概要
〝取引する悪魔〟と歓談する囚人。かなえられたのは、誰の願いなのか?
訪ねてきた男は言った。
自分は契約した者の魂と引き換えに願いを叶える悪魔であり、自分の契約書は私の死を望んだのだと。
私が死ぬまでは、会いに来る。だからその間は、自分とお喋りでもしないか。
悪魔は、そう言った。
なるほど。退屈しのぎには、ちょうど良いのかもしれない。
そう考えた私は、彼と話を始めたんだ。
自分は契約した者の魂と引き換えに願いを叶える悪魔であり、自分の契約書は私の死を望んだのだと。
私が死ぬまでは、会いに来る。だからその間は、自分とお喋りでもしないか。
悪魔は、そう言った。
なるほど。退屈しのぎには、ちょうど良いのかもしれない。
そう考えた私は、彼と話を始めたんだ。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!雑談に興じ、冗談が通じて屈託なく笑う相手は、自分の死を契約事にした悪魔
誰かが魂を代償に自分の死を願ったという事で、独房にいる男の元に悪魔がやってきます。
契約者は明かされません。
男は死刑囚でした。
どのみち死ぬ日まで、男と悪魔は話をすることにします。
死ぬことは決まっている。
だから、未来を思い煩うこともなく、打算もなくただ話をします。
人同士ですら、そんな時間を共に分かち合う相手を見つけるのは実は困難ではないでしょうか。
悪魔だったら尚更な気がします。
そう思うと、タイトルがダブルミーニングのようにも思えますね。
誰の願いが叶ったんでしょう。
男がここぞと言うときに、少しだけ住んでいた場所の仕草をして、そこで育ったのかそれとも心に深く思うことが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人にも悪魔にも『心』がある。切なくて温かい不思議な読後感。
死が目前に迫った時、あなたはいったい何を感じるのだろう。
「最期に、何を話しますか?」
そう聞かれた時、人は、誰かへの感謝しか思い浮かばないのではないか…。
このお話は、死刑の執行が迫った囚人と、悪魔と過ごしたほんの数日間が描かれています。
堅苦しくはなく、悲壮感は微塵も感じない軽快なやり取り。
しかし、どんなに強がった人間でも、どんなにひどいことをした悪党でも、人は本来もつ優しい心があると感じます。
人との関わり合いが薄くなった現代社会に、何かを訴えているのかもしれません。
流行りものも良いですが、たまにはこんな切なくも心温まる話も良いのではないでしょうか?
ぜひ、最後に見せる悪…続きを読む