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ウマ娘昔ばなし『時そば』|あにまん掲示板
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ウマ娘昔ばなし『時そば』

  • 1噺家25/06/26(木) 20:10:42

    時は江戸時代。

    江戸っ子たちってのは蕎麦が大好きなもんで、夜中になると二八蕎麦(にはちそば)の屋台が風鈴を鳴らして蕎麦を売り歩いてたそうな。

    どうして二八(にはち)って言うのかだって?

    そりゃあ二八蕎麦の値段が十六銭。つまり、2かける8は16だからですよ。シャレが効いてますな。

    そんなある日、快活とした男が夜道を行く蕎麦屋を呼び止めたんですな。


    男 dice1d130=40 (40)

    蕎麦屋 dice1d130=92 (92)

  • 2噺家25/06/26(木) 20:18:59

    「そこのお蕎麦屋さん、ちょっとだけいい?」
    「『ヘイラッシャイ』をするよ。"HNMK"?それとも、"SPK"?」
    「んー…じゃあしっぽくで!あったかくしてくれると嬉しいかな。」
    「"裏側"だからね。『アチアチ』をするよ。」

    男は蕎麦屋にしっぽくっていう具入りの蕎麦を熱めに頼んだそうな。

  • 3噺家25/06/26(木) 20:31:24

    「で、どう?最近は。」
    「"商い"は『発射失敗』。"不景気"だね。このまま『発射成功』まで祈るのも、辛いね。」
    「へー!良いじゃん!ちょうど良くてさ。」
    「お客さん、ネオユニヴァースでも流石に『怒る』をするよ。"プロミネンス"…。」
    「昔から言うじゃん!良い後は悪い!悪い後は良い!今が儲かってないんならさ、これから良くなるかもじゃん?商いってさ、飽きずにやらなきゃダメっしょ?」
    「お客さん、『面白い』だね。ネオユニヴァースも『祈る』をしてみるよ。打ち上がるのが楽しみ。」

    男は蕎麦が出来るまで蕎麦屋の主人とそれはそれは雑談に花を咲かせたそうな。

  • 4噺家25/06/26(木) 20:38:15

    「蕎麦屋さんの行灯(あんどん)、変わってんね。的に矢が当たってて…何て読む感じ?」
    「これは"YGU"。『わたし』のお店の『ナンバー』。これは"当たり屋"だね。」
    「当たり屋!?へー!いやさ、ちょうど今からチンチロしに行くんだよね。たまたま寄った蕎麦屋が『当たり屋』だなんて縁起よすぎ!これから賭け事する前はあんたの蕎麦屋寄らせてもらうね!」
    「"お得意様"?『嬉しい』だね。今後とも『ご贔屓に』だよ。」

    蕎麦屋の主人もすっかり気を良くして、張り切って蕎麦を作ったそうで。

  • 5噺家25/06/26(木) 20:47:12

    「『へいおまち』だよ。」
    「ありがと!お喋りしてたらあっという間だね!」
    「相対性理論は本物。ネプチューンになる前に食べてね。」

    男が箸に手を伸ばしました。

    「お!割り箸?気が利いてんじゃん。いやさ、他んとこってもう割ってある箸を使い回したりしてて不潔じゃん?アタシそういうの嫌だからさ、こういうとこが1番いいな。しかも…どんぶりも立派!こんな綺麗な器、初めて見たかも!『物は器で食わせる』って言うもんね!しかも…見た感じ、他のどんぶりも綺麗!整ってるのマジで最高かも!」

    蕎麦屋の主人は耳をピコピコしながら褒めちぎる男の話を聞いておりました。

  • 6二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:47:51

    最近の流れ的に日本エボリューション話かと身構えてしまった

  • 7二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:48:07

    お久しぶり?

  • 8噺家25/06/26(木) 20:57:23

    男は蕎麦を啜る前に蕎麦の香りをひとつ嗅いでみましたとさ。

    「ん〜!いい匂い!鰹節がハッキリ効いてて、それでいてダシ本来の匂いもちゃんとある!ちょっと先に汁から行っていい系?」

    男はそう言うと、まず蕎麦の汁をまるで夏場の冷水のようにそれはそれはゴクゴクと勢い良く飲んだそうで。

    「うん!やっぱ美味しい!汁だけで美味しいもん、これは麺も楽しみ…!いただきます!」

    男は割り箸を割って麺に手をつける。
    ズルズルと勢い良く音を立てて麺を啜る。

    「麺が細くてコシがマジでヤバい!最近の蕎麦ってさ、うどんみたいなのたまにあるけどこれはそんなんじゃないね!昔ながらの蕎麦って感じ!しかもちくわは分厚い!……お!すごい!本物じゃん!また愚痴みたいになるけどケチってちくわをお麩にしてるとこもあるからさ、いやぁ…アタシ、久々に『本物の蕎麦屋』を食べに来た気がするよ!」
    「えへへ…。『ありがとう』だよ。」

    男は蕎麦をペロリと平らげた。

    「もう一杯!……って、言いたいとこだけど実はさっき不味い蕎麦屋に当たっちゃってさ。それの口直しなんだよね。だから今日は一杯だけ。ごめんね。」
    「ネオユニヴァースは『気にしてない』をしているよ。お口に合って良かった。」

  • 9噺家25/06/26(木) 21:03:20

    「あ、そうだ。幾ら?」
    「十六文だよ。」
    「ごめんね今手持ちがあんま無くてさ。不安だからお蕎麦屋さんの手にちまちま出してっていい?」
    「OK。」
    「じゃあいくよ。ひー ふー みー よー いつ むー なな やー あっ、今何時だっけ?」
    「九つだね。」
    「ありがと!えー…とお じゅういち じゅうに じゅうさん じゅうし じゅうご じゅうろく…っと!」
    「『まいどあり』だね。」
    「ん!こっちこそ美味しい蕎麦ありがと!じゃあね!」

    男はそう言うと足早に去って夜の街に消えたそうな。

  • 10噺家25/06/26(木) 21:06:04

    「えへへ…たくさん『褒められる』をしちゃった。」


    蕎麦屋の主人はご満悦で店の片付けをしておりました。


    そしてこれを見ておりましたのがどこか間の抜けた江戸っ子でございます。


    間の抜けた男 dice1d130=91 (91)

  • 11噺家25/06/26(木) 21:11:23

    「…けっ!なんだなんだあの野郎!男のくせに頭から爪先までお世辞ばっかりだ!あんまりわざとらしくやってるから食い逃げでもすんのかと思って待ってたけどちゃんと払ってったし意味が分かんねぇ!しかも気取りやがって蕎麦の値段を聞きやがる。そんなもん、十六文って相場は決まってんだろうが!」

    男はお喋りな男が食い逃げ犯だと思い込んで聞き耳を立て、本当に食い逃げをしたら捕まえてチヤホヤされようと思っていたのもあり、この結果に怒っておりました。

  • 12二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 21:11:51

    エースはなんか江戸っこが似合うな
    「楽しみ」…をするよ

  • 13噺家25/06/26(木) 21:17:39

    「しかもご丁寧に一銭一銭数えながら払ってやがった。あーっと… ひー ふー みー よー いつ むー なな やー おい!今何時だい? へい、九つで。 おう!ありがとな! とお じゅういち じゅうに じゅうさん じゅうし じゅうご じゅうろく!………ん?ちょっと待てよ。」

    男は棒切れを持って地面に正の字を書いてみました。

    「えー… ひー ふー みー よー いつ むー なな やー おい!今何時だい? へい、"九つ"で。 おう!ありがとな! とお じゅういち じゅうに じゅうさん じゅうし じゅうご じゅうろく………おいおい!15になっちまうじゃねぇか!あの野郎やっぱり一文ちょろまかしてやがった!…………いや、ちょっと待てよ?これあたしでも出来るかもしれねぇな。喋りと勢いには自信があんだ!よおし…小銭用意しとくか!」

  • 14噺家25/06/26(木) 21:20:52

    男は小銭を用意した次の晩、早くこの方法を試してみたかったので待ちきれずに早めに出かけてみました。


    「…お!風鈴の音だ!お〜い!蕎麦屋〜!蕎麦売ってくれよ!蕎麦〜!」


    男はすぐそこに居た蕎麦屋を呼び止めましたとさ。


    別の蕎麦屋 dice1d130=35 (35)

  • 15噺家25/06/26(木) 21:27:50

    「はーーーい!美味しい美味しいお蕎麦だよ!花巻がいい?それともしっぽく?」
    「あー…じゃあアイツとおなじ…じゃなかった、じゃあ…しっぽくで!アツアツで頼むぜ!」
    「分かったよー!!!」
    「ふぅ…いやぁでもよぉダンナ、今日は冷えるなぁ!」
    「えぇ!?今日あったかいよ!?昨日は確かに寒かったけど…あ!風邪とかじゃない?大丈夫ー!?」
    「………あー…気にすんな。確かに寒いのは昨日だったな…。あーっと…商いの調子はどうだ?」
    「うーん…世間は不景気だねー…。」
    「そうだな!不景気だよな!」
    「でもねでもね!アタシのとこはお得意様がいてさー!上手くやれてるんだよー!!!」
    「お、おう…そうか……。」

  • 16二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 21:29:50

    顔デカいのと背が低いのだろうな…

  • 17二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 21:30:23

    赤シャツと坊っちゃん再会してますやんか

  • 18噺家25/06/26(木) 21:34:30

    「でも良い後は悪い!悪い後は良いって言うからな!飽きずにやらねぇとな!なんせ…」
    「"商い"だからね!面白いダジャレだよね!アタシこれ大好きなんだ!」
    「……………。あっ、行灯がいいな!えー…孫に丸が書いてあって…何て読むんだ?」
    「これはアタシのとこの屋号でね!"まご屋"って言うんだよー!」
    「おう!まご屋ってのは嬉しいぜ!実はこの後街に繰り出して一発やろうと思ってんだ!まご屋に寄ったってなれば今日はマゴマゴとまごついて………うん、ちっとも稼げそうにねぇな。」

  • 19噺家25/06/26(木) 21:38:33

    「……そろそろ蕎麦が茹で上がる頃合いだと思ってんだが…まだかい?」
    「ごめんねー!急に呼ばれちゃったからさ!呼ばれる前に火を落としちゃってて…水を沸かすところからなんだ!もうちょっとだけ待っててねー!ねーねー!じゃあさ、アタシともうちょっとお喋りするー!?」
    「………いや、喋る暇があるんなら手を動かしてほしいかもな…。」

    男は昨晩のお喋り男がしていたことを実践してみましたがことごとく噛み合いませんでした。

  • 20二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 21:39:37

    この二人出番多いな

  • 21噺家25/06/26(木) 21:45:06

    かれこれ30分ほど蕎麦屋の主人から一方的に話しかけられていると、どうやら蕎麦が出来上がったようで。

    「う、うん!こうやって無駄話してる間に蕎麦が出来上がってるぐらいがちょうどいいんだよな…!いやー!割り箸なのは嬉しいな!綺麗なのはいいこった…あ!?も、もう割れてんじゃねぇか!しかもなんかネギ付いてるし!洗ってねぇのか!?……いや、割る世話が無くてありがてぇな……!」

    割り箸を褒めるのに失敗した男は気を取り直してどんぶりを褒めようと持ち上げてみました。

    「そうそう!『物は器で食わせる』って言うからよ!このどんぶりが………って!何だこのどんぶりのフチ!欠けまくってノコギリみたいになってんじゃねぇか!大した器だなぁオイ!なんか割れ目からじんわり出てるしよ!!!」

  • 22噺家25/06/26(木) 21:51:03

    「あーもう!器よりも中身だ!うんうん!良い匂いだなぁ!鰹節いっぱい使ってる匂いがしてるぜ!まずは汁だけで…!」

    男は汁だけを恐る恐る飲んでみると盛大に吹き出してしまいました。

    「………アタシの口ん中が鰹節まみれになっちまった…塩辛いし……何だこれ本当に……。……いや、蕎麦は汁より麺の細さ!きめ細やかさ!よーし箸を入れて掬ってみるぜ……って!なんだこの麺!?太すぎるだろ!一本うどんじゃねぇんだぞ!!!い、いや…太いだけできっとコシは……。」

    男が麺を啜ってみると、麺はブニブニふにゃふにゃという音を無慈悲にも立てていきましたとさ。

  • 23噺家25/06/26(木) 21:56:16

    「………なぁダンナ。あたし、しっぽく頼んだよな?ちくわが見当たらねぇんだけど…。」
    「えー!?入ってるよー!ほらほら!そこ!そこ!」
    「………これか?」

    男は汁の中からもはや半透明に見えるほど薄く切られたちくわを掬って蕎麦屋の主人に見せてみました。

    「そーそー!それそれ!」
    「い、いやまぁ…薄いのはこの際いいよ!最近はちくわの代わりに麩を入れて誤魔化すようなとこも多いからな!こんだけ薄いんなら本物のちくわだろ!」

    男は薄いちくわを口にすると下を向いてポツリと一言呟きました。

    「麩だ……。」

  • 24二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:04:06

    このレスは削除されています

  • 25噺家25/06/26(木) 22:05:33

    「……ご馳走さん。いくらだ?」
    「ありがとー!十六文だよ!」
    「あー…今手持ちが寒くて心配だからよ!一銭一銭数えながらあんたの手に出してっていいか?」
    「うん!分かった!」
    「よっしゃいくぞ!…ひー ふー みー よー いつ むー なな やー おい!今何時だい?」
    「えーっと……四つ!」
    「おう!ありがとな!えー… いつ むー なな やー ここの とお じゅういち じゅうに じゅうさん じゅうし じゅうご じゅうろく!じゃあな!美味かったぜー!」

    男はそう言って足早に夜の街に消えていったのでした。

    「……あーーー!お、お客さーーーん!!!お金!多くもらっちゃってるよーーーーー!!!!!」

    ……おあとがよろしいようで。

  • 26噺家25/06/26(木) 22:11:03

    という訳でお久しぶりです。読み手こと、今回は噺家(はなしか)でした。
    今回は有名な落語『時そば』をお送りました。これ昔ばなしって言うのかなって思ったけど、変にスレタイ弄っても混乱するのでここはひとつ…。
    落語はこういうお話として面白いものも非常に多いのですが、これに噺家さんたちの声の抑揚や身振り手振りも合わさると更に臨場感を生みます。この時そばなんかは1人目の男と2人目の男で勘定の時の小銭の数えるスピードが違ったりとか…ですね。是非興味がある方は本家の落語も見ていただけると幸いです。
    では、改めてお疲れ様でした。また、次のお話で…。

  • 27二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:12:15

    おつ
    チケゾーはなんかぴったりにかんじた

  • 28噺家25/06/26(木) 22:12:43
  • 29二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:21:59

    相変わらず上手すぎるネオユニエミュで笑う

  • 30二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:26:43

    お疲れ
    今回も面白かった

  • 31二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 23:39:00

    お話として面白いけどそれはそれとしてユニのエミュレートがすごい ダイスで突発的に決まったのにそんなに間隔空けずに書いてるし

スレッドは6/27 09:39頃に落ちます

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