おまえだけは選ばない　　《カクヨムコンテスト10　特別賞＆コミカライズ賞 受賞》

美しい音楽が好きで、美しい心が好きな人ならば、必ず読むのを選ぶべき話です。
私は転生前の主人公よりもオジサンですが、この小説に巡り逢えて本当に良かったと思っています。自分の周りのたくさんの人が、愛おしくなります。
続きが早く読みたいですが、まずは書籍化おめでとうございます。この話を書いてくださったことに感謝しつつ。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（629文字）

カクヨムコン受賞作ということで読み始めてみたら、あれよあれよという間に読んでしまい、40万字あるにもかかわらず二日で最新話に到達してしまいました！

タイトルからして恋愛主題復讐ものかと思っていたのですが、全然違いました。これは、爽やかな青春ものです。それもかなり骨太のミステリー要素を含む、文芸寄りの作品と感じました。
とはいえ、ラノベやweb小説を読み慣れている方にも親しみやすい作品だと思います。いわゆる「無自覚チート無双」を現代版、音楽版でやっているような爽快感があります。

また、とにかく「人間」の描写がすごい！
全て主人公視点で描かれているのですが、情景や音楽の描写によって、これほど…続きを読む

過去作の「あなたが傍にいたから」も本当に素晴らしかったですが、当作品も最高です。

主人公の周りの人たちの優しさ、温かさが心に染みます。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（447文字）

面白かった。　
続きが気になる。

この「おまえだけは選ばない」は、主人公・有栖川雅人の41歳の誕生日から始まります。彼は一人きりのリビングで、記入済みの離婚届を前に、これまでの人生を振り返っています。

主要なポイント：

1. **離婚と孤独:**
* 妻・美弥子は中学2年生の娘・沙紀を連れ、憧れの先輩・三上宗介の待つドイツへ旅立ってしまいました。
* 美弥子は財産分与を求めず、家（主に彼女の稼ぎで建てたもの）を含む全てを雅人に残していきました。
* 広い家には、美弥子のストラディバリウスと沙紀のピグマリウスがなくなり、雅人の安価なヴァイオリンだけが残されています。

2. **雅人…続きを読む

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