先のことが予測できない時代になってきている今、スポーツやビジネス、教育などにおいて求められる「リーダー像」も変化しつつあります。そこで今回は、元サッカー日本代表監督で、現在は愛媛県今治市の高校「FC今治高等学校里山校」(通称FCI)の学園長を務めている岡田武史さんと、岡田さんと共に教育現場の最前線でリーダー教育に努める教育者・工藤勇一さんによる共著『THE CAPTAINSHIP(ザ・キャプテンシップ):絶望を希望に変えるシン・リーダー論』から、お二人の対談を一部抜粋してお届けします。
「対話の力」はこれからの時代、全人類に必須のスキル
岡田 FCIの子どもたちを見ていても、一人ひとりが主体性を持って行動し始めると、周りと対立し、衝突する場面が出てきます。ここをいかに本人たちが乗り越えていくのか。
一期生の春は僕もコーチたちもハラハラしながら見守っていたし、思わず口を出してしまいそうにもなりましたし、きっと二期生、三期生の時にも同じハラハラを感じるのだと思います。
でも、この対立と衝突が起きた時、必要になるのが工藤先生が常々おっしゃる「対話」のスキルなんですよね。
工藤 はい。リーダーであるかどうか、大人か子どもかにかかわらず、対話を重ねて意見の対立を認め合いながら合意していく力は、これからの時代に必須のスキルです。