概要
かつて彼は南方の過酷な戦場から生還した。過去と今をつなぐ最期の命令。
封印した記憶がよみがえる。
*本作はフィクションです
*ジャンルを歴史に戻しました
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!まさに『究極』の選択。 この命令に従うか、従わないか。
最初は、認知症の症状が出て意識が朦朧としているおじいちゃんに、
ご飯を食べさせるためのちょっとしたアイデアのつもりでした。
涼子がおじいちゃんに試したのは、大東亜戦争を戦いぬいて生還したおじいちゃんの経歴を利用して、ご飯を食べることを「命令」したのでした。
しかしーー……おじいちゃんは、この「命令」という言葉で、かつての戦場に意識が戻ったのです。そして、思い出しました。
ルソン島。今で言うところのフィリピンでしょうか。
この場所での戦闘は、当時の日本にとって結果的に、最大の被害を産むことになる戦争だったそうです。とにかく補給がこず、
ウジムシでもトカゲでも、見つけたものはなんでも口に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ラストがとっても素晴らしい
『運命の数奇』や『選択の重み』という言葉を強く感じさせられる短編でした。
とある、寝たきりになった老人。その老人が戦時中に体験した『ある出来事』を回想するというもの。
「最後の命令」という形で、彼は上官からあることを実行しろと命じられていた。それに対しての強烈な葛藤。
その先で、彼はどんな決断をしたか。
『野火』や『白鯨との戦い』などの作品で描かれていた『あるテーマ』が扱われていますが、また異なる切り口を見せてくれた作品でした。
とある選択の結果が、思わぬ道を作り出すこともある。『数奇』という言葉が似合いそうな、意外性のあるラスト。
読み応えもあり、しみじみと感じ入ら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これこそ読まれるべき作品です
読ませて頂きました。驚きました。カクヨムでこれが読めるとは思いませんでした。
デリケートな内容で、中身的には文芸に属するのでしょうが、登場人物とストーリーをうまくアレンジしてカクヨム的なバランスを整えられたことがよく伝わってきます。
それでもpv250なのか…。カクヨムじゃこの手のは厳しいんだなあ…。なのに★143で、やたらアンバランスです。「一部のコアなファンに熱狂的に支持された」ということが分かりますね。
もちろん、カクヨムで上位に入っている作品も面白いですが、こういった、日の当たらない(失礼)良作にちゃんと辿りつけるプロセスが整えられるといいなあ、と思っています。
おそらく…続きを読む