正実の姉御 瀬田レイン Part5

トリニティ総合学園2年、正義実現委員会所属。
お久しぶりの瀬田レインだ。
今はエデン条約の調印式前、アリウスを引き入れた容疑者である聖園ミカを勾留した所だ。
まあ、これでお終いめでたしめでたし……とはならねーんだろうけどな。

正実の姉御 瀬田レイン part4｜あにまん掲示板正義実現委員会所属、トリニティ総合学園2年生の瀬田レインだ。まさかウチのトップがここまでの伏魔殿だったなんて、思いもしなかったな。ゲヘナの万魔殿といい勝負じゃねーか？bbs.animanch.com

ちと前だが、前スレはここな。

いわゆるステータスはこんな所だな。
戦闘 103
事務 70
医療 48+30(野戦医療キット)
神秘 38
倫理 31
慈悲 91
学力 100

生きワレぇ！？
個人的に落ちて残念に思ってたから復活は嬉しい

おっと、パーソナルデータを忘れるところだった。
身長 136
髪の長さ 15
髪 ピンク
肌 褐色
B 貧
W 普
H 普
目の色 赤
固有武器 L108A1(ミニミ軽機関銃)

好感度は一覧にするならこんな感じだな。
ツルギ 98
ハスミ 52
イチカ 85
マシロ 42
コハル 35
モブs 85
ナギサ 82
ミカ 24

ゲヘナ嫌い度 65

さて、聖園ミカも座敷牢に放り込んだ。
どうせならついでだ、様子も見ていくとするかね。

よう、斧山ツミキ。お仲間共々元気してるか？
「……お陰様でな。」
そいつは良かった。一にも二にも、元気じゃなけりゃ何にもできねーからな。
「ふん……」

傷の具合はどうだい？まだ包帯は取れねーか？
「……問題ない。ほぼ治りかけていた傷ばかりだ。貴様に打ち据えられた傷のほうがよほど堪える。」
ははは、違いねぇ！こりゃ一本取られたな！
「笑い事じゃないんだぞ、こっちは……」

そういえば、前から聞こうと思ってたんだが。まだむってのは誰だ？先生の亜種みてーなもんか？
「……先生というのが誰を指すのかは知らないが、マダム我々アリウス分校の生徒会長だ。」
んん……？マダムって呼ばれるトシなのに生徒会長やってんのか？
「……そうだ。詳しいことは知らないが、アリウスの内戦を終わらせた大人だ。」
なんつーか……痛々しいっつーか、聞くだけで哀れみすら覚えるっつーか……なんだ、ヒーロー症候群でも患ったか？
「や、やめろ！聞かれたらどうする！？」
聞かれねーよ。ここどこだと思ってんだ、ウチら正義実現委員会のお膝元だぞ？

にしても、マダムって奴はアリウスの指導者になってんのか。

ふーむ……さてはそいつが黒幕か？にしても足掛かりをどうするか……あいつだけじゃちと心許ないしな……

ツミキの懐柔度

dice1d100=48 (48)

「……なあ、貴様……」
瀬田レインだ。前にも自己紹介したろ？あと貴様はやめろ、せめてお前とかあんたとか色々あんだろ。
「ぐ……瀬田レイン。お前に聞きたいことがある。」
何だ？アタシに答えられる事なら答えるぜ。

「……本当に、我々のことを家族だと思っているのか？」

おうよ。アタシに言わせりゃ、トリニティ皆家族だ。派閥の垣根なんざアホらしいことこの上ないね。

「我々は……トリニティ足り得るか？」

お前らにその気があんならな。できる限りのサポートはするぜ。それこそ、今は救護騎士団に頼んでるがメシなり何なりな。

「……アリウスとトリニティは、手を取り合えると思うか？」

ハ。ひとついいことを教えてやるよ、斧山ツミキ。
世の中、有り得ないなんてことは有り得ない。
人間、できると思えば意外とできちまうもんなのさ。

「そうか……そうか。では最後の質問だ。」

「我々は、間違っていたのか？」

無知が罪であるというなら、確かに間違えたんだろうよ。
けどな。間違えたならやり直しゃいいのさ。何回だって何度だって、気が済むまで。
知識とか知恵ってのは、増えることこそあれど減ることは無い。
ハッピーエンドを手繰り寄せるまで、強くてニューゲームを繰り返せばいい。生きてる限りその権利はあるんだからな。

「……そうか。」
おうよ。ま、好きなだけ悩みな。それも今を生きてる奴の特権だ。
「年寄りくさいぞ。」
うるせぇ。
んじゃな、また来るぜ。

うーす、戻りました。肩肘張ってたせいで気疲れすんな……
「おかえりっす、レイン。大丈夫っすか？」
んー、多分な。でもイチカが甘やかしてくれたらもっと大丈夫になる気がする。
「もー……素直に言えばいいんすよ。」
イチカ、ハグしよーぜ。
「いいっすよ？」

……はふ……やっぱ好きだな、イチカ。
「私もレインのことは好きっすよー。」
その好きは友愛だろー？アタシは恋愛で好きなんだよー。

……あ、そう言やあの古代語の本……そろそろ翻訳できた頃か？

「ああ、古関委員長に依頼してたあれっすね。聞いてみるっすか？」

んー……コイントスで決めっか。

dice1d2=1 (1)

1.もうしばらくイチャイチャ

2.先生進捗どうですか

ま、もうしばらくこうしててもバチは当たんねーだろ。

「全くもう……仕方ないっすねぇ。」

好きな人と一緒にいたい、ってのは至極当たり前の感情じゃね？

ついでに言えば、キスなり何なり出来りゃ最高だね。

「ふーん……レインはそんなにキスしたいんすか？」

そりゃな。イチカの唇を独り占めなんて、この世のどんな勲章より価値あると思うぜ？

??? dice1d100=48 (48)

「それなら、エデン条約が上手くいって落ち着いたらキスしてあげるっすよ。」
言ったな？女に二言はねーかんな？
にひひ、俄然やる気が出てきた……！
「ゲンキンっすね、もう……悪い気はしないっすけど。」

ま、今はこの時間を堪能するかな。
イチカ、ぎゅーってしようぜ。
「はいはい。レインはちっちゃいから、ぬいぐるみみたいで抱き心地中々いいんすよね……」
アタシはテディベアか。まあ、イチカ専用なら考えてやらねーでもねーけど。
「にひひ、じゃあ末長くよろしくっす。」

「相変わらずお熱いですね、イチカ、レイン。」
「……程々に、な。」
分かってますよ。お疲れ様ですツルギ先輩、ハスミ先輩。
「……我々は然程疲れるようなことはしていないがな。アリウスに関しての情報は手に入ったか？」
いえ、それはまだ。
ですがそろそろ本の解読も終わるかと思うんで、タイミングみつけて古書館まで聞きに行きます。
「そうですか、分かりました。こちらでも引き続き調査を継続しましょう。」

ふぅ……よし、イチカニウム補充完了。
古書館行こうぜ。
「何すかその謎物質！？」

ちわーす。先生進捗どうですか、なんつって。
「へぇあぁ！？あ……ど、どうも……翻訳は、ほとんど完了してます……」
お、そりゃいい。軽く確認させていただいても？
「はあ……どうぞ……？」
どれどれ、ちゅうちゅうたこかいな……と。

…………………………な、る、ほ、ど。なるほどなるほど……
「何か分かったっすか？」
イチカ、シスターフッド行くぞ。あそこの方が詳しい資料が残ってそうだ。
「ちょ、ちょっとレイン！？何があったのか説明してくれないっすか！？」
行く道すがら話すよ。
瀬田班に通達、こちら班長の瀬田レイン。手空きの者は大聖堂前に集合せよ。

ありがとうございました、古関図書委員長。また何かあったら頼らせてもらいます。
「ああ……はい、どうも……」

「で、何があったんすか？」
あの本、やっぱユスティナ聖徒会メンバーの日記だったみてーでな。
アリウスがどれだけ迫害されてたかが微に入り細を穿つように書いてあった。
「迫害……」
アリウス派の奴を見つけたら無条件に撃っていい、なんてのは序の口だな。言えねぇような事も当時のトリニティはやってたらしい。
けど妙でな。シスターフッドの前身であるユスティナ聖徒会は、どうやらアリウス派の逃亡を手引きしたらしい。
詳しいところは書いてなかったから、今からそれを調査って訳だ。
「そういう事だったんすね……」

……よし。瀬田班、揃ってるな。

まあ無駄にものものしくなっちまったが、今からやるのはシスターフッドに捜査協力を仰ぐってだけだ。ゲヘナのチンピラとやり合うって訳でもねーしな、肩の力抜いとけよー。

とはいえ、エデン条約の調印式までもう時間が無い。多少荒っぽくなる可能性だけは考えとけよ。

「了解。」

「了解です。」

「分かりました。」

あと、イチカは念の為大聖堂の入口を見張っといてくれ。何も無いとは思うが……ま、念には念を入れてな。

「了解っす。」

失礼します！正義実現委員会、瀬田レインです！百合園セイア様の事件について、ご協力を賜りたく！歌住サクラコ様はいらっしゃいますか！

シスターフッドの雰囲気

dice1d100=77 (77)

1ほど剣呑

「はい……？よく分かりませんが、サクラコ様でしたら、あちらに……ああ、ちょうど良かった。」
「シスターフッドへようこそ、瀬田レインさん。我々に『お手伝い』出来ることがあれば、何なりと。可能な限り、協力はさせていただきますよ。」
ありがとうございます、サクラコ様。本来は色々と手続きが必要なんでしょうが、生憎とその時間も余りありませんので手短に。
ユスティナ聖徒会時代の記録、資料、その他ありとあらゆる物をお見せ頂きたく。
「ユスティナ聖徒会……ですか。」

「私達も全てを把握しきれているわけではありませんが、恐らくこの部屋にある物が大半かと。他になにかご入り用はありますか？」

いえ、ご協力感謝いたします。暫く引っ掻き回しますのでなにぶんご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

……行ったな。よし、それじゃあ作業開始だ！キーワードは『アリウス』！それらしい記述があったらアタシに見せろ！いいな！

作業進捗

dice1d100=63 (63)

合計100で目的の資料を発見、ダイスの出目が1〜5で追加の何かが……？

「先輩、これはどうですか？」

ん、どれどれ。

……いや、これは違うな。AriusじゃなくてAstrum、星だ。恐らくはどこかのステンドグラスの発注書だろうな。

「先輩、こっちはどうですか！」

ん……これも違うな。こっちはArma、武器だ。まあ、何が書いてあるかは知らない方がいいぞ。

他には……くそ、手荒にガチャガチャやる訳に行かねーから余計神経使う……！

dice1d100=74 (74) +63

これは……違う、なにかのレシピだ。これ……も違う、銀食器の発注書……

これは……A、R、I、U、S……あった！

中身は何だ……？

dice1d4=4 (4)

1.アリウス派の生徒をカタコンベを通じて逃がした事が書かれた日記

2.+カタコンベの地図

3.+当時のアリウス派首長とユスティナ聖徒会長の個人的な手紙

4.+当時のティーパーティーが遺した懺悔の手紙

おいおい……おいおいおいおい……
思ってた数十倍はヤベー物出てきたぞ……
「先輩、なにか見つかりました？」
ストップ！止まれ！
「わひゃいっ！？」
こんなもん考え無しにバラまいたら、文字通りトリニティがひっくり返るぞ……

捜査中断！瀬田班は各分派の首長を呼びにいけ！聖園ミカに関してはハスミ先輩かツルギ先輩に言って同行してもらえ！
それと、本件に関する一切の他言を禁ずる！いいな！
『了解！』
「ちょっ、何があったっすか！？1年の子達がばたばた飛び出してったっすよ！？」
イチカ……ちょっと、クリティカルどころの騒ぎじゃねーブツが見つかってな。下手に使うとトリニティが崩壊しかねない代物だ。だからさすがに、各分派のトップに意見を仰ぎたくてな。

念の為コピー取っておくか。悪いイチカ、誰か来たらアタシは資料のコピー取ってるって伝えといてくれ！

……『我々は知るのが遅すぎた。本当の悪魔とはゲヘナなどではなく、巨大に膨れ上がった時の民意であったのだと』か……身につまされる話だな。

よし、コピー終わり。

「レインさん！一体何事ですか、次から次へと！」
「ナギサ様、落ち着いてください。我々救護騎士団やシスターフッドにも関係のある事柄のようですから、恐らくはトリニティ全体に関連するものかと。」

申し訳ございません、なにぶん緊急事態ですので。
皆さんお待たせ致しました、資料を配布いたします。これは先程、シスターフッドの資料室にて我々が発見したものになります。

「これは……トリニティ成立時のティーパーティーの署名でしょうか？」
「懺悔とは、いったい……？」

結論から申し上げます。百合園セイア様襲撃事件、及び瀬田レイン襲撃事件の実行犯は、トリニティ成立時に迫害されていたアリウス派であり、そして現在のアリウス派もまた被害者である可能性が高いです。

「……はい？」
「……レイン、どういう事だ。」
「せ、説明を！説明を要求します！」
「そうだよ、何言ってるか分かんないよ！？」

勿論です。まず百合園セイア様襲撃事件に関しては、ほぼ狂言のようなものに近いと申し上げて差し支えないでしょう。
セイア様を殺.害するよう命令を受けた実行犯ですが、襲撃実行時にセイア様本人へリーク。セイア様と共謀し、計画の首謀者へ偽情報を流しました。これは本人から証言を得ているため間違いありません。セイア様が隠遁されたのも、恐らくその際に使われた兵器の影響と思われます。
「兵器、ですか。」
はい。聞いたところによると、それは『ヘイローを破壊する爆弾』との事です。
「なっ……！？」
「そんな……そんな事が……！」
そういった代物ですので、多少なりとも影響はあったのでしょう。おそらく今は救護騎士団、蒼森ミネ団長がお傍に着いておられるはずです。今回鷲見セリナさんに来ていただいたのはそれが理由です。
「そうだったんですか……」

ああそうそう、ちなみに申し上げておきますが。アリウス派の最終目的はあんたの排除だそうですよ、桐藤ナギサ。
正義実現委員会としても見回りの回数を増やしますが、暫くは警護の人数を増やしたほうがいいかもしれませんね。

それとこちらも、ユスティナ聖徒会がアリウス派の逃亡を手助けする時に使ったカタコンベの構造図です。まださらっと流し見した程度ですが、恐らくトリニティ中の聖堂と繋がってます。
後ほど襲撃に使われる可能性のあるものを選別して防衛ラインの構築も行いますが、アリウス派の本命はエデン条約の調印式と思われます。そのためゲヘナ学園風紀委員会とも連携の上、警備の増強を具申致します。
「……了解した。私から空崎ヒナに連絡しておく。」

シスターフッドは救護騎士団と連携し、アリウス派生徒のケア体制の強化を。今の所はアタシが取り押さえたメンツだけですが、これから増えるって可能性も十分考えられますんで。
「承知しました。誠心誠意寄り添いましょう。」
「分かりました……！」

最後に、これが一番やばい代物です。先程桐藤ナギサ……様が言った通り、トリニティ成立時のティーパーティーが遺した懺悔の手紙です。
ああいえ、手紙と言うよりは日記や手記に近いものでしょうか。
内容を簡単に要約しますと……

『アリウス派迫害は私達ティーパーティーの思うところではなかった』
『トリニティ(三位一体)とはなれずとも、友として歩んでいきたかった』
『我々は膨れ上がった民意こそが本当の悪魔であると知った』
『我々が赦される道理はないが、何時かトリニティとアリウスが手を取り合えるようになることを願う』

……って所ですね。
これが下手に世に出れば、トリニティは崩壊しかねません。他ならぬアリウス派の……いえ、アリウス派を操る『マダム』なる者の手によって。
「……マダム？何者だ、それは。」
詳しくはアタシも。ただ関係者によると、アリウスで長年続いた内戦を終わらせ、アリウス分校の生徒会長の座に着いた大人だとか。
「大人なのに生徒会長、ですか？」
「うぅん、何となく奇妙な感じがします……」

……Vanitas Vanitatum et omnia Vanitas。空の空、一切は虚無なり。あるいはなんという空しさ、すべては空しい……
「レインさん……？」
アリウス派の生徒がよく口にしていた言葉です。これは確かシスターフッドの前身……ユスティナ聖徒会の聖典のひとつにありましたよね。『人生は虚無であり世界は不条理であるのだから、人間は世界に執着しすぎず、逃避しすぎず、慎ましやかに日々を過ごすべきである』くらいの意味合いだったとアタシは記憶してます。
「ええ、その通りです。コーレヘトの言葉ですね。」

アリウス派はこれを柱としていたんでしょう。でもこの一文だけだと意味が歪んでしまう。これじゃただの拒絶だ。
このアリウス派の教義を歪ませたのも、その『マダム』とやらじゃないかとアタシは考えてます。全てに絶望し、厭世的な無気力の集団。そういう奴らの方が、使う側としては御しやすいでしょうしね。

「……何にせよ、もうエデン条約の調印式まで日がありません。皆さん、より一層の警戒と準備をお願いします。」
「……分かった。」
「承知しました。」
「わ、分かりました……！」

「……レイン、イチカ。防衛ラインを策定する、手伝え。」
了解です。
「はいっす！」
とは言え、アタシが出来るのなんてカタコンベのマップを読むくらいだけどな……

「……それで、レイン。アリウス派が襲撃をかけるなら、どこを使うと思う。」
そうですね……アタシが『マダム』とやらなら、こことここですね。
「……第一回公会議の古聖堂、それにトリニティ大聖堂か。」
「エデン条約調印式の会場じゃないっすか！？」
事実、そこに繋がるカタコンベがあるからな。最短で襲撃かけるならここだ。
トリニティ大聖堂にもカタコンベ入口がある。こっちに別働隊を送り込む可能性も十分にあるだろうよ。
「……そうだな。私も同意見だ。編成はどうする？」
ツルギ先輩、ハスミ先輩は調印式に出席しますからね。現場の正義実現委員会はアタシが指揮します。イチカはトリニティ側の司令塔として万が一に備えてもらうのがいいかと。

そんな風にエデン条約の調印式に向けて準備し、やれるだけの事はやった。
各所との連携体制も整え、ゲヘナ風紀委員会とも協働できるようにいくつものプランを練った。
それでも、圧倒的な破壊の前には……アタシ達は無力だった。

怪我 dice1d50=33 (33) +50

混乱 dice1d70=24 (24) +30

伏せろ、と。そう叫ぶのが精一杯だった。

次の瞬間アタシの身体は宙を舞っていて、そして意識が途切れた。

目を覚ましてまず感じたのは、腹部の熱だ。焼けた鉄の棒をねじ込まれているような熱感があり、視線を下ろせば……腹から棒が生えている。いや、棒というのは正確じゃない。旗竿だ。旗本体はちぎれ飛んでいたから、ゲヘナのものか、トリニティのものか。それすらも分からない。

ただ分かるのは、それがアタシの血で真っ赤に染まっているという事だ。

そのうちに、ぬるりとした液体が顔に流れてきた。どうやら額かどこかを切ったらしい。まあ、土手っ腹に穴があくのに比べれば軽傷も軽傷だが。

クソ、たれがァ……！

「先輩、レイン先ぱ……」

「そんな……先輩！すぐに抜きますから！」

触るな！今抜いたら、血が吹き出して……出血性ショックを起こす！

調印式に出席してた、お偉方は！

「分かりません、何が何だか……！」

だったらアタシよりそっち優先だろうが！っ、クソ……血が足りてねぇ……！

dice1d4=2 (2)

1.ツルギ・ハスミ・先生を発見

2.空崎ヒナを発見

3.桐藤ナギサを発見

4.アリウススクワッドに発見される

「……貴女……！」

どうも、ゲヘナ1のクールビューティーさん……

悪ぃんだけど、愛銃もどっかにぶっ飛んで杖にも困る有様でね……ちょっと頼っても……？

「ええ、私でよければ。それは触らない方がいいわね？」

そうですね、今も痛みで意識が飛びそうなんで……失血で気絶するのとどっちが早いですかね……

dice1d2=2 (2)

1.ミメシス顕現

2.先生と合流

っ、と……バカ言ってる場合でも無さそうだ。お出まし、お出まし……ってか。
「え、えへへ……こんにちは、空崎ヒナさん、瀬田レインさん。貴方達を先に行かせるな、と言われてるので……」
「……そこをどきなさい、アリウス分校。」

まあまあ待て待て、お二人さん。そう睨み合ってちゃ、可愛い顔が台無しだ。
「ちょっと、怪我人は無理しないで……！」
ざっと100人って所だろ？それなら、アタシに任せな。ちと覚悟は要るが……ぐ、ぅぎ……！！
「な、何を……？」
「抜いては駄目！失血死してしまう！」
舐めん、な……あ、あァァァ……ッ！！

はー……はぁ……はぁ……よぅし、上手く抜けたな……いい子ちゃんだ。

見ろよ……土手っ腹に穴空いてっから、血が噴き出してる。この状態のアタシ対、アンタら100人。いいマッチアップだと思わねーか？

「……こんなになっても動くなんて、想定外でした……痛いですよね、辛いですよね……」

はは……あぁ、確かにな。でもここでアタシが暴れれば、アンタらはその分時間と人を割かなきゃいけない。つまりこっちの生き残れる数が増えるって訳だ。

行け、空崎ヒナ！！あとは頼んだぞ！！

「っ……分かった。無駄にはしないわ。」

さぁ……血染めの朱槍をご覧あれ、ってなァ！

1/3

dice1d70=25 (25)

オラオラどしたァ！引き金を引け！手榴弾を投げろ！かかって来い！！

さぁ早く！早く！早く早く早く！！

「い、一瞬でこちらの1/4が……うぅ、辛いですね……苦しいですね……」

まだアタシは死んでねーぞオラァ！！どうした来いよ、来ねーならこっちから行くぞァ！！

「げ、迎撃！迎え撃ってください……！」

2/3

dice1d50=46 (46) +25

「なんで……どうしてそんなに動けるんですか……！？見るからに重傷なのに……」

あァ？簡単だよ。アタシの後ろにはゲヘナだのトリニティだの大勢いる。まあそれだけでも理由としちゃ十分だが……愛する人が居るもんでね。クセーが、少しでもあいつが傷つく確率を減らしてーんだよ。

……ま、会いに行けるかどうかは分かんねぇけどな。

3/3

dice1d30=18 (18)

dice1d4=4 (4)

1-3.昏倒

4.覚醒

「もう、死んでてもおかしくない出血量なのに……なんで動けるんですか！？」

そんなのアタシが知るか！けど……何でだろうな？さっきまでぶっ倒れそうだったのに、今は全身に力がみなぎってる。悪いが、ぶち抜かせてもらうぜ！

「ひ……た、退避！退却です！」

もう遅い！！

食らうがいい。因果逆転、一投必中の呪槍！

〈ゲイ・ボルグ〉ッッ！！

【神秘覚醒】

dice1d62=53 (53) +38(最低保証50)

はぁ……はぁ……ふー……

……咄嗟に叫んだけど、ゲイ・ボルグって何だ……？
まあいいか……ともかくアリウス分校の奴らも、逃げるか気絶するかしたみてーだな。
つか、いつの間にか傷も塞がってやがる。なんでだ……？

……いや、それよりも……血が足りねー……暫く、寝るか……

ヒヨリは

dice1d2=2 (2)

1.逃走(原作通り)

2.気絶、捕縛

dice1d7=2 (2) 日後

ん、ぅ……眩し……

「あっ、瀬田レインさん！お目覚めになりましたか？」

おうよ……でも、ちょっと寝すぎたか？体が重い……

気絶したレインを見つけたのは

dice1d6=4 (4)

1.ツルギ

2.ハスミ

3.ヒナ

4.瀬田班A

5.瀬田班B

6.イチカ

「れ゛い゛ん゛せ゛ん゛ばい゛ぃぃぃぃ！！よ、よか、よがっだぁぁぁぁ！！」
泣くな泣くな、もう……
せっかく可愛い顔してんのに、涙と鼻水でグチャグチャじゃねーか。ほらこっち来い、チーンしな。

「私が見つけた時は、ガスマスクしたアリウスの子達の中心で……血まみれのレイン先輩が倒れてて……わ、私、私、もうダメかと……！」
分かった分かった、班長なのに心配かけて悪かった、ごめんな？
「ほ、ほんとでずっ！もう、もうっ！せんぱいのばか゛あっ！」

っと、この足音は……
「……！」
おはよう、我が愛しのお姫様。
「……全部……ぜんぶ、ゲヘナの風紀委員長から聞いたっす。あの人を逃がすために囮になったって。しかもお腹に槍も刺さってたのに、無理やり引き抜いて出血多量の状態で戦ってたって。」
うん。どっちも事実だ。
「トリニティに運ばれてきた時、死体みたいだったんすよ。生気がなくて、血みどろで。おまけに制服もボロボロで。」
だろうな。
「エデン条約が終わったらキスするって言ったじゃないっすか。」
そうだったな。
「私に最悪の失恋させる気だったんすか？」
まさか、生きて帰るつもりだったさ。
まあ色々考えた結果こうなった訳だが。

「ばか……！」
んむ、っ……！？

「わ、わぁ、わあ……！？」

ん、ん……ぷは、っ。
はは、お姫様は随分とアグレッシブみたいだな。
「うるさいっす。勝手に居なくなるなんて許さないっすから。」
仰せのままに、マイディア。我が命と我が槍に誓って。

「ところで、傷はもういいんすか？」
おーよ、すっかり塞がってるぞ。傷跡は派手に残りそうだけどな。
それより血が足りてねーんだよな……まだ頭が冷えてるよ。病院食でステーキとか出てくれりゃ、じゃんじゃん血液作れるんだけどな。
「そんなの出るわけないっす……」

「ああ、そうだったっす。レインに刺さってた……旗？槍？っすけど。まだ使いたいっすか？」
んー……そうだな、愛銃もどっか行っちまったし。暫くは繋ぎに持っててもいいだろ。
今どこにあんだ？
「正義実現委員会の部屋に置いてあるっすね。今持ってくるっす。」
おう、よろしくー。

「はい、持ってきたっすよー。」
さんきゅー。いやしかし、見れば見るほど血染めだな……
「………………」
ん、イチカどした？なんか変な目で見てねーか？
「うぇっ！？あ、いやいや、なんでもないっすよ？」
そうか？そんならいーけど。

はー……ツルギ先輩達に挨拶しに行くかー。
「ちょ、レイン！病み上がりなんだから無理は厳禁っす！私も着いてくっすからね！あっこら点滴抜いたらダメっすよ！」

ちわー。起きたんで復帰しに来ましたー。
「……レイン？どうしてここに居るんですか？」
え？いやだから、起きたんで業務に復帰を……
「はぁ……いいですかレイン、貴女は重傷患者なんです。いくら元気になったと言おうと、検査をして問題ないと結果が出るまで復帰は許可できません。」
うえぇ……マジですか……
「マジです。それにあの場から撤退する時間を稼いでくれた功労者なのですから、普段の仕事は私たちに任せて休んでいても、誰も怒りはしませんよ。イチカ。」
「はいっす！」
「しばらくレインの身の回りの世話を。どうせまた色々無理と無茶をしようとするでしょうから。」
「了解っす。」

アタシはなんだと思われてんですか……
「他者のためなら平気で命を投げ捨てるお人好し、ですね。」
「私の王子様っす。自己犠牲は美徳っすけど、欠点でもあるっすからね。」
「先輩はもう少し自分を大切にするべきです！！」
してるつもりなんだけどなぁ。

やれやれ……ま、休みをくれるってんなら丁度いい。
イチカ、この槍洗うの手伝ってくれ。流石に血みどろのままじゃ不衛生だしな。
「りょーかいっす。洗剤とかブラシ用意しとくっすね。」
アタシは大浴場借り切っとく。誰も入ってこねーようにしとかねーと、スプラッタな惨状をお見せする訳にはいかねーしな……

うっし、んじゃやるか。
まずは軽くお湯で……うわあ。
「一瞬で真っ赤になったっすね……貸し切りで正解っす。」

……
「……」
…………
「…………おかしくないっすか？」
だよな！？こんだけお湯が真っ赤になってんのに、血の色が落ちるどころか薄くなる気配すらねーんだけど！？
とりあえず擦ってみるか……

「擦ってもダメとか、レインどんだけ出血したんすか……？」
あー……ははは、黙秘権を行使……ダメ？はい。まあ、あの時はマジで身体中の血全部抜けたんじゃねーかってくらい出血してたしな……
「……っ」
うわわ泣くな泣くな！もうやんねーって！……多分。
「そこは絶対やらないって言うとこっす、ばか！」

うし、洗剤も流しきれたかな。あとは放置して乾燥か。
……なんか、ツタみてーな模様になってんな……これはこれで味があっからいーけど。
「それにしても、槍術なんてどこで習ったんすか？レインの班の子達も、訓練で手も足も出ないくらいやられたって言ってたっすよ？」
ん？大したことねーよ、独学だ。銃が使えない万が一のことがあった時、戦える手段は多い方がいーだろ？殴り合いだってお手のもんだぜ！
「……私は、レインに傷ついて欲しくないっす。」
分かってるよ、アタシもお姫様を泣かせる趣味はねーしな。ホントの緊急時だけだ。

「でも、私もちょっとはやってみた方がいいんすかね？」
イチカにはサブアーム持つくれーにしといて欲しいけどな、アタシは。
近接戦闘ってのは、その分傷つく可能性も格段に跳ね上がる。イチカの雪みたいな肌とオニキスみたいな目、熟れたイチゴみたいな唇……全部アタシだけのものだ。誰かに傷つけられるなんて考えただけで頭がおかしくなりそうだ。
「ぅ……ほ、褒めすぎじゃないっすか？」
いーや、まだ足りねーな。アタシの貧弱な語彙じゃ、イチカの美しさを完璧に表現できねーのが残念なくらいだ。

……やる事ねーとマジで暇だな……

どーすっかねぇ。

dice1d4=4 (4)

1.新しい銃の調達

2.ヒヨリの尋問

3.イチカとイチャイチャ

4.アリウス生の奪還阻止作戦

と、電話だ。はい、瀬田レイン。

《……私だ。調印式の会場で捕縛したアリウス生を尋問していたんだが、その中に1人エリート部隊所属が居たようでな。いつ奪還しに来るとも分からん。

病み上がりに済まないが、情報共有だけしておく。襲撃されないよう細心の注意を払ってくれ。必要なら暫くトリニティ外に居ても構わない。》

了解しました、ツルギ先輩。イチカにも伝えておきますね。

《……頼んだ。こんなことを言っておいてなんだが、しっかり休めよ。》

ありがとうございます。それでは。

「何だったっすか？」

どうも、アタシはゼペットじいさんを食っちまったみてーでな。ピノキオに気をつけろってさ。

「……は？」

悪い、カッコつけすぎた。つまりだな？

「なるほど、エリート……そりゃ取り戻しに来てもおかしくは無いっすよね。」

ああ。今のところ情報は正実の中で止めてるらしいが……はてさて。

dice1d3=3 (3)

1.サオリ

2.+ミサキ

3.+アリウスモブ

「……で、どうするんすか？」

どうするって？

「レインの事っす、夜中勝手に抜け出して見回りとかしてそうっすからね。その気なら私も着いてくっすよ。」

たはは、バレてたか。

じゃあ後衛を頼むぜ、イチカ。でも、少しでも危ないと思ったらすぐ逃げろよ？

「絶対に嫌っす。」

あのなぁ……！アタシはイチカに傷ついて欲しくねーってさっきも言ったろ！？

「嫌だ！！」

っ……

「もう……もうあんな思いはしたくない！死んでも離れてやるもんか！！」

……

はぁ……わーった、分かったよ。

そこまで言うんなら、万が一死ぬ時も一緒だぞ。

「ん、それでいいんすよ。」

正実側戦力

dice1d5=4 (4) +レイン・イチカ

1.ツルギ

2.+ハスミ

3.+マシロ

4.+正実モブ

5.なし

ま、とは言えだ。向こうさんが襲撃かけんなら夜だろ。アタシらはそれまでゆっくり休んでようぜ。

「呑気なんだか何なんだかわかんないっすね、もう……」

寝れる時に寝とく、これいい仕事のコツな。

んん……はぁ。日も暮れたか。起きろイチカ、顔洗って見回り行くぞー？

「ぅ゛ー……」

ったく……

dice1d4=3 (3)

1.優しく揺らす

2.肩を叩く

3.頬にキス

4.唇にキス

起きろー。それとも眠り姫だけにキスをご所望かー？
「にぅゃ……むにゃ……」
マジでしっかり寝てんな……アタシのクー抱きしめてるし……いいけどさ。

ちゅ

「っっっ！？！？」
おはよう、眠り姫さん？
「な、ぁ、はぅ……」
あーあ、真っ赤になっちゃって。可愛いなホント。
ま、それは今いい。準備して見回り行こうぜ、アタシの用意はできてるしな。

「ふぅ……顔も洗ってスッキリしたっす。」

イチカってほんと罪深いよなー。すっぴんでも可愛いんだから。化粧してたらその可愛さがさらに引き立つけど。

「もう、褒めても何も出ないっすよ……でもそうだ、レインも一応ハンドガンくらいは持ってた方がいいっすよね。昔買ったのがあるから、使って欲しいっす。」

お、いーのか？

dice1d4=2 (2)

1.エンフィールドNo.2

2.FN ブローニングHP

3.G17 Gen4

4.ウェブリー=フォスベリー・オートマチック

ブローニングハイパワーか！確か連邦生徒会の制式拳銃にもなってたよな。

「弾は9mmパラベラム、装弾数は13+1発っす。弾の予備はないっすから、大事に使うっすよ？」

りょーかい、さんきゅ！

dice1d4=1 (1)

1.ツルギ・サオリの戦闘に参加

2.ミサキを制止

3.アリウスモブを制圧

4.正実vsアリウスの総力戦に乱入

ところでイチカ。なんか……音しねーか？

「そうっすね……ていうか、ショットガンの射撃音……？」

……まさか、ツルギ先輩！？

「ぎぇへぁぁぁぁ！！」

「く……！」

ツルギ先輩、援護します！イチカは後衛から援護射撃！

「了解っす！」

「レインン！なァぜここに居るぅぅ！」

嫌な予感がしたもんで、見回りしてたら案の定ってやつです！ふ、オラぁ！

「増援か……」

dice1d4=2 (2)

1.ハスミ接近

2.正実モブ接近

3.ミサキ接近

4.アリモブ接近

はじめまして、アリウスのお嬢さん！アタシは瀬田レイン、アンタのご同輩をこの長物で叩きのめした張本人だ！
そちらのお名前を聞いても、っとぉ！？格闘戦の最中に威嚇射撃とは、いやはや。
「……」
たっはー！まあそりゃそうか、捕まってるわけでもねーのに敵だと思ってる相手に名前教えるアホはいねーわな！失敬失敬！
じゃあ、こんなのはどうか、な！

「……ッ！？」
「……！」
「レイン！？何やってるっすか！！」

双方、銃を下ろせ。話はそれからだ。

「……この槍は何のつもりだ、レイン。」
「……では先に貴様がこの拳銃を下ろせ。」
言ったでしょう、話はそれからだって。脳ミソ足りてない猿山の御大将じゃあるまいし、アタシらには会話の余地がある。違いますか？
「……いいだろう。」
寛大なご対応ありがとうございます、ツルギ先輩。んじゃあたしも、槍ぽいっと。んで？そっちのお嬢さん、アンタはどうする？仮に戦ったら、アタシは殴り合いでもアンタをブチのめす自信はあるよ。

「…………フン。」

よーしいい子だ。花丸あげよう。イチカ！
「何すかー！」
このハンドガンいったん返すぞ！ヘイ、パース！
「うわわ！？と、ととと……い、いきなり投げないでくれるっすか！？」
まあまあ、緊急時だ！後でケーキ奢るからさ！

さて。まずは座んなよ、ご両人。立ち話もなんだからな。

「つ、ツルギ先輩、イチカ先輩、レイン先輩……これは、何が……？」
「しっ。今は静かにしてた方が良さそうっす。」

よし。さっきも言ったが、アタシは瀬田レイン。正義実現委員会の2年生だ。こっちのレディはアタシの上司……つか先輩の剣先ツルギ。アンタは？
「……」
おいおい、そこは礼儀正しく行こうぜ？
「…………錠前サオリだ。」
よーし。んじゃ錠前さんよ、そっちの目的は？
「同胞の救出だ。貴様らがあの古聖堂で捕縛しただろう。」
あー……確かに言ってたな。何人でしたっけ？
「……特殊部隊と思われる者が1名、それ以外の一般兵が100と少し。ほとんどがそこの、瀬田レインの戦果だがな。」
「なッ……！？」
アドレナリンでブーストかけてただけですよ。じゃなきゃあの槍で百人斬りなんて、無茶通り越して無理、無謀だ。
「銃すら使わなかったというのか……！？」

「……だが、我々がゲヘナの風紀委員長から聞いた話と違うな？レインが撃破した緑髪の特殊部隊員、そしてお前、現在ハスミ達が戦闘しているランチャー持ちと一般兵。1人足りないじゃあないか。」

「ッ……！」

「ご同輩を助けに来るなら、その特殊部隊全員で来た方が成功率も上がるだろうに……何故そうしないィ……？」

「……貴様らには……関係の無いことだろう……！」

直感 dice1d100=21 (21)

ふむ、確かに。
他のところで作戦行動中か？
「………………」
まあ、何でもいい。本題に戻ろう。
そっちはあの特殊部隊員を奪還したい。
こっちはそれを阻止したい。そして阻止することは現実的に可能だ。アンタをタコ殴りにして牢屋にぶち込むだけだからな。
「……やはり対話は無意味だ。虚しいな。」
まあ待て待て、結論を急ぐもんじゃないぞ錠前さんよ。
ここでひとつ、問答といこうか。

Vanitas Vanitatum et omnia Vanitas.
空の空、一切は虚無なり。あるいは、全ては虚しい。どこまで行こうとも全ては虚しいものだ。

そも、虚しさとは何なりや？

「は……？」

考えてみるといい。虚しい虚しいと唱えているが、具体的に何が虚しい？何をもってして虚しいと定義する？

「それは、いや……」

あぁ……悪い、聞き方を変えよう。

『何がアンタを虚しくさせた？』

「………………私達を……虚しく、させたもの……」

dice1d2=2 (2)

1.ミサキ確保

2.もう少しかかる

そう。ま、アタシは当事者じゃねーから推測でしか話せねーが……例えば『マダム』って言われてるヤツ。

わりーけど、子供でもねーのに自分を生徒会長ってほざいてる大人は絶対にロクなもんじゃねーからな？

「そ、そうなのか……？」

そーだろ。生徒って地位はアタシらみてーなガキの特権なんだよ。

テメーで責任取れねーから、責任の取り方を知らねーからこそ、周りの大人に守ってもらえる。それが子供だ。

大人はテメーの責任をテメーで背負えるから大人なんだよ。

錠前サオリ。アンタも守られるべき子供なんだ。

関係者筋から聞いた話でしか知らねーが……アタシの想像じゃそいつはガキのガワ被った大人だ。しかもそいつがアリウスをいいように牛耳ってる。この世のなにより気持ち悪いね。

dice1d2=1 (1)

「……アズサか。」
おっとバレてたか。ま、そりゃそうだわな。
「……すまないレイン。少し席を外す。」
ああはい、どうぞ。

「……錠前サオリ。先程、他の特殊部隊員を捕縛したと報告が入った。」
どうする？投降するもよし、逃げるもよし。よく考えな。
「いや……私は投降する。」
素直だな？まあいい。それじゃちょっと手錠かけさせてもらうぜ、念の為な。留置場に着いたら外すから、しばらく我慢してくれ。

「ふぅ……何とかなって良かったっす。」
「レイン先輩……戦わないで、話すだけで捕まえちゃいました……」

「瀬田レイン、と言ったか。」
そだよ。正義実現委員会2年生、瀬田班班長のレインさんだ。ほら、手出しな？
「その強さを見込んで……そして恥を忍んで、頼みがある。」
……何だ？
「私達アリウススクワッドのメンバー、アツコがマダムに囚われた。マダムは、なにかの儀式をすると言って……アツコを生贄にするつもりだ。」
「……何？」
「どういう事っすか……！？」
……どうやら、アタシらだけの手に終える事件じゃないようだ。
すみませんツルギ先輩、電話をしても？
「……ああ。構わない。」
ありがとうございます。

《もしもし？》
夜分遅くに申し訳ありません。緊急の要件が発生したものでして、お力添えをお願いしたく。
《うん、もちろん。トリニティに向かえばいい？》
はい、お願いします。必要でしたら、こちらからお迎えを回しますが。
《いや、大丈夫。旧校舎にいるからね、すぐ行くよ。》
承知しました、お待ちしております。

先生。

「あ、先生！こちらです！」
お待ちしておりました、先生。夜遅くにお呼びだてして申し訳ありません。
“ううん、大丈夫だよ。……サオリ？”
ええ、エデン条約の調印式会場で捕縛した特殊部隊員の救出に来たと。ですが……
錠前サオリ、さっきの話は本当か？嘘じゃないな？
「嘘じゃない！頼む、どうか姫を助けてくれ……私ならどうなっても構わない、頼む……お願いだ……このままでは、アツコは……姫は死んでしまう……」
タイムリミットは？短く見積っていつだ？
「明日の朝……夜明け……」
……！！
ツルギ先輩！
「……ああ。ハスミ、マシロ。戻ってこい。その特殊部隊員も連れてだ。」
《了解しました。何かあったのですか、ツルギ？》
「……少しな。急げ。」

「アツコは……元よりそのために育てられた存在なのだと。生贄にされるために生まれたのだと、彼女は言っていた。幼い頃からそうだったと……そして、姫の運命を変えたいのなら私に従えと……そうすれば、姫だけでなく……他のものも助けてやれると……姫を生贄にせずに済むと……！」
……それで。何をしろと言われた？
「……エデン条約を強奪し、ユスティナ聖徒会の力を手に入れ、トリニティ、ゲヘナを征服すれば……そうすれば、アツコが生贄にならずとも済むと……だが結局、私たちは失敗した。エデン条約の強奪どころか、仲間を助けることも、アツコを守ることすらも……全て、私の力が及ばないばかりに……」

外道だな。
「……ああ。同意見だ。」
トリニティにはツルギ先輩以下アタシら正義実現委員会、そしてゲヘナにはあの空崎ヒナ以下風紀委員会がいる。それを知っていてそんな命令を出したのか？
仮に知らなかったのであれば筋金入りの馬鹿だし、知っていたのであればどうしようもないクズだ。

「ど、どういう事だ……？」
そのマダムとやら。ハナっから約束を守る気なんざさらさら無かったってことだ。最初から、そのアツコとやらを生贄にするつもりで絵図を描いていたんだろうさ。
「そんな……頼む、お願いだ……アツコだけでも、どうか彼女の手から救い出してくれ……！」

嫌だね。
「レイン！？」
いいか錠前サオリ、そういう時はな。
『私たちを助けてくれ』って言っときゃいいんだバカ。1人だけなんてみみっちい事言ってんじゃねーよ。
「へ……」
“さすがレイン。慕われてるだけあるね。”

ツルギ委員長。元アリウス特殊部隊員全員のトリニティ編入を今この場で承認願います。
「……何か考えあっての事だな？」
はい。
「……いいだろう。正義実現委員会委員長、剣先ツルギの名において編入を承認する。」
ありがとうございます。続いて元アリウス特殊部隊員現トリニティ生の救出とアリウス派の治安改善を目的とした、アリウス正常化作戦の実行を上申いたします。一刻を争う緊急事態のため、諸々の書類提出と立案は事後に。直ちに承認願います。
「……なるほど、そういう魂胆か。正義実現委員会委員長、剣先ツルギの名において、アリウス正常化作戦の実行を許可する。」
「な、な……！？」
“アリウスのためとしては、今この場で動けない。だからサオリ達をトリニティに編入させて、トリニティ生奪還作戦として動く……か。考えたね。”

さーて、アタシとツルギ先輩の首で済めばいいな！ハハハ！
イチカ！ほかのアリウス生も叩き起して呼んでこい！
「了解っす！」
「ま、待て！私たちが反乱するとか考えないのか！？」
その時は全員ぶっ殺した上で、アタシもその場で腹を切る！心配すんな！

「ツルギ、何があったんですか？」
「……ハスミか。今からアリウスの本拠地へ向かい、我がトリニティの生徒を奪還する。そこの特殊部隊員の手錠は外してやれ。」
「は？何を言って……」
「そういう事になっているんだ。察しろ、ハスミ。」
「トリニティ生の奪還……アリウス……では何故手錠を……まさかツルギ、貴女……！」
あらら。バレちゃったみたいですよ、ツルギ先輩。
「……そうだな。では仕方ない、共犯になってもらおう。」
「つ、ツルギ！？」
「なに、詰め腹を切らされる時は一緒だというだけだ。心配するな。」

悪いね、さっきの今でコロコロ対応が変わっちまって。アタシは瀬田レイン、よろしく。お嬢さんは？
「はぁー……戒野ミサキ。」
おいおい、握手くらいしようぜ？よろしく！っと。
ああそうそう、アンタはもうトリニティ生って事になってるから。
「……は？」
そういう書類をでっち上げんのさ！じゃなきゃアタシらも動きようがなくてね。まあ所詮紙ペラ1枚、アンタらは気にすんな！一応伝えといただけだ！
「何それ、意味わかんない……」

「レイン！ツルギ先輩！連れてきたっすよー！ミカ様も一緒っす！あ、ハスミ先輩もお疲れ様っす。」
「あの、急に牢屋から出されて何が何だか……」
「アリウスの子達と一緒に何されちゃうのかな？もしかして処刑？」
よう、こないだの。それに聖園ミカ、斧山ツミキ。
「ひっ……！？つ、遂に殺されちゃうんですね……辛いですね、虚しいですね……」
しねーよんな事！アタシをなんだと思ってんだ！？
「旗でこちらの100人を容赦なく叩きのめした化け物だと思ってますけど……」
「え、レインそんな事やったの……？」
「……化け物に拍車がかかってるな。」
はっはっは、反論できねーや。ともあれ、今は味方だ。信じてくれていいぜ。知ってるだろうが、念の為自己紹介をしよう。アタシは瀬田レイン、トリニティ正義実現委員会の2年生だ。今度ともよろしく。
「え、えっと……アリウススクワッドの槌永ヒヨリ、です……」
おう、よろしくな！

錠前サオリ、戒野ミサキ、槌永ヒヨリ、か。トリニティ……はどうか知らんが、アタシはアンタらを歓迎するぜ、兄弟！アンタらも家族だ！
「家族……？」
「何言ってんの。」
「理解不能です……辛いですね、虚しいですね……」
「……こういうヤツなんだ、こいつは。私にもそうだった。まあ……ふふ。分からなくは無いがな。」
マジか！分かってくれて嬉しいぜ兄弟〜！
「えぇい、ひっつくな！暑苦しい！」

「むー。私のレインなのに……」
“それなら、イチカもくっついてみたら？”
「お、いいっすねそれ。さすが先生、ナイスアイデアっす。てい。」
うお！？イチカ、どうし……うわぁ持ち上げんなぁ！？
「レインは！私の！王子様なんすからね！」
分かってるよお姫様、嫉妬か？可愛いなほんと、心配しなくてもイチカへの愛が世界一だよ。
「ふふん♪」

「……いや、別に誰も取りはしないが。」
「むしろそっちで縛り付けといて欲しい。訳わかんないから怖い。」
「えへへ……私もちょっと……」
「……だと。」
いーんだよ家族うんぬうんはアタシの自己満なんだからぁ！

「……そ、それでは先生。指揮をお願いしても……？」
“うん。任せて、ツルギ。”
「ぅぎひぃ……！」
おっと、そろそろ出発か。ゲイボルグ！

ヒュンッ、コォンッ

よし。アタシは準備OKです！
「待ってくださいレイン、今何をしたんですか！？」
……うわホントだなんで呼ぶだけで来てんだこの槍！？元はただの旗竿だぞ！？
「……突っ込むだけ無駄だろ、アイツは。」
「あたしもそう思う。」

……まあ、アタシの中に眠ってた力が目覚めた的なことにしとくか。今考えることじゃねーしな。
“よし。行こうか、皆。”

そーいや、そのマダムって奴はどんな見た目なんだ？
「私達も数回しか姿を見たことは無いが……背が高く、赤い肌を持ち、白いドレスを纏った大人だ。本名……かどうかは分からないが、自らをベアトリーチェと名乗っていた。」
アタシの想像でしかないが、いよいよバケモノじみてきたな……
“アツコがどこにいるかは分かる？”
「ああ。アリウス自治区にある『アリウス・バシリカ』。その地下に、彼女が用意した極秘の至聖所がある。恐らくそこだと思う。理由は分からないが、あそこはアツコのために用意された場所だと。姫も以前から、いつかそこで生贄に捧げられるのだとよく口にしていた……」
そうさせねー為にアタシらが居るんだろ？
そのベアトリーチェとやらをとっととぶちのめして、大団円にしてやろうぜ。

「だがアリウス自治区へ戻るには、カタコンベを通らなければいけない。ルートは一定時間ごとに切り替わる、マダムでも完璧には把握出来ていないんだ。私達も決められたタイミングの情報しか……」
ほう？なら、まずはアタシらが1枚上を行ける。
先生、正義実現委員会の委員会室へ向かいましょう！今回の事件の資料として、カタコンベの完全なルートが描かれている本があります！シスターフッドから借りてきたものです、確かトリニティ大聖堂からのルートも載っていたかと！
“分かった！”

「……本来なら部外者は立ち入り禁止だが、緊急事態だ。いいな、ハスミ。」
「ええ、致し方ありません。レイン、その資料は？」
すぐに取ってきます。先輩方は装備の最終チェックを！
「……だそうだ。手早く済ませるぞ。」
「ま、待て！私達もいいのか！？」
「ツルギが言ったでしょう、緊急事態です。」
「……現場に居合わせた一般生徒の協力に感謝、といった所か？きひゃハァ……！」

ありました！イチカ、トレーシングシート！
「あいよっす！そぉ、れっ！」
さんきゅ！マシロ、そこのペン取ってくれ！
「へっ！？あ、はい！」
トリニティ大聖堂がここ、アリウス自治区がこのエリア……錠前サオリ、戒野ミサキ、槌永ヒヨリ！
「なっ、何だ？」
さっき言ってたアリウス・バシリカ、場所わかるか！
「え……あっ、あぁ。確か……この辺りだ。」
となると1番近いのは……ここか。カタコンベの出入口は整備されてるのか？
「ううん、瓦礫でふさがってることもある。候補は何ヶ所か用意しておいた方がいい。」
そうか……錠前サオリ、アンタならどこを選ぶ？バシリカのあるエリアに1番近いのはこことこことここ、次点でこの辺りだ。
「そうだな……私なら​────」

「……いい空気だな。」
「ええ、私達はいい後輩を持ったようですね。」
「アリウスとトリニティ、融和もホントに夢じゃないかも☆」

ルートは……こんな感じでいいな。先生、こちらを。カタコンベを通ってアリウス自治区へ向かう地図です。
“ありがとう、頼りにさせてもらうよ。”

「……ねぇ。あんた。」
どうした、戒野ミサキ？
「いちいちフルネームで呼んでたらまだるっこしい。苗字か名前か、どっちかだけでいいから。あとあたし達の部隊は『アリウススクワッド』。」
そうか？じゃあ親愛を込めて、それぞれ名前の方で呼ばせてもらうよ。ツミキ！
「っ！？な、どうした？」
アンタの部隊、そういえばあたしがグレラン没収したままだったろ？返すよ、事件資料として保管してたからな。
「……そうか。」
ただまあ、弾薬も足りんだろ。何人かに集めて、残りは正実の制式ライフルを貸与してもいいぜ？
「そうだな、その方が効率的か。」

“みんな、準備はいい？”
「ぎへへェァ……！」
「ええ、私は大丈夫です。」
「準備完了っす。レイン、これを。」
わりーなイチカ、ハンドガン借りとくぜ。
「狙撃支援は任せてください。」
「アリウススクワッド、準備完了だ。」
「斧山隊、用意よし。」
“よし……行こう！”

ほらミカ様もぼーっとしないで、行きますよ！

「あ、ちょっと！背中押さないで〜！」

うーわ、暗。まあカタコンベなんだから当たり前だろうが……ペンライト常備しててよかったよ。

「それでも絶対的に光量は足りてないっすね。」

こればっかりはな……

“でも、お陰でなんとか道は見えてるよ。このまま進もう。”

カタコンベを抜けるまで dice1d20=15 (15)

dice1d4=1 (1)

1.面倒臭がりなアリウス生が掘削した近道を見つけた！(-5)

2.何事もなくスムーズに進めた(変動なし)

3.少し迷ってしまった……(+5)

4.見回りに来たアリウス生との戦闘！(+10)

一定数値以上でイベント変動

「……ん？なあ、瀬田レイン、先生。この道……もし真っ直ぐに続いているのなら、近道にならないか？」

……確かにな。方角的にも行けそうだ。どうします先生？

“うーん……よし、行ってみよう。案ずるより産むが易し、って言うからね。”

よっ、と。ここがアリウス自治区か……なんか、『陰気』とか『辛気臭い』みてーな言葉から直接切り出したみてーな雰囲気してんな……

「はんっ。言えてる。」

「でもあの道がホントに近道で良かったっす。まずは第1段階クリア、ってとこっすね？」

「……ああ。だがここはアリウスの本拠地だ、油断はするなよ。」

バシリカまで dice1d20=1 (1)

dice1d4=1 (1)

1.何も無い、突き進む！(-5)

2.通信？相手は……(変動なし)

3.アリウス生の襲撃！(-5)

4.ユスティナ聖徒会の襲撃！(-10)

よっ、ほっ！先生、こっちですよ！

“ぜぇ、はぁ……レインは身軽なんだね……”

誰がハスミ先輩の対義語だ！？

“言ってないよ！？”

「なぜ私を刺したのですか！？」

「しかし、瓦礫をものともしないとは……あれの戦闘力は伊達ではないな。私も、あの速度に翻弄された。さらに磨きがかかっているようにすら思うよ。」

「かっこいいっすよね。あげないっすよ？」

「いらん。」

「取るつもりは無いが……」

「いらない。」

「私も、流石に寝取る趣味は無いですぅ……」

至聖所へ至る道 dice1d20=4 (4)

dice1d1=1 (1)

1.聖女バルバラ、顕現(変動なし)

「あれは……聖徒会！？」
「ゆ、ユスティナ聖徒会ですよね！？」
「何故だ！？エデン条約が取り消された以上、もう使役は不可能なはずだ！」
え、そうなの？アタシしばらく寝てたから、そのへん何ひとつ知らねーんだけど。うわーぉ100や200で済まねーな、ひときわデカいシスターもいやがる。
“詳しい説明は省くけど、エデン条約は歪められた。だから無効にしたんだ。私と、みんなでね。”
「だからあのユスティナ聖徒会が使えるはずがないんだ！何故ここにいる！？」

「わかんないけど、さ。要はぶっ飛ばしちゃえばいいんじゃんね☆」
「その通りです、ミカさん。マシロ！」
「狙撃支援ですね。」

“何を……！？”
「……するつもりだ、ハスミ。」

「先生、ツルギ、レイン、イチカ。それに元アリウスの貴方達も。行ってください、ここは私たちが食い止めます。」
「……分かった。だがハスミ。」
「何ですか、ツルギ？」
「……帰還率は100％だ。それ以下だった場合は失敗と見なす。いいな。」
「無論です。そしてそれは貴方もですよ、ツルギ。」
「きひゃあ……！」
“……分かった、信じるよ。”
「突入ゥゥ！！ギヒャァーーーッ！！」

合計値 10
Extreme Clear!!

“……あなたが、ベアトリーチェ？”
「ん……？おや、おやおや。このような所までようこそ、『シャーレの先生』。思ったよりもお早い到着でしたね。そしてサオリ、貴方達の疑問にも答えてあげましょう。貴方達の任務ははじめから『ロイヤルブラッドを古聖堂に連れていき、ミメシスを顕現させること』……それだけだったのですよ。たったの1度、パスさえ繋がってしまえば、あとはこちらで制御できます。マエストロは作品が奪われるようだと嫌悪感を示していましたが……」
「……！」
「まあ、トリニティやゲヘナを征服するしないなど、私にとってはどうでも良いこと。蒙昧な子供たちを騙すための方便でしかありません。私個人としては、なんの遺恨もありませんからね。」
「……最初から……全て、何もかも嘘だったのか……！」
「……私らを騙してたって訳か。いくら生徒会長の大人でも、そりゃ許す訳には行かないな。」

待て待てサオリ、ツミキ。どれだけクズでカスでゴミ山のサル大将みてーな奴だったとしても、まずは対話だ。アタシらには言葉ってコミュニケーションツールがあんだからな。
続きどうぞ、レディ。
「ふむ。存外話の分かるものもいるようですね。まあいいでしょう。その点ではサオリ、あなたは立派に任務を果たしたと言えます。私にミメシスの能力を提供し、ロイヤルブラッドも素直に生贄として捧げた。あなたは言いつけをよく聞くいい子ですね、サオリ。まあ、不毛な話はこの辺で。私の興味は……」

“私、かな。”
「ええ、その通りです。初めまして、シャーレの先生。私はベアトリーチェ、既にご存知かも知れませんが『ゲマトリア』の一員にして、現在唯一の成功者です。黒服やマエストロ、ゴルコンダからはあなたの話をよく聞いております。」

あー、話の腰折って悪いけど……つまりアンタが『マダム』？
「ええ。アリウスの生徒にはそう呼ばせています。」
なるほど、納得。
「ふふ……必要なら、私がアリウスを手中に収めた方法もお教えしますよ、先生。あなたが知っている情報と交換でも構いません。」
“必要ない。”
“あなたの手口は既に知っている。”
「ほぅ……そうでしたか。名誉のために念の為言っておきますが、私は特殊な能力などは使っていませんよ。催眠や洗脳、超能力……そんな便利な力があれば、もう少し楽だったのでしょうが。残念ながら、それは『大人』のやり方ではありませんので。クククッ……！」

「憎悪、怒り、軽蔑、嫌悪……そういった負の感情で子供たちを欺瞞し、支配してきました。単純ですが、効果的な方法です。あなたもよく知っているでしょう？それに……ここは私が来る前から内戦をしておりました。私はそれを活用しただけ。憎悪そのものなら、むしろトリニティの方が多いかもしれませんね。」
なるほど、そうなるように動くことで効率的に支配したって訳か。生の謙虚さを教える金言を無価値な空虚に捻じ曲げ、事実を歪曲させ真実を隠蔽し、心を曲解し憎悪と嫌悪を煽り、お互いを他人のままにした。そうすれば強固な結びつきなんざ生まれるわけもねぇ。御し易い事この上ねーだろうな。
「ええ。よく分かっているではありませんか。貴女も、本質的にはこちら側に近いのではありませんか？どうです？手を組んでみませんか、瀬田レイン。」

おっと、アタシの事も知ってたか。まあそりゃそうか、アタシ個人を襲撃させた時点で名前と特徴は知ってんだもんな。
でもアタシは仕えるべき主君を既に見つけた。悪いね、アンタの話には乗れそうもない。
“誰であっても同じだよ、ベアトリーチェ。私の生徒は、己の正義が何たるかを知っている。”
「そうですか。まあ、構いませんが。戦力のある駒として使おうとしていただけです、それが使えなくなったところで計画にはなんの支障もありません。」
だろーな。

「楽園は永遠に届かないからこそ、楽園たり得る。誰かにとっては地獄でしょうが、『大人』にとっては安らかなる楽園。その地獄の中で『大人』は『子供』を利用し、支配し、搾取し、捕食します。ですから先生、どうかロイヤルブラッドをこのまま放っておいてはくれませんか？あの子は私が丹精込めて育てた生贄。捧げれば、きっと私たち大人に大いなる福音を与えてくれる。」

「気になりませんか？私が何をしているのか。どんな偉業に到達するのか。この世界……キヴォトスがどのような世界なのか。知りたくはありませんか？私はこの世界の真実を教えることもできます。この機を逃しては、もう永遠に真実へたどり着けないかもしれませんよ。」

“そこまでにして貰えるかな。”
“そんなものに興味は無い。誰かの犠牲によって到達できる真実なんて必要ない。”

「ほぉ……ククク、やはりこうなるのですね。やはり先生、あなたは私の敵対者だったようです。お互いに違う真実を信じているのですから……！」
「楽園の名をつけたとて、何も変わることなどありません。先生、あなたも『大人』なら、きちんと真実を教えてあげるべきではありませんか？」

「エデンこそ、原罪の始まった地であると……！」

“ベアトリーチェ。”

“あなたは生徒を、私達を侮辱した。”
“そして『教え』を、『学び』を侮辱した。”
“私は大人として、あなたを絶対に許さない。”

ところで、話は変わるんだけどさ。先生もそこのレディも、ウチのシスターフッドにある聖典は読んだことあるかい？今の状況にピッタリの一節があるのを思い出したんだが。
“えっと……私はないかな……？”
「そうなのか、瀬田レイン？」
「私は知らないっすよ……？」
古い聖典だからな。読んだ事ねー奴のが多いだろ。

エゼキエル書25章17節。
されば、心正しき者の行く道は、心悪しき者の利己と暴虐によって、行く手を阻まれるもの也。
愛と善意の名によりて、暗黒の谷より弱き者を導きたる、彼の者に神の祝福あれ。
何故なら彼等は兄弟を護る者、迷い子たちを救う者也。
我が兄弟を滅ぼそうとする悪しきものに私は、怒りに満ちた懲罰をもって大いなる復讐を成す！！

アタシの家族を痛めつけ続けたツケ、そろそろ支払ってもらうぜ百々目ババア！！
“うん、決着をつけよう！皆、戦闘用意！”

「ふ……ククククク……！いいでしょう、私に歯向かったことを後悔しながら死んで行きなさい！」

エクストリーム成功のため難易度減少！

ベアトリーチェ

dice1d300=98 (98)

正義実現委員会

dice3d100=3 66 58 (127)

アリウススクワッド

dice3d100=88 14 20 (122)

ツミキ隊

dice3d80=21 22 53 (96)

そぉ、れッ！あらよっ、とォ！槍だからって舐めてると痛い目見るぜ！

ツルギ先輩！

「ぎゃあはぁぁぁ！！死ぃ゛ね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛！！」

「援護なら任せるっす！」

「ミサキ、ヒヨリ！今までの怒り……全部たたきつけてやれ！ 」

「了解……！」

「は、はいぃ……！」

「攻撃続行！大盤振る舞いだ、全弾あの目玉に放り込んでやれ！」

「了解！」

「了解。」

「了解っ！」

「子供のくせに、生意気な……！いいでしょう、ならば私も本気で戦ってやります！私を本気にさせたこと、後悔することです！！」

ベアトリーチェ

dice1d300=209 (209)

アリウス解放戦線

dice7d100=72 84 93 75 6 60 71 (461)

「存外に、やるようですね……！ですが私は、まだ終わってなどいない！儀式さえ……儀式さえ行えれば、私は……！」

“まずい、止めないと！”

分かってんよ、先生！全員、火力を集中！蜂の巣にしてやれ！

ベアトリーチェ

dice1d300=240 (240)

アリウス解放戦線

dice7d100=82 33 82 38 97 42 63 (437)

「ギャアァァァァッ！？」

ドカァァァァンッ！！

「ミメシスごと吹っ飛ばした！」

「……やったかァ……？」

“いや、まだだ！”

「く、ふふふ……アハハハハハ！！気づいていなかったでしょう！私が既に儀式を開始していたことに！不完全ではありますが、ついに私は手に入れた！色彩の力を、崇高へ至る道筋を！高位の存在となった私にとっては、先生、最早貴方など取るに足らぬ存在！叩き潰してあげましょう……その愛する生徒たち諸共ォォォォ！！」

「まさか……儀式が終わってしまったのか！？」

“いや、ベアトリーチェはさっき『不完全』と言った。きっとアツコを取り戻すチャンスは残っているはず。”

つまり時間はかけられねーって事か。

それならこれが最終ラウンドだな。痩せぎすの木みてーなツラしやがって、何が高位の存在だよ。切り倒してやっから覚悟しな！

ベアトリーチェ第2形態

dice1d500=165 (165)

アリウス解放戦線

dice7d100=96 96 22 47 55 25 2 (343)

???

dice1d100=25 (25)

「痛くも痒くもありませんね……これこそ私が手に入れた力！偉大なる大人としての力なのです！」

“大人っていうのは、そんなものじゃない！ただ子供たちに寄り添い、守る！それが大人のあるべき姿だ！”

「攻撃、効いてる気がしないっす！もうバレルが真っ赤っすよ！」

「撃ちィ゛続けろォ゛！！弾がある限り撃てェ゛！！どォ゛んな手を使ってでもォ゛……ブチ殺すゥ゛！！」

「あーもう……！トリニティはこんな狂人しかいないの……！？そろそろこっちは弾切れなんだけど……！」

ベアトリーチェ第2形態

dice1d500=258 (258)

アリウス解放戦線

dice7d100=71 23 6 16 67 6 66 (255)

???

dice1d100=50 (50) +25

「やばいっす！本格的に押され始めたっすよ！？」
「げひぇ……！！レインン゛！！お前も撃てェ゛ェ゛！！」

「瀬田レイン！さっきから何をやってる！？攻撃を！」
「サオリ危ない！」
「サオリィィィ！！死に絶えなさァァァい！！」

ドォンッ！

「きひゃ……トリニティ生ならば、守らなくてはなァ……！！」
「剣先ツルギ！？なぜ私達を守った！」
「……今言っただろう……お前達がトリニティ生だからだ……！そしてこの手を離せェ゛！！ベアトリーチェェ゛ェ゛！！」

「ぐうぅぅっ！？馬鹿な！？子供ごときに、私が……！」

「ミサキさん！ありったけミサイルをぶち込むっす！」
「分かってる……！」
「レイン！何やってるっすか！早く攻撃を！」

「レインン゛……！！」
『瀬田レイン！』
「レインッ！！」
“レイン！”

……穿つは心臓、狙いは必中。一刺必殺、因果逆転の魔槍。

行くぞ。この一撃、せめて死出の道への手向けとして受け取るがいい。

「お前達……纏めて死 ねェェェ！！」

dice1d300=108 (108)

刺し貫くは死棘の緋槍……獣よりも、音よりも、光よりも疾く！〈ゲイ・ボルグ〉！！

dice1d100=51 (51) ×75

108 vs 3825

「あ……え？」

「うわ……胸に大穴空いてるっすよ……」

「それでもジワジワと回復しているのがより一層気持ち悪いな。」

「しかも血を噴き出しながらだぞ……」

「スプラッタな映画も真っ青ですぅ……というか、私あれ食らったんですねぇ……」

「逆になんで生きてんの？」

終わりだ、ベアトリーチェ。アンタがこれからくたばるのか、いっそ殺して欲しいと懇願するほどの苦痛を味わいながら生きていくのか、それは知らん。

だがお前が今まで利用してきたやつらの苦しみを思えば、それでもまだ足りんだろうよ。

「まだ……まだです……バルバラを、いえ……このバシリカにある、全ての兵力を……！！」

「……残念だったな、マダム。ユスティナ聖徒会は来ない。」

「……は？」

「けひっ……私たちの友人が、貴様の軍勢を推し留めている。奴らがここに来るなど、万に一つも有り得まいよ。」

ｻﾞ､ｻﾞｻﾞ……ｻﾞｰ……

……ん？今、なにか……

dice1d1=1 (1)

1.Kyrie eleison

「これは……」
「キリエ、っすね。」
「Kyrie eleison……？」
もしや……ハスミ先輩達か！
“ミカ！”

「なりません！！」

「なりません、私の領地で慈悲を語る歌を響かせるなど！一体どのような手段を！楽譜も蓄音機も、全て破壊したというのに！」
“奇跡、か。”
「なりません！生徒は憎悪を、軽蔑を……呪いを謳わなければなりません！！」

「お互いを騙し傷つけ合う地獄の中で、私達に搾取され続ける存在であるべきなのです！！」

テメェ、いい加減に……！
“黙れ。”
“私の大切な生徒たちに話しかけるな。”
“あなたは偽りの教えで生徒たちを奈落へと突き落とした。”
“私はあなたを絶対に許さない。”

「よ、よくも……よくも私にそのような、言葉をォォォォーーーーーッッ！！」

ゲイ・ボルグ！！

「ギャアァァァァッ！？わ、私の……私の手が……！！」

ご無事ですか、先生。
“うん、私は大丈夫。ありがとう、レイン。”
いえ。
……なぁ、おい。ヒョロガリの鶏ガラババア。こっちはとっくにプッツン来てんだよ。
イチカがなんて言おうが関係ねぇ、次は息の根止めてやる。そのツラぁブチ抜いてそっ首ネジ切って、いちばん高い屋根に突き刺してやる。死にたくねぇなら黙ってろ。
“ダメだよ。怒る気持ちはわかるけど、ね。”
へいへい。了解しゃした。
“ほんとに分かってる？”

「瀬田レイン、私からも頼む。その辺にしておいて欲しい。」
ぁん？どうしたよツミキ、まさか絆されでもしたか？
「いや、それは無い。マダムは憎いし、私だけじゃなく、私の部隊は皆嫌っている。だがそれでも、その命まで奪いたい訳じゃない。しっかりと生きて、私達アリウス生に罪を償って欲しいんだ。」
……なるほどな。思ってたより強えな、ツミキは。アタシよりも強いかもしれねぇ。
「なっ……世辞はやめてくれ。それに……」
それに？
「……家族に、罪を背負って欲しくない。そう思うのは……おかしいか？」
……ふ、ふふふ……あっはははは！
「わ、笑うな！！」
いや悪い、悪い。ふふふ……そうだな、家族の頼みなら仕方ねぇ。感謝しろよ、ババア。

「ぐ……おのれ……！」

“アツコ、大丈夫？”
「あ……先生。うん、大丈夫。私はまだ生きてる。」
「アツコ！良かった……良かった……！」

あっちも、上手くいったみてーだな。めでたしめでたし、ってか。

「まだっす！ミカ様達の援軍に行かないと！」

おっと、そうだった。先生、ツルギ先輩！こいつらごとそこのババア任せてもいいですか？

「……ああ、任せろ。」

“うん、任せて。”

お願いします。イチカ！

「行くっすよ！」

おうよ！

ミカ達のところにたどり着くまで

dice1d20=12 (12)

「こっちっすか！？」
いやこっちだ！通った跡がある！
……あそこだ！今銃撃の光が見えた！
「じゃあ早く行かないと！」
イチカは先に行ってくれ！アタシはまずここから……！
「何をする気っすか！？」
なーに、簡単なことよ。槍は刺すだけじゃなく、こういう使い方もあるってわけだ！

「あはは、そろそろキツイかも……☆」
「耐えてくださいミカさん！前線のあなたが倒れては……！」
「分かってる、ここで死ぬ訳にはいかないじゃんね……！」
「ミカ様、前！ユスティナ聖徒会の攻撃が！」
「っ……！」

〈ゲイ・ボルグ〉！！

ドォンッッ！！

「この槍は……レイン！」
「ひゃー、すごい風圧っすね……お待たせしましたっす！仲正イチカ及び瀬田レイン、現着しました！」

あのクソババアの最後っ屁か。万全のアタシなら、どれだけやれるか試してみっか？
「クソだ屁だと汚いですよ。ミカさんの前なんですから、もっとお上品に。」
お排泄物ババアの最後腸内ガスで満足ですか？んな事言ってる場合じゃないでしょうに。バルバラとかいうデカブツはアタシが引き付けます、その間に先輩方は周りを！
「私も雑魚を散らした方が良さそうっすね。大物は任せたっすよ、レイン！」
あいよ、任された！アタシがここに居るからには、姫君に指一本触れられると思うなよ？

次スレだ。

作戦完遂まであとちょっと、気は抜けねーな。

正実の姉御 瀬田レイン Part6｜あにまん掲示板トリニティ総合学園2年、正義実現委員会……に残れるといいな、瀬田レインだ。そもそもアリウス正常化作戦が元はアタシの独断だしなー。クビで済めばいいが、いやはや。前スレはここだ。https://bbs.a…bbs.animanch.com