ただぼんやりとした不安がある。
執筆さえもままならない。何を書いても,何を思考しても,納得がいかない。自分にとっての完成,はたや完成直前の未完成が如何なる輪郭を描くのかさえぼんやりとも浮かばない。ただぼんやりとした不安を抱いて,阿鼻叫喚している。
論や思考はどうしたって,形而上のものだ。だがそれで済ましては一切の希望も,論理的根拠も見えてこない。きっと問訊の末に答えが見つかるものと思っていた。
感情の在り処。究極の根源はどこなのか。
嘘か真かも断言できない。何気ない一言に一体どのようなプロセスが経られているのか,知る由もない。
言動はすべて,造花なのかもしれない。
他人の言動は更に,仮面の恐怖を孕む。
自己を認識できなくなってる,という危機感である。
ここに綴る総て,所詮創作である。
ただ,伝言しようのない,ぼんやりとした不安がある。