リアンダール王国に迫り来る――『脅威』を打ち払い給え。
騎士ライアンは自分の魂と引き替えに、故郷に迫る『脅威』を打ち払うため、悪魔少女リリアと契約を交わします。
国にとっての『脅威』が完全になくなった時こそ、契約が履行される時。
『脅威』の正体を突き止めるべく奔走するライアンと、彼の魂を奪うことに躊躇いを覚える心優しい悪魔リリア(純真過ぎて悪魔とは思えません)。そのジレンマと、二人の絶妙な関係(距離感?)もまたこの物語の魅力です。
二人を取り巻く個性豊かなキャラクター達との掛け合いも時に滑稽で、また時にスリリングで、またまた時に厳粛でストーリー全体を味わい深いものにしています。
文章が読みやすく、ファンタジーが苦手な方にこそお勧めです! 是非ご覧ください。
このレビューはEpisode 1を読了してのものです。
貧民上がりの騎士ライアンは自らの魂を対価に悪魔の少女リリアと取引をします。
「王国に迫る脅威を打ち払え」と。
それから二人は、リリアの脅威を見極める能力を使い、驚異の排除を目指していきます。
しかし、一つの脅威を排除しても次の脅威が浮かび上がる。
そうやって次々に脅威を排除して行って現れた「脅威と捉えられない脅威」とは何か。
そして、ライアンの魂を取り立てることに苦しむ心優しきリリアと、自らの魂を捧げてリリアを人間にしてやりたいライアンの心の交流が心に染みます。
Episode 1の最後に「脅威と捉えられない脅威」の排除と、リリアの葛藤の解決を同時に達成した手法は見事で、ぜひこれはご自身の目で確かめていただきたいです。
後、重要なこと。悪魔なのにリリアがとっても可愛いです。これ大事、ホント。
練りこまれたストーリーと可愛い悪魔少女を堪能したい方はぜひご一読を。
魂を喰らう、つまり死を条件とした契約。
それなのに死を厭わない、ある意味人間らしくない騎士・ライアン。
一方の悪魔・リリアは人の生活を知り、ライアンを取り巻く人々と関わり、契約の履行に思い悩む。悪魔のイメージとはかけ離れた純朴さ。
そんな矛盾どうしのバディが国を脅かす正体不明の「脅威」に立ち向かう、ミステリ・ファンタジー。
どのキャラも立っていて、ライアンの性格だからこそリリアは悩むしかわいいし(←)この結末なんだろうなと。シェリーとトリシアもいい味出しています。ライアンとトリシアの犬猿の仲っぷりが楽しかったです。
読みやすく、それでいて満足度の高い著者様の表現力も注目です!
やさぐれ気味の騎士ライアンは、魔獣の奇襲により全滅の危機に瀕した際に見目麗しい少女と出会う。廃屋に似つかわしくない少女は彼に告げる、「貴方の魂を、わたしに下さい!」
真面目で気弱な悪魔リリアは人間の魂と引き換えに、相応の願いを叶える『契約』を結ぶことができるのだという。ライアンの願いは「このリアンダール王国に迫り来る『脅威』を打ち払い給え」――――。
さてこのリリアちゃん、「わたし、悪魔やってます」という台詞が示す通り、とにかく可愛らしい。慌てふためいては言葉が足りず説明が怪しくなり、本来必要がないという食事を摂るたびに目を輝かせ、味わうように噛んで幸せそうな溜息を洩らす。どこか幸の薄さを感じさせる彼女の仕草に、たくさん美味しいものを食べさせてあげたくなります。
二人が交わした契約によりライアンは魂を捧げることになるのですが、なかなかその契約が履行できません。どうやら『脅威』という曖昧な言葉が原因のようで――――?
ちょっと不器用で、どこか危うげで、なんだか守りたくなってしまう悪魔リリアちゃんを、皆さんも愛でてあげてください。