日陰と断章

ものの数分で、変わり映えの無い退屈な休日の午後が一変しました。

没入感がとてつもなくて、モノクロな日常からセピア調の異世界へ引き込まれた様な錯覚を感じました。

また、今こうして生活している日常の影(陰)に潜み、侵食しているかの様なリアリティにゾクゾクします。

私たちの過ごす日常が、その陰に潜む非日常によって彩られているのかもしれないと感じて明日からの日々に対して不思議な活力が湧いて来ました。



手軽で美しい不思議体験を、ありがとうございました。

隙間時間の読書にオススメ！　１話１話読み切りのオムニバス形式の作品集です。
それぞれ独特のテーマがあり、ときにゾッとして、またスッと胸に落ちる感覚があったりして、味わい深い余韻に浸れる物語群になっております。

とくに雰囲気作りが巧みなので、短いストーリーなのにあっという間に物語の世界に没頭できるでしょう。

未読の方はとりあえずフォローして１話でも読んでみることをオススメいたします。

　とにもかくにも、一作品一作品、上記のひと言につきます（￣︶￣）↗　

話の一つ一つの作り込み度も高く、何より一つ一つに確固たるテーマがあって、それを文章で、しかも短くまとめられるのが本当にすごいと思う。星を置いておきます。

優秀な掌編小説は、途中で読者を放り出す。
置き去りにされた私たちは、不安の中で現実に戻る。

それぞれのエピソードで続きが読みたくなる作品群ですね。

そして、こんなにもたくさんの物語の種を作り続けることのできる才能。

うらやましいです（＾＾；

＜5話程読んでの感想です＞
この本のジャンルがミステリーに分類されている通り、オバケが出たりはしないです。
しかし、不条理や、常識から一線を超える状況ばかりの短編集。
没入すると下手なホラーより恐ろしさを感じます。なぜなら、何も解決しないのですから。

全て読んでしまうのが勿体ないとすら感じてしまうため、現段階で1度レビューを書きました。
少しずつ読まないと、私は耐えられないかもしれません。

素晴らしかったです！！

　ちょっと奇妙で、ヒヤリとする、時間や空間の体験を扱った短編集。なんとなく記憶にこびりついた奇怪な出来事、でも思い出そうとすればするほどその体験はゆがんでいく……果たしてあれは、本当にあったことなのだろうか。読む間だけ、何かがねじれた小さな世界を垣間見ることができる。現実離れしているのに、不思議なリアリティに満ちた筆致、短編ゆえのテンポのよい展開、愕然とさせてくれる結末。「こんな経験はないけれど、でもこの白昼夢みたいな奇妙さは知っている気がする」と感じたあなたももしかすると、記憶の一部が「なかったこと」にされているのかもしれない……。

1話読み切り、オムニバス形式で語られる作品。
描かれるのは少し奇妙な不思議な物語。
日常の隣にある、ガラス1枚隔てた向こうの世界に迷い込んだようなそんな感覚。
背筋がぞくりとしたり、胸がスッとしたり、温かい気持ちになったり。読み終わった後、不思議な余韻に浸れます。
1話読みきりなので、どこから読んでも楽しめますが、時間があるならぜひ1話から読んでみてください。
お勧めです。

ふとした日常に起きる怪異とも言うべき非日常を作品化している。
複雑なようで、それでいて読みやすい高度な展開。
そして、読みやすいがゆえにストーリーテリングにゾクゾクする。