概要
大人の純愛を信じない読者にとって、この作品は奇跡を起こすかもしれない。
残念ながら、エッチな物語ではありません。独身で失恋の負のスパイラルに苛まれるアラサー女子が、大人の純愛を求める切なくも美しい物語です。主人公の百合子は二十九歳の誕生日を迎え、これまでの恋愛の失敗や将来への不安に悩んでいます。そんな中、偶然フリマで見つけた詩集「バージンロードを目指す七つの愛の扉」が、百合子の心に新たな希望をもたらします。詩集を読み進めるうちに、自己愛の大切さや恋愛における決断力の重要性を学び、彼女は自分を見つめ直す決意をします。そして、詩集の作者の故郷である郡上踊りで有名な町を訪れることにした百合子は、そこで信じられない出来事に遭遇します。まるで詩集から抜け出したようなデジャブの神と出会い、元カレに再び…
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心を開けば見えてくる。世界の美しさ、人々の紡いだ文化や言葉の豊かさ
全編を通し、とても繊細で美しいもので満たされていました。
主人公は「アラサー」を前にして焦りを覚えているOLの百合子。
彼女は仕事の面では順調にステップアップすることが出来ていたが、恋愛の面ではどうしてもうまくいかず、人生のステージを駆けあがって行く友人たちに劣等感を覚えていた。
本作はそんな百合子の心理的葛藤が丁寧に描かれていて、「仕事でうまくやること」と「人生でうまくやること」の違いとは一体なんなんだろう、と考えさせられました。
そんな彼女が「ある一冊の詩集」と出会ったことで、少しずつ人生を変えていく。
「落花流水」とか、意味はよくわからないけれど美しい感じのする言葉…続きを読む