概要
剥き出しにされた君の慟哭が、かつての僕達がいた最初で最後の証明だった。
あの騒動から幾星霜、静謐に濡れた夜をどれほど跨いだか。
反駁を許さなかった〝彼〟を「友達」という関係に当て嵌めていいものか分からない。
けれど夏祭りの花火のように熾烈なあの一瞬だけは、〝彼〟と透夜を繋いだ、たった唯一の証明だったのかもしれない。
〝彼〟の名前を呼ぶ。
透夜は瞬きを一つして、目線を前へと戻して踵を上げた。
むろん、返事が返ってくることはなかった。
反駁を許さなかった〝彼〟を「友達」という関係に当て嵌めていいものか分からない。
けれど夏祭りの花火のように熾烈なあの一瞬だけは、〝彼〟と透夜を繋いだ、たった唯一の証明だったのかもしれない。
〝彼〟の名前を呼ぶ。
透夜は瞬きを一つして、目線を前へと戻して踵を上げた。
むろん、返事が返ってくることはなかった。