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 22:01:10
その気楽さが頼もしい
- 126◆VLlUGaOg9c25/05/29(木) 22:31:44
ナレーション
一方、最下層・・・「シャル・カリ・シャッリ回廊」を目指すフウカチーム。
普段は食材を運ぶための輸送トラックにカナと先生、そしてミカを乗せてフウカはハンドルを握っていた。
フウカ「大急ぎだから飛ばしていくけど、準備は良い?」
"うん、シートベルトはちゃんと締めたよ"
大丈夫だ。ミカは兎も角、今の私は飛べるな。
ミカ「私も大丈夫。仮に落ちても、幾ら速くてもトラックぐらいなら跳び乗れるしね」
ナレーション
アロナの護りがあるとはいえ基本脆い先生はしっかりとシートベルトをつけているが、他の2人は違う。
敵勢力がトラックの前に立ち塞がった時、トラックと乗員を護る役目があるから、身軽でないといけない。
なので、2人して車から身を乗り出して銃を構えていて傍から見ると大変危ない。
フウカ「分かった。じゃあ、いくよ・・・!」
キュルルルーーーっ!!(走行音)
ナレーション
だが、フウカは気にせずアクセルを踏み込んだ。大丈夫だというのなら、それを信じないフウカには理由はない。
フウカは信じていた。弟子であるカナを、何時も真っ直ぐに向き合ってくれる先生を、2人が信じるミカを信じた。
フウカは笑っていた。世界の命運が掛かっているのに、今までで1番気楽で、楽しいドライブになる気がした。
何だかんだ言って、フウカもまた自由と混沌を愛するゲヘナ生なのだ。 - 127二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 06:45:33
こっちも頼もしいな
- 128二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 14:18:09
シートベルトは大事
- 129◆VLlUGaOg9c25/05/30(金) 23:47:42
ナレーション
アトラ・シハースの箱船の奥地、箱舟の主が座するナムラ・シンの玉座にて。
少女は箱舟の中で奮闘している生徒たちの・・・懐かしい顔触れを見つめていた。
ミカ*テラー「・・・みんな、諦めが悪いんだね」
ナレーション
当然だろう。キヴォトスの危機ともなれば、誰も黙ってはいられない。
少女が居たキヴォトスもそうだった。反転し、傲慢な天使に成り下がった少女に最後の時まで抗っていた。
・・・死にたくないと、大切な誰かと生きる明日が欲しいと叫んでいた。
ミカ*テラー「でも、無駄だよ。世界が変わっても関係無い、私は全ての悪《命》を裁く《殺す》」
ナレーション
言い聞かせるように呟く少女の側に、また1人、違う少女が現われた。
黒いセーラー服のような制服を着た、白い髪に黒いヘアバンドの小さな女の子――ーその名をA.R.O.N.A。
A.R.O.N.A「サンクトゥムの顕現プロセスを確認中。凍結中のサンクトゥムを一次的に活性化」
ミカ*テラー「だから、みんな・・・」
A.R.O.N.A「――ーーこれより、演算を開始します」
ミカ*テラー「これで終わりだよ」 - 130二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 06:16:12
悲しいなぁ
- 131二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 14:26:17
あらまあ
- 132二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 21:08:35
いよいよ本格的にか
- 133◆VLlUGaOg9c25/05/31(土) 22:49:28
《ウトナピシュティムの本船 船内》
マキ(通信)「な、なにごと・・・!?残り時間が・・・・・・!」
リオ(通信)「抑制時間が急速に減っている。これ以上、抑制できないわ!」
ナレーション
ウトナピシュティムの本船の自爆シーケンスを堰き止めていた、多次元解釈の抑制機能。
それが力を失ったかのように、抑制可能時間の数字が急激に減少していく・・・・・・爆発が近づいてくる。
チヒロ「何かが抑制を邪魔してる・・・・・・敵は新しい演算手段を獲得した・・・・・・?
カナ(通信)「・・・いや、後から用意したにしては対応が早過ぎる。多分、使ってなかっただけだ」
リン「舐められたモノですね・・・!」
ナレーション
ガリッ!と下唇を噛みながら、リンは痛みを使って、相手への怒りと現状への焦りを抑えつけた。
文句を言っても仕方が無いのは分かっているが、愚痴の1つでも言いたくなるような状況だ。
リンがこんなに怒りと焦りを覚えたのは、連邦生徒会長の失踪が発覚した時以来かもしれない。
ヒマリ「――地上にサンクトゥムが顕現しています!!」
ナレーション
そんなリンたちに追い打ちを掛けるように、悪いことは重なった。
- 134二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 07:18:00
泣きっ面に蜂
- 135二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:31:48
保守
- 136二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 23:03:51
保守
- 137◆VLlUGaOg9c25/06/01(日) 23:18:29
《ミレニアム自治区郊外 廃墟》
トキ「捜索中に新しいサンクトゥムを発見しました。
今までに観測されていないものです。このままでは顕現してしまうかと、迅速な対応が必要です」
チヒロ(通信)『早速って訳ね。トキ、急いで座標をー―――」
トキ「もう送りました。私はスーパーメイドですので」
ナレーション
アユムの報告を証明するかのように、地上のトキから告げられた新たなサンクトゥムの存在。
その影響は計り知れず、チヒロは慌ててトキから送られた座標情報を確認する。場所は廃墟だ。
チヒロ(通信)『了解。それじゃあ、急いで拠点に戻ってきて』
トキ「ですが、これが敵の切札なのであれば・・・・・・すぐにでも顕現を阻止しなくては・・・・・・」
チヒロ(通信)『気持ちは分かるけど、幾ら会長のパワードスーツがあっても無茶よ。
前回の虚妄のサンクトゥム攻略戦は、どこも各学園共同での総力戦だったのは知ってるでしょ?』
ナレーション
トキの判断は正しい。ここで誰かが戦い、敵勢力を押し留めなければ時期に街へ、学園へと侵攻してくるだろう。
そうして、あちこちに敵が散らばれば討伐して回るにも一苦労。サンクトゥムの対応にまで手が回らなくなる。
・・・・・・だが、新たなサンクトゥムとともに現われた敵は膨大。チヒロの判断もまた正しい。
トキ「―――それは出来ません。ここはミレニアム自治区から離れた場所です。
一番近い部隊でも、到着まで時間を要するでしょう。私が時間を稼ぐ間・・・どうか、サンクトゥムの阻止を!」
ナレーション
そんな中、トキは自らの命よりも任務を優先した。
- 138二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 07:57:04
危ないことを…
- 139二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 12:05:46
覚悟(ガチ)と覚悟(比喩)の温度差で風邪引きそう
- 140二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:06:24
保守
- 141◆VLlUGaOg9c25/06/02(月) 22:41:22
代理モブ「あれもユスティナという過去に向き合う覚悟を示してるから、見た目は兎も角、覚悟(ガチ)なんですよ」
リオ(通信)『トキ!』
トキ「リオ様・・・?・・・ご無沙汰しております、ご無事で何よりです」
ナレーション
離れ離れになっていた主から久し振りに名を呼ばれて、トキは安堵の声を漏らす。
2人の関係性は「主従」であり、仕事の範囲でのモノだったが、だからこそメイドであるトキは主を案じていた。
リオを仕えるべき主君と認め、心の底から忠誠を捧げていたのだ。
リオ(通信)『今は私のことは良いわ、それよりも早く撤退しなさい!」
トキ「・・・リオ様のご命令でも、それは出来ません。
ここで私が撤退すればミレニアムを・・・リオ様やヒマリ部長たちが帰る場所を護れません」
リオ(通信)『トキ・・・』
ナレーション
このメイドを何と言って説得すれば良いのか、リオには分からなかった。
リオはかつて全ての罪を被ってアリスを殺そうとした。トキもそれに付合わせて巻き込んだ。
今更、自己犠牲は止めて欲しいだなんて、何より命を大切にして欲しいだなんて我儘、リオに言える訳がない。
???(通信)『じゃあ、トキちゃんと一緒に戦う傭兵はどうかな?』
ナレーション
そんな袋小路を破ったのは、聞き馴染みのある少女の声だった。
- 142二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 07:00:27
今度は誰だ?
- 143二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 14:04:17
保守
- 144二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 22:27:08
保守
- 145◆VLlUGaOg9c25/06/03(火) 22:59:35
リオ(通信)『その声はアツコ!?どうして・・・っ!?』
アツコ(通信)『やっほ、リア・・・いや、リオ会長。やっと仲間のところに帰れたんだね』
ナレーション
リオも良く知る、アリウス分派の幹部であるアツコ。
彼女は今、仲間たちとともに護るべき新たな母校トリニティを離れて廃墟の近くまで来ていた。
アツコ(通信)『売り込みだよ。私たちアリウスは武力を学区外に売って学園に貢献する方針。
こういう非常事態はトリニティとしても、アリウス分派としても、腕を売る良い機会だから』
ナレーション
戦いしか知らないが故に、戦いの腕を以て学園での地位を盤石にすること計画しているアリウス分派。
その幹部として、カナから留守を任された家族として、アツコたちは独自に動き出していたのだ。
アツコ(通信)『もちろん、トリニティで戦ってる仲間も居るけど・・・・・・他の場所でも人手は必要でしょ?
だから、買って欲しいの。そして依頼して欲しい。トキと一緒にミレニアムを護れ。って』
リオ(通信)『そんなの・・・』
ナレーション
たかがお金で信頼出来る仲間の力を借りられるなんて、トキの命を救えるなんて、リオにとって願ってもない話。
なのだが、今のリオが動かせる金額は少ない。いや、1個人としては発明関係で結構金持ちなのだが、
横領で多大な負債を勝手に出した今の自分にミレニアムの予算を動かして良い道理は無い。と、リオは思っている。
アツコたちを高く買っているからこそ、即決で支払うとは言えなかった。のだが・・・・・・
ユウカ(通信)『買った!言い値で支払うわ!全部終ったら好きなだけ請求してちょうだい!』
- 146二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 06:31:17
スクワッドじゃないか
頼もしいな - 147二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 14:56:56
ユウカ…!
- 148◆VLlUGaOg9c25/06/04(水) 22:05:42
ナレーション
セミナーの会計として、普段は財布の紐が堅いユウカであるが、本当に大事な時には出費を惜しまない。
それにユウカは学友・・・それも後輩には特に甘い。後輩の為となると、特に財布の紐が緩くなる。
トキの命を救うためなら、お金なんて惜しむ理由がなかった。
アツコ(通信)『契約成立。これから私たち、アリウススクワッドは防衛戦に入る。いいよね?カナ』
カナ(通信)『ああ!アリウス分派ホスト、神子柴カナが承認する!トキを頼んだ!』
ナレーション
自ら担ぎ上げた女王様に赦しを貰い、アツコは嬉しそうに笑いながら通信機を仕舞った。
もう七面倒な契約の話はお終い。ここからは何時も通り、アリウス分派の十八番・・・・・・暴力の時間だ。
サオリ(通信)『トキ、聞こえるか?アリウススクワッドの錠前サオリだ』
トキ「聞こえていますよ。それで、救援は何時来ますか?
サオリ(通信)『そうだな。一分・・・いや、30秒だ。後30秒持たせてくれ。そうすれば、後は私たちがやる』
ナレーション
トキは眼前の軍勢を見つめながら、あの数相手に凄い自信だと内心驚きながらも静かに了承を返した。
殲滅となると流石に難しいが、たった30秒なら、どうとでもなる。それだけの性能が、アビ・エシェフにはある。
主の技術力への信頼があるからこそ、トキは気楽な気持ちで武器を構えられた。
トキ「そういう訳ですので、こちらの心配はもう不要です。
スーパーメイドのトキちゃんとスクワッドの皆さんで華麗に戦果を上げて見せましょう」
- 149二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 05:51:00
やったぜ
- 150二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 12:30:07
ちゃんとスクワッドとして活躍できるの嬉しい
本編だとなんだかんだでバラけちゃうから - 151二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 21:57:22
保守
- 152◆VLlUGaOg9c25/06/05(木) 22:17:59
《アトラ・シハースの箱舟》
キュラララ――ッ!キキ――っ!!(装甲するクルセイダーが急停止する音)
ヒフミ「お二人とも、到着しました!後は宜しくお願いします!」
ホシノ「はいはーい!おじさんに任せてよ。ヒフミちゃんの為にちょーっと頑張っちゃう」
ナレーション
一方、アトラ・シハースの内部では、ようやくヒフミが第1の目的地。最東端のセクションへと辿り着いた。
と、同時にホシノとツルギはまだ速度の残っているクルセイダーからぴょんと飛び降りて、
こっちはもう大丈夫だよ。とでも言うように、ホシノはヒラヒラと手を振って見せた。
ホシノ「速かったねぇ。これなら、もうちょっとゆっくりする余裕ぐらい・・・・・・なかったね」
ツルギ「みたいだな」
ナレーション
かとおもえば、2人はいきなり踵を返して、最西端を目指して走り始めたクルセイダーの後を追う。
ヒフミ「やば・・・っ!」
キュラララ―――ッ!(走行音)
ナレーション
《眼前に現われた、見覚えのある黒い靄(もや)》を躱すため、クルセイダーは急転換を余儀なくされた。
- 153二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 06:34:17
お、落ち着けねぇ…!
- 154二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 12:21:28
クルセイダーちゃんもうちょっと頑張って
- 155二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 20:13:09
クルセイダーちゃん死にそう
- 156◆VLlUGaOg9c25/06/06(金) 23:50:25
ナレーション
急な方向転換により、靄を相手に無防備な側面を晒してしまったクルセイダー。
その腸を抉るべく、靄から細い腕が伸びていく・・・
ホシノ「それはさせられない・・・ねぇっ!?」
ズドォンッ!(打撃音)
ナレーション
が、上空から押し潰すホシノのシールドに弾かれ、細腕は獲物を取り逃す。
・・・しかし、細腕の主・・・ミカ*テラーは間違いなく怪物であった。
ホシノ「うぇっ!?」
ナレーション
全体重と筋力を掛けたホシノ渾身のシールドバッシュを、ミカ*テラーは片腕の力だけで弾き上げる。
ズガンッ!ズガンッ!(銃撃音)
ツルギ「・・・っ!」
ミカ*テラー「もう、ツルギちゃん容赦無さ過ぎない?」
ナレーション
ホシノを弾き上げたことで、片腕が大きく上がったミカ*テラーの隙を狙うべくツルギは愛銃を放つ。
それに対してミカ*テラーは防御すらせずに、ただもう片方の手で銃口を掴み上げた。
ミカ*テラー「それじゃあ、こっちも・・・えい☆」
ドゴォォォンッ!(衝撃音)
ナレーション
可愛らしい掛け声ともに、ミカ*テラーの黒翼の内2枚がツルギを殴り飛ばした。
- 157二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 07:44:21
ギャップが凄い…
- 158二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 13:03:30
パワーがすんごい
- 159二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 20:25:30
羽で手数が増えてるの厄介だな
- 160二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 22:42:33
ミカ*テラー戦い慣れてるなぁ…
- 161◆VLlUGaOg9c25/06/07(土) 23:05:17
ヒフミ「ツルギ先輩!」
ツルギ「平気だ!行け!」
ナレーション
短いやりとりだが、当人同士は相手の意思を理解した。
「ここは私たちが何とかする。お前は自分の仕事を全うしろ」と、ツルギは伝えたのだ。
ヒフミ「・・・っ!はい!」
ナレーション
この戦場で繰り広げられた戦闘。それは未だ恥じまったばかりだが、それでもヒフミは思い知った。
このクルセイダーでは・・・・・・自分では、戦いに加わることは出来ない。相手にもされない、ただ邪魔なだけだと。
分かってしまったから、ヒフミは悔しさに唇を噛みながら、操縦桿を強く握った。
ミカ*テラー「させないよ!」
ナレーション
ミカ*テラーは手を翳して、召喚した黒い靄から隕石を発射した。
かの星は光の尾を引く流星となって、横向きに一閃を描きながら、文字通り「星光」の速さで加速する。
幾らキヴォトス人とはいえ、音速の銃弾でさえ容易には躱せない。
それより速い光速を前にして、流石のヒフミも対応が・・・いや、認識が間に合わない。
ドゴォォォンッ!(衝撃音)
ナレーション
轟音。星の衝突が齎した凄まじい破壊力は、そのまま衝撃波となって周囲の空間を揺らしす。
上がった土煙を一瞥すると、ミカ*テラーは「仕事は終った」とばかりに視線を外した。
- 162◆VLlUGaOg9c25/06/07(土) 23:13:27
- 163二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 00:26:04
物凄く今更なんだけど、ツルギは選抜メンバー外だったよね?
- 164二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 01:04:05
あとついでに、ヒマリも地上に居残り組だったよね?
- 165二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 07:18:06
時空が歪んでいる…
- 166二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 16:31:13
保守
- 167◆VLlUGaOg9c25/06/08(日) 22:04:04
- 168二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 06:18:21
どうぞ
- 169二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 13:16:17
あれ?と思ったけどスルーしてたわ
スレ主の思うままにしてもらえれば - 170二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 21:10:20
まぁなんとかなる
- 171◆VLlUGaOg9c25/06/09(月) 22:03:16
代理モブ「一応、もうこんなミスがないように前スレを確認して、作戦参加メンバ-を確認してきました。
以下、みなさんも参考にご覧下さい」
船員
ミレニアムサイエンススクール 天童アリス、ケイ、美甘ネル。
レッドウィンター連邦学園 天見ノドカ。
そして、ゲヘナ学園 空崎ヒナ
アビドス高校 小鳥遊ホシノ。
トリニティ総合学園 神子柴カナ、聖園ミカ、仲正イチカ」
船員(オペレーター)
ミレニアムサイエンススクール 早瀬ユウカ、生塩ノア。
トリニティ総合学園 浦和ハナコ。
百鬼夜行連合 桐生キキョウ。
アビドス高校 奥空アヤネ。
ゲヘナ学園 天雨アコ、鬼方カヨコ。
連邦生徒会 七神リン、岩櫃アユム、由良木モモカ
地上組
ミレニアムサイエンススクール ヴェリタス 明星ヒマリ、各務チヒロ、音瀨コタマ、小鈎ハレ、小塗マキ。
トリニティ総合学園 アリウス分派 月雪リア」 - 172二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 06:44:50
保守
- 173◆VLlUGaOg9c25/06/10(火) 06:48:58
代理モブ「アトラ・シハースに居たツルギはイチカだったことにしますね」
ナレーション
ホシノが生み出した僅か数歩分の好機。ヒフミもイチカも、その僅かを見逃さなかった。
イチカ「私たちと地獄に行くっすよ!」
ズダダッ!(銃撃音)
ナレーション
銃の性能か?使い手の神秘の差か?イチカのライフルの銃撃は翼に阻まれてミカ*テラーの身体へ届かない。
だが、そんなことはイチカも分かっている。傷つけられなくて良い、攻撃にならなくても良いのだ。
ただ弾幕で視界さえ塞げれば、邪魔さえ出来れば・・・
キュラララーーーッ(走行音)
ホシノ「ありがとねぇ、イチカちゃん」
ナレーション
・・・ヒフミに走り去るだけの余裕が出来る。ホシノも体勢を立て直せる。
実力が足りないなら、足り無いなりの戦い方をすれば良い。イチカにはそれが良く分かっていた。
- 174二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 10:04:34
世界線が修正された
頑張れイチカ - 175二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 15:13:16
依然ピンチ
まぁ当然だが
戦力ほしい… - 176◆VLlUGaOg9c25/06/10(火) 22:39:02
ブォォン(風圧)
ナレーション
イチカの銃撃に対して、ミカ*テラーは自身の翼を大きく羽ばたかせた。
・・・そう羽ばたいた。隕石を飛ばした訳でも、翼で直接殴ったわけでも無い。
イチカ「これ、マジっすか・・・!」
ナレーション
遠くから翼を動かしただけ。たったそれだけ。たったそれだけで、イチカは突風を前に構えなければならなかった。
名誉の為に言っておくが、イチカは決して弱くない。寧ろ、正義実現委員会でも屈指の実力者と言って良い。
ただ、ミカ*テラーが強かった。強すぎた。人の身で抗うには、余りにも強大過ぎた。
ズガンッ!ズガンッ!(銃撃音) ガンッ!ガンッ!(打撃音)
ホシノ「おじさん、無視されちゃうと悲しいなぁ・・・」
ミカ*テラー「あはは!前から思ってたけど、演技下手くそだからやめたら?」
ナレーション
ホシノが放った散弾が広がりきる前にミカ*テラーの拳が弾き飛ばす。
その最中も羽ばたきは行われたが、ホシノの攻撃を認識して迎撃に移るまでの刹那、0.1秒以下の時間、
ほんの僅かに思考に意識を割いた隙とも呼べないような小さな緩み。それを見逃さない者が居た。
ズガァンッ!(銃撃音)
ナレーション
認識外からの長距離狙撃。ミカ*テラーの頭に突き刺さった弾丸は、彼女の脳を僅かに揺らす。
気がついた時にはホシノの対応に身体が動いており、弾丸を避ける術は既に無かった。
- 177二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 06:38:23
どっちもやるなぁ
- 178二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 15:03:55
保守
- 179二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 22:03:37
勝てるビジョンが見えねぇ…
- 180◆VLlUGaOg9c25/06/11(水) 22:55:35
ナレーション
アトラ・シハースの箱舟の中でも、最東端のミカ*テラーたちからは遠く離れた中心部。
そこではノドカに観測手を任せながら、慣れた手つきで狙撃砲のカートリッジを入れ替えていた。
ノドカ「・・・やった、ヘッドショット!これで少しは堪えて・・・・・・無いっ!?今、こっち睨んできましたよ!」
ケイ「五月蠅いです、観測に集中して下さい」
ノドカ「うぇっ!?酷くないですか!?」
ナレーション
試作荷電粒子式狙撃砲「リアガード」。1度はケイの為に作られながら、制作者の手で倉庫に送られ、
その後、「アリウス家庭科実習前防衛戦」においてルリによって使用された異色の経歴を持つ銃。
カナの「選ぶ楽しみの話をするなら、リアガードを選ぶ自由があってもいいのでは?」という鶴の一声によって、
ようやく存在を知ったケイに気に入られ、その手に渡った1丁である。
ケイ「約0.5秒、頭が揺れました。全く通じてない訳ではありません。
私たちだけで戦っているわけでは無いのです。一瞬、隙を作るだけでも大きな意味があります」
ナレーション
あくまでも冷静に、眉間の皺1つ動かさずにケイはスコープを覗き込む。
相手・・・ミカ*テラーは頭を揺らされたというのに平気そうな顔をして戦っているが、それでいい。
誰かが自分を狙っている。ということを意識させられれば、否が応でも警戒を振り撒かなければならなくなる。
それだけで、ミカ*テラーが持つ脳の、身体の、時間のリソースを永続的に削れるのだ。
ケイ「まぁ、大丈夫ですよ。勇者だって、パーティーを組んで戦うんですから」
ナレーション
自らが仕える少女と仲間たちを想いながら、ケイは再び引き金を引いた。
- 181二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 00:46:56
SRの形をしたレールガン?でいいのかな?
- 182二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 07:23:19
頼もしいな
- 183二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 14:31:11
うわケイちゃんつおい
- 184二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 21:30:34
これでどれぐらい押しとどめられるかなぁ
- 185◆VLlUGaOg9c25/06/12(木) 21:57:13
代理モブ「ですね。対物ライフル・・・・・・カリンやマシロの武器をもっと近未来的にしたのを想像して頂ければ」
ズガンッ!ズガンッ!(銃撃音) ガンッ!ガンッ!(打撃音)
ミカ*テラー「・・・・」
ナレーション
翼でイチカを牽制しながら、ホシノの銃撃を拳では弾きつつミカ*テラーは思考する。
勝とうと思えば・・・多分、勝てる。鬱陶しい狙撃してるヤツも大体の位置は掴んだから、対処も出来なくは無い。
けれど、ミカ*テラーの敵は目の前に居る相手だけじゃない。今ここで勝ちを拾えれば、それでいい。ではない。
ミカ*テラー「・・・やーめた」
ホシノ「なにが・・・!?」
ドゴォォォンッ!(衝撃音)
ナレーション
戦場に似つかわしくない軽い言葉と、技術もへったくれもない、しかし堂に入った喧嘩殺法のヤクザキック。
襲ってきた衝撃を前にしてホシノは盾を構える。身に染みついた動作、本能が身体を動かす。
―それが間違いだった。盾を構えたことで、防御に回ったことで、ホシノは自身の視界を塞いでしまった。
イチカ「やば、逃げられるっす!」
ナレーション
イチカは気が付いたが、それだけだ。1人でミカ*テラーを押しとどめるには、実力が数段足りない。
自身の背後に作った靄へと、蹴りの反動で飛び込んでいく敵を視界に捉えながら、イチカは何も出来ない。
ミカ*テラー「バイバーイ☆」
- 186◆VLlUGaOg9c25/06/12(木) 22:01:26
- 187二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 06:49:18
足止めは無理だったか
- 188二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 10:53:00
喧嘩が上手いなぁ
うまくなっちゃったのかなぁ - 189二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 15:36:37
かなしい…
- 190二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 22:34:12
保守
- 191◆VLlUGaOg9c25/06/14(土) 00:07:27
- 192二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 09:01:34
それはそう
- 193二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 17:21:17
保守
- 194◆VLlUGaOg9c25/06/14(土) 23:28:20
代理モブ「そそそろ200が近いので、次は新スレを立てます。なんで、このスレは好きに使ってしまっていいですよ」
ズダダッ!ズダダッ!(銃撃音)
無名の守護者type.M「・・・・」
ネル「あぁっ!もうまたかよ!鬱陶しいな、コイツ等!」
ナレーション
一方、ホシノたちが到着した最東端の逆側、アトラ・シハースの最西端を目指すチームは敵の対処に追われていた。
恐らく、最東端にミカ*テラーが出張った分、雑兵をこちらに向かわせたのだろう。
ネル・アリス・ヒナという即席ながら実力あるチームでなければ、とうの昔に敵の山に埋もれていただろう。
倒しても倒しても、後からまた次の敵が現われる圧倒的な数の差を前にして、進軍は遅々として進んでいなかった。
アリス「ネル先輩!退いて下さい!――光よ!!」
ズガァーーーンッ!!(砲撃音)
ナレーション
時折、こうしてチャージを済ませたアリスが光の剣をぶっ放したり、ヒナが愛銃をぶっ放す。
そうすると少しの間だけ、敵の居ない空間が出来上がるので、囲まれる前に思いっ切り走って突っ切るのだ。
無名の守護者type.B「・・・・・・」
ナレーション
しかし、その内にまた敵が現われて、あっという間に足の踏み場も無くなってしまう。
それでも強引に進むことは出来なくは無いが、侵攻速度が落ちるのは止められない。
1分1秒を争うこの状況で、数の暴力という壁が少女たちに立ち塞がっていた。
- 195二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 01:42:03
次スレ待機
- 196二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 10:31:09
無限湧きってほんと嫌
- 197二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 17:43:42
待機保守
- 198◆VLlUGaOg9c25/06/15(日) 20:39:20
- 199二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 06:05:37
たておつ
うめ - 200二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 10:44:33
乙