寝ても覚めても [KAC2025-4]

男はあるものと出会う夢を9回見ます。
その夢を見ているうちにだんだん……という内容。

彼は夢で何を見たのか。
後半に解答編が来ます。
前半が夢の話で、後半が現実の話というかんじできれいに分かれていて、
語り部と共にどこか夢心地だった私は、後半で一気に現実に引き戻されました。
実に計算された構成だと思います。

『あの夢を見たのは、これで9回目だった』というお題をとてもうまく扱っていて、9回であることの理由付けがしっかりとされていたのも、非常に巧妙でした。

現実で似たようなことが起きているとしたら……少し怖いですね。
この作品で起きていることは将来的にありえそうで、いろいろ考えさせられまし…続きを読む

男は、回数を重ねるたびに熱中する夢を見ていた。

初回は、通り過ぎるだけ。
２回目はゆっくり通り過ぎる。
３回目からは止まり、４、５、６、７、８、とやがて触れられるようになっていく。

しかし９回目は……。


なぜこんな夢を見せられているのかは後半にわかっていく。

最後の社長の言葉が、なんだか本当にアイドルのプロデューサーの言葉みたいでリアルでございます……

ご一読を。

　一度や二度なら偶然。でも、三度以上続くなら、そこにはきっと「意味」がある。

　これはきっと多くの人が無意識に抱えている感覚でしょう。時にはそれを「運命」や「御縁」と呼んだり、「自分の人生の中では意味のあるものだ」なんて思ってしまうことも。

　そのような形で「繰り返し」を経験すると、それを気にしてしまうのが人情。

　本作の主人公も、繰り返し「夢」の中に現れるものに強く心を惹かれるようになります。夢の中に何度も現れる「あるもの」。
　それとどうにか繋がりを持ちたいと強く願うようになっていく。

　果たして、この夢の正体は？

　本作で明かされた真相を見て、「繰り返し」や「偶然が重なる」と…続きを読む