MCU版「ブレイド」、頓挫も伝えられる現状に主演のマハーシャラ・アリが言及 「マーベルの状況がわからない」と語る
準備はできている
マハーシャラ・アリが、新作映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のプロモーション中に、進捗状況が不明となっているMCU版「ブレイド」について状況をいくつか語った。しかし、いずれも前向きな内容ではない。
MCU版「ブレイド」は2019年のサンディエゴ・コミコンで初めて発表され、計画通りに進んでいれば今年11月に公開されるはずだった。しかし、問題を抱えた本プロジェクトは現在までに監督が何度も交代しており、発表から6年が経った今も実現に近づいていない。
本作がマーベルの公開スケジュールから削除されてから8カ月が経つが、現時点でスタジオは新しい公開日を発表していない。しかし、同作がカレンダーから外されてから1カ月後、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、いずれ「ブレイド」の映画を制作する予定だと述べていた。
「『ブレイド』に全力を注いでいます。このキャラクターも、マハーシャラが表現するブレイドもすごく気に入っています。プロジェクトの方向性を変えたり、公開スケジュールにどのように組み込むか検討していたりするときには、毎回皆さんにお知らせしますので安心してください。今の状況について、最新の情報をお伝えしています」と、2024年11月に行われたOmeleteのインタビューでファイギは答えていた。「でも、ブレイドがMCUに登場するのはたしかです」
では、マハーシャラ・アリ本人はこの件についてどう思っているのだろうか?Varietyの取材に対し、オスカー俳優のアリはごく簡潔で曖昧な近況を語ったが、それはファンに「ブレイド」の企画が進んでいると確信を持たせるような内容ではなかった。
「マーベルに電話してください」とアリは語った。「私はやる準備ができています。準備はできている、と伝えてください」
The Hollywood Reporterもアリに「ブレイド」の進捗について尋ねた。こちらでは少しだけ踏み込んだコメントをしているが、それでも近い将来に何かが動き出す気配はあまり感じられない。
「『ブレイド』が実現してほしいですね。どうでしょう。マーベルが今どんな状況にあるのか、私にはわかりません」と彼は語った。「今はただ、次の素晴らしい役を探しているところです、本当にね」

MCU版「ブレイド」については、さまざまな関係者が企画の頓挫について語っている。4月、ラッパーでありアーティストでもあるフライング・ロータスは、自身もMCU版「ブレイド」に関与していたが、企画が頓挫したことをXで語った。「今は実現するにはほど遠いと思うんだけど。実は『ブレイド』の曲を書く契約をしてたんだけど、ダメになった」とロータスは述べている。「また話が出てくるかもしれないけど、どうだろうね。でも実現したら楽しかっただろうな」
ロータスがポストする前日、映画『罪人たち』でコスチュームデザイナーを務めたルース・E・カーターは、自身がMCU版「ブレイド」でコスチュームデザインを担当する予定だったが制作が白紙になったと明かしていた。また、本作の舞台は1920年代だったとも語っている。プロダクションデザインはもちろんのこと、衣装デザインも間違いなく非常にクールなものになっていたことだろう。
さらには、一時期本作に出演することが予定されていたデルロイ・リンドーも、カーターの発言の数日前に、本作の制作が止まったことを明らかにしていた。
「マーベルから話をもらったとき、私の意見にとても興味を持っていたみたいでした」とリンドーはEntertainment Weeklyに語っている。「当時、プロデューサーや脚本家、監督と会話をしていくなかで、かなり包括的なものになっていきました。コンセプトとしても、これから形成されるキャラクターに関しても、とても楽しみにしていました。でも、何の理由か、話は道を外れてしまいました」
一方、ウェズリー・スナイプスがブレイド役をカメオで再演した『デッドプール&ウルヴァリン』は大ヒットし、興行収入は全世界で13億ドルを記録した。デッドプール役を演じたライアン・レイノルズは、スナイプス演じるブレイドに、ヒュー・ジャックマン主演の『LOGAN/ローガン』のような映画を製作するよう求めていた。レイノルズは、1998年の『ブレイド』とその続編がスーパーヒーロー映画市場を生み出し、それがなければ「X-MEN」やMCUなどは存在していなかっただろうと語っている。
「『ブレイド』が最初に市場を作らなかったら、20世紀フォックスのマーベル映画もMCUも存在してなかった」とレイノルズはXにポストしている。「彼はマーベルのお父さんだ。『LOGAN/ローガン』みたいなお見送り映画の実現に向けてリポストしてくれ」