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🎲【閲覧注意】学園長「君たちにはゲームをしてもらおう……。」6|あにまん掲示板
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🎲【閲覧注意】学園長「君たちにはゲームをしてもらおう……。」6

  • 1◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 15:23:08
  • 2◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 15:25:55

    現状のまとめ

    ゲーム開始は10:00。1時間ごとにゴールが出現し、15:00にゲーム終了。


    ・体育館

    咲季<2> 佑芽<1> 星南<2> はつみちゃん<-1>


    ★ゴール済★

    清夏<3> 燐羽<1>

    千奈<3> 美鈴<1>

    ことね<3> リーリヤ<1>

    手毬<2> 広<1> 莉波<1>


    ★脱落済★

    麻央<1>

  • 3◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 15:48:58

    【体育館】


    ――ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。


    ようやく追いつけるかも――そう思った瞬間に。
    お姉ちゃんはいつも、見えなくなる。

    周りの変化はいつも、速すぎて。
    のろまなあたしには、目まぐるしすぎる。
    ……息もできないくらいに。

    『お姉ちゃん、待ってよ。』

    『――あたしを……置いていかないで!』

    幾度となく、追いかけ続けた。
    捕まえていないと、どこかに行ってしまうお姉ちゃんを。

    今も、どこか未来を向いているお姉ちゃんを。



    「――やっと、捕まえた。」


    もう、離したくないから。

  • 4◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 16:16:13



    咲季「楽しかった日々に帰ろう……ですって?」

    佑芽「うん。最初はちょっと難しいかもって思ったんだけどね……。」

    佑芽「脳みそがくっついていた時の名残でね、この世界にはまだみんなの記憶も残ってるの。今のあたしなら、みんなの人格も再現できそうなんだ。」

    咲季「……そう。さすがわたしの妹ね。わたしはまだ、リーリヤみたいに姿を変えることすらできなさそうだわ。」

    星南「この世界の明晰を進めるにつれて強迫観念に囚われた行動に駆られやすくなる……広の言った通りだわ。佑芽、正気に戻りなさい。」

    佑芽「あたしは正気だよ。だって……こんなにやるべきことがハッキリしているあたしは、はじめてなんだ。今なら、お姉ちゃんに届く。」

  • 5◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 16:31:01

    佑芽が武器を掲げると、流されるように星南もまた手にした旗を構える。
    はつみちゃんを相手取っていた時のような、ピリピリとした空気だ。
    敵対者の業物は、斧ほどの切断力はなくとも、佑芽の筋力から振り下ろせば十分な――否、斧以上の殺傷力となるだろう。

    星南「実力行使……ってことかしら。穏やかじゃない解決法ね。」

    そんな中、相対している咲季は――

    咲季「――佑芽っ!」

    ――手にしたポーチと、レイピアを捨てた。

    星南「咲季?」

    咲季「これは、違う。わたしたちの決着の形はいつもひとつだった……そうでしょ、佑芽?」

    佑芽「……それも、そうだね。」

    これは、互いに武器と武器を手にとっての"戦い"ではない。
    戦いは、プロデューサーの憎しみを相手取った時に既に終わっているのだ。

    そう、これは――



    咲季・佑芽「「――勝負ッ!」」

  • 6◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 16:36:13

    星南「えっ……?」


    その開戦の合図と共に、周囲の景色は体育館から dice1d3=2 (2) へと変わる。

    1 陸上のトラック

    2 プール

    3 ドッジボールのフィールド

  • 7◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 16:50:54

    そしてその景色に連動するように、咲季と佑芽の姿は水着へと変わっていた。


    咲季「佑芽のしわざね?」


    佑芽「うん! 綿密なイメージの調整も……やってみたらできたんだ。」


    咲季「そう……。今の佑芽は本当に、この世界の神さまみたいね。」


    佑芽「もちろん、勝負の最中にこんなズルはしないよ。」


    咲季「ええ、分かってるわ!」


    両者は飛び込み台に立つ。


    佑芽「ルールは100m一本勝負。」


    咲季「望むところよ!」


    咲季の水泳力

    dice1d100=62 (62) + dice1d80=22 (22) (お姉ちゃん補正込み)


    佑芽の水泳力

    dice1d120=39 (39)

  • 8◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 16:55:53

    咲季「わたしの勝ちね!」


    佑芽「クッソ~~~早速負けたぁ~~~! でも、まだまだぁ!」


    佑芽の雄叫びと共に景色が dice1d3=2 (2) へと変化する。

    1 陸上のトラック

    2 柔道場

    3 ドッジボールのフィールド

  • 9◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:00:36

    柔道着に変わった二人が、中央で睨み合う。


    星南(私まで着替えさせられる必要はあるのかしら。)


    佑芽「さあ、お姉ちゃん!」


    咲季「何回だって……相手になるわよっ!」


    咲季の柔道力

    dice1d100=18 (18) + dice1d80=27 (27) (お姉ちゃん補正込み)


    佑芽の柔道力

    dice1d120=92 (92)

  • 10◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:07:53

    佑芽「……え?」

    咲季「……人のこと投げといてぽかんとした顔してんじゃないわよ。」

    佑芽「……勝った、の?」

    咲季「そうよ。……言ったでしょ、いつか負けるって。」

    咲季「わたしが別の競技に逃げなかったら……あなたはいつも、わたしなんて追い越してるのよ。」

    佑芽「……つ、次!!」

    1 陸上のトラック
    2 スケートリンク
    3 ドッジボールのフィールド

  • 11◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:08:53

    ダイスミス

    dice1d3=3 (3)

    1 陸上のトラック

    2 スケートリンク

    3 ドッジボールのフィールド

  • 12◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:17:55

    体操着を纏った少女たちは、コート越しに相対する。


    咲季「佑芽、あなたは……」


    佑芽「ま、まだまだ1勝1敗! 勝負はここからだよ!」


    ボールは dice1d2=2 (2) の手に渡っている。

    1 咲季

    2 佑芽

  • 13◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:19:54

    佑芽「いくよ! お姉ちゃん!」


    咲季「妹のボールを……お姉ちゃんが取れないわけないでしょ!」


    佑芽の投擲力

    dice1d200=160 (160)


    咲季のキャッチ力

    dice3d100=28 9 27 (64) (お姉ちゃん補正込み)

  • 14◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:28:51

    ――トン、とボールが大地に落ちる音が響く。

    剛速球を受け止め損ね、小さく嗚咽を漏らした。
    地に伏したボールをどこか遠い目で見つめる咲季の姿からは――かつて感じた圧倒感も距離感も、消えてしまったような気がした。

    咲季(――めっきが剥げていく。)

    咲季(――虚飾が消えて、本当のわたしが曝け出されていって。)




    咲季(――長い間の夢が、覚めていく。)

  • 15◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:31:38

    dice1d3=3 (3)

    1 陸上のトラック

    2 スケートリンク

    3 砲丸投のフィールド

  • 16◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:35:54

    佑芽「……お姉ちゃん、手は抜いてないんでしょ?」


    咲季「当たり前でしょ。そんなことをする無礼はしないし……そもそもあなた相手にそんな余裕もないわ。」


    あたしよりも小さな身体で、あたしよりも細い腕で。

    あたしよりも遠くに砲丸を飛ばすあの日のお姉ちゃんの姿が、蘇る。


    佑芽の投擲力

    dice1d200=198 (198)


    咲季の投擲力

    dice1d100=56 (56) + dice1d80=41 (41)

  • 17二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:41:37

    佑芽が強すぎる

  • 18◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:47:37

    記憶に焼き付いたその姿と今のお姉ちゃんの姿は、同一かと見違えるほどに重なっている。

    だというのに、何故。



    咲季「あなたが変わったのよ。」

    佑芽「……そう、なの?」

    咲季「あなたが背中を追ってくるその瞬間がとっても嬉しくて……だけど、とっても怖かったわ。」


    ――これは、わたしが始めた夢の話だ。

    わたしを"世界一のお姉ちゃん"だと信じて止まないあの子を嘘つきにしないために作り上げた、虚構の物語。

    だから、わたしが責任をもってトドメを刺すんだ。

    長きにわたる夢を打ち砕いて――あの子を現実に、引き戻す。

  • 19◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:51:26



    知ってたよ。

    お姉ちゃんが、完璧なんかじゃないって。

    たまに意地っぱりで、嘘つきで、カッコ悪い時もある。
    それがあたしの、最高のお姉ちゃんだ。
    そんなお姉ちゃんの背中を追うのは、苦しかったけれど――とても、楽しかった。



    咲季「あなたが変わったのよ。」

    ねえ、お姉ちゃん。
    どうしてそんなことを、言うの?

    あたしがいちばん、怖いのは――

  • 20◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 17:57:32

    dice1d2=2 (2)

    1 陸上のトラック

    2 スケートリンク

  • 21◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 18:01:57

    星南「わっ!?」

    突如として足元が不安定となったことで、つい転びかけてしまう。
    何とかしてバランスを取ったその舞台は、スケートリンクだった。

    星南(ついていけないわね。ここはもはや……あの二人だけのステージ。)

    星南(だけど。)

    星南(ステージを降りた者として――私にしか……いいえ、私たちにしかできないことはある。)

    星南(だってあの子たちは――)




    星南(――"アイドル"なのだから。)

  • 22◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 18:04:44

    佑芽のスケート力

    dice1d100=71 (71)


    咲季のスケート力

    dice1d100=51 (51) + dice1d80=42 (42)

  • 23◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 18:18:53

    咲季「ちょっと勝ったくらいで――いつまでも格上顔はさせないわ! 力よりも技術が大事な種目なら……わたしに分があるもの!」

    佑芽「……まだまだ、終わらない。終わらせないよ!」

    舞台は陸上のトラックへと変わる。
    客席では多くの観客がこちらを見ている。
    アスリート時代に何度も見てきた景色だ。
    衆目の中でその瞬間の勝負に魂を賭けるその様は、アイドルと共通するところもあるのかもしれない。

    勝負の場に着く。
    100m走の開始の合図となるピストルから――発砲音が発せられる。

    弾かれたように飛び出す二人の少女。
    一陣の風となった少女たちを――


    ???「花海さ~~~ん!!! 頑張ってくださいませ~~~~!!!」


    ――この場にあるはずのない声援が迎えるのだった。

  • 24◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 18:37:19



    星南(よし、今なら……。)

    スケート靴から陸上のブーツに変わったことで、自由に動けるようになった星南は、ある青年をその両腕で抱えていた。
    勝負に夢中になっている二人に、プロデューサーのことなど気にしていられるはずもない。
    斧で斬られて痛む腕に発破をかけて、気合だけで歩みを進めていた。

    そして、プロデューサーをゴールの上に乗せる。
    4点に満たないため、ゴールはできない。
    だが、どうやらこのゴールは脳の接続を切るための中継点。
    現実と脳内世界の狭間である。

    それならば――ここでなら。

    星南「外にいるみんな、聞こえるかしら。」

    星南「私が見出し育てた、可愛い星たちが今……戦っている。」

    星南「この声が届くのならば……きっとあなたたちの声も届くでしょう。」

    星南「――どうか、遥か遠くの煌めきのため、声援を。」

  • 25◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 18:51:26

    千奈「み、みなさん!! 先生が……先生が喋り出しましたわ!!」

    広「千奈、落ち着いて。みんな見てた、よ。」

    清夏「今のホントにPっちだった……? いや、声はPっちだったけど……なんかやたらポエミーじゃなかった?」

    ことね「いや、今のあの感じ、多分……。」

    莉波「たぶん、星南会長かなあ。」

    リーリヤ「……咲季ちゃんと佑芽ちゃん、まだ戦ってるんだ。」

    手毬「まったく……仕方ないな。」

    燐羽「私、まだ起きたばっかりなんだけど。」

    美鈴「まあ。わたしも……ちょうど目が覚めたところです。」

  • 26◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 19:12:00

    千奈「花海さ~~~ん!!! 頑張ってくださいませ~~~~!!!」

    その言葉を皮切りに、いくつもの声が脳内世界に響く。

    手毬「負けたら……容赦しないから!」

    広「佑芽も咲季も、おうえんしてる、よ。」

    美鈴「どうか、ご武運を。」

    燐羽「佑芽、咲季お姉ちゃんの足を引っ張るんじゃないわよ?」

    莉波「二人とも、無理はしないでね?」

    清夏「咲季っち、負けんな~!」

    リーリヤ「う、佑芽ちゃんも頑張ってください!」

    ことね「頑張れ、お前ら!!」

  • 27◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 19:16:38

    佑芽(どうして……。みんなの人格はまだ作ってないのに。)


    佑芽(……いや、今は走らなきゃ――!)


    佑芽の瞬発力

    dice1d200=86 (86)


    咲季の瞬発力

    dice1d100=33 (33) + dice1d80=75 (75)

  • 28◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 19:46:58

    咲季「ハァ……これで、3vs3ね……。さあ、次は何の勝負?」

    佑芽「つ、次は……。ええっと……。」

    咲季「……ねえ、佑芽。」

    咲季「ここに来てからたくさんの競技で勝負しているけど……」

    咲季「競技に"アイドル"がないのはどうしてなの?」

    佑芽「っ……! そ、それは……。」

    咲季「……佑芽、わたしね。」

    咲季「やっと、分かった気がする。あなたの気持ち。」

  • 29◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 19:56:14

    胸が苦しい。
    負けをひとつ重ねる度、大切なものが剝がれていく心地がする。

    そうだ、わたしは。
    わたしだけは――この気持ちを、知っている。

    変わってしまうことへの、恐怖。
    この勝負の結果ひとつで、わたしと佑芽の関係性は大きく変わる。
    わたしは世界一のお姉ちゃんじゃなくなって――佑芽から、興味を無くされるかもしれない。

    変革の可能性が捨てきれなくて。
    ずるずる、ずるずると現状維持にしがみ付いては、毎回毎回競技を変えて逃げ続けてきた。

  • 30◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 20:01:50

    咲季「佑芽、あなたもわたしと一緒。」

    咲季「わたしが競技を変えるたび――怖かったのね。」

    佑芽「……うん。」

    佑芽「あたしがのろまだから、お姉ちゃんはあたしを待たずに変わっていっちゃう。」

    佑芽「だから、あたしは――」

  • 31◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 20:41:09

    ――負けたかった。

    まだ勝負のついていないアイドルという競技じゃなくて、勝ったことのない運動競技で負けて、何も変わっていない現状の中に身を委ねていたかった。

    この世界は、何も変わらない。
    あたしも、お姉ちゃんも、いつまでもプロデューサーさんがいた頃の幸せな毎日の中で過ごしていられる。

    そう、信じていたかった。



    ……でも。

    みんなの声援が聞こえる。
    あたしたちが、帰って行けるように。
    行くべき道を、示してくれているように。

    咲季「確かに、わたしたちの環境は変わってしまったわ。」

    咲季「帰った先に、麻央先輩はいない。プロデューサーだって、すぐに復帰とはいかないでしょうね。」

    咲季「……それだけじゃない。たくさん間違えてしまったわたしたちは、もっと変わっていかなくちゃいけないところがある。……怖いわ、すごくね。」

    咲季「……でも、だからこそ。もうあなたを一人残して変わったりしない。」

    咲季「――わたしたちとプロデューサーが繋いだ、みんながいるから!」

  • 32◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 20:47:21

    佑芽は咲季の手を……

    dice1d2=1 (1)

    1 取る

    2 取らない

  • 33◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 20:53:02

    咲季「帰りましょう、佑芽。わたしたちの……未来に!」

    佑芽「……うん。」

    星南「どうやら決着は、ついたようね。……いえ、最後の勝負は――現実に戻ってからかしら。」

    咲季「ええ。まだアイドルとしての決着はついていないもの。」

    佑芽「……絶対、負けないからね!」

    観戦していた星南も、彼女が抱き留めるプロデューサーを連れて、ゴールへと歩みを進める。
    迎え入れるように優しく、虹色の光は4人を包み込んでいった。

  • 34二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 21:01:43

    よかった…

  • 35◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 21:04:15


    星南『ねえ、先輩。ひとつ教えてくれるかしら。』

    P『なんでしょうか。』

    星南『病気のこと、どうしてみんなにずっと黙っていたの?』

    P『……担当アイドルのメンタルに影響を与えてしまうでしょう?』

    星南『答えになっていない。後で話したところで、遅いか早いかの問題でしかないわ。』

    P『まったく、逃げが通用しない人ですね。……強いて言うなら、怖かったからです。みんなが俺を見る目が、頼れるプロデューサーから可哀そうな人に変わってしまうのが。本当は、伝えておいた方が誠実で、総合的に見て皆さんの心の傷も浅いと分かっていながら――できませんでした。』

  • 36◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 21:09:08

    星南(変化を拒み、現状に甘んじる――誰もが抱えている弱さ。)

    星南(私も……ううん、私たちだってそう。)

    星南(プロデューサーがいなくなることに耐え切れなくて、向こう見ずなまま挑んでしまった。その代償は、決して安くはなかった。)

    星南(だから、私は。)

    星南(躊躇いながらも、変革のための一歩を踏み出したあなたたち二人を……誇りに思う。)

  • 37◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 21:10:14

    【花海咲季 花海佑芽 十王星南 プロデューサー ゴール完了】

    【ゲーム終了】

  • 38二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 21:12:14

    数値決まった時点で犠牲者は避けられなかったとはいえ最小限で済んだのは不幸中の幸いと言っていいのだろうか…

  • 39◆YYjiOMVygQ25/06/18(水) 21:13:18

    以降はエピローグ+後語り的な何かとなります。
    もう少しだけお付き合いくださると幸いです。

  • 40二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:31:17

    >>38

    いつだれが落ちても 下手すれば過半数が死んでもおかしくはなかった

    だから奇跡かって言われると………

  • 41二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 23:05:08

    ああ…とうとうゲーム終了か…
    俺もこのスレを追い続けるという現状に甘んじていたかったが、今はただ主に感謝を。

  • 42二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 00:57:31

    結末が楽しみです

  • 43二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 08:09:53

    ほしゅ

  • 44二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 14:52:59

    麻央どうなったんだー

  • 45二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:31:10

    麻央は学Pの脳内で生き続けるとかある?

  • 46◆YYjiOMVygQ25/06/19(木) 22:01:06

    ごめんなさい。今日は更新休みます。
    言い訳はしません。清夏ちゃんのSTEP3を読みに行きます。

  • 47二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 00:37:38

    ほしゅ

  • 48二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 04:26:06

    保守

  • 49二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 11:19:18

    保守

  • 50二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 19:43:07

    保持

  • 51二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 23:25:56

    しゅしゅしゅ

  • 52二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 05:11:47

    ほしゅ

  • 53二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 12:20:30

    保守

  • 54◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 16:05:14

    その日は、プロデューサーとは会えないまま解散となった。
    脳の接続という開発途中の技術を用いた影響を調べるため、精密検査が行われているらしい。
    すぐにでも会いたいし、無事を確かめたい。
    そんな逸る気持ちにお預けをくらいながら、わたしたちは倉本家が所有するらしいホテルで過ごすこととなった。

  • 55◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 16:14:57



    【ホテルの一室】

    千奈「ええ~~~~~~!?」

    千奈「わ、わたくし、星南お姉さまが先生のお口を借りて喋っていらっしゃったとき、思っておりましたのよ。花海さんと咲季お姉様は、お聞きした怪物のようなものと戦っていらっしゃると……。」

    佑芽「ふっふっふ……。」

    佑芽「あたしと! お姉ちゃんが! 戦っていたのだぁ~~~!」

    千奈「そ、そんな……! わ、わたくし、申し上げてしまいましたわ。」

    千奈「花海さん!!! 頑張ってくださいませ~~~~!!! ……と!」

    広「くらもとちな? よくもわたしを応援せず佑芽の応援をしたわね!」

    千奈「……うう、咲季お姉様にそんな風に怒られてしまいますわ~~~!」

    佑芽「お姉ちゃんはそんなこと言わないよ~。」

  • 56◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 16:20:41

    広「ところで、佑芽。」


    佑芽「なあに、広ちゃん。」


    広「最初、わたしと佑芽と手毬でゴールできるってなったのにしなかったとき、佑芽、なんて言ったかおぼえてる?」


    佑芽「え? ええっと……」


    佑芽「んー、なんだっけー……。」


    佑芽「……あ゛。」


    広「佑芽は言ってた。アイドルたちが争っていても、自分がいたら止められるかもって。」


    佑芽「……言いました。」


    千奈「花海さんがいちばん争ってますわ~~~!」


    広「どういうことなのか、せつめいをもとむ。」


    佑芽「ひ、広ちゃんもしかして、怒ってる?」


    広「怒り dice1d100=21 (21) パーセント。」

  • 57二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 16:24:35

    このレスは削除されています

  • 58◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 16:27:01

    広「空気中の酸素濃度くらい怒ってる、よ。」

    千奈「し、篠澤さん! 『そこまで怒っているわけではないけどこの怒りの部分はちゃんと全身で吸収してほしい』というニュアンスを伝えたいのでしょうけど! ま、回りくどいですわ!」

    広「今夜は寝かさない。たっぷりお話しよう、ね。」

    佑芽「は、反省してます……。」

  • 59◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 17:14:09



    【ホテルの一室】

    咲季「そこで佑芽がわたしにこう言ったの。ルールは100メートルの……」

    清夏「ストップさきっち。あたしまだ背景がプールになった辺りからついていけてないんだけど!」

    リーリヤ「佑芽ちゃん、イメージを意識的にすり替えるの、そんなレベルまでできるようになったんだね。」

    清夏「んでリーリヤは理解はやいね!?」

    咲季「そうね……ぐぬぬ、リーリヤもロボットになれてたものね……。」

    清夏「どゆこと!? なんかちょっと悔しそうなんだけど!」

    リーリヤ「シルヴェスタです。」

  • 60◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 17:39:19

    リーリヤ「かくかくしかじかで……夢の世界だと色んなこと、実現できてたんだよ。」

    清夏「な、なるほど……。そんなフシギ空間だったんだ、あそこ。」

    咲季「でも、わたしは結局できなかったわ……。」

    清夏「んー、話聞いてる限り、あたしは思うな。リーリヤだからできたんだって。」

    リーリヤ「え? どういうこと?」

    清夏「さきっちはさ、スポーツやってたし、入学地点で首席の成績持ってたし……トップアイドルになる自分っていうの、けっこーすんなりイメージが湧くと思うんだ。」

    咲季「まあ……そうね。そのために何をやるべきかも分かってる。」

    清夏「そゆこと。輪郭線が分からない場所に、曖昧なままイメージで補って走り出すなんてこと、しないっしょ?」

    咲季「そんな考えなしなことはしないわ。」

    リーリヤ「か、考えなし……。」

  • 61◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 17:46:40

    清夏「うちのリーリヤが目指している場所は、さきっちみたいに固まってる場所じゃない。だから、日々そんな自分をイメージしながら過ごしてるんだ。」

    咲季「なるほど……つまりあの変身みたいなのは……すっごく妄想が上手じゃないとできないってことなのね!」

    リーリヤ「さ、咲季ちゃん!?」

    清夏「そゆこと♪」

    リーリヤ「す、清夏ちゃんまで! お、怒るよ!」

    清夏「……ねえ、リーリヤ。」

    リーリヤ「……え?」

    清夏「あたしも、まだ地に足着いたばっかり……トップアイドルなんて、遥か遠くにしか見えないよ。」

    リーリヤ「清夏ちゃん……。」

    清夏「だから……約束の場所。これからも変わらず、一緒に目指していこうね。」

    リーリヤ「……うん!」

  • 62◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 17:53:38

    リーリヤ(清夏ちゃんがゴールしたあの時――わたしは、わたしが清夏ちゃんを助けて一緒にゴールしたかったのに……って、そう思った。)


    清夏(弱かったあたしは、リーリヤがゴールする助けになりたいって気持ちを貫けなかった。)



    だけど――わたしたちの約束<ゴール>は、もっと先にあるから。



    リーリヤ(もっと……もっと、高いところに。)


    清夏(地に足つけて、一歩ずつ……。)



    ――いつかあの地平で、わたしたちの道が交わる、その時まで。

  • 63◆YYjiOMVygQ25/06/21(土) 17:54:54

    次回、SyngUp!組とことね+3年生組のエピローグです。

  • 64二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 18:14:02

    >>56

    言ってたな…

    かなり序盤だったから完全に忘れてた

  • 65二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 19:26:13

    だんだんと終わりに…

  • 66二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 20:07:38

    リーリヤ「シルヴェスタです。」

    ☝️このやり取りすっかり定番になってて好き

  • 67二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:13:06

    すごいスレを見た。

  • 68二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 07:16:32

    続きが楽しみ

  • 69◆YYjiOMVygQ25/06/22(日) 12:25:04

    ほしゅ
    今日は書けるか怪しいです……

  • 70二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:46:16

    保守

  • 71二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 00:29:03

    保守組

  • 72二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 07:50:36

    保守ルヴェスタです。

  • 73二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 16:08:17

    保守みちゃん

  • 74二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 16:08:26

    ほしゅー組は今日も仲良し!

  • 75◆YYjiOMVygQ25/06/23(月) 22:15:06



    【ホテルの一室】

    永遠にも思えるような静寂が、部屋の中に漂っていました。
    天気は生憎の曇天。
    雨音ひとつ聞こえやしないその部屋に微かに聞こえるのは、緊張感を纏った息遣いのみ。
    それすらも、雰囲気を読んでか、響かぬように押し殺しているように思えて――ああ、なんて、面倒くさい空気。

    そんな重苦しい雰囲気を破壊したのは、捨てられた子犬のように弱弱しい、まりちゃんのひと言でした。

    手毬「……ゴメン、美鈴。……燐羽。」

    まりちゃんは、プロデューサーの病気が判明してからずっと、SyngUp!での活動をお休みしていました。
    ずっと、負い目があったのでしょう。
    高等部に進学して、様々な苦労を経てようやく再結成したSyngUp!から離れるのに、まりちゃんなりの葛藤が無かったとは思えません。

    ですから、わたしは。

    美鈴「……構いませんよ。」

    思えば、他者に寛容であれるだけの心の余裕が、ずっと……ずっと、なかったように思えてきます。
    ゲーム中は、葛城さんにもひどいことを言ってしまいました。

    でも、今は久方ぶりに……心のモヤが晴れました。

  • 76◆YYjiOMVygQ25/06/23(月) 22:39:20

    燐羽「……あのさ。」

    燐羽「私たちに謝ったって、何にもならないでしょう?」

    燐羽「二回解散した私たちに、三度目はないわ。」

    燐羽「それでも謝りたいっていうなら言葉だけは受け取ってあげるけど。用はそれでおしまい?」

    手毬「そ、それは……。」

    らしくもなく、まりちゃんが黙り込んでしまいました。
    りんちゃんが小さくため息をついて、何となくな落としどころに落ち着いて……。
    この先の流れが、見えるようです。

    ですが――

    美鈴「ねえ、りんちゃん?」

    燐羽「美鈴……何よ。」

    美鈴「わたし、今回の件では……まりちゃんよりもりんちゃんに、思うところがあるんですよ?」

    燐羽「はぁ?」

  • 77◆YYjiOMVygQ25/06/23(月) 22:50:47

    美鈴「りんちゃん、ゲームでは早く脱出したようでしたが、学園長をどうするつもりだったのですか?」

    燐羽「なっ……どうだっていいでしょ。」

    美鈴「研究員の方に聞きましたよ。目を覚ました途端、学園長の名前を呼びながら暴れ出したと。」

    燐羽「それ、は……。」

    美鈴「アイドルに暴力沙汰のスキャンダル……いえ、もはや暴力では”済まない”ことを考えていたのでしょうか。」

    美鈴「それが、りんちゃんのアイドル活動に……人生に、どのような影響を与えるか。考えていなかったとは言いませんよね。」

    燐羽「……しょうがないでしょ。記憶、無くしてたんだから。」

    美鈴「他の皆さまも記憶はなくしておられましたが、りんちゃんのような強硬手段を取ろうとした方はいませんでしたよ。」

    燐羽「……そうじゃなくて。SyngUp!再結成した後も……アイドル続ける気なんてなかった。」

    手毬「え?」

    燐羽「解散ライブさえやり直せれば、それでいいやって。……それすらも、デスゲームみたいな不可抗力があれば諦められる程度の未練。」

    燐羽「私がアイドル人生を棒に振ってでも学園長を殺しに向かえたのはそれが理由よ。」

  • 78◆YYjiOMVygQ25/06/23(月) 22:57:26

    燐羽「……でも、秋以降の記憶を取り戻した今は、違う。」

    燐羽「咲季お姉ちゃんとプロデューサーが完成させたこの事務所が……その……」

    手毬「燐羽?」

    燐羽「……何でもない。図が高いわよ、手毬のくせに。」

    手毬「なんでぇ!?」

    美鈴「まあ、りんちゃんもイジワルせずに……そろそろ言ってあげたらどうですか?」

    燐羽「美鈴、それは――」

    美鈴「今SyngUp!は再解散ではなく、りんちゃんが病欠での活動休止ということになっていると。」

    手毬「えっ?」

    美鈴「ふふ、やっぱりまりちゃんは、公式発表を見ていなかったみたいですね。」

    美鈴「帰る場所をつくって、まりちゃんを待っていたんです。」

    手毬「り、りんはぁ……」

    燐羽「はぁ……美鈴。こっぱずかしいこといちいち言わないでくれる?」

    手毬「ありがとう燐羽! 大好きっ!」

    燐羽「……今回だけよ。」

  • 79◆YYjiOMVygQ25/06/23(月) 23:02:51

    手毬「あっ……。」

    燐羽「?」

    手毬「……ゴメン、美鈴。……燐羽。」

    燐羽「……どうして冒頭に戻ってるのかしら。」

    手毬「その……私は悪くないんだけど……」

    まりちゃんが差し出した液晶画面には、SNSのアカウントが載っていました。
    投稿時刻は昨日の、出発前の頃。
    そこから倉本家のプライベートジェットに乗っていましたので、わたしたちにも確認する暇がなかったようです。



    月村手毬のSNSアカウント「美鈴と燐羽と会うのは今回っきりにしよう。もう私に特別なんていらない。」



    燐羽「……は。」

    美鈴「まあ……。」

    また夜の寝室に、怒号が飛び交う。
    わたしの眠りを妨げる、最悪な気分だ。

    だけど――ああ、なんて、なつかしい。

  • 80◆YYjiOMVygQ25/06/23(月) 23:40:18



    【ホテルの一室】

    私は死んでも構わないと思った。
    それが、次なる星を導き育てる私の役目だと思ったから。

    今にして思えば、それは建前だった。
    凶器を前にしてみれば簡単に崩れ去るような、脆い覚悟。
    はつみちゃんに背番号があることに気付き、死のルーレットから自分が外れたその瞬間――私が覚えたのは、安堵だった。
    そして、麻央のように強くあれなかった私は、死という不可逆的な変化を拒み、生という現状に甘んじている。

    星南「今なら分かるわ。私は……寂しかったのね。」

    ことね「すみません……あたし……星南会長のライバルに、なれなくて……。」




      麻央『ごめんね、ことね。』

      麻央『キミが相手でも、この立ち位置だけは譲れない。』

      麻央『会長……いや、星南のライバルになるのは、ボクだ。』

    冬のHIF、ソロ部門予選。
    一番星に挑む権利をあたしと競い合い、そして終ぞそのチケットを手にしたのは、麻央先輩だった。

    懸命に伸ばした手は、ついに星に届くことはなく。
    桜舞う季節、あたしが掴めなかった星は、流れるように消えていく。

  • 81◆YYjiOMVygQ25/06/23(月) 23:43:14


    星南「ことねは悪くないわ。だってあの日麻央は私を倒し……一番星になったのだから。」


    ダンス審査におけるたった一票の差が、その戦いの勝敗を分けたのだった。


    星南「ことねには悪いのだけど、本当に……嬉しかったのよ。」


    ことね「負けて嬉しいって、その気持ちは分かりませんケド……。」


    ことね「あたしはそうはなれねー。今でもまだめっちゃ悔しい。だから……来年こそは……ぜってー夏のHIFで優勝してやるんで!」


    ことね「もうライバルとして並び立つことはできないけど……星南プロデューサー! これからも、よろしくお願いします!」


    星南「ええ。そうね……まだことねには、来年度以降があるもの。」


    星南「ところで……莉波。あなたは来年度以降どうするか、決まったの?」


    莉波「私は……dice1d2=1 (1)

    1 アイドルを続けます。

    2 アイドルを辞めます。

  • 82◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 00:00:05

    莉波「ことねちゃんはあの時、いなかったよね。私、手毬ちゃんに叱られちゃったんだ。」

    ことね「え!? あいつに何か言われる筋合いあるんですか!? 莉波先輩が!?」

    莉波「そ、それは私を褒めてるの!? 手毬ちゃんをけなしてるの!?」

    ことね「両方です。……と、すみません。何があったんです?」

    莉波「私ね、元々アイドルは続けるつもりでいたの。でもそれは、キャラ変の時に見捨ててしまったファンの人たちに対する罪悪感っていうのかな……。やめちゃいけないって、そんな強迫観念で続けようとしていたことに気付かされたの。」

    莉波「だからね、もう一回考えたの。私はどうしたいのか……って。」

    莉波「そしたらね、思い出したんだ。」

    莉波「私、アイドルが好きだなあ……って。」

    莉波「だからもう少し、続けてみようと思うの。私が初星学園で残した実績で、どれくらいの事務所に行けるかは分からないけどね。」

  • 83◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 00:09:35

    ことね「そっか……莉波先輩、応援してます!」

    莉波「ふふ、ありがとう。それじゃあ、私は部屋に戻るね。」

    星南「ええ。その……麻央のことだけれど……改めて。あの時はあんな告知の仕方になって、ごめんなさい。」

    莉波「ううん。今改めて話を聞いて、思ったの。すっごく麻央らしいなあって。きっと、本望だったと思う。」

    星南「……今度、改めてゆっくりと、麻央とのお別れをしましょう。」



    最後のあの時。
    小さくも頼もしい背中の向こう、麻央がどんな顔をしていたのか、私は知らない。
    死を目の前にした彼女が、いったい何を思っていたのかなんて、わからない。

    だけど、もしもこれが物語だったら、きっとそこにはこう記されていたのだろう。



    こうして、王子様は泡の中から人魚姫を救い出しました。

    ――そして彼女の代わりに泡となり、消えていきました。



    星南(私を孤独から救ってくれた愛しの王子様。どうかあなたの行く先が……安寧に満ちた地であらんことを。)

  • 84◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 00:10:35

    次回、最終回です。

  • 85二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 08:33:40

    保守

  • 86二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 16:14:49

    ついにか…

  • 87◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 21:13:09

    プロデューサーが助かった理由を正直に dice1d2=1 (1)

    1 話す

    2 話さない

  • 88二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 21:40:20

    いよいよか…

  • 89◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 21:53:54

    この瞳は、二度と光を灯すことはないのだと、そう思っていた。

    未練と後悔に塗れながら永遠に沈んでいくはずだった意識は再び目覚め、真っ白な天井が視界に入る。
    天国と呼ぶには無機質なそれをぼんやりと眺めていると、思い出したかのような空腹感が俺を襲う。

    だが、そんな不調などどうでもいいくらいに――ここのところずっと俺を蝕んでいた胸の痛みが無い。
    まるで長い悪夢から覚めたかの如き心地だった。

  • 90◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 22:09:29

    間もなくしてその病院の関係者がやって来て、事情を説明してくれた。
    どうやら俺は、倉本家の総力を挙げての対応の下、治療を受けることに成功したらしい。

    それを聞いた俺は、直ちに喜ぶことができなかった。
    死という感覚と隣り合わせにない感覚に慣れず、現実感が薄いというのもあったかもしれない。

    だが、何よりも――

    『――余命は、あと10年といったところでしょうか。』

    喜ばしいはずの言葉を告げる目の前の人の声色が、幼い頃に聞いた医者の言葉と重なったから。

    P「……大丈夫です。今ここにいること自体がひとつの奇跡のようなもの。」

    P「何を聞こうとも、受け止めます。」

    その続きを聞くのが、怖い。
    続く言葉は、俺にどうしようもない”変化”を要請するものだと、本能で感じ取っている。

    それでも俺は格好つけることを選んだ。
    ずっと、胸の中に湧き上がる周りへの憎しみを抑え込んで無表情の仮面を被り続けていた。
    担当アイドルの魔法使いであれ。そんなプロデューサー科の教えを貫くため身に付けた心持ちだった。

    「――。」

    俺が今ここに生きている真相が紡がれていく。
    脳の接続。脳内世界。憎しみの具現化。暗示。
    ――それらすべてを包括して出来上がった、俺を救うための"ゲーム"。

  • 91◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 22:21:49

    俺は、魔法使いではいられなかった。
    その真相を前に、虚勢で彩られためっきが剥がれ――泣き叫ぶことしかできなかった。

    その一生を捧げてでも、支え、頂点に導きたいと願った少女の命を犠牲に、俺は今日を生きている。

    P「話してくれてありがとうございます。」

    嗚咽混じりの声が届いているかは分からない。
    ぐちゃぐちゃな思考が、まともな意味内容を弾き出していたのかも、もはや自信がない。

    だけどせめて、言葉にしよう。

    P「……生きていく覚悟が、できました。」

    それがきっと、命を張った者たちに対する、せめてもの誠実さだと思うから。

  • 92◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 22:35:22

    あれから、咲季っちが全部話して……そして、謝ってたんだ。
    Pっちがプロデュースアイドルを増やしていたのは咲季っちが自分勝手な理由で誘導したことだ……って。

    でもさ、理由がどうとかそういうの、カンケーないっしょ?
    あたしは咲季っちに救われた。
    トラウマと向き合って……リーリヤとの約束も果たせそうで。
    感謝こそしても、怒るとこなんかひとつもないって。

    それと一緒だよ。
    麻央っち先輩も、相手がPっちだから命を賭けた。
    そうさせるだけのものをあげてきたのは、Pっちだよ。

    だから気にするな……なんて、無理かもしんないけどさ。
    せめて第一声は……ごめんじゃなくって、ありがとうって。
    そう言おうよ。一緒に、ね?

    【背番号3 紫雲清夏】

  • 93◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 22:46:47

    周囲にいたのは、私の隣で歌うのを嫌がる人たちばかりだった。
    私たちが憧れた太陽は、やさしさで包み込んでくれる……そんな温かさを持った人。
    決して、近づく相手を焼き殺してしまうような熱さじゃなかった。

    でも……ここはいいところね。誰も私を嫌がらない。
    こんなとこ、普通じゃない……っていうか、みんなどこかしら変だわ。
    こんなじゃじゃ馬たちをひとつに纏めちゃうんだもの。
    あなたがいなくなってようやく、その手腕の最たるところに気付いた。

    でも、安心して。
    あなたが復帰するその日まで、この変人しかいない世界は私が守ってあげるから。

    そして、あなたが戻ったその時には――
    ようやく、決心がついたの。もう一度、言ってくれるかしら。

    ――あなたをプロデュースさせてください……って。

    【背番号1 賀陽燐羽】

  • 94◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 22:56:54

    ふふ、先生。そんな顔をしないでくださいませ。
    感謝が欲しくてやったことではありませんわ。
    ましてや……先生を悲しませるためにやったことでもありませんの。
    こうなったのは、わたくしたちそれぞれの選択の結果。

    わたくしね、思うんですの。
    歌もダンスもだめだめだったわたくしがアイドルになれたのは、わたくしの抱えている問題を解決するカギを、先生が持っていたからなのだと。

    そして今回は、先生の抱えていた問題を解決するのに、わたくしの武器が役に立った。
    ただ、それだけですわ。

    そしてわたくしは……それを本当に、誇りに思っていますの。
    ですから、言わせてください。

    おかえりなさい――先生。

    【背番号3 倉本千奈】

  • 95◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 23:09:44

    ……おはようございます、プロデューサー。目覚めていたのですね。
    お見舞いに来たのですが、心地よく眠っているようでしたので。
    起こすのも悪いかと思い、ご一緒させていただきました。

    まあ、よくない癖ですよ、気ばかり急いて。
    もう生き急ぐ必要などないのですから、たまにはこういう時間も、悪くないでしょう?

    ……何も、考えなくていいんです。
    失ったものを、数えなくていいんです。
    あなたが今日を生きているのは、うららかな陽だまりの中でうたた寝をするため。

    そうしてゆっくりと心を落ち着けたその後で……一緒に、涙を流しましょう。

    【背番号1 秦谷美鈴】

  • 96◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 23:20:31

    プロデューサー。
    生きてて良かったです、ホントに。
    たっくさん尽くしてくれたのに恩返しとか何もできてなかったし……

    ……何ですか、その顔。
    涙で何も話せなかったさっきまでのあたしはもういません。
    落ち着きました。テイク2です。

    ……だって。しょーがないじゃないですか。
    もう会えないって……またあたしの前から大切な人、いなくなっちゃったんだって……。

    あっ、これ、ダメ、です……。
    しばらくあたし、こんな風なんでぇ……せめて……これだけっ……言わせてください。


    ――おかえりなさい。

    【背番号3 藤田ことね】

  • 97◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 23:30:22

    センパイが病気だって聞いて、もちろん、悲しい気持ちがいっぱいでした。
    でも……悔しさもあったんです。

    わたしがセンパイに最後に見せた姿が、レッスンができなくなったわたしの姿だって思うと、悔しかった。
    たとえセンパイと別れの時がきたとしても……その時は高みを目指すわたしを見せていたかったんです。

    見てください、センパイ。
    わたし、またレッスンができるようになって……清夏ちゃんとの約束を目指して走れるようになったんです。

    ……って、ここは病院でした。
    えへへ、歌もダンスもできなかったですね。

    じゃあ、次は病室にいるセンパイにも届くように、あのテレビに出ます。
    そして……アイドルに、なります。

    だからこれからも、よろしくお願いします、センパイ。

    【背番号1 葛城リーリヤ】

  • 98◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 23:41:04

    プロデューサー。浮かない顔、してますね。
    わかるよ、有村先輩のこと考えてるの。

    自分が原因で離れざるを得なくなった人のことを考えて……思いを巡らせれば巡らせるほど、自分のことが嫌いになっていく。
    そんなやりきれない気持ちも、苦しさも、わかってる。

    でも、過去は消せないから……自分が残す足跡の大きさで、覆い隠してしまえばいいよ。

    だって、私がいる。
    あなたが再結成したSyngUp!がすごいユニットだって、見せてあげるから。

    【背番号2 月村手毬】

  • 99◆YYjiOMVygQ25/06/24(火) 23:53:00

    プロデューサー。くるしんでる?

    でも、それはちがう、よ。
    失敗したのは、わたし。
    脳内世界の死亡を、リスクであるまま放置せざるを得なかった。
    それはわたしの技術がたりなかったせい。

    苦しいのは好きだけど……こんな苦しみはいや。
    こうなってほしくないって思ってたことが、目の前にある。

    でも、これはわたしが受け入れないといけない、大切なくるしみ。
    プロデューサーに持っていかれるわけにはいかない。

    だから、いっしょに分け合おう。
    このきもちを受け入れて……前に進むまで。

    【背番号1 篠澤広】

  • 100◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 00:05:06

    私、今回のことで思ったんだ。
    ずっと残り続けるものなんてない。
    変わっていくのって、当たり前のこと。
    それなのに、とっても怖いことなんだね。

    ……きみが私に、お姉さんでいてほしいって思ったのも、そうだったのかな。
    死への不安や絶望を紛らわすために、思い出の中の変わらない私に縋っていたのかも。

    学園生活は終わって、もう私は、きみの担当アイドルじゃなくなるけれど。
    だけど、もう少しだけ……きみのお姉さんでいさせて。

    きみの曇った顔が、晴れるまで。

    【背番号1 姫崎莉波】

  • 101◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 00:18:38

    私たちは、間違いを犯した。
    早まった選択で、リスクも顧みずにあなたを助けに行くべきではなかった。

    ……残酷なようだけれど、この答えは変わらないわ。

    だけどこれは、私たちが抱えるべき罪の意識よ。
    あなたが背負うものではない。

    独りで抱えなければならない重責なんて、あなたにも、私たちにもないのよ。
    たったひとりで全部を抱え込んで消えようとしていた星に、それを教えてくれた王子様がいたの。

    彼女の分まで生きましょう、先輩。

    ……それが、建前よ。

    私たちの反省に泥を塗るような言葉だと分かってはいるけれど……この瞬間だけは、言わせてちょうだい。

    ――あなたが生きていてくれて、よかったと。

    【背番号2 十王星南】

  • 102◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 00:28:55

    恥ずかしい話ですけど、あたし、プロデューサーさんの頭の中にいる時に……
    帰りたい場所が、分からなくなっちゃったんですよ。

    きっと、プロデューサーさんもそうなんだと思います。
    あたしが簡単に想像できるような気持ちではないのかもしれないですけど……
    プロデューサーさんにとっての現実って、追いかけても追いかけても届かない、遠いもので……
    きっと、帰る場所と呼ぶには嫌いなものもたくさんあると思います。

    でも、あたしに道を示してくれたのは、プロデューサーさんが選んだアイドルのみんなでした。
    こっちは楽しいよって、呼びかけてくれたんです。

    今度はあたしが、プロデューサーさんの道案内役になります。
    プロデューサーさんの帰る場所がここだったんだって、思えるようになるまで!

    【背番号1 花海佑芽】

  • 103◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 00:43:02

    さあ、夢はもう覚めたわ。
    "ゲーム"はここでおしまい。
    後は……目まぐるしく変化を続ける、辛くて苦しい現実が目の前に待っている。

    でも――そんな世界だからこそ、物足りないって顔をしたあなたは、似合わない。
    現実の中にみる夢が、夢より劣っているなんて言わせない。

    わたしたちの夢はまだまだ続いていく。
    だから、あなたが笑顔でいられるだけの楽しみを探していきましょう?

    これからもよろしくね――プロデューサー!


    【背番号2 花海咲季】

  • 104◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 00:57:05

    歌うように、或いは踊るように――
    果てしなく広い思考の海の中で、小さな泡沫がひとつ、弾けて消えた。



    ボクはなれただろうか。
    ボクの理想とする、王子様に。

    その答えは明白だった。
    ライバルを、そして大切な人を――独りにしなくて済んだのだから。


    【背番号1 有村麻央】

  • 105◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 01:01:01

    ……今日のプロデュースを振り返ろう。






    たとえ苦しくて、諦めそうでも――



    ――人生は一度きりなんだ。

    【背番号-1 プロデューサー】

  • 106◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 01:02:02

    【学園長「君たちにはゲームをしてもらおう……。」 完】

  • 107◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 01:03:32

    ということで、本作はこれにて完結となります。
    色々と拙い進行でしたが、お付き合いくださりありがとうございました。

  • 108二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 01:03:45

    うぅ、麻央…!麻央ぉ…!

  • 109二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 01:06:29

    おつ!!
    一ヶ月楽しませてもらった!

  • 110◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 01:12:37

    余韻に浸りたい時間と明日の仕事があるので、後語りは明日の夜やります。

    大体どの辺でプロットを切り替えたのかとか、この設定はいつ生えたのかとか、そういう裏話もやりたいです。

  • 111二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 01:47:13

    お疲れ様でした

  • 112二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 01:52:02

    壮大で命や痛みと向き合う尊いお話でした。お疲れ様です

  • 113二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 02:53:09

    こんなスレタイなのに結局何も関係無かった学園長

  • 114二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 05:37:05

    お疲れ様です

  • 115二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 07:31:57

    おつかれです

  • 116二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 13:56:40

    これは名作

  • 117二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:41:58

    1スレが建てられたのが5月25日...一ヶ月お疲れ様です

  • 118◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 20:33:45

    【裏話】


    当初の予定では、アイドル同士が不信感に陥りながらデスゲームを繰り広げる図になるはずでした。

    「負けたらプロデューサーと解約」というイメージが最初にありましたが、その目的自体は代替可能(いわゆるマクガフィン)だと思ったので、真剣になれそうなものを3つ集めてダイスで決めてみました。これが大きな間違いかつ、結果的にはファインプレーでした。


    十王邦夫「なに、諸君らには dice1d3=3 (3) を賭けてゲームをしてもらうこととなったのじゃ。」

    1 プロデューサー契約の続投

    2 HIFの出場権

    3 命


    よりにもよって、いちばん重いのを引いてしまった……。

    というわけで、命をかけてこのデスゲームをやった場合、大体どういう雰囲気になるかをここで初めて脳内シミュレートしてみたら、思った以上にルールに欠陥があって……開幕早々危機感だらけでした。


    ・学園長の目的が不明すぎて、人殺しという思い切った行動に出られるアイドルがなかなかいない。

    たとえばHIFの出場に関しては学園長にその裁量があるのもわかるし、自分の出場のために他のアイドルを蹴落とすのもオーディションなどで茶飯事なので、真剣にゲームに乗る動機になります。また、プロデュースの続投も、「まあ13人はさすがに多いから減らさないといけないんだろうな」っていう背景事情を足せば「でも学Pと解約したくない」とゲームに乗る動きも起こしやすいでしょう。

    命はその限りじゃなかった。学園長の目的が分からないため、「じゃあ他のアイドル殺すか」と安易に舵を切る心理描写がしにくいし、そもそも本編の星南レベルでみんなの番号を把握していないと「全員生還できるのでは?」の可能性が各キャラ視点から消えない。その状態からゲームをデスゲームとして成立させるだけの材料が用意できないなって思いました。

    これが1スレ目の>>7の出来事です。

  • 119二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:36:59

    ダイス神は常に振るものに試練を与える

  • 120◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 20:44:02

    ・協力を前提としているゲームである
    これはルールの不備でもあります。
    そもそも、他人を殺す動機があるのは背番号が2と3のキャラだけです。
     →2は3とゴールできないが、3に1を減らされては自分の生還率が下がるので、3を殺す。
     →3は1としかゴールできないので、上と同様の理由で2と3を殺す。
    つまり、他人が自分にとって害があるとする要素がかなり間接的なんですよね。

    残りのゴール回数が少なくなって、焦りが生まれて初めて手を染める……というのはあり得ますが、ゲーム開始直後に各キャラ(と読者)に緊張感を持たせるのが難しい。

    そこで用意したのが、はつみちゃんでした。
    無差別殺人鬼を配置しておくことで、「はやくゴールしたい」と思わせる動機を用意したつもりでした。
    また、誰かが殺されることで各キャラの心理や背番号の合計に変化があれば、物語を動かせるのではないかと。

    そしてはつみちゃんと各アイドルの描写をしながら、だんだんと感じてきました。
    「これ、アイドルVSアイドルの構図というより、アイドルVS学園長+はつみちゃんの構図になるな」と……!

  • 121二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:59:03

    よくアドリブでこんな物語書けるよな
    素直に尊敬だわ

  • 122二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:00:27

    初っ端から大分オリチャーひた走ってたんだな

  • 123◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 21:03:31

    この地点でアイドル同士のデスゲームを書くのを諦め、ゲーム開催の背景を「学Pの脳内に学Pを助けに来たアイドルたちが、暗示でデスゲームだと思い込んでいる」にするところまで開き直りました。
    そして書いたのが最初のリーリヤパートです。

    2スレ目の終わりくらいまでは「13人はさすがに多すぎて疲れていた学Pが、道路に飛び出してしまい事故に遭った」という背景で考えていましたが、さすがに自業自得Pすぎて同情できないので病気の方向性に軌道修正していきました。

    それと、はつみちゃんを倒したらこの物語は終わりだと思っていました。
    崩壊のルールは「仮にダイスの出目によってはつみちゃんが体育館から移動したとしても、移動先候補を絞ることで捜索フェイズを短縮する」のが目的でした。
    でも結果的にはつみちゃんを倒すまで機能しなかったどころか、はつみちゃんを倒した瞬間にアイドルたちに意味ありげに襲い掛かってしまったので、「ここから何か盛り上げどころを作れと?」とキレながら作ったのがアイドルの負の感情が襲ってくる設定です。私はペルソナシリーズが好きです。

  • 124◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 21:23:33

    主がキレたダイスBest3(1スレ>>7は殿堂入り)


    3位 講堂の”崩壊”の元になった感情


    ことねのdice1d3=3 (3) の記憶

    1 不調 2 望遠 3 薄幸


    手毬広莉波がことねの記憶に挑むことになった時に

    Pの喪失がアイドル活動にも影響を及ぼしながら人生設計が崩れていく過程を描いた「不調」と、

    回想でのPとの会話からことねの死生観を掘り下げる「望遠」の二つを考えていました。

    主はことねPなので、ここで面白いものを書きたいなと。

    崩壊は3択なので、「どうせ3分の1は引かないだろ」と高を括ってダイスを振りました。引きました。


    手毬の「――ほらね。」がなんかいい感じに手毬の記憶と結びついたので良かったです。

  • 125二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:35:33

    ストーリーと文章の完成度が高すぎて見てる側としてはダイススレであることを半分くらい忘れてたんだけど、スレ主は割とダイススレを地で行ってたんだな、本当すごいわ

  • 126◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 21:36:12

    2位 各アイドルが目を覚ました時のスタート地点

    月村手毬 dice1d8=2 (2)

    篠澤広 dice1d8=2 (2)

    花海佑芽 dice1d8=2 (2)


    ゲーム開始直後に公開されるゴールの場所

    dice1d8=2 (2)



    やめてくれ。

    なんかあった時にいい感じに雰囲気を和ませることができる手毬・佑芽と

    デスゲームの打破という点で頭脳的観点で大活躍するポテンシャルがある広を

    問答無用でゴールせざるを得ない位置に置かないでくれ……。

  • 127二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:40:49

    もし、3人がゴールしてたらどうなってたんだろうな
    実際そうなってた可能性はかなりあったし

  • 128二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:42:39

    あそこ上手いこと残る方向に進んだの良かった
    あの3人脱出すると話進みにくいし残すのかなぁと思っていたけど凄く納得の行くダイスと展開で残ったので

  • 129二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:44:51

    あそこで佑芽が8分の1引いてなかったら…

  • 130◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 21:54:11

    1位 リーリヤの<思考>二段階目


    リーリヤは1スレ目のオープニングで最初に視点となったのもあって、この物語の主人公的ポジションだと思いながら書いていました。

    (これははつみちゃんの襲撃を躱したり、美鈴に喧嘩を売ったりしたダイスの結果でもあるのですが)自分が何もできていないことに劣等感を覚えているリーリヤ。

    そんな彼女に、何なら達成させることができるかをずっと考えていました。


    「真っ先に現実世界の出来事を思い出させて、みんなに伝える役にしようかな」

    →ことねが1d15で最大値を引いて最初に思い出しました。


    「同じ劣等感を抱いた者同士、はつみちゃん戦に先走ることねの気持ちを真っ先に察して止める役にしようかな」

    →ことねが強迫観念ロールに失敗、リーリヤが強迫観念への共感に失敗したため、止められなかった。


    「……はつみちゃん戦でも何もできていないことを悔しがりながら、精神世界の特性を誰よりも早く理解してシルヴェスタ化! プラモデルにも意味を持たせられるし熱い! これしかない!!」


    リーリヤ 思考(2段階目) dice1d100=4 (4) 正気度<43>以上で成功

    リーリヤ 思考(2段階目) dice1d100=15 (15) 正気度<43>以上で成功

    リーリヤ 思考(2段階目) dice1d100=30 (30) 正気度<43>以上で成功

  • 131◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 22:06:22

    愛してるダイスBest3


    3位

    佑芽「dice1d8=8 (8) 」

    1~7 広ちゃんがそう言うなら、信じるよ

    8 ……広ちゃんの話を聞いて思った。あたし、残りたい!


    手毬・佑芽・広のつよつよ最強ゴールキーパー。

    本心ではゴールしてほしくなかったけど、ここまでダイスが全体的にゴールすることに向いていてなおゴールをさせない選択肢を出すのはダイススレ的にもよろしくないなと。

    ダイスへの誠意と、書き手としての抵抗を鑑みた結果、低確率で用意した砦でした。

    これで1~7を引いていたらゴールさせてました。


    全体的に窮地におらず減少値が少なかったとはいえ、佑芽がいちばん最後に記憶を取り戻したことも、そこから一気に0に持って行ってラスボス化することの説得力がキャラ的にあってちょうどよかったなと。

    物語全体の雰囲気はかなり佑芽周りのダイスに救われています。

  • 132◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 22:28:42

    2位 麻央VS星南


    有村麻央のダンス力

    dice1d100=37 (37)


    十王星南のダンス力

    dice1d100=3 (3) + dice1d50=33 (33) (加算)


    この二人の関係性については修学旅行のイベントコミュをかなり参考にしているのですが、

    麻央が星南に届いた事実がとても嬉しい。

    本当にギリギリ届いているこの僅差にもドラマが詰まってて好き。


    正直本作ではあまりうまい使い方できなかったですが、麻央と星南で「星の王子様」をテーマにもっとうまいやり取りをさせたかった。

  • 133◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 22:40:36

    1位 信号機VSはつみちゃん


    はつみちゃん戦の初期メンバーが咲季・手毬・ことねだったのは、計算の下で実現した展開に見えて、何もかもダイス神の導きでした。何なら>>130で触れている通り、リーリヤにことねを止めさせる算段だったので、ことねが独り向かった後のことは何も考えてなくて、信号機VSはつみちゃんが実現できることに気付いたのがことねを止めるダイスの失敗後でした。


    2スレ目>>174

    広「じゃあdice1d3=3 (3) 。dice1d2=1 (1) の方に一緒に行こう。」

    1 咲季 2 手毬 3 佑芽

    1 教室棟 2 体育館


    3スレ目>>151

    咲季「わかった。……レッスン棟の方に広と佑芽が向かってるの。dice1d2=1 (1) 」

    1 私たちはグラウンド方面を散策してくるから、そっちへ向かって。

    2 一緒に向かいましょ。


    3スレ目>>152

    咲季「ありがとう、行ってくるわ。 dice1d2=1 (1) 」

    1 手毬、行くわよ。

    2 手毬は怪我人を送っていって。


    3スレ目>>162

    はつみちゃんの次の向かう先 dice1d4=4 (4)

    1 西側(グラウンド側) 2 東側(特別教育棟側) 3~4 待機


    ことねがリーリヤに止められずにはつみちゃんのところに向かう確率 22.5%


    はつみちゃんの行き先に関しては咲季・手毬・ことねの移動距離を調整すれば何とかなるかもしれませんが、他は調整が効かないので、本当に確率の網を抜けてきた展開だったな、と。

  • 134◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 22:50:36

    ということで考えていた後語りは以上です。
    あとはスレが落ちるまでは何か喋るかもしれないし、喋らないかもしれません。

    最後まで読んでくださった方、会社から書き込めない私の代わりに保守書き込みをしてくださった方、コメントをくださった方、本当にありがとうございました。

  • 135二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:54:25

    このレスは削除されています

  • 136◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 22:56:11

    次回作の構想もあります。
    来月は仕事が忙しいのですぐには難しいかもしれませんが……。

    短いSSやダイススレであれば空いた週末を使って書くかもしれません。
    その時はぜひとも、またよろしくお願いします。

  • 137◆YYjiOMVygQ25/06/25(水) 23:06:54

    【小話】
    はつみちゃんを「ことねちゃん」と誤植してそっと削除したことがあった。

  • 138二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 23:10:08


    1ヶ月間楽しませて貰いました
    こうして振り返ると本当にダイス荒ぶってたんだなぁ…

  • 139二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 23:34:20


    次回作も楽しみ

  • 140二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 23:37:04

    乙、主視点の裏話助かる
    1つだけ教えてほしいんだけど麻央パイやられた後に復活展開とか考えなかったですか?それとも非情に徹してた感じ?

  • 141二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:04:34

    本当に楽しませてもらいました
    素晴らしい作品をありがとう

  • 142◆YYjiOMVygQ25/06/26(木) 00:14:20

    >>140


    広「もし接続中に自分の死を体験してしまうと、その人は dice1d2=2 (2) 」

    1 強制的に接続が切られるから、そのはずみに後遺症が残るかもしれない

    2 プロデューサーの意識の中から二度と帰って来られない


    麻央先輩については、ここ以降の救済は入れないと決めていました。

    というのも、このダイスに限らず、物語の世界観を決める時のダイスでは、希望に満ちた話よりも悲劇を書くことを要請され続けていたからです。例えば、1スレ目の"命"はもちろん、はつみちゃんの背番号(1/2で全員生還可能な-2を引けていた)も脱落を必ず発生させることが確定したダイスでした。


    下のダイスでは最も学Pが死を「怖いもの」と認識している択を引いており、自分が死にかけている現実に満足していないことが決まりました。

    ことね『で、思ったんですよ。何で死んだ後のことを、お星さまに喩えるのかなって。』

    P『そうですね……。きっと…… dice1d3=1 (1) 』

    1 怖いものを、遠ざけたいのではないでしょうか。

    2 見えるところにいてほしいのだと思います。

    3 大人になるほど、近づいていく場所なのでしょうね。


    そして、以下のダイスで物語における現実世界を「辛く苦しいもの」として描く路線が決まりました。

    広「dice1d2=2 (2) があるから。」

    1 愛

    2 憎しみ


    これだけ救いのない話が選ばれ続けた上で、最後の救済となる2択を外した時は、悲しいような、それでいて非情になる覚悟を入れ直しているような、深いため息を吐いたのを覚えています。

  • 143二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:21:42

    そういえば3スレ目の>>39のダイスで失敗したら星南がやられていたのかな?

    そうなったら犠牲者は2人以上に増えただろうけど

    後30以上で成功だったのは何かしらの理由はあったのかな

  • 144二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:34:01

    はつみちゃん戦で犠牲者が出ちゃったらどうなってたんだろうな
    特に1の人がやられた場合は学P一人を犠牲にするかことねを犠牲にするかの二択になっちゃうわけだし

  • 145◆YYjiOMVygQ25/06/26(木) 00:34:05

    >>143

    星南がやられていました。

    3スレ目の>>7>>53は最初から麻央が死ぬ予定だったように書かれていますが、

    仮に星南が死んでいれば最後を「そんな王子様にボクはなれなかった」みたいな文章に、

    仮に全員脱出すれば「そして人魚姫と幸せに暮らすんです」みたいな台詞にすれば、

    どの展開にも対応できるようにしていました。


    確率なんですが、バランス的に人死にが発生するダイスは、死なない確率の方を高めています。

    10分の1で死ぬダイスも、物語全体を通して10回振れば結構な確率で誰かが死ぬので、1回ごとの判定は死ににくいようにしておく必要があるという理屈の下です。


    そしてあのダイスは星南が死ぬと背番号的にもう一人死ぬので、麻央と星南のどちらが死ぬかという天秤とは別に「人死にのあるダイス」と見なし、「麻央が庇うのに成功」の確率を50%より高く設定しておきました。その結果が70%なのは適当です……。

  • 146二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:37:30

    もし千奈広手毬の3人で脱出してたらかなり色々変わってたかもな

  • 147◆YYjiOMVygQ25/06/26(木) 00:50:09

    はつみちゃん戦の犠牲者はあり得ると思っていました。


    ・仮に攻撃されていたら「持ち物で受ける」の確率が2/5しかなかった金塊を持つことね

    ・武器がなく「持ち物で受ける」が使えない佑芽


    この辺は危うかったですね。


    それと実はなのですが……

    【最後までリーリヤが思考に失敗し続けたままはつみちゃんを倒すと、確定で咲季を狙う即死攻撃を行う】というルールで進行していました。


    プロデューサーにとって、4スレ目>>105の咲季の台詞は、現実への憎しみを募らせるに充分だった。

    ゆえに、その憎しみが消えるのなら、咲季を連れて行く――そんな執念による最後の攻撃。


    リーリヤ最後の思考チャンスと、佑芽の庇う判定の二つを経て、咲季に回避不可の即死攻撃が飛びます。


    >>118

    咲季(……気のせいかしら。さっきからわたしを、狙ってる?)

    は実はそのフラグです。

    リーリヤの思考が最後まで失敗するのも現実的だと思っていたので準備していました……。



    もし犠牲者が出ていたらアイドル同士のデスゲームの方向性に舵を取り直していたと思います。

  • 148二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:59:47

    もし講堂で広か莉波が脱落した場合は相当まずいことになっていただろうな
    学P以外の全員で脱出するか学Pを助けるために2人犠牲にするかって状況になったわけだし
    講堂で無事全員脱出できたのは良かった

  • 149二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 01:05:03

    方向性が決まった後はできるだけ最小限の犠牲で済んでたってのが良いことといっていいのかなんなのか...

  • 150二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 01:07:36

    >>142ありがとう。プロデューサーの意識から帰って来れない以外にも結構ダイス神が悲劇寄りだったんだな。

    そのダイス神の意向をしっかり汲み取って非情に徹した主に再敬礼だわ。

  • 151二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 01:28:58

    スレ主的にはこの結末はどうなんだろう
    最小限の犠牲で済んだって意味ではまあマシなエンディングなのか
    それともまだいいエンディングはあったのかな

  • 152二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 07:56:58

    何度も言われてるだろうけど、初ダイススレでキャラ描写のブレがあまり無く、かつ、6スレにも及ぶ壮大な物語を作り上げてるのすごい。

  • 153◆YYjiOMVygQ25/06/26(木) 08:51:42

    >>151

    麻央が死んだ地点で(はつみちゃんの背番号が-1だった地点で)、最終的には星南が出した結論「私たちは助けにくるべきではなかった」に向かっていったんじゃないかなと思ってます。

    そうなると最終的に克服すべきなのは助けに来てしまった理由である「変化することを拒む心理」となっていたでしょうし、着地点としては来るべくしてきたエンディングだってイメージでいます。

  • 154二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 16:45:51

    麻央先輩、プロデューサーの意識の中には残ってるってことだし、ふとした時にプロデューサーが麻央先輩の癖とか出してくれないかとか妄想してる。
    ブラック好きだったのに甘めのカフェオレ好きになってたりしてくれ~

  • 155◆YYjiOMVygQ25/06/27(金) 00:30:18

    番外編


    【登場アイドル】

    dice3d13=6 3 4 (13) (重複無視)


    【時系列】

    dice1d3=1 (1)

    1 プロデューサー病気発覚前

    2 プロデューサー病気発覚後

    3 本編後(登場アイドル 4番を無視)


    【シリアス度】

    dice1d100=43 (43) (大きいほどシリアス、小さいほどギャグ)

  • 156◆YYjiOMVygQ25/06/27(金) 01:03:53



    ――小学生の頃、あたしは特別だった。

    クラスで流行っているゲームを、買ってもらえたことはない。
    女の子たちの間で流行しているファッションも、あたしには着れない。
    学校帰りにみんなでアイスを買うことになった時も、あたしは財布の中身ばかり気にしていた。

    それでもあたしの毎日が楽しかったのは――テレビの中で歌って踊る星南ちゃんがいたから。

    同級生『ことねちゃんがおすすめしてた人、観たよ! すごかった!』

    ことね『でっしょー?』

    星南ちゃんの魅力をいちばん知っていたのはあたしだった。
    星南ちゃんを周りに教える時、あたしはみんなの中心にいた。

    貧乏で、選択肢が限られたあたしの日々を特別にしてくれたのは、星南ちゃんの存在だった。

  • 157◆YYjiOMVygQ25/06/27(金) 01:18:35

    ことね「いや……びっくりしたぁ。」

    今日も座学を終え、いつもの教室に向かった。
    咲季と手毬だけでも騒々しいことこの上ないというのに、佑芽やSyngUp!のメンバーたちまで加入してからは乗算式に騒がしくなっている。
    そんな光景を予想しながら開いた、事務所代わりの教室の扉。
    途端に飛び込んできたのは、ひっ捕らえんばかりの勢いで己の名を呼ぶ一番星の声だった。

    ことね「まさか星南会長までプロデューサーの毒牙にかかっていたなんてぇ……。」

    麻央「それで……逃げてきたんだね。」

    千奈「麻央先輩と一緒に休憩しておりましたの。藤田さんもご一緒にいかがですか?」

    ことね「う~い……お邪魔させてもらうかぁ……。」

  • 158◆YYjiOMVygQ25/06/27(金) 01:35:23

    ことね「理由はわかんないんですケドー……星南会長、やたらあたしを勧誘してくるんですよねぇ。」

    千奈「ですが、わたくしには羨ましいですわ。星南お姉さまのご寵愛を受けておられるなんて……。」

    ことね「ん……星南お姉さま?」

    千奈「……? はい。」

    ことね「それ……プロデューサーが莉波先輩を姉って呼んでる的なやつ?」

    千奈「あ、あの時だけはわたくし、先生が分からなくなりますわ……。」

    ことね「じゃあ燐羽が咲季を姉呼ばわりしてるやつ?」

    麻央「……どうして類似事例がこんなに出てくるんだろうね。」

    千奈「燐羽さんも分かりませんけれど……わたくしはきっと、もっと単純なことですわ。」

  • 159◆YYjiOMVygQ25/06/27(金) 01:45:25

    千奈「わたくし……ずうっと昔から、星南お姉さまに憧れておりましたの。」

    千奈「わたくしの狭い視野から見た星南お姉さまは、テレビの中でもひと際輝いていらっしゃいました。」

    千奈「わたくしがアイドルを志したのは、それがきっかけだったんですのよ。」

    ことね「ふぅーん。」

    この時、『あたしもそうだ』とか、言えたら良かった。
    正直あんまり話したことがない千奈ちゃんとキョリを縮めるチャンスだったのに――何も言えなかった。

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