第85話を更新しました。
今回の更新では、霧に呑まれた翔太が“死”を覚悟する場面から一気に急転します。
限界まで追い詰められた瞬間、
霧の奥から鋭い六条の光が走り、
そして現れる 国際魔術会議《ユニマコン》のエージェントたち。
その救援の裏側で――
祭壇の方角から、
“音ではないのに聞こえる声” が、脳髄の裏側へ直接触れてきます。
『Без смерти — в смерти.
Имя твоё — замóк,
слово моё — ключ.
Bez smérti — v smérti.
Ímya tvoyó — zamók,
slóvo moyó — klyuch
(不死を“死”の中へ。
おまえの名は錠、
わたしの言は鍵)』
これは音声ではなく、“心の中で再生される呪言”。
霧と祭壇の影から響くこのロシア語は、
翔太にも、ユニマコンのエージェントにも等しく襲いかかる“異界の侵入”の気配そのものです。
誰が放っているのか。
そもそも、これは人間に発せられる言語なのか。
そして美優のすぐそばにいる“何か”とは……?
『幽世のリリン』はここから、
ロシア語呪術×ユニマコンの戦線に突入します。
どうぞ、霧の奥の“正体”に触れてくださいませ。