競馬サークルでは、様々な競馬関係者を委員とする「引退競走馬に関する検討委員会」において、引退競走馬を取り巻く環境の改善・向上について、協議・検討を行い、その取組みを進めています。
引退競走馬への取組みについては、馬術競技馬・乗用馬への転用をはじめとした引退競走馬の利活用(セカンドキャリア)の促進及びすべてのキャリアを終えた養老馬や養老牧場等への支援(養老・余生)を中心に、以下の事業を実施しています。
引退競走馬に関する諸課題について、日本では、2017年に「引退競走馬に関する検討委員会」を立ち上げ、競馬サークル全体で問題意識を共有し、その状況の改善等に向けて継続的・安定的な取組みを行ってきました。
「一般財団法人Thoroughbred Aftercare and Welfare」(略称TAW)は、この検討委員会の基本方針等を踏まえ、中央競馬・地方競馬、馬主、生産者や厩舎関係者など競馬関係者が協力して、2024年に設立した団体です。
現在、TAWでは引退競走馬に関する以下の事業を実施しています。
引退競走馬杯(RRC:Retired Racehorse Cup)は、引退競走馬の馬術競技馬や乗用馬への転用促進のための入り口の競技会として2018年から行われている引退競走馬限定の馬術競技会です。
公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会の事業として、競技会の開催支援や競技成績に応じた飼育奨励金の交付等を行っています。
現在は、障害馬術、馬場馬術、総合馬術、TRECの4種目で引退競走馬杯が行われています。
詳細については、「RRC(Retired Racehorse Cup)とは」をご覧ください。
本事業は、引退競走馬を飼養する養老牧場等を支援する事業です。一般財団法人Thoroughbred Aftercare and Welfareの事業として、引退競走馬の養老余生等の取組みを行っている団体に2018年から活動奨励金の交付を行っています。
活動奨励金の交付要件や事業への応募・お問い合わせは「引退競走馬の養老余生等を支援する事業(2025年)」をご覧ください。
本事業は、引退競走馬のセカンドキャリア促進、乗用馬等への転用機会拡充を目指して、競走馬時代の所有者が引退競走馬を一時預け入れすることができる施設を運営する事業です。
一般財団法人Thoroughbred Aftercare and Welfareの事業として、栃木県宇都宮市にあるJRA施設(旧競走馬総合研究所)において、2024年から引退競走馬の一時預かりを行っています。
事業の詳細や一時預入れを希望される方は「一時預入れ(預託)施設の開設について(PDF 518KB)」をご覧ください。
本事業は、繁殖、馬術や乗用などの役目を終えた引退競走馬のうち、競走馬時代に優秀な競走成績を残し、日本の競馬の発展に貢献した功労馬を対象として、養老・余生における飼養管理等の費用の支援を行う事業です。
1996年から始まった事業で、現在は公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル(JAIRS )の事業として、JRA重賞競走および地方ダートグレード競走の優勝馬のうち余生を送っている馬の所有者に対して助成金を交付しています。
事業の詳細や助成金の申請については「事業等について」をご覧ください。
本指針は、引退競走馬の主なセカンドキャリアである乗用馬・馬術競技馬への再調教(リトレーニング)をスムーズに行うために、JRAにおいて、サラブレッドや馬の特性に合わせた調教手法を確立し、普及を図っているものです。
馬が草食動物(被食者)であることを活用して、人馬の信頼関係を築きます。
引退競走馬への取組みは、世界の競馬開催国でも行われています。
各国の取組み等の情報交換の場として、2017年から引退競走馬のアフターケアに関する国際フォーラム(IFAR)が開催され、日本も初回から毎年参加しています。
第8回となる2024年のフォーラムは、初の日本開催として北海道札幌市で開催されました。