頭のいい子が育つ家庭と、普通の家庭の違いは何なのか。学習塾塾長の建部洋平さんは「厳しい言葉で発破をかけるのはむしろ逆効果になる。子どものやる気を引き出すには適切に『ほめる』ことが大切だ」という――。

※本稿は、建部洋平『第一志望合格率96.8%の塾講師が教える 中学生の成績は「親の声かけ」で9割決まる!』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

ノートと赤、黒のペン
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「ほめる親」になるのは難しい

教育業界で仕事をするようになって、かれこれ20年以上になりますが、やはり子どもの心を動かすのにいちばん響くのは「ほめること」だと思います。

でも、おべんちゃらを言うとか、相手をコントロールするためにとりあえずほめるとか。そんな感じで子どもをほめても、子どもは本能的に見抜いてくるので、なかなかうまくいかないのです。

また、親が「ほめる」ことで子どもをコントロールしようとするケースもあるようです。

たとえば、

「お母さん(お父さん)のアドバイスをちゃんと聞いたから、成績が上がったね。これからもちゃんと聞いてね!」
「あなたは努力家でエラいね。でも、もっとがんばれば100点取れるよね?」
「○○ちゃんはやさしい子だから、家の手伝いもちゃんとできるよね?」
「あなたはいい子なんだから、変な友だちとはつき合わないよね?」

といった感じに。

これは、相手をほめているようで、自分の思うように相手をコントロールしているに過ぎません。

ビジネス界でも「ほめる」は大注目

また、今挙げた例のようにあからさまな表現だとさすがにわかるでしょうが、「これってちゃんとほめられているのかな?」それとも、「ほめることで子どもをコントロールしようとしているのかな?」と、その判断に悩む場合もあるでしょう。「ほめる」ことが難しいと感じている大人は意外に多いのです。

そこで、私はもっと「ほめる」について知りたいと思い、「一般社団法人日本ほめる達人協会(通称・ほめ達!)」で、「ほめる」について真剣に学びました。

同協会には「ほめ達!」検定というものがあり、私は特別認定講師の資格をもっています。「なんだそれ?」と思われるかもしれませんが、実は今ビジネス界でも「ほめる」ことはとても重視されていて、名だたる大企業がこの「ほめ達!」の研修を取り入れているのです。

大人でもそうなら、子どもが勉強をがんばるためにも、親が「ほめる」ことを学ぶのは、とても大事ではないでしょうか?