結果を出せる営業マンは、どんな工夫をしているのか。キーエンスに13年半在籍し、営業サポート事業を展開する企業を創業した齋田真司さんは「営業マンにとって身だしなみは重要。キーエンスでは派手なものを避け、シンプルなものを身に付けることを勧められてきた。『高級ブランドの腕時計は着けない』ことも推奨されていたが、これには明確な理由があった」という――。(第2回)

※本稿は、齋田真司『キーエンス 最強の働き方 新人からベテランまで、最短で成果を最大化するシンプルなルール』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

スーツの男性の袖口に腕時計
写真=iStock.com/champja
※写真はイメージです

「違和感を取り除くこと」が重要

愛される人になるための第一歩は、「見た目」から始めましょう。私の基本姿勢は「違和感を取り除くこと」。見た目で相手に違和感を持たれてしまうと、その後の営業活動すべてに悪い影響が出てしまいます。

違和感をなくし、失敗の確率を1%でも下げるための身だしなみの基本を最初にお伝えします。

キーエンスには当時、営業パーソンに推奨されているドレスコードがありました。スーツは黒か紺で、派手なストライプなどが入っていない無地のもの。男性の場合、ダブルではなくシングルのスーツを選ぶよう勧められました。

ワイシャツは白一択。ネクタイは色指定こそなかったものの、派手なものを避けることが推奨され、多くの人が無地やシンプルなストライプの、ブルーや紺、緑のものを選んでいました。そして靴はオーソドックスな(甲に飾りが付いていたりつま先が尖っていたりしない)形の、黒い革靴です。

私は6000~7000円ぐらいの、一般的なスーツ店で売られているものを使っていました。これらは私が勤めていた2010年代の話ですので、現代はもっとカジュアルなジャケットスタイルなども受け入れられる傾向にあります。あくまでも、オーソドックスな服装の参考とお考えください。

「大人なんだから、服ぐらい好きなものを着てもいいじゃないか」と感じる方もいるかもしれませんが、これは仕事のための服装です。「好きなもの」を着ると仕事に支障が生じる恐れがあるのです。