2005-03-24 それはあなたのクレームなんだろうか?
Japan 'set to free' Bobby Fischer
Bobby Fischer has been on the run for more than 10 years
Japan has decided to allow former world chess champion Bobby Fischer to travel to Iceland, despite US requests for his extradition, Japanese media say.
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/4374811.stm
アイスランダーとして出国と。よかった。
うざいぞお前、とかいわれそうだけど、「国境や国籍なんかなければいいのだ」というステートメントをがちんこで信じている人たち、現実を見てほしい。
ツンデルのときに書いた、他のjurisdictionがあることが人を救うこともあるってな話でしょう。
■ それはあなたのクレームなんだろうか?
かなりソウル側から見てるからなと言えるものではあるし、ってかそもそもソウル発なので、「ここでは」といった表現でそれを限定している仕立てではある記事なんだけど、竹島および南朝鮮において反日感情の事情について、判断は別として基本的な情報が比較的そろっている記事かも。私はこういう記事が好き。役に立つ。
日本語以外で、ことに英語でこれらの件について誰かに説明しようとされる方は、こういう記事に赤線ひいて、付箋たてて、A→B→Cと説明されているわけだが、a、bという条件がそろわないとこの説明は妥当性を持たず、a、bは事実ではない、みたいなやり方をするのはいいのじゃないかと、私がいうのもなんですが、経験からそう思う。
Japanese Claim Touches Nerve in South Korea
Dispute Over Islands Rekindles Wrath Over Tokyo's Military Past
By Anthony Faiola
Washington Post Foreign Service
Sunday, March 20, 2005; Page A17
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A50252-2005Mar19.html
それはそれとして、ほんとにこれでいいのかサウス・コリア・・・とこの記事を読んでももまた思ったのだが、あっという間に、まぁそもそもそうではあったのだが、チャイナの言明とぴったりあってしまったなぁと思う。それはあなたのクレームなのだろうか? 一回考えてみたほうがよくはないのか...。
comfort womenこと慰安婦問題はコリア発だけど、南京の話にコリアが乗るってのもなぁとは思う。だって、第二次世界大戦中、コリアは別に日本とは戦っていないわけでしょ? そんなことを言っても俺たちはイヤイヤだったと怒るだろうけど、でも主敵であったアメリカからすれば共に大日本帝国の兵隊だ。兵役拒否の大暴動という話も聞かない。また、靖国についても、どれだけいやでも、あの戦争でともに戦った結果として死んだ朝鮮の人もいるわけで、この人たちを全体として祀れないってのもどうかと思うんだけど・・・。
この記事に戻ると、サウス・コリアで人々が竹島を巡る日本の現在を「第二の侵略だ」と呼び、ゲームメーカーは本当は人など住んでいない竹島をめぐって村民虐殺のストーリーを作り、そして、これらの騒動に対して、日本政府の公式な反応は、これをサウスコリアの「占領」で、非合法で「国際法的にはいかなる根拠もない」と言っている、で終わっている。
これは、ソウル発であるにもかかわらず、また、非常にがんばってソウルの意見を盛り込んでいるのにもかかわらず、ただの一言も日本側に好意的な反論が書かれていないのにもかかわらず、それでもどうしてもソウルよりには私には見えない。痛い皮肉に見える。しかし、多分、そうは見えない人もいるのだろう。ここにある差異は民族性というよりもまったく個人的なものだと思う。
■ ジャーナリストって
ジャーナリストって遵法なんか屁、俺だけが 真実 で突撃する魂なんだよね。だから、けっこうぼろぼろ死んでしまうわけだけど、それでも ジャーナリスト が絶えないあの 真実 を愛するって病的な根性というか魂はなんだろと思う。
という一般論を受けて、さりながら、
そういうのがあまり日本でないような気がする。というか、 日本人 のジャーナリスト って知識人とか 文化人 の悪いパロディみたいな感じがする。たぶん、欧米の ジャーナリスト って、知識人とか 文化人 とか内心のところで屁でもないと思っていると思う。
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20050324
finalventさんの今日の一言。
日本のジャーナリストって多分、文化人の範疇にいるつもりなんじゃないのかなとしばしば思う。欧米のってのもなんだが、とりあえずそこらへんのジャーナリストってそういうランクには行かない、あえて抵抗してる、結果としてポピュラーになったとしても、って人々のことのような感じがする。
# hal44 『お久しぶり。
>>「国境や国籍なんかなければいいのだ」というステートメントをがちんこで信じている人たち、現実を見てほしい。
本当にそうですね。
みんな、たくさん国籍をもてるようになればいいのに。
私は冗談ではなくそう思います。』
# Soreda 『
私もまじめにそう思いますよ。みんなたくさんの国籍があって、みんな食うに困らずに、みんな良き隣人に恵まれ、良き伴侶とかわいい子供に恵まれ、病める時も富める時も助け合いたいものだ、と。』
# 『うそつけ』
# Soreda 『You never know...』
# kagami 『近代のネーション・ステートが帝国主義(土台としての普遍性・表層の多様化による侵略)からの防衛としての「一つの国籍、一つのオリジナリティ」という防衛機構として領土が分節して出来たことを思うと、今回の事例は極めて興味深いですね…。近代型ネーション・ステートというシステムが上手く働いたことを目に見える形で示す例として実に興味深いです。』
# hal44 『なるほど、うそつきは民族主義者のはじまりなんですね。
最近アイスランドにたまたま行って来たんですけど、壮大な温泉露天風呂とかあっていいとこでした。』