概要
正しい手続きは、生活をそろえてはくれない。
家裁と児相の決定で、兄と弟は別々の里親に委託された。机に並ぶ連絡帳は2冊。片方には丸い印、もう片方にはサイン。学校では同じチャイムが鳴るのに、帰る家は2つ。
兄は名札の向きや靴ひもを直しながら、夜になると炊きたての匂いに足を止める。言いかけた「おやす——」を「おやすみなさい」に直すたび、母を恋しがる気持ちが静かに浮かぶ。
面会は月2回、各15分。紙が順番を決め、印鑑の音が今日を確かにする。ドラマティックな救いはない。ただ、連絡帳と予定表と小さな所作で、兄弟は明日へ進む。
兄は名札の向きや靴ひもを直しながら、夜になると炊きたての匂いに足を止める。言いかけた「おやす——」を「おやすみなさい」に直すたび、母を恋しがる気持ちが静かに浮かぶ。
面会は月2回、各15分。紙が順番を決め、印鑑の音が今日を確かにする。ドラマティックな救いはない。ただ、連絡帳と予定表と小さな所作で、兄弟は明日へ進む。
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