つくもぶね [ 境外宇宙より来襲する 超常天体 に抗する 3人の厄災級異才者 と 人造意識体たち ]

　CE2118年、 月面の天象観測施設において、 はちぶんぎ座方角より太陽系に接近する恒星間天体 [ 8I/2118 OH ] が発見される。
　あまりにも不自然で不可解な軌道を辿る その天体の謎を解明すべく、 史上最大規模の ｜S-VLBI《宙間遠隔同期》観測が実施される。
　その結果、 判明したその天体の実象は、 直径4.1km、延長3.95光年（37.4兆km) の「 極超長柱状剛体 」という、 さらに不可解で奇異な、 現状科学では説明が不可能な超常的物体であった。
　ウーシア(Ｏυσία) と名付けられたその天体は、 天体物理的にあり得ない恣意的な軌道を描き、 しかし 明確に「地球」に向かい進行してることが 同時に判明する。
　続いて、 ３機の自律型無人探査機を用いた近接観測が行わ…続きを読む