やりたいことが全部叶う薬

人生は、平等なんかじゃない。
その前提から物語は始まる。

不幸は意志を挫くし、恵まれないことは時に、その人の本質を縮こませてしまう。
眩ませてしまう。

では果たして、不幸が人の在り方を全て牛耳ってしまうのか？

この物語は読者に、そう問いかけてくる。

”さあ、次は何を叶えようか”

やりたいことが全部叶う薬を手に、主人公が未来を展望する言葉。

読了した時、作中のこの一節に、その問いの答えの全てが詰まっている事を、痛感させてくれる。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（158文字）

いいことの何一つ見当たらない高校生活。
そんなとき、男に話しかけられます。

「これ飲むと、やりたいことが全部叶うよ」
とあやしい薬をもらいます。

面白い薬ですね。それがあれば、ｲｼﾞﾒも怖くないです。

いいお話でした。

勇気をもらえる話でした！

若いのに人生に疲れた主人公。助けてくれた人から「やりたいことが全部叶う薬」を受け取ります。
清涼感が広がる薬を口にすると、気持ちが前向きになって……

「やりたいことが全部叶う薬」は、案外身近にあるのかもしれません。

願いがすべて叶う薬。
あなたは手に入れてみたいですか？
毎日口に入れて、願いを唱えます。すると、どんな願いも叶えられるのです。

自殺まで考えていたどん底少年・光は、どんな経緯でこの薬を手に入れ、どんな願いを叶えたのか？
ぜひ、彼のひと夏の体験を追いかけてみてください。
光の人生に大きな魔法をかけてくれた、その薬の物語に、触れてみてください。
きっと、あなたも光のように爽やかな心地を味わえることでしょう。

　主人公は、学校にも家にも居場所がない高校生。
　自暴自棄になっているところを引き止めてくれたのは、風変わりな男性の変わった薬でした。
　きっと危険な薬なのだろうと焦りますが、どうせ一度は捨てようとした命と開き直ります。その薬の効果を実証するための実験に協力することになりました。

　破天荒な研究者と怪し気な薬。不幸に取り付かれた真面目な被験者。
　さて、この実験の結果はいかに？
　
　辛くて仕方ない時には、こんな常識を覆すような出会いが欲しくなる！
　
　だから苦しい気持ちを溜め込まずに、叫んでいいのだと思いました。
　いっぱい恨みの言葉を吐いて、誰か助けてくれと訴えて―――　
　
　でも…続きを読む

なりたい自分になるにはどうするのか。
この物語はそれを教えてくれます。
奇妙な出会いから物語は始まり、そして爽快なラストへ。
これは言葉にすることから始まる物語といえるでしょう。

学校でいじめに遭い、家族すらも味方がいない高校生、鳴海光。
そんな彼の前に現れた謎の男手に、とある薬を渡されて――。

何もかもを投げ捨てようとしてしまった少年が、あることをきっかけに変わっていくお話です。
学生さんだけではなく、すべての世代の方に読んで欲しい、メッセージ性に溢れた作品でした。

読み終わったあと、タイトルの本当の意味にはっとさせられる素敵なお話です。