ただの“理不尽ゲーム”と思うなかれ。プレイヤーの心を逆撫でするメッセージ、圧倒的な試行錯誤の積み重ね――だが本作が本当に刺すのは、「なぜ、続けているのか」という問い。読み進めるうちに、ゲームに向けていた怒りは、いつしか自分自身の弱さへの苛立ちへと変わっていく。「怒り」が、人を動かし、突き動かし、限界を超えさせる――そのプロセスを笑いと切なさと共に描き切った、痛快すぎるSFショート。プレイヤーも読者も、「あなたが単純で助かりました」と言われる覚悟で読んでほしい一本です。
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