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パチンコ右打ちで“警告音”、捻り打ちで“出禁” 「客にだけ厳しすぎる」ホールの現状 | キャリコネニュース
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パチンコ右打ちで“警告音”、捻り打ちで“出禁” 「客にだけ厳しすぎる」ホールの現状

画像はイメージ

一頃昔、パチンコホールには色んな選択肢が用意されていた。パチンコなら権利モノ、羽根モノ、CR機辺りが僕の出会った最初期の機種スペック群だが、近年まで設定つきパチンコや天井つきパチンコなどが存在していた。パチスロはもっと多岐にわたる。集中機からAタイプ、ストック機、AT機などなど。

そのため、お金があるからストック機に挑もうとか、手持ちが少ないから羽根モノで遊ぼう、みたいな選び方ができた。翻って現在はどうだろうか。(文:松本ミゾレ)

庶民の娯楽はどこへ…今のパチンコに思う選択肢の異様な狭さ

相変わらず羽根モノはいくつか設置されているが、調整は昔ほど釘に精通した店長がいないのか、あまり楽しく遊べなくなった(スペックの問題もあるが)。

甘デジもあるにはあるが、いつの間にか1/99だったものが1/128とかになっていて、「それってもうライトミドルに片足突っ込んでませんか?」というものが目立つように。極めつけのLT機。これがまぁ~ツボにはまると出るものだから、一撃出玉を夢見て夜22時になってもまだ現金遊技してる人も。

……なんかこう、バランスが悪いというか、LTありきになってるというか。もちろん、射幸性の高いマシンはホールの華。なくなってはいけないんだけど、しかしあまりに高射幸性ありきになっちゃうとね。

実際、LT機にのめり込み過ぎて借金してる人もいるし、僕の周りでも10万勝つか負けるかの勝負を頻繁にやってるヘビーユーザーもいる。

本人がやりたいからやってるわけだし、それも賭博なので良し……とは思う反面、パチンコってもっとのんびり遊べる余地もあるものじゃなかったんですか? という気持ちに、どうしてもなってしまう。ホールに行くと色んなスペックが存在して、財布の中身と相談して甘いの、辛いのを自分で選んで挑戦するという、元々ユーザーに担保されていた楽しみが、今は凄く蔑ろにされてはいないだろうか。

でもこれは業界全体の動静による部分も大きいんだろうけど、やっぱりユーザーの価値観がその状況を招いているとも思う。

「どうせ大半は負けるんだから、高射幸性に挑んで夢を見たい」という人、多いんじゃないだろうか。むしろ今、甘デジだの羽根モノだのとLT機をバランスよく遊んでる人、いるのかな。

パチンコなんてやってる時点で時間の無駄なんだけど、高射幸性LT機は払い出しも早いため、やたらタイパをメリットとして打ち出している。

「タイパを重視する人はパチンコをせんでしょうが…」という当たり前のロジックが、今、通用しなくなっている。これは数年前から顕著になっているが、今は大当たりの消化時間が爆速のSTも人気で、昔みたいにだらだら確変を消化するといった「出玉が減らない時間」が味わえることはほとんどない。今のパチンコを敬遠してる元ユーザーの中には、あの時間が良かったって人、多かったんじゃないかな。

ファスト映画とかいう無粋な観賞法が流行る時代だもんね。大当たりもさっさと消化したいというのが今のユーザーなんだろう。でも、その結果数時間打ってると大半はつまらない通常時を回すということになるんだけどなぁ。その辺はもう考えないようにしてるのかな、みんな。

技術介入もNGになり、ただただ回すだけのパチンコ…

僕がパチンコホールに出入りするようになって、もう22年ぐらい経過した。2003年にホールデビューしてからこっち、パチンコの変遷には色々と思うところはあるが、一番大きいのは打ち手の選択肢は減ってるくせに、打ち手への制約は増えたことかなぁ。

昔のCR機は大半が右打ち、左打ちどっちを選んでも、そもそも釘が左右対称なので好きなように打てた。しかし今は通常時が原則左打ち。うっかり右に玉を飛ばすと、嫌がらせみたいな警告音や警告音声がシマに響き渡る。アレが嫌なんだよなぁ。

仕組みとしてそうしないと損をするから仕方がないんだけど、打ち方の多様性がこれで確実に否定されたわけで。多様性の否定と言えば、技術介入の実質的な禁止ってのも大きいところ。捻り打ちでのオーバー入賞狙いなんて、昔は些細なものとしてホールからもお目こぼしされてきた。

だけどこれも、いつからかありとあらゆるホールで禁止扱いになり、店員に見つかると厳重注意を受けるのだとか。酷い場合は出禁になる、とも。

まあ、そういうルールがある以上従うのが当然なんだけど、だったらボーダー以上回る台を用意してほしいなぁとも思うよね。通常時絞り続けられてるわけだし。店側が異常に釘をきつくしてもお咎めはないのに、なんで客は技術介入NGなのか……ということを、まあ理屈は分かってても反発はしたくなるところだ。

その反発心もあって僕はほぼパチンコは触らなくなったけど、今打ってる人たちはその辺、平気なのかなぁ。なんか調教されすぎてませんか? そんなにガチガチのルールとガチガチの釘のパチンコを打って、楽しいんだろうか……。

ルールで言えば、パチスロも今はAT機が主流だが、こちらも変則打ちは基本的にはNG。ペナルティが課せられて打ち手が大いに損をする。
これ、まあAT機は仕組み上仕方がないところなんだけど、だったら変則打ち出来るマイルドなスペックの機種をもうちょい増やしても良さそうなもので。でもこれがまぁ~増えないんだ。

せっかく変則OKなAT機なんかが出ても、ホールがすぐに撤去するんだよね。『ガメラ2』面白かったのになぁ。

こういうAT機は出玉推移がマイルドでまったり遊べるんだけど、技術介入込みだと機械割が100%を超えるものが多く、そのためホールも重用せず設定もあまり入らない。

数年前にはこの手のスペックの中でも特に甘い『いろはに愛姫』ってART機が導入されたものの、独特の設定看破方法のせいでホールからの扱いは散々だった。まあ、ろくに儲けが上がらないその台だけを目当てに朝から晩まで打つ人が全国に大発生しちゃったので、ホール側の気持ちもわかるけど。

ただ、色んなスペックの台が設置されていることこそがバラエティ豊かなラインナップなのに、勿体ないよね。近頃のパチンコホールの言うバラエティって、不人気台をまとめて1つのシマに並べた状態を指すんだよね。つくづくあの空間は、外の世界の常識が通用しない不思議な領域だ……。

とにかく、今はパチンコもパチスロも、ただただ漫然と遊技することだけを求められる。
パチンコは大当たりしたところでやることはハンドルを右に回すだけだし、通常時の止め打ちもNGになっている店もある。こんなもん、昔は考えられない話だよ。まあ、僕の言う昔って固定ハンドルOKだった時代なので、いくらなんでも古すぎるけど。

パチスロはナビに従わないと損をするし、疑似遊技でボーナス図柄も勝手に揃う機種だらけだ。そのせいで今、疑似遊技を搭載しないパチスロ台のボーナス図柄を揃えられない人って若い世代にもいるんだよなぁ。

ボナを自力で揃えるのもパチスロの楽しみの一つなんだけど……揃えようと思って練習するぐらいの熱量のある打ち手はどんどん減っている。そらそうだよね、メーカーがボナ目押し不要の台ばかり作ってるんだもの。

ああ、考えれば考えるほど空しくなってきた。そもそも今はもう玉やメダルも積めない時代だもんなぁ。スマパチ、スマスロは数字上の射幸心は大いに煽るけど、出玉の実感は与えてくれない。

多様性に逆行して、依存症をワンパターンな出玉チャートで飼い慣らすのが令和のパチンコホールなのだ。

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