明けの空のカフカ

文は特徴的で、カフカちゃんの目線でテンポ良く進みます。
小学生の頃の国語の教科書に載っている物語を思い出しました。

文で映像を創り出す力に秀でていて、景色が浮かびやすいのも特徴のひとつかと思います。

終始明るい雰囲気のまま進むわけでもなくて、重い背景もある。
裏付けされた心理描写がカフカちゃん目線で語られるので、読んでいて「まぁそうかもね」「いやいやいや」などと、ついつい独り言が出てしまいました。

ワクワクして、しみじみして、ドキドキして
夢中になって読み進めました。
読み終わった今では、もう少しこの世界に触れていたかったなぁ、と感じています。

書籍版はまだ読めていませんが、おそらく…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（322文字）

本当に、この作品に巡り会えたことを、心の底から嬉しく思います。
カフカの見る景色はどれも美しくて、そしていつか見たように懐かしくて……幼い頃の良き思い出を呼び起こすだけではない、嬉しさも、憤りも、せつなさも、そして底なしに楽しげな心の動きも全部、全部全部思い出して、今まで歩んできた道を思い返せるようで……どうしようもなく輝いていた。

どうかこの作品が多くの人に読まれてほしい。
これから生きていく中で、長い長い旅路を歩み始める子供たちに読まれて欲しい。
そして、今なお苦難に揉まれながら、冒険を続ける大人たちに読まれて欲しい。
そう思わずには、いられませんでした。

ありがとう。カフカ。
私も…続きを読む

明るくて素直で可愛いカフカの大冒険、とっても面白い作品です。難しい言葉とか使わずにここまで情景を思い浮かばせるのはすごいなあと思います。カフカのお家とか、ココット村はこんな感じかな〜とか想像しながら読んでいたらあっという間に読み終わってしまってびっくりしました。最高すぎる。
カフカを通して見る世界はとてもキラキラしていて私も行ってみたい。
ぜひたくさんの人に読んで欲しい作品。そしてこの感動を共有したいです。

ストーリーはもちろんですがとにかくキャラクターがみんな魅力的。カフカ可愛い。子供ならではの素直さ、逆に意地張っちゃって上手くいかないとか、もう眩しい。良すぎる。
そしてそんな子供たちを…続きを読む

電撃大賞の受賞作ということで拝読。タイトルで今話題のブルーライト文芸か？と思い読み始めてみたら、これは児童文芸……？

困惑しつつも読み進めていくうちに、何やらすっかり、カフカの可愛らしさにハマっている。特徴的だが、どうしてなかなか楽しく、癖になる文体だ。翻訳小説を思わせる言い回しにもセンスがある。元気いっぱいなカフカを見ているうちに親心が芽生えてきて、彼女と一緒に感動したり、危なっかしい行動にハラハラしたり、思わず笑顔になったりと……読み切る頃にはすっかりこのお転婆な少女に魅了されてしまった。ラストも爽やかで読後感も良い。

サブキャラクターの造形も素晴らしい。特にベルさんとクレオ(ベルさ…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（538文字）

新たな世界に飛び立つわくわく感とその不安。やっぱり大した事ないやという気持ちからの、初めて見る世界の美しさを実感するシーンは素晴らしい描写でした。

世界を知るために飛び出す勇気を与えてくれる作品ですね。
と、同時に家に帰りたいと思うところの描写も奥深くて、いろんな境遇の人に刺さる圧巻の心理描写だったと思います。

飛行機モノかあと、個人的には感慨深い作品。アリソンが好きだったものとしては飛行機モノだとどうしても連想してしまうのですが、そこらへんの、平成のころの戦争の実感と、令和の戦争に対する距離感が、なんかやけにリアルなように見えました。

ラノベがすっかり衰退した昨今、かつての電撃を読み…続きを読む

閉鎖的な浮遊洞窟にて、老人に囲まれて育った少女カフカ。
かつて冒険家であった祖父を持つ少女カフカは、浮遊洞窟の外の世界や空に大きな憧れを抱いている。
しかし、とある日「ふさふさの毛を持った犬のような不思議な人類」との衝撃的な出会いをきっかけに、少女カフカは壮大な空と外の世界へと翔け出す──笑いあり、涙あり、浪漫ありのドラマティック冒険譚！

冒頭から、物語への没入感が非常に高く、大変引き込まれました。
特に、「不思議な人類」である彼と少女カフカの出会いのシーンは、衝撃もありつつ、凄くドラマティックでワクワクせずにはいられません！

そして、作中で明らかになってゆくカフカたち「人類」と「不思議…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（306文字）