クラスのちょっと危ない雰囲気の美少女に言い寄られる百合

出会いはいつも突然だ。
……いや、それはあくまでも主観の話であって、出会ってくる方はずっと「こちら」に接近するのを狙っていたのかもしれないが……

初めてコンタクトを取ったのは、お金に関するアクシデントからだった。

彼氏がギターを買いたいので、五万円かしてくれ。　と言われたのである。

主人公からしてみれば彼氏を信じたい気持ちもあるが、それは明らかに「カモ」られていると友達から忠告を受けている主人公。そこに……『彼女』はやってきた。

夜空のように真っ暗な瞳だったそうだ……。

彼女はいきなり、主人公を苗字ではなく名前で呼ぶ。



それ以降、彼女、才木美海は、グイグイくるようになる。
何…続きを読む

「えー、彼氏さんきびしい♡」

こういう台詞を見ると、瞬間的に女性向け復讐物に出てくる、女主人公から彼氏を横取りする悪女なんかが連想されるものですが、今回の作品に限っては女主人公に好意を寄せる美少女である。安心してください、百合ですよ。

彼氏にATMにされている（そして本当に彼氏なのか疑わしい）おっとりお嬢様な女主人公が、クラスメイトのちょっと危険な……妖艶な……雰囲気の美少女にグイグイと迫られ、徐々に外堀を埋められていく光景は百合の花が豊作です。

特に、長髪をかきあげると、耳にはピアスがバチバチという描写が実に良かったです。作者様の近況ノートにもイラストが掲載されておりますが、ひゅう！…続きを読む

　百合！　それはもはやトルネード、ないしメイルシュトロームのごとき、強烈に抗いがたき激しさを持ったもの。

　主人公の灯里ちゃんには、付き合っている男の子がいました。でも、その男は本当のろくでなしで、灯里ちゃんに平気でお金をせびる、天性のダメ男でした。

　それでも、恋愛慣れしていない灯里ちゃん。自分がダメ男に引っかかっていることはあまり自覚できていない。
　そんな彼女に「ぐいぐい」と迫って来る女の子が現れます。

　美海ちゃんというその女の子は、とにかく灯里ちゃんを「百合の道」に引きずりこもうと猛烈なアプローチをしてきます。

　……気が付けば「超しゅきしゅき」になってしまうこともあるかも…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（35文字）

美海ちゃんの甘さと少し危ない感じがすごく良くて、灯里のまっすぐさと合わさると一気に雰囲気が出ます。やさしいのに芯が強いところも魅力的で、ふたりの空気がどんどん近くなるのが読んでて楽しかったです。ラストの一言がかわいくて、思わず笑顔になりました。