概要
滅びた世界、残ったのは肉体と心の性が異なるつがい
※ネタバレ
『女性の体を持つ男性』である前川幸人は、廃墟の渋谷で生存者を捜索していた。新型ウイルスにより人類の数は減り続け、周辺に生存反応はなくなっていた。幸人は無人の渋谷で途方に暮れ、平成生まれの亡き祖父との会話を思い出す。
祖父は、幸人の肉体と心の性の不一致に関し最も早く理解を示し、幸人に多大な影響を与えた人物であった。幸人は祖父の思い出をきっかけに社会の破滅と家族の最期を思い出し、自分がこのような環境にあり、どう振舞うべきかを思案、決意とともに拠点へと引き上げた。
拠点に戻ると、もう一人の生存者、『男性の体を持つ女性』、後藤絵理沙が項垂れていた。後藤はこの状況下にあっても元恋人の追悼という行為に腐心し、生存者捜索や物資確保に従事していた幸人を苛立たせる。
幸人は後藤との会話を
『女性の体を持つ男性』である前川幸人は、廃墟の渋谷で生存者を捜索していた。新型ウイルスにより人類の数は減り続け、周辺に生存反応はなくなっていた。幸人は無人の渋谷で途方に暮れ、平成生まれの亡き祖父との会話を思い出す。
祖父は、幸人の肉体と心の性の不一致に関し最も早く理解を示し、幸人に多大な影響を与えた人物であった。幸人は祖父の思い出をきっかけに社会の破滅と家族の最期を思い出し、自分がこのような環境にあり、どう振舞うべきかを思案、決意とともに拠点へと引き上げた。
拠点に戻ると、もう一人の生存者、『男性の体を持つ女性』、後藤絵理沙が項垂れていた。後藤はこの状況下にあっても元恋人の追悼という行為に腐心し、生存者捜索や物資確保に従事していた幸人を苛立たせる。
幸人は後藤との会話を
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一味違うポストアポカリプス
伝染病で人類の大半が死したと考えられる世界、そこに生き残った一組の男女。ここまでなら一度は聞いたことのある話かもしれない。もちろん、こうした作品自体も面白い。しかし、この物語に一味違った味を加えているのが、この生き残った二人は、それぞれ自分の性別に違和感を持ち、別の性別として生きていることである。
しかしながら、肉体は元の性別のまま。幸人は自分の肉体を生かして、子孫を繁栄させ、人類の存続を狙う。対して後藤は、そんな決断をした彼をどう思っているのか。彼女の決断が、この物語の結末となる。
種としての幸せか、生まれてきた自分たちの幸せか。人類滅亡もあり得ない話じゃない世界で、我々が優先するもの…続きを読む