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学校における銃乱射
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人間を殺すのは人間であって銃ではない

Not guns, who kill. 

アメリカ最大級の圧力団体、全米ライフル協会のスローガン。

歴代大統領はほとんどが同会の会員で多額の献金をもらっている

 

 


 

学校における銃乱射と銃規制

 gun shooting in school and gun control

 


コロンバイン高校の少年(CNN)

 

 

http://www.cnn.com/2000/US/09/05/fbi.school.violence/index.html

http://www.cnn.com/2000/US/09/06/fbi.school.violence.02/index.html

 

先日(2000/09)、FBIの研究所である国立暴力犯罪分析センターNational Center for the Analysis of Violent Crime2年間にわたる「学校における暴力」の研究結果を発表した。

司法省主催の研究に参加したのは、FBI職員や160人の学校関係者、心理学者、警察官、検察官などだった。

学校における18件の銃乱射事件を分析し、かなり明確に子供の危険な兆候を記述しているが、FBIの関係者からは、「銃を乱射する少年のプロファイルなど存在しない"There is no profile of a school shooter"という声が早くもあがっている。

「要注意人物のチェックリストではない」とされているが、形式はチェックリストになっている。ただし、内容が抽象的であるため、実際に役立つかは不明だ.

 

危険要因(risk factors)は4つのカテゴリーに分類されている

l         人格特徴(personality traits

l         家庭環境(family situations

l         学校生活(school interaction

l         社会生活(social interaction

 

子供を教育する立場にある大人が問題のある少年について考えるべき質問:

  •  学校の土壌・雰囲気はどうか?また、それがどう影響しているのか

  •  怒りを表す時、どういう問題があるか

  •  暴力的な映画・本・音楽に異常な関心を示すか

  •  実際に暴力的行動に出ると言ったり、書いたりしたことがあるか

 


問題のある少年の特徴


 

  •  他人との協調性がないpoor coping skills

  •  武器に興味を持つか、所持しているAccess to weapons

  •  ひどく落ち込むことがあるSigns of depression

  •  注目されることへの異常なまでの渇望A pathological need for attention

  • 人種偏見に満ちているRacial intolerance 

  • 暴力的な映画・本・音楽に極度の関心を示す( An unusual interest in acts of sensational violence and a fascination with violence-filled entertainment)

  •  薬物・アルコールの乱用Drug and alcohol abuse

  •  孤立しているAlienation

  •  自己陶酔・ナルシズムNarcissism

  •  度を越したジョークInappropriate humor

  •  テレビ・インターネットに接する時間に制限・監督がないNo limits to, or monitoring of, television and Internet use

 

こうした項目に当てはまる少年は、多分相当いるだろう。

アメリカの学校の荒廃については、疾病管理センターCDC疾病撲滅・疫学研究・教育を目的とする連邦政府の施設; 本部は Georgia Atlanta; 旧称 Communicable Disease Center (1946-70)の調査(1997)がある。

(原文はここをクリック)

以下はCDCが高校生を対象に調査したもので、荒れる学校の深刻な状況が明らかになっている。しかも、麻薬が蔓延していることも忘れるべきではない 

CNN

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

l         18.3%91年は26.1%)過去30日以内に学校を含めた日常生活で、武器(銃・ナイフなど)を所持

l         5.9%      過去30日以内に校内で「銃」を所持

l         8.5%      過去30日以内に校内で武器(銃・ナイフなど)を所持

l         4%  過去30日以内に、学校または登下校が危険だという理由で1日以上欠席

l         7.4%(男10.2%、女4%) 過去1年以内に校内で武器による脅迫や怪我を経験

l         14%(男20%、女8.6%) 過去1年以内に校内で「殴り合ったphysical fight

l         32.9  過去1年以内に校内で、車・衣服・本などを他人によって意図的に破損された

 

  The 1997 YRBS report

 


 

銃規制反対論とは 

Pro-gun lobby


The Second Amendment:

A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.

 

合衆国憲法修正2条:

規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であり、

人民が武器を保蔵しまた武装する権利は損なうことができない

 

 


全殺人に対して銃を使用した殺人の占める比率


 

国名  銃使用比
北アイルランド 86.04%
コロンビア  78.33%
イタリア  73.78%
アメリカ  67.79%
メキシコ 56.20%
ブラジル  55.57%
ギリシア  51.75%
アルゼンチン 46.78%
スイス  43.94%
ポルトガル  42.95%
ベルギー  42.55%
フランス 39.29%
オーストリア 35.90%
クウェイト 35.64%
南アフリカ  35.33%
カナダ  35.19%
オランダ  32.43%
イスラエル  31.03%
ノルウェイ 30.93%
エストニア  28.61%
フィンランド  26.54%
オーストラリア  23.66%
スペイン 22.11%
フィリピン  21.60%
デンマーク 19.01%
ドイツ  18.80%
スロベニア  17.41%
スウェーデン  13.85%
台湾  11.95%
ニュージーランド 11.56%
スコットランド  8.48%
イギリス  7.80%
ハンガリー  6.52%
アイルランド(除北部)  4.84%
シンガポール  4.09%
日本  3.23%
韓国  2.47%
モーリシャス諸島  0.00%

http://www.uncjin.org/Statistics/statistics.html

http://www.guncite.com/  

 

現在アメリカでは2億3千万の銃があるが、その最大の利益団体、全米ライフル協会(NRA:National Rifle Association)は、1871年に射撃愛好者の団体として創立された。

現在は、国民の銃所持を認めた憲法修正2条の擁護を目的とし、会員は260万人。全米に組織網を持ち、会費や寄付の年収は9100万ドル(\100億)、政治献金や選挙の集票力で政治家に圧力をかける。クリントンを含め歴代大統領のほとんどは同会の会員になっている。

すべての州法、合衆国憲法で「正当防衛(Self-Defense)」のための銃使用は認められている。これは「西部開拓時代からの伝統文化」とされ、今後とも根本的に修正されることはないと思われる。アメリカ人の銃への愛着は、日本人が「白米」を食べたがるのと同じで、理性を超えた情緒的性格がある。

最も一般的に使用されているのは28-38口径の小型拳銃("Saturday Night Special")で、この小型拳銃を規制しようとする動きがある。ただ、小型の拳銃は安くて自己防衛に効果的であり、犯罪被害者になりやすい年収7500ドル以下の家庭に打撃が大きく、犯罪者が大型の拳銃を使うようになるだけだ、としてNRA は反対している。

注意して欲しいのは、NRAが主張の論拠として挙げている文献の出版年が古いため、近年、好景気を受けて犯罪が減少していることはほとんど反映していない。それは、5日の購入保留期間を設けるブレイディ法31KB。テキスト形式。英語全文)に効果がないという主張を際立たせるため意図的に古いもの選んでいると思われる。なお、ブレイディはレーガン大統領の補佐官で、レーガン暗殺未遂事件のとき、頭に銃弾を受けた人物である。

自分や家族を守るために銃は必要、というのがNRAの主張の骨格だ。

以下、NRA (National Rifle Association:全米ライフル協会)のHPから主張だ

 

★        ★        ★

 

(銃を野放しにしている州(右)の方が犯罪が減っている:NRA)

 

  • 何も抵抗しないより銃を使ったほうが、強盗・暴行の被害者になりにくい(Gary Kleck., Targeting Guns, 1997.)

  • 年間250万回も、「正当防衛(Self-Defense)」のために使用されている。("Armed Resistance to Crime: The Prevalence and Nature of Self-Defense With a Gun," Journal of Criminal Law and Criminology, Fall 1995.)

  • すべての州法、合衆国憲法で「正当防衛(Self-Defense)」のための銃使用は合法

  • 34%の犯罪者が被害者から銃で反撃されるかもしれないと恐れ、思いとどまることも多い。(James D. Wright, Peter H. Rossi, Armed and Considered Dangerous, 1986.)

  • 18世紀には、トマス・ジェファーソンのような高名な政治家達や、当時の上流紳士達は必ず小型の拳銃を持って歩いていた。

  • 犯罪率の低い上位9の州は、RTC(RightTo Carry:銃を所有する権利)を明確に認めている州

  • 歴史上の銃規正法は、実質的に黒人の銃所有を禁じようとしたもので、ブレイディ法も同じような効果がある(統計的に黒人は犯罪率が高く、所得が低い)

  • フロリダ州では銃所有を積極的に認めてから犯罪率が41%減少

  • 暴力犯罪で銃が使用されるのは30%以下

  • ブレイディ法で銃を規制している州では逆に銃関連の犯罪が多く、同法の購入保留期間は全く意味がない ("Preventative Effects of Firearm Regulations on Injury Mortality," prepared for the annual meeting ofthe American Society of Criminology)

  • 自由の国アメリカは自由を求める武装した市民によって建国された。

 

銃の規制は今後とも進まないと思われるが、銃所有の権利を侵害せず、犯罪に使用されることを防ぐ方法を考えるべきだろう。NRAは「More Guns Less Crime」と銃で犯罪から身を守れと主張する。下記のグラフが示すように、ここ10年のみに限定すれば、銃の増加量と犯罪の発生率は関係ないことは一目瞭然だが(黒線と紫・オレンジ線が逆に推移)、そもそもなぜ犯罪の絶対数が多いのかが疑問として残る。

私見では、完全独立採算の新しい役所を作って銃の所有をすべて登録制にしてはどうかと思う。

銃所有希望者から登録料を取れば税金はかからず、銃の追跡が容易、しかも役所の膨大な事務手続きが増えるため雇用対策にもなる。銃の所有を禁じているわけではないのでライフル協会も反対できず、犯罪の検挙率も上がるだろう。

 

★下記グラフの注★

右側の0-20まで5刻みの数字は10万人あたりの発生率。日本では紫線(殺人)は0.7-1程度

Homicide 殺人(紫線)

Suicide  自殺(緑線)

オレンジ線は銃による殺人

黒線はアメリカ人1000人に対して、銃を持っている人数。91年では300/1000人程度。

gun control:gun supply,gun homicide and suicide trends.

Source: Data points from Gary Kleck, Targeting Guns: Firearms and Their Control, Walter de Gruyter, Inc., New York 1997, and FBI Uniform Crime Reports. (Handgun homicide rate became available in 1966.)

 

 

関連記事:  アメリカ・銃文化の起源

 

 

 

 

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