概要
松山城下に伝わる銘菓『たると』の歴史
かつての松山藩の藩都、そして今も愛媛県の県庁所在地である城下町・松山に、『たると』と呼ばれる菓子が伝わっている。この『たると』は、洋菓子のタルトにはまったく似ておらず、「カステラのような生地で、小豆餡を巻き込んだもの」なのだが、伝承によれば江戸時代のかなり初期、すなわち1647年頃に当時の松山藩主松平定行によって考案されたものだという。なぜ、松山にたるとという菓子は生まれたのか?定行は実際にはどのような役割を果たしていたのか?本作品は、松山に英語教師として赴任してきた若き日の夏目漱石が、そのような『たると』発祥の謎を追い求める物語である。
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!侍と漱石、時代を画した二人は「たると」で出会い、甘く苦難な旅路を経る
江戸時代に包丁侍(武士の料理人)として仕えた水野安左衛門と、明治時代に甘味を愛した夏目漱石が織り成す物語。
松山藩主の松平定行はポルトガルからやってきた使者が差し出す「かすていら」をいたく気に入ってしまう。
上意下達のこの時代、部下は殿様のためにとにかく「かすていら」を再現できないか頭を悩ませます。
そこで白羽の矢が立ち声が掛かったのが、市井の菓子屋を実家に持つ包丁侍・水野安左衛門。
幼い頃に一度食べたことがあるだけでレシピも材料も分からない「かすていら」を再現せよ、失敗すれば切腹。
そんな突然降った無理難題に応えようと、安左衛門は奔走するが――というのが江戸時代編。
同時進行で語られる…続きを読む