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猟奇殺人の研究
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第二の災いが過ぎ去った。見よ、第三の災いが速やかにやって来る

ヨハネ黙示録:11.14

 

 

 

 


猟奇殺人の研究

Comprehensive Study of Serial Murder


 

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サイコパス
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犯罪者の脳機能障害
犯罪者の脳機能障害2
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被害者学
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法医昆虫学

 

 

 

 

 


 

イギリスの犯罪学者コリン・ウィルソンの著書「殺人の哲学」には、15世紀ジェームズ1世時代のイギリスで1500人を殺して食べていたソニー・ビーンズという男が妻と共に洞窟に住んでいたという話が載っている。

ウィルソンによれば、殺人は3段階で変化する。一段階が食物の争奪、二段階が欲望と衝動の開放、三段階が倦怠を持て余して存在証明を求める殺人だ。著者の立場は以下の言葉によく表れている。


社会の底にフラストレーションが沈殿している時、その度合いを社会に告げるのは犯罪者である。まったく新しい身の毛のよだつ犯罪が発生した時、これを単に奇怪な一事件と片づけることはできない。それは新型の病気の発生を医学的に奇異な現象として片づけられないと同様である。犯罪研究者にとって、それは社会全体を予知する貴重な窓となる。

殺人の哲学

コリン・ウィルソン

竹内書店

1970.11

アメリカの作家ジェームズ.T.ファレル(James T Farrell:1904-79)の「若きロニガン(Young Lonigan:1932)」という作品は、アイルランド系カトリック教徒の中流家庭での生活について書いている。

ロニガン少年は頭の良い健全な少年だったが、生活の「徹底した退屈さ」の中で次第に残忍な不良へと変貌していく。著者はロニガン少年の成長を描いた3部作で、アメリカの物質文明の「精神的貧困」を批判した。しかし、作品の完成度こそ高いが、精神的に豊かな時代というものが世界史上に一度でも存在したことがあるのか、という疑問が残る。古き良き時代へのノスタルジアでは、犯罪の原因を説明したとは到底いえない。

現代を「病んだ時代」と捉える小説は多く、「怒りの葡萄」で有名なスタインベックも「罪のない殺人(Innocent Murders)」や「長い谷間(The Long Valley)」で病んだ社会が人間を犯罪に駆り立てる様子を描いている。

日本では太宰治が「斜陽」の中で、自殺する登場人物に「ぼくの死は自然死です」と言わせている。

芥川龍之介は、「これから暗い時代がくる」として自殺した。

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アメリカの犯罪白書 Uniform Crime Report:FBI


 

猟奇殺人の犯人は、統計的には、白人男性、出身は下級中産階級、20-30代で、精神的・肉体的虐待を幼少期に受けている。

幼少期に、放火、過度の動物虐待、夜尿症がみられる。

脳の一部に何らかの障害があるが、大部分は、IQが高い。

警察などの権威に憧れを持つが、警官になれずに警備員や兵士になる。

犯行は冷静で手が込んでいるが、逮捕後、精神障害を主張する。


 

世界人口の5%のアメリカが連続殺人の75%を占める。アメリカという社会の何が問題なのか? 

 18世紀の法学者ベッカリアによって犯罪学古典理論が確立された後、様々な学者達が犯罪行動に焦点を当てた。自由意志、絶対的決定論、遺伝論、貧困といった原因が指摘されそれぞれの時代に脚光を浴び、廃れていったものも多い。 

 19世紀イタリアの医者、ロンブローゾは、数千人に及ぶ兵士、精神病患者、受刑者等の人体測定や死後解剖を行い、犯罪者は身体的特徴と精神的特性において正常人と区別された特殊な人間であり、隔世遺伝・先祖帰りによって原始人として生まれるため現代文明社会のルールや期待に不可避的に対立せざるを得ないとした(「犯罪人」1876)。しかしそうした異常性は存在しないとするゴーリングなどの批判で生来性犯罪人説は過去のものとなった。

 1930年代シカゴ大学の研究者の間でシカゴ学派といわれる社会環境学的研究法が発達した。そこで主張されたのは、犯罪者は社会的状況によって犯罪を学習するか、犯罪を犯すよう強制されているというものだった。彼らが「精神薄弱」や「無意識」という言葉を使って現実から逃避しようとしなかったことは評価すべき功績であろう。

 犯罪者・犯罪人という特別の人間は存在しないとすれば、猟奇的な殺人は犯人を作り出した社会環境こそが問題ということになる。現実に犯罪行為を行った者を経験的・実証的な研究の対象にすることによって、犯罪行為と結びつきやすい要因を探る必要がある。 

 

 心理学の専門家によれば、「何より先に暴力に訴えることは、脳の大脳辺縁系か前頭葉に微細な損傷」が原因であることをCTスキャンで確認できるという「ジョエル・ノリス (シリアルキラー)p44」。他にも著者は栄養失調、不安定な家庭環境、亜鉛やカリウム不足によるホルモンバランス、鉛・コバルトなどの環境汚染物質、動物の虐待などが暴力的傾向を助長するとしてしている。 

 ただ「認識が対象を決定する」という言葉の通り、人間の頭脳は自らの認識によって対象を再構築してしまう。つまり、社会的に悪とされている事象を目の前の現象に当てはめてしまうのだ。母親の売春、虐待、同性愛、アルコール依存症、果ては環境汚染物質や栄養失調に至るまで、原因として挙げられている事柄は、アメリカの社会問題の面と、キリスト教的な悪徳の側面とがある。いわば自らが問題だと思っている現象を、猟奇殺人の原因として勝手に措定しているとはいえないだろうか?

 第三世界での子供はさらに不幸な状況にあるにもかかわらず、猟奇殺人犯にはならない。 

 プロファイルは、メテスキー(Mad BomberGeorge Metesky19年も(1940-57年)30回にわった爆弾を仕掛けたにも関わらず捕まらなかったため、精神科医ブラッセル博士(James Brussel)が犯人のプロファイルを作成したことが起源となった。逮捕時にダブルの背広を着ていることまで予言し、見事的中したことから脚光を浴びることになる。

ただ、ニューヨーク市警の課長ジェバース(V.Geberthプロファイルによって解決された事件はひとつもないPractical homicide investigation: Boca Raton,FL:CRC 1993」と述べており、学問としての確立はいまだ遠いといって良いだろう。

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猟奇殺人の定義

 

The Killers Among Us,Steven Egger defines serial murder:

1:犠牲者は3人以上、各犯行の間にある程度時間がある

2:犠牲者と犯人は面識がない

3:犠牲者を物理的に支配したいという欲望がある

4:金銭・物品が目的でなく、心理的欲求に基づく

5:犠牲者が「象徴」の意味を持ち、殺害は何かの意味を実現する手段

6:犠牲者は売春婦や家出少年のような危険性の高い対象を選ぶ

 


 
猟奇殺人の系譜


猟奇殺人の歴史は古い。15世紀フランスの侯爵でジャンヌ・ダルクの部下だったジル・ド・レーGilles de Raisは、農奴の子供を数百人、ただの娯楽のために殺した。 16世紀にはドイツのPeter Stubbeなどが知られている。かれは子供を襲い、切り裂いて食べた。恐るべきことにStubbeは自分の子供の体を切断し脳を生で食らった。The A-Z Encyclopedia of Serial Killers Harold Schechter


魔女とされた女性を生きたまま公衆の面前で火あぶりにするといった非常に残酷な事件が西洋には多いのは、聖書の影響が大きいだろう。聖書では
""とされるものを神が裁くという話に満ちている。イスラム原理主義の指導者オサマ・ビン・ラーディン氏のように、信仰を守るためには手段を選ばなくてもかまわないという考えが、一神教を旨とする人々には一般的だったためだろう。


ただ、漢の高祖の妻呂后が若い妾に嫉妬し、高祖の死後、その妾を囚人に輪姦させ、手足を切断、目をつぶし目鼻を削ぎ落として生きたまま便所の壺の中に入れたという話がある。日本のような宗教戦争のおきたことがない多神教国でも、キリシタンへの処刑は逆さ吊りにして脳の血管が破裂するまでじわじわと苦しませて殺害したということもあった。

こうした点から考えると宗教は人間の残酷な行為の原因ではなく、正当化の理由や意味付けとして使われており、すべての人間はもともと残酷な性質を持っていると考えたほうがいい。ルソーは「エミール」のなかで、人間の本性は無垢で善良なものであり、その天性を素直にのばすことが教育だといったが、これは人間に対する認識を根本的に誤っているものというべきだろう。


19世紀 スティーブンソンRobert Louis Stevensonは「ジキルとハイド」を著したが、人間のこうした矛盾した性質は、地元名士として成功しながら30人以上の少年を殺害し床下に埋めていたゲーシーのみならず、どんな人間にも備わっているものだ。実際に猟奇的な殺害に至る人間は稀だが、両者の違いは残酷な狂気を抑えることができるかどうかという点にしかない。

カナダの人類学者エリオット・レイトン(Elliott Leyton)は、「原始社会では殺人の対象が知らない人間になることは極めて稀だった」としているが、現代になって目立って増えている快楽殺人(Lust Murder)は概して明確な動機がなく、犠牲者は大部分が犯人とはまったく面識がない。

自分の子供を殺されたから犯人に復讐するという動機はわかりやすく明確だが、動機が不明の場合、捜査は難航する。

セックス殺人の場合、動機が不明なものが激増している
Ressler, Burgess, and Douglas in Sexual Homicide: Patterns and Motives


こうした事件は産業革命を経て
20世紀になり、社会が高度に発達した時代になっても減る事はなく、むしろ反対に増加した。問題はどうやって人間の残酷な狂気を抑えるかという点になるが、古き良き時代に戻れ、という主張が根本的に間違っているのは古き良き時代にも猟奇殺人があったということを忘れている点だ。

gacy

Gacy

 


科学捜査
科学捜査2
サイコパス
セックスサディストとは
犯罪者の脳機能障害
犯罪者の脳機能障害2
幼少期・虐待
精神障害
暴力的ポルノ
メディアと犯罪の因果関係
SEX
地理学とプロファイル
被害者学
司法解剖
ミーガン法の可否
刑事裁判の知識

死刑について

名著集
死亡推定時刻
法医昆虫学

 

 

 

 

 

 

秩序型 無秩序型
現場の状況 犯行は計画的

犠牲者は全くの他人

犠牲者を「非人格化」しない

犠牲者と会話する

現場が秩序だっている

犠牲者に服従を要求する

拘束具を使用する

殺害前に暴行する

死体を隠す

凶器・証拠品を始末する

死体を移動する

犯行は衝動的

既知の人間・場所を犯行に選ぶ

犠牲者を「非人格化」する

犠牲者と会話しない

現場に秩序がない

犠牲者に突然暴力を振るう

拘束具を使わない

殺害後に性的な行為を行う

死体を隠さない

凶器・証拠品が残されている

死体は殺害現場に放置

犯人像 平均以上の知能

社会性を備えている

熟練労働についている

性的機能が正常

兄弟の中で年長

父親が安定した職に就いていた

子供自体の躾が甘い

感情のコントロールができる

犯行時、飲酒

周囲からのストレスを感じていた

配偶者と暮らしている

整備された車、広い行動範囲

マスコミの報道を見守る

犯行後、転職・転居する

平均的知能

社会性が未成熟

職歴が貧弱

性的機能が不全

兄弟の中で年少

父親の職は不安定

子供自体の躾は厳しい

感情をコントロールできない

犯行時に飲酒しない

ストレスを感じない

一人暮らし

犯行現場の近くで勤務・居住

マスコミに関心を示さない

犯行後ライフスタイルは変化しない

(ローバート・レスラー 快楽殺人の心理 講談社p189208

 

アメリカの犯罪白書 Uniform Crime Report:FBI

 

 

 

 

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