この記事のサマリー
・「猪突猛進」とは周囲を顧みず突き進むことを指します。
・類語や言い換え表現には、「一心不乱」や「一意専心」、「勇往邁進」などがあります。
・勢いに任せすぎると迷惑や失敗を招くことも…。
「猪突猛進(ちょとつもうしん)」とは、イノシシのように周囲を顧みず、猛烈な勢いで突き進む様子を表す四字熟語です。一見すると行動力や集中力のあるポジティブな言葉に見えますが、実際には無鉄砲さや配慮のなさも含まれています。
この記事では、「猪突猛進」の意味や正しい使い方、類語・英語表現まで、誤解のない理解に役立つ情報をわかりやすく紹介します。
猪突猛進とは?
「猪突猛進」とは、周囲の人のことや状況を考えずに、あと先を顧みず突き進むこと。思い立ったことに向かって猛烈な勢いで動くものの、冷静な判断や配慮が置き去りになりやすい、という含みがあります。
イノシシが突き進むさまから、周囲を顧みず突き進むことを「猪突(ちょとつ)する」と言うこともあります。
辞書では次のように説明されていますよ。
ちょとつ‐もうしん〔‐マウシン〕【×猪突猛進】
[名](スル)周囲の人のことや状況を考えずに、一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと。「―して敵の策にはまる」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

使い方を例文でチェック!
「猪突猛進」は、勢いよく行動する点だけを見ると前向きに受け取ることができますが、「周囲の人のことや状況を考えずに突き進む」という危うさを含みます。ここでは、勢いが長所に見える場面と、配慮を欠いて問題になりやすい場面の両方を例文で確認していきましょう。
彼は猪突猛進型で、相手の都合を確かめないまま話を進めてしまうところがある。
性格・タイプの説明として使う例です。ここでは「周囲の人(=相手)」への配慮不足がポイントで、勢いだけで進めてしまう様子を表しています。
試験前に猪突猛進で徹夜を続けていたら、当日体調を崩して力を出せなかった。
目的(合格)へ「猛烈な勢い」で突っ込む一方、体調という「状況」を考えていない例。努力の量そのものより、判断の粗さを批判的にいうニュアンスになります。
猪突猛進に押し切ろうとすると、反発を招く。急ぐときほど、相手の気持ちを確認したい。
「周囲の人のことを考えずに」に焦点を当てた例です。勢い任せに事を進めると、相手の納得や感情が置き去りになり、関係が悪化する… という文脈で使えます。
類語や言い換え表現は?
「猪突猛進」と近い場面で使われる言葉として、「一心不乱」「一意専心」「勇往邁進」などがあります。違いも意識しながら、意味を確認していきましょう。
一心不乱
「一心不乱」は、「いっしんふらん」と読みます。意味は以下の通りです。
いっしん‐ふらん【一心不乱】
[名・形動]心を一つの事に集中して、他の事に気をとられないこと。また、そのさま。「―に祈る」「―に研究する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「一心不乱に勉強する」というように、何かに対して集中して取り組むことを「一心不乱」と言います。「一点に集中する」という点では共通して見えますが、「一心不乱」には「周囲や状況を考えない」という意味は含みません。
集中力を褒めたいときは「一心不乱」、無鉄砲さまで含めるなら「猪突猛進」がいいでしょう。
(例文)
・弟は志望校に受かるために、一心不乱に勉強した。
・インターハイに出場するために、一心不乱に練習した。
一意専心
「一意専心」とは、「いちいせんしん」と読みます。意味を見ていきましょう。
いちい‐せんしん【一意専心】
(副詞的に用いて)わき目もふらず心を一つのことだけに注ぐこと。「―環境問題に取り組む」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「一意」とは、「1つの考え」。「専心」とは、「1つのことだけに集中すること」。つまり、1つのことに懸命に取り組む様子を表します。「一意専心」も集中を表す語であり、周囲を顧みずに突っ走る、という意味は基本的に含みません。
入社時などに、「一意専心、仕事に励みます」と言えば、やる気をアピールすることができるでしょう。
(例文)
・彼は、一意専心会社の経営にあたった。
・念願の企業に入社した兄は、一意専心公務にあたった。
勇往邁進
「勇往邁進」は、「ゆうおうまいしん」と読みます。意味は以下の通りです。
ゆうおう‐まいしん〔ユウワウ‐〕【勇往×邁進】
[名](スル)目標に向かって、わきめもふらず勇ましく前進すること。「全国制覇をめざして―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
自分の夢や目標に向かって、勇敢に突き進むことを「勇往邁進」と表現します。どんな困難があっても、怯むことなくとにかく行動する人にぴったりの言葉です。
(例文)
・甲子園での優勝を目指して、勇往邁進しよう。
・どんな困難にもめげない彼女は、勇往邁進の気性を持っているようだ。

英語表現は?
「猪突猛進する」を英語表現するなら、“make a headlong rush” が挙げられます。「猪突猛進型の人」と言いたい場合は、“a reckless person” と表しますよ。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「猪突猛進」に関するFAQ
ここでは、「猪突猛進」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1. 「猪突猛進」の意味は何ですか?
A. 周囲の状況や他人のことを考えず、一つのことに向かって突き進む様子を指します。
Q2. 「猪突猛進」はいい意味で使えますか?
A. 勢いのよさを評価する文脈ではポジティブに使われることもありますが、基本的には無鉄砲さを含むため注意が必要です。
Q3. 「猪突猛進」の類語には何がありますか?
A. 「一心不乱」、「一意専心」、「勇往邁進」などが挙げられます。
最後に
「猪突猛進」は、勢いよく前に進む様子が印象に残る言葉です。周囲が見えなくなる危うさを含みつつも、そこには迷いのなさや強いエネルギーも感じられます。場面によっては、その一直線さが力になることもあるでしょう。
意味を知っていれば、行動を振り返るきっかけにもなります。自分のペースや周りの様子を意識しながら、前に進めたら、日々の選択もより豊かになりそうですね。
TOP・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock