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佐々木麟太郎「一本釣り」確信のはずが…ドラフト衝撃の競合指名“全ウラ側”ソフトバンクの周到な戦略と現場でわかった「意外な新事実」
posted2025/10/24 11:06
佐々木麟太郎に1位で競合指名という特大サプライズがあったドラフト会議。釣り好きで知られる城島CBOは「一本釣り」ならずも当たりくじを釣り上げて満面の笑み
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
JIJI PRESS
大きなどよめきが2度、ドラフト会場を席巻した。
「第1巡選択希望選手 佐々木麟太郎」
横浜DeNAベイスターズの指名にまず、驚きの声。さらに福岡ソフトバンクホークスの指名重複で、ボルテージは最高潮に達した。
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両球団の抽選の結果、ソフトバンクの城島健司チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)がくじを引き当て、海の向こうの大型スラッガーはパ・リーグ王者が指名権を獲得した。
事前の報道で、佐々木の1巡目指名を予想する声は少なかった。たとえ指名したとて、入団する可能性はあるのか? そもそも2年前に花巻東高から米・スタンフォード大進学を選んだ時点で、日本球界を選択肢に入れていないのではないか?
抽選はイメージしていなかった
しかし蓋を開けてみれば、2球団が指名を敢行した。その裏側に、どんな決断があったのか。
「抽選はちょっとイメージしていなかったですね。入札があるとは思っていなかった」
ドラフト会議終了後、そう明かしたのはソフトバンクの永井智浩編成育成本部長だ。
「立石(正広)くん(創価大)を含めて抽選になる選手は何人かいるだろう、というところで、もしかすると抽選で外れた球団が指名する可能性はあるのかなと思っていたんですけどね……」
入団するにしても来年7月以降だが……
ルール上でソフトバンクが交渉できるのはスタンフォード大の全日程が終了する来年6月から。7月14〜15日に行われるMLBのドラフト会議での指名も予想されることから、入団するにしても7月以降になることが確実だ。不確定要素が多いなかで、貴重な「ドラ1」の枠を潰す覚悟で半年以上も待ち続ける球団は他にいないはず——。ソフトバンクは“一本釣り”を確信していた。


