ハカイミコ　～生きた怪異の怪奇譚～

しっかりとした文章と内容で描かれている作品です。

文章は読みやすく、説明臭くもなく、スラスラ読めました。

情景描写などもしっかり描かれていて、ストレスなく物語にのめり込めます。

主人公が破壊衝動のあるダークヒーロー的な立ち位置で、悪霊を葬っていく和風除霊アクションのような感じです。

また、悪霊も本当の悪人ではなく、それぞれストーリーがあるのが良かったです。
一話ごとのオムニバス形式ですが、非常にボリューミーなので、満足感が高いです。

和風の現代ファンタジーが好きな人にオススメです！

※読み合い企画からのレビューです

本作品は、生来の破壊衝動を悪霊にぶつけることに決めた主人公・永住の、生きた怪異「ハカイミコ」としての仕事をオムニバス形式でまとめた物語である
一話一話のクオリティが高く、また短くまとまっているため、非常に読みやすいことが特徴だ

どの物語から読んでも問題はないが、個人的に面白いと感じたのは『ナマケモノ』の章だった
黒い煙でできた犬のような姿をした怪異「ナマケモノ」に相対する物語なのだが、オチが非常に秀逸なのだ
「僕は、ナマケモノ」としか言わないこの怪異の真実を知れば、きっとあなたも切なさと同時に腹落ちする気分になるだろう

是非、本作を一度読んでみてほしい…続きを読む

除霊というシンプルな動機を軸にして毎話事件が展開されるお話です。
まとめ方がうまいので一話ごとにテンポよく読めます。
いろいろな人物の素性に焦点が当たりながら解決まで導かれる様はさながら事件帖でしょうか。
作品世界の広がりに期待したくなるような魅力的なお話です。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（109文字）