概要
その一年で、誰かの未来が変わるなら。
――青春 × 泣ける × 恋愛 × 命。
生きることにどこか後ろ向きだった高校生・蓮は、ある日、自らの意志で“余命一年”になる。
何者にもなれず、逃げるようにゲームの世界に没頭していた日々。
でも、別れが決まった日々の中で、
彼は少しずつ、“生きること”と向き合いはじめる。
家族の笑い声。
くだらないゲーム仲間との夜更かし。
そして、大切な人との最後の約束。
陽のように暖かく、
花のように儚い――
そんな日々を、最後まで、蓮と一緒に辿ってください。
【2025.07.12 完結しました。応援ありがとうございました】
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🌻
※本作は、女性向け恋愛小説ではありますが、物語の構造上、あえて“男主人公”で描いていま
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!日だまりのように優しく、夕日のように切ない物語
命は「心」によって、どこまでも輝けるしどこまでも優しくなれる。読後はそう思えました。
砂時計のようにすり落ちていく命を前にして葛藤し、苦悩し、それでも連の心は不器用ながらどこまでも優しい。読んでいて、彼の健気で優しい毎日がずっと続いていけばいいのにと願わずにはいられません。
また、作者様の筆致にも一切の気負いはなく、飾らない言葉と誇張のない表現で綴られる光や音、水の流れなどの自然物の描写が本当に「自然」そのもので美しいです。
そして一人称で語られる蓮の心の言葉が本当に真っすぐに伝わる。行間も読みやすく、あっという間に没入して一気読みしてしまいました。
好きなシーンは数ありますが、中で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!悲しみの中にも希望の光が…
途中から、夕砂さんの連載を、これほど毎日楽しみに待ちながら、それでいて、切なすぎて、次の日が来ないで欲しいって願ってしまう想いもあって、(嬉しいんだけど悲しい)…(楽しいんだけど苦しい)…ような矛盾の気持ちも感じながら読ませて頂きましたが、必ずしも悲しみだけではない希望の光を、最終的には見た気がします。
登場人物の何気ない会話の美しさ、情景の細部の表現の見事さもあって、1文1文が本当に心に響いてきます。
当たり前に、ただなんとなく生きている自分の毎日を見つめ直す機会を与えて頂き…
それでも無駄な日って1日もないんだよねっていう矛盾した想いも感じさせて貰えた、本当素敵な作品でした☆ - ★★★ Excellent!!!人生の価値ってなんだろう。
人生に無駄なことなど何一つなかった。
そう思える日は来るのでしょうか。
この長い人生の最後がその日なのかもしれませんし、無駄で溢れていた人生だったと最後の最後で悔いるのかもしれません。
正直、私の短すぎる人生経験の中で答えを導き出せるほど容易な問いではないと思います。
ですが、この作品を読んで。
人生が無駄で溢れているものだとしてもいいのかなと、ほんの少しだけ思いました。
終わりに何を思うかは決められませんし、今の自分ではわからないですが、この人生の道中の無駄を肯定してあげることは、今の自分にもできることなのかもしれません。
こういうことって、なぜだか上から諭されている気分になり、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!何気ない日常の尊さを教えてくれる作品
自分語りのようになってしまい恐縮ですが、現在の私も初期の主人公のように「人生は、退屈な日々をただおくるだけでつまらない」と感じはじめていました。おそらく、主人公や私のような人は少なくないと思います。
ですがこの作品は、そういった特別ではない何気ない日々の貴重さ、そして今生きていることの美しさを描いてくれています。
生きているなら、何かやっておこう。そう思わせてくれるような切ない物語。
終わってしまうのは悲しいですが、それと同時にクライマックスが待ちきれません。
追記 ※ここからネタバレ注意
あとがきまで読了致しました。
なんというか、もう、上手く言葉にできない切なさが心の中で脈打…続きを読む