JP2004309745A - 負摩擦帯電性磁性トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】廃トナーの発生が少ない、高転写効率の負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と磁性体及び荷電制御剤を含有する負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、
(a)該結着樹脂の主成分が炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒として合成されたポリエステルユニットを含み、
(b)該磁性体の平均粒径が0.1〜0.3μmであり、
(c)該荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物であり、
(d)該トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、平均円形度が0.940以上であることを特徴とする。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも結着樹脂と磁性体及び荷電制御剤を含有する負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、
(a)該結着樹脂の主成分が炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒として合成されたポリエステルユニットを含み、
(b)該磁性体の平均粒径が0.1〜0.3μmであり、
(c)該荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物であり、
(d)該トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、平均円形度が0.940以上であることを特徴とする。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、又はトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来電子写真法としては、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙のごとき転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得る方法が知られている。
【0003】
トナーを現像する方法においては、キャリアを必要とせず、装置の小型化が有利な点で磁性トナーを用いた磁性一成分現像方式が好ましく用いられる。磁性一成分現像方式に用いるトナー中には、微粉末状の磁性体が相当量混合分散されており、この存在状態がトナーの流動性及び摩擦帯電性に大きく影響する。また磁性トナーにおいては、磁性体をそのまま着色剤として用いる場合が多く、トナーの着色力を向上させるためには磁性体の小粒径化、及び均一分散性が重要となる。
【0004】
言い換えるならば、磁性体の分散が不十分な小粒径トナーを用いた場合には、トナー担持体からの飛翔を十分におこなえない、磁性体過剰含有成分が蓄積することとなり、長期間の耐久過程において、局所的な粒度変化により、画像ムラ、濃度薄といった問題をおこす場合がある。
【0005】
また、トナー粒子中に十分に取り込まれていない磁性体が存在する場合には、耐久時に受けるストレスの度合いによって、トナー粒子から離脱した磁性体がトナー担持体や潜像担持体を傷つけることにより、画像欠陥を引き起こす場合があり、更に改善すべき点がある。
【0006】
磁性粉を均一に分散させる目的で、磁性粉の粒子径を小径化し、粒度分布を狭めたトナー(例えば、特許文献1参照)が開示されているが、更なる改良の余地がある。
【0007】
更に、トナー中に含有される結着樹脂としては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられるが、低温定着性の観点からポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。また、トナーの定着領域を拡大する目的で、軟化点温度の異なる2種類以上の樹脂を混合して用いる方法も検討されている。しかし、この様に複数の樹脂を磁性トナーに使用する場合には、トナー製造工程の熱溶融混練工程において、磁性体を均一に分散することが困難となる。
【0008】
特定のポリエステル樹脂とカーボンブラックを表面に吸着させた磁性体とを組み合わせたトナー(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、帯電制御と言った面で更なる改良の余地がある。
【0009】
特に、トナーの帯電性付与及び安定化を目的として、荷電制御剤を用いた場合には、上述の磁性体以上にその分散状態を管理して行くことが重要となる。
【0010】
今日、当該技術分野で知られている負摩擦帯電性荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオールの如き金属錯塩、酸性分を含む樹脂が知られている。
【0011】
しかしながら、これらのものは有色であり、カラートナーへの適応が出来ないものが多い。また、無色或いは白色、淡色のものの場合には、荷電制御剤として改善すべき点がある。
【0012】
ベンジル酸誘導体の錯体を用いた負帯電性トナー(例えば、特許文献3参照)が開示されているが、磁性トナーとして使用する場合には更なる改良の余地がある。
【0013】
芳香族オキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸を配位子とする金属化合物を有効成分とする荷電制御剤を用いたトナー(例えば、特許文献4参照)が開示されているが、特定のポリエステル樹脂を主成分とする磁性トナーとして使用する場合には更なる改良の余地がある。
【0014】
トナーの微粒子化により画像の解像力や鮮鋭度を上げることはできても、種々の問題点が生じてくる。
【0015】
トナー粒子径を小さくすることにより、トナーの比表面積が増え、トナー帯電量自体を増大させることは達成されるが、同時に帯電量分布の幅が大きくなり、非画像部にトナーが現像されるカブリを生じ易くなる。
【0016】
また、感光体上から転写材にトナーを転写する際、過剰帯電されたトナーが存在する場合、飛び散りと言った、文字やライン画像の周囲にトナーが飛散する現象が生じる。この飛び散りを抑制する目的で、トナー帯電を十分に行わなかった場合には、帯電不足なトナーが存在する為、現像性の低下やカブリを引き起こしてしまう。
【0017】
更に、トナーの帯電特性がより環境の影響を受け易くなる。このカブリを減らす目的で、トナー粒度分布をシャープにすることも試みられているが、トナー製造上における収率の低下等によるコストアップの要因となってしまう。
【0018】
また、画像形成の工程で、感光体上よりトナー像を転写材に転写した場合、感光体上には、転写残のトナーが存在する。
【0019】
連続した複写を速やかに行う為に、この感光体上の残余トナーをクリーニングしてやる必要がある。更に回収された残余トナーは、本体内に設置した容器又は回収箱へ入れられた後に廃棄されるか、しかる工程をへてリサイクルされる。
【0020】
環境問題への取り組みとしては、廃トナーレスシステムとして本体内部にリサイクルシステムを設けた本体設計が必要となる。
【0021】
しかし、複写機及びプリンターの多機能化、コピー画像の高画質化、更に高速化を達成する為には、かなり大掛かりなリサイクルシステムが本体内に必要となり複写機及びプリンター自体が大きくなってしまい、省スペースの観点からの小型化に対応できない。また、本体内に設置した容器又は回収箱へ廃トナーを収納する方式や、感光体と上記の廃トナーを回収する部分を一体化した方式においても同様である。
【0022】
これらに対応する為には、感光体上よりトナー像を転写材に転写するさいの転写率を向上させることが必要である。
【0023】
平均粒子径0.1〜3μmの転写向上剤とBET比表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉体を用いたトナー(例えば、特許文献5参照)が開示されているが、特に粉砕法で製造されたトナーの場合には、その粒度分布の広さから、全ての粒子に効果を出すことは難しく、更なる改良の余地がある。
【0024】
また、噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法と言った製造方法によるトナー(例えば、特許文献6参照)が開示されているが、トナー製造に大掛かりな設備を必要とし、更にトナー形状が真球に近づくが故のクリーニングに関る問題も発生する為、好ましい方法とは言えない。
【0025】
従来より、トナー形状がトナーの諸特性に影響を与えることが知られているが、本発明者らは、粉砕法にて製造される磁性黒色トナーの粒径及び形に関して検討を進め、3μm以上の粒子における円形度と転写性及び現像性(画質)、定着性には密接な関係があることを見出し、既にいくつかの提案をしている(例えば、特許文献7参照)。
【0026】
また、同様に、廃棄されるOA紙の減量化や省資源化といった社会的要請が強まる中で、古紙を再利用した再生紙をコピー・プリンター用紙として用いるようになってきている。
【0027】
しかしながら、再生紙は白色度を向上させる目的で、タルクや炭酸カルシウムを主体とした填料を非再生紙に比べ2〜4倍多く添加して製造されることが一般的である。この様な再生紙を長期間使用した場合、紙粉とともに運ばれた填料が感光体表面に付着或いは汚染することで、転写残トナーを付着或いは蓄積させた後、クリーニング工程により強固な付着或いは融着となり、画像欠陥を引き起こす場合がある。
【0028】
特に、近年は省エネルギー化を目的とした低温定着性トナーとなる樹脂設計を施す場合が多く、感光体への影響を更に考慮して行く必要がある。
【0029】
つまり、低温定着性を目的とした、ポリエステルユニットを含む樹脂を主成分とする負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、廃トナーとなる、感光体上の転写残トナーを減少させる目的で、転写効率を向上させた、高現像性のトナーにおいて、再生紙利用を前提とした感光体への影響を考えた場合には、更なる改善が必要である。
【0030】
【特許文献1】
特開平3−101744号公報
【特許文献2】
特開2001−296689号公報
【特許文献3】
特開2000−10345号公報
【特許文献4】
特開2000−103979号公報
【特許文献5】
特開平9−26672号公報
【特許文献6】
特開平4−102862号公報
【特許文献7】
特開2002−107990号公報
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、廃トナーの発生が少ない、高転写効率の負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0032】
本発明の目的は、微粒子化に対しても良好な現像性を維持できる負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0033】
本発明の目的は、微粒子化に対しても、画出し環境の影響を受けることの無い、つまり、高温高湿下及び常温低湿下においても良好な現像性を維持できる負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0034】
本発明の目的は、転写前帯電(ポスト帯電)を含む画像形成プロセスにおいても、カブリ抑制、飛び散り抑制の良好な、高現像性の負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0035】
本発明の目的は、再生紙を用いた場合でも、感光体上の転写残トナーを廃トナーを再コートするマグネットローラー及びクリーニングブレードを用いて除去する画像形成プロセスにおいても、良好なクリーニング性を有し、感光体汚染による画像欠陥を生じない負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0036】
本発明の目的は、粉砕法によって安易に製造可能な高生産性の負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂と磁性体及び荷電制御剤を含有する負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、
(a)該結着樹脂の主成分が炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒として合成されたポリエステルユニットを含む樹脂であり、
(b)該磁性体の平均粒径が0.1〜0.3μmであり、
(c)該荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物であり、
(d)該トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、平均円形度が0.940以上であることを特徴とする負摩擦帯電性磁性トナーに関する。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0038】
【発明の実施の形態】
従来より、トナー形状がトナーの諸特性に影響を与えることが知られているが、本発明者らは、粉砕法にて製造される負摩擦帯電性磁性トナーの粒径及び形に関して検討を進めた結果、特に低温定着性の観点から、特定の樹脂と磁性体及び荷電制御剤を組み合わせることで、現像性及び定着性、転写性の改良はもとより、更に、再生紙を連続使用した場合に発生する感光体汚染が改良されることを見出した。
【0039】
つまり、本発明者らの検討によれば、粉砕法で製造された負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、感光体上よりトナー像を転写材に転写する際の転写率を向上させることで、廃トナーの発生を抑制し、且つ、高温高湿及び低湿下においても画質と高耐久性を両立し、再生紙を連続使用した場合に発生する感光体汚染を防止する為には、
樹脂と磁性体及び荷電制御剤を含有する負摩擦帯電性トナーにおいて、
▲1▼該結着樹脂の主成分が炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒として合成されたポリエステルユニットを含む樹脂であり、
▲2▼該磁性体が、平均粒子径が0.1〜0.3μmであり、
▲3▼該荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物であり、
▲4▼粉砕法で製造された磁性黒色トナーが、特定の粒度分布と円形度を有する
ことが重要である。
【0040】
特定の円形度を有する負摩擦帯電性磁性トナーを製造する場合、重量平均径5乃至12μmであるトナーに限定される。更に好ましくは、重量平均径5乃至12μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が40個数%以下であり、粒径10.1μm以上の粒子が25体積%以下のトナーである。
【0041】
重量平均径が12μmを上回る負摩擦帯電性磁性トナーの場合には、トナー粒子径自体の大きさにより、高画質化の面で問題があり好ましくない。
【0042】
重量平均径が5μmを下回る負摩擦帯電性磁性トナーの場合には、トナーの円形度と磁性体及び荷電制御剤の分散状態のバランスを十分に取ることが出来ず、カブリ、飛び散りを悪化させることがあり好ましくない。4.0μm以下及び10.1μm以上に関しても同様である。
【0043】
つまり、重量平均径5乃至12μmであるトナーにおいては、該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で90%以上有し、平均円形度が0.940以上であることが重要である。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0044】
更に、トナー粒径が違う場合、トナー自体の帯電量、比表面積は違うものとなる。つまり、小粒径のトナーは、微粉含有量が多く、帯電量も高く、比表面積も大きい。逆に、大粒径のトナーは、粗粉含有量が多く、帯電量も低く、比表面積も小さい。
【0045】
上述の粒子径及び円形度範囲であれば、転写効率、帯電のコントロールに問題は無いが、粒子径の違うトナーに対して、絶えず同一の効果を与える為には、以下のように更に、詳細な円形度を規定することがより好ましい。
【0046】
トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
且つ
a)カット率Zとトナー重量平均径(X)の関係が下記式(2)を満足し
カット率Z≦5.3×X (2)
[但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とした時、下記式(3)で示される。
Z=(1−B/A)×100 (3)
且つ、該トナーの3μm以上の粒子において、円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.950以上の円形度(a)を有する粒子の個数基準累積値Yとトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する。
円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X−0.645(4)
[但し、トナーの重量平均粒子径X:5.0〜12.0μm]
或いは
b)カット率Zとトナー重量平均径(X)の関係が下記式(5)を満足し
カット率Z>5.3×X (5)
且つ、該トナーの3μm以上の粒子において、円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.950以上の円形度(a)を有する粒子の個数基準累積値Yとトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足すること。
円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.37×X−0.545(6)
[但し、トナーの重量平均粒子径X:5.0〜12.0μm]
【0047】
該トナーの3μm以上の粒子における円形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が
カット率Z≦5.3×X、好ましくは、0<カット率Z≦5.3×Xの式を満たし、
個数基準累積値Y≧exp5.51×X−0.645を満足しない場合、即ち、
個数基準累積値Y<exp5.51×X−0.645を満足するような場合には、
或いは、該トナーの3μm以上の粒子における円形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が
カット率Z>5.3×X、好ましくは、95≧カット率Z≦5.3×Xの式を満たし、
個数基準累積値Y≧exp5.37×X−0.545を満足しない場合、即ち、
個数基準累積値Y<exp5.37×X−0.545を満足するような場合には、
定着部材等への付着を促進しやすくなり、トナーの流動性も悪化する場合があり、また、転写効率を低下させる原因となる場合がある。
【0048】
このような各円形度を有する粒子のバラツキの一つの目安として、標準偏差SDを用いることもできる。本発明においては標準偏差SDが0.030乃至0.050であれば問題は無い。
【0049】
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下記式(1)により求め、さらに下記式(7)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0050】
【数1】
【0051】
円形度標準偏差SDは、上記式(1)及び(7)で求めた平均円形度をa、各粒子における円形度をai、測定粒子数をmとすると、下記式(8)から算出される。
【0052】
【数2】
【0053】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。また、本発明における円形度分布のSDは、ばらつきの指標であり、数値が小さいほどシャープな分布であることを示す。
【0054】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
【0055】
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。尚、分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとすることで、カット率が大きくなった場合でも装置の精度が保てるだけの粒子濃度を維持することができる。
【0056】
測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0057】
試料分散液は、フラットで扁平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
【0058】
更に本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
【0059】
本発明におけるポリエステルユニットを含む樹脂では、炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物が触媒として使用される。この化合物はエステル化反応及びエステル交換反応において好適な触媒であり、樹脂の軟化点や物性調整などが行ないやすいとともに、比較的短時間での重合を可能にするものである。また重合後のポリエステルユニット中に存在すると、トナー製造時の熱溶融混練工程において以下に述べる効果により、樹脂と磁性体との分散性及び密着性を向上させるものと考えられる。一つには、アルキルカルボン酸成分の効果により、熱溶融混練時におけるポリエステルユニットの粘度を局所的に低下させることで磁性体が均一に分散しやすくなる。また無機錫化合物が存在することで、磁性体の磁気凝集性が低減し、樹脂中での磁性体の微分散性が良化するものである。特に粒径が0.1〜0.3μm程度の小粒径磁性体を使用した場合、樹脂中への均一分散性が飛躍的に向上し、環境による帯電特性の変化が少なく、樹脂からの磁性体の脱離を発生せず、さらには高着色力なトナーを得ることができる。
【0060】
ここで本発明で使用されるアルキルカルボン酸の錫化合物の炭素数としては、5以上15以下のものがエステル化反応の触媒効果を有する物として最適なものである。
【0061】
またアルキルカルボン酸の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.05質量部以上2質量部以下、好ましくは0.1質量部以上1質量部以下がよい。0.05質量部未満となると、ポリエステルユニット重合時の反応時間が長くなるとともに、磁性体の分散性を向上させる効果が得られなくなる。また2質量部超含有すると、トナーの帯電特性に影響を及ぼすようになり、環境による帯電量の変動が大きくなりやすい。
【0062】
本発明において、炭素数5〜15のアルキルカルボン酸錫化合物としては特に限定されないが、好ましくはカプロン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリル酸等の錫化合物が挙げられ、この中でも2−エチルヘキサン酸錫が特に好ましく用いられる。
【0063】
本発明で使用される結着樹脂は、ポリエステルユニットを主成分とするものである。
【0064】
ポリエステルユニットは、多価アルコールと多塩基酸との重縮合により生成する樹脂であり、ポリエステルユニット成分のモノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0065】
二価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また下記(ア)式で表されるビスフェノール誘導体、及び下記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0066】
【化1】
【0067】
【化2】
【0068】
また、二価のカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;またさらに炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基で置換されたコハク酸若しくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0069】
また、ポリエステルユニットのその他のモノマーとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類等が挙げられる。
【0070】
本発明においては、ポリエステルユニット成分とスチレン−アクリル系樹脂成分を含むハイブリッド樹脂も好適なものである。
【0071】
ハイブリッド樹脂において、スチレン−アクリル系樹脂成分を生成するためのビニル系モノマーとしては次のようなものが挙げられる。
【0072】
スチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体が挙げられる。
【0073】
またアクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸及びアクリル酸エステル類や、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸及びそのエステル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0074】
さらに、スチレン−アクリル系樹脂のモノマーとしては、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0075】
またスチレン−アクリル系樹脂成分には、ビニル重合が可能な種々のモノマーを必要に応じて併用することができる。このようなモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸の酸無水物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0076】
また、前記スチレン−アクリル系樹脂成分は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。架橋性モノマーには、例えば芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、ポリエステル型ジアクリレート類、及び多官能の架橋剤等が挙げられる。
【0077】
芳香族ジビニル化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。
【0078】
アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0079】
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0080】
芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0081】
ポリエステル型ジアクリレート類としては、例えば商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
【0082】
多官能の架橋剤としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0083】
これらの架橋性モノマーは、他のモノマー成分100質量%に対して、0.01〜10質量%(さらに好ましくは0.03〜5質量%)用いることができる。またこれらの架橋性モノマーのうち、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)や、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0084】
また前記スチレン−アクリル系樹脂成分は、重合開始剤を用いて製造された樹脂であっても良い。このような重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロビルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0085】
前記ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット成分及びスチレン−アクリル系樹脂成分が直接又は間接的に化学的に結合している樹脂であり、上述のポリエステルユニット成分、スチレン−アクリル系樹脂成分、及びこれらの樹脂成分の両方と反応し得るモノマー成分から構成される。ポリエステルユニット成分を構成するモノマーのうちスチレン−アクリル系樹脂成分と反応し得るものとしては、例えばフマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0086】
スチレン−アクリル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステルユニット成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシル基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0087】
ハイブリッド樹脂を得る方法としては、先に挙げたポリエステルユニット及びスチレン−アクリル系樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方若しくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0088】
本発明の効果を満足するためには、ハイブリッド樹脂成分中にポリエステルユニット成分を50質量%以上、好ましくは70質量%以上含有する必要がある。
【0089】
本発明において、ポリエステルユニットを含有する樹脂は3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価アルコールで架橋された樹脂を含有することが、低温定着性と耐高温オフセット性の両立を達成するために好ましい。
【0090】
また本発明においては、定着領域の拡大のために軟化点の異なるポリエステルユニットを含有する樹脂を2種以上混合して使用することが好ましい。
【0091】
ポリエステルユニットを含有する樹脂の酸価は好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下であり、OH価は好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる為である。
【0092】
ポリエステルユニットを含有する樹脂のガラス転移温度は好ましくは50〜75℃、より好ましくは55〜65℃であることが良い。
【0093】
本発明のトナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0094】
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0095】
これらの強磁性体は平均粒径が0.10〜0.30μmで、795.8kA/m印加での磁気特性が抗磁力1.6〜12.0kA/m、飽和磁化50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化2〜20Am2/kgのものが好ましい。
【0096】
結着樹脂100質量部に対して、磁性体20〜150質量部、好ましくは50〜150質量部、更に好ましくは60〜120質量部使用するのが良い。
【0097】
本発明のトナーに含まれる荷電制御剤の有機金属化合物は、芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物である。
【0098】
本発明に使用される芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリカルボン酸の金属錯体あるいは金属錯塩又は有機金属塩の如き有機金属化合物を以下により説明する。
【0099】
一般式(l)又は(2)に好ましい金属錯体あるいは錯塩を示す。
【0100】
【化3】
【0101】
一般式(1)において、MはZr、Al及びZn、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わし、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、C2は2価のカチオン又は2価の金属イオンを表し、nは2,3又は4を表わし、mは0,2又は4を表わす。各錯体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。対イオンのC1及びC2が異なる錯塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基(Ar)としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基又は水酸基が好ましく、Lとしては水が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましい。
【0102】
【化4】
【0103】
一般式(2)において、MはZr、Al及びZn、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わし、Aは、アニオン、ハロゲン、水酸イオン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、シアンイオン又はチオシアンイオンを表わし、Aは相互に異なるイオンを有していても良く、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、C2は2価のカチオン又は2価の金属イオンを表し、nは1,2,3又は4を表わし、kは1,2,3,4,5又は6を表わし、mは0,1,2,3又は4を表わす。各錯体または各錯塩において配位子となるアニオンA、芳香族カルボン酸類及び芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。対イオンのC1及びC2が異なる錯塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基(Ar)としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基又は水酸基が好ましく、Lとしては水が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましく、Aとしては水酸イオン又はカルボン酸イオンが好ましい。Aが2価のアニオンの場合には、カウンターカチオンの係数kは2倍する。
【0104】
さらに、好ましい金属錯体又は錯塩を一般式(3),(4),(5),(6),(7)及び(8)に示す。
【0105】
【化5】
【0106】
一般式(3),(4)及び(5)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、C1は1価のカチオン、水素、アルカリ金属、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、lは1〜8の整数を表わし、nは2,3又は4を表わし、mは0,2又は4を表わし、各錯体または錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類又は芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。また、対イオンのC1が異なる錯塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基Rとしてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基又は水酸基が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はアルキルアンモニウムが好ましい。
【0107】
特に好ましいのは、一般式(4)で表わされる錯化合物あるいはカウンターイオンを有さない、一般式(3),(4)又は(5)においてn=2の場合の金属中性錯体であり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0108】
【化6】
【0109】
一般式(6)、(7)及び(8)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、Aは、アニオン、ハロゲン、水酸イオン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、シアンイオン又はチオシアンイオンを表わし、Aは相互に異なるイオンを有していても良く、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、lは1〜8の整数を表わし、nは1,2,3又は4を表わし、kは1,2,3,4,5又は6を表わし、mは0,1,2,3又は4を表わす。各錯体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。カチオンC1又は/及びアニオンAが異なる2種以上の錯化合物の混合物であっても良い。Aが2価のアニオンの場合には、カウンターカチオンの係数kは2倍する。
【0110】
結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性の向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基Rとしては、アルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましく、Aとしては水酸イオン又はカルボン酸イオンが好ましい。
【0111】
特に好ましいのは、一般式(7)で表わされる錯化合物あるいは、カウンターイオンを有さない、一般式においてn=2の場合の金属中性錯体であり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0112】
本発明に用いられる金属錯体あるいは錯塩は、六配位または八配位の錯化合物で、八配位の中には、配位子が橋かけした複核錯化合物となり示性式上六配位となる錯化合物があり、また、水酸基などの配位子が橋かけし、次々と錯化合物を重合した複核錯化合物などもある。
【0113】
本発明に使用される好ましい芳香族カルボン酸の金属塩を一般式(9)及び(10)に示す。
【0114】
【化7】
【0115】
一般式(9)及び(10)において、MはZr、Al及びZn、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わし、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表わし、mは、2,3,4を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオンA1、アニオンA2、酸イオンとなる芳香族カルボン酸類及び芳香族ヒドロキシカルボン酸は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ましい。
【0116】
更に好ましい金属塩は一般式(11)及び(12)で表わせる金属塩である。
【0117】
【化8】
【0118】
一般式(11)及び(12)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1〜8の整数を表わし、mは、2,3,4を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオンA1、アニオンA2及び酸イオンとなる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ましく、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐久性が得られる。
【0119】
更に好ましい金属塩は一般式(13)及び(14)で表わせる金属塩である。
【0120】
【化9】
【0121】
一般式(13)及び(14)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rは1から8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1〜8の整数を表わし、mは、2,3,4を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオンA1、アニオンA2及び酸イオンとなる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ましく、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐久性が得られる。
【0122】
本発明の有機金属化合物は、塩化酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、有機酸ジルコニウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属化合物を水、アルコール、アルコール水溶液に溶解し、芳香族カルボン酸、芳香族ジオールおよびこれらのアルカリ金属塩を添加するか、あるいは芳香族カルボン酸、芳香族ジオールとアルカリ剤を添加することにより合成される。これらの有機金属化合物は、アルコール水溶液などで再結晶し、アルコール洗浄で精製する。また、錯塩の場合は、生成物を鉱酸、アルカリ剤、アミン剤で処理することにより種々のカウンターイオンを持つ錯塩が得られる。本発明においては、金属錯塩のカウンターイオンに水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなど複数種有しているものも含む。
【0123】
以下に、本発明に用いられる有機金属化合物の具体例を挙げるが、ここでは、示性式を示す。水分子を2〜4個配位しているものも含まれるが、ここでは水分子の記載を省略する。また、カウンターイオンは複数種有するものも含むが、ここでは一番多いカウンターイオンのみを記載する。
【0124】
【化10】
【0125】
本発明に使用されるベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物としては、下記一般式(21)で表される。
【0126】
【化11】
【0127】
式中、MがBまたはAlであり、XがLi、NaまたはKであり、R1、R2、R3またはR4は、各々水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子を示し、R1、R2、R3またはR4は、複数存在してもよく、R1、R2、R3及びR4が複数存在する場合、各々が異なっていてもよく同一であってもよい。nは、1〜5の正整数を示す。
【0128】
以下に、本発明に用いられる有機金属化合物の具体例を挙げる。
【0129】
【化12】
【0130】
【化13】
【0131】
上述の有機金属化合物と炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒といて製造されたポリエステルユニットを含有する樹脂及び小粒径の磁性体を用いることにより、官能基にカルボキシル基の如き酸価を有する樹脂とのなじみがよく、更に、磁性体に対しては反発、吸引のバランスを取ることで、個々の成分がより均一に分散状態を保つことが可能となり、高帯電性を発揮するだけでなく、均一帯電性も発揮される。
【0132】
また、結着樹脂中の酸基又は/及び水酸基の荷電制御剤中の金属元素への配位を介したポリマー鎖の架橋により、トナーにゴム弾性を持たせることで、再生紙から感光体へ転移した、填料及び紙粉への付着を防止することが可能となる。
【0133】
本発明のトナーは、上記の有機金属化合物を結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1乃至10質量部、より好ましくは0.5乃至5質量部含有することが良い。含有量が0.1質量部未満となる場合には、十分な帯電効果が得られない場合があり、また、10質量部超となる場合には、帯電過剰となるか、トナー中への分散が不十分となる場合があり好ましくない。
【0134】
本発明に使用する有機金属化合物は、トナー粒子に内添させることに加えて、さらにトナー粒子に外添することもできる。トナー粒子に有機金属化合物を外添する場合は、トナー粒子100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、特にメカノケミカル的にトナー粒子表面に固着させるのが好ましい。
【0135】
本発明において、必要に応じて一種又は二種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわない。離型剤としては次のものが挙げられる。
【0136】
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;また、ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、また、植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0137】
離型剤の量は、結着樹脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部が好ましい。
【0138】
また、これらの離型剤は、通常、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時に混合する方法で結着樹脂に含有させることができる。
【0139】
本発明のトナーに使用される無機微粉体は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ等がある。
【0140】
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0141】
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカとしてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0142】
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
【0143】
【0144】
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0145】
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0146】
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
【0147】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。0.01質量部未満となる場合には、求める効果としての流動性向上が達成できない場合があり好ましくなく、8質量部超えとなる場合には、カブリが悪化する場合があり、好ましくない。
【0148】
本発明のトナーには、研摩効果に加え、帯電性付与性及び流動性付与、クリーニング助剤として、上述以外の無機微粉体を添加しても良い。無機微粉体は、トナー粒子に外添することにより、添加前後を比較するとより効果が増加し得るものである。本発明に用いられる無機微粉体としては、マグネシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、ストロンチウム、セリウム、カルシウム、バリウム等のチタン酸塩及び/又はケイ酸塩が挙げられる。特に本発明の効果をより発揮できることから、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)及びチタン酸カルシウム(CaTiO3)、ケイ酸ストロンチウム(SrSiO3)、チタン酸バリウム(TiBaO3)が好ましい。
【0149】
本発明で使用する無機微粒子は、例えば焼結法によって生成し、機械粉砕した後、風力分級して、所望の粒度分布であるものを用いるのが良い。
【0150】
本発明における無機微粒子は、トナー100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜8質量部用いるのが良い。
【0151】
本発明の負摩擦帯電性トナーの製造方法としては、一般的な製造装置を用いて、所望の円形度及び粒子径が得られれば、特に限定するものではない。
【0152】
具体的には、結着樹脂と磁性体、荷電制御剤、又はその他の添加剤として離型剤等を加えて、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により乾式混合し、ニーダー、ロールミル、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融・混練して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粗粉砕し、得られた租粉砕物をジェットミル、ミクロンジェット、IDS型ミル等の衝突式気流粉砕機又はクリプトロン、ターボミル、イノマイザー等の機械式粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕品を気流式分級機等を用いて所望の粒度分布とした後、流動化剤や研磨剤等の無機微粉体を外添混合することで本発明のトナーを得ることが出来る。
【0153】
また、本発明の負摩擦帯電性トナーは、粗粉砕品を微粉砕する際の粉砕条件を工夫するか、或いは、微粉砕後又は分級後に表面改質装置等を用いることにより、所望の円形度を達成することが出来るが、生産性及び粉砕条件の設定等が容易に出来る機械式粉砕機を使用することがより好ましい。
【0154】
具体的には、機械式粉砕機を用いることで、トナーの円形度を上げたい場合には、装置内負荷を上げ、装置内温度を上昇させ、逆に、トナーの円形度を下げたい場合には、装置内負荷を下げ、装置内温度を下げることで容易に円形度をコントロールすることが出来る。
【0155】
次に、以下の実施例中で測定した各種物性データの測定方法に関して以下に説明する。
【0156】
(1)粒度分布の測定
粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターのマルチサイザーを用いて行った。
【0157】
測定装置としてはコールターカウンターのマルチサイザーII型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し、電解液は特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、アパーチャーとして、トナー粒径を測定するときは100μmアパーチャーを用い、無機微粉末粒径を測定するときは13μmアパーチャーを用いて測定する。トナー及び無機微粉末の体積,個数を測定して、体積分布と、個数分布とを算出した。それから体積分布から求めた重量基準の重量平均径を求める。
【0158】
(2)ワックスの融点測定
示差熱分析測定装置(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。測定はASTM D3418−82に準じておこなう。測定試料2〜10mgを精秤してアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。この吸熱メインピークの温度をもってワックスの融点とする。
【0159】
(3)ガラス転移温度(Tg)の測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0160】
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0161】
(4)樹脂の軟化点の測定方法
樹脂の軟化点はJIS K 7210に示される測定方法に則り、降下式フローテスタにより測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
【0162】
降下式フローテスタ(島津製作社製)を用いて1cm3の試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m2(20kg/cm2)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0163】
(5)磁性体平均粒子径の測定方法
走査型電子顕微鏡(30000倍)の写真を撮影し、フェレ径にて算出した。
【0164】
(6)磁気特性の測定方法
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用して、外部磁場796kA/mにて測定した。
【0165】
【実施例】
次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0166】
(結着樹脂の製造例1)
表1に示すポリエステルモノマー及びアルキルカルボン酸の錫化合物を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出す際に急冷条件で取り出し、粉砕して、軟化点120℃の樹脂1を得た。
【0167】
(結着樹脂の製造例2〜7)
製造例1において、モノマー及びアルキルカルボン酸の錫化合物の量及び種類を表1に示すように変更し、製造例1と同様の方法を用いて表1に示す結着樹脂2〜7を得た。
【0168】
(結着樹脂の製造例8)
表1に示すポリエステルモノマー及びアルキルカルボン酸の錫化合物を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて130℃の温度で攪拌しつつ、表1に示すビニル系共重合体モノマー及び重合開始剤とを混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。これを130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し後粉砕し、ポリエステル樹脂成分、ビニル系重合体成分及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分からなり、軟化点142℃の結着樹脂8を得た。
【0169】
(結着樹脂の製造例9)
結着樹脂の製造例8において、アルキルカルボン酸の錫化合物の添加量を表1に示すように変更し、上記製造例8と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂9を得た。
【0170】
(結着樹脂の製造例10〜13)
結着樹脂の製造例1において、アルキルカルボン酸の錫化合物の種類及び量を表1に示すように変更し、上記製造例1と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂10〜13を得た。
【0171】
(結着樹脂の製造例14〜15)
結着樹脂の製造例2及び3において、アルキルカルボン酸の錫化合物をジオクチル錫オキサイドに変更した以外は製造例1と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂14〜15を得た。
【0172】
(結着樹脂の製造例16〜17)
結着樹脂の製造例8及び9において、アルキルカルボン酸の錫化合物をジオクチル錫オキサイドに変更した以外は製造例8と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂16〜17を得た。
【0173】
<実施例1>
(トナーの製造例)
・結着樹脂1 100質量部
・磁性酸化鉄1 90質量部
(平均粒径:0.15μm、Hc(保磁力):10.7kA/m、σs(飽和磁化):82.3Am2/kg、σr(残留磁化):13.0Am2/kg)
・有機アルミニウム化合物(20) 1質量部
・エチレン・プロピレン共重合体 2質量部
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製造用粉体原料である粉体原料A(粗粉砕物)を得た。
【0174】
粉体原料Aをターボ工業社製ターボミルT−250型を用い、粗砕品供給量を25kg/hrとして、機械式粉砕機内の入口温度は−10℃、出口温度は47℃となるように粉砕し、重量平均径が6.3μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が55個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を3.7体積%含有する微粉砕品を得た。
【0175】
次いで、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が21.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を3.3体積%含有する分級品(A−1)を得た。
【0176】
この分級品B−1 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET220m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−1)とした。
【0177】
このトナーは重量平均径が6.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が22.3個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を3.3体積%含有し、FPIA 1000にて測定した結果、平均円形度が0.955であり、円形度a=0.900以上の粒子が95.9個数%、円形度a=0.950以上の粒子が80.4個数%であった。
【0178】
また、3μm以下の粒子をカット前(全粒子)粒子濃度Aは15481.5個数/μlであり、3μm以上の測定粒子濃度Bは13276.2個数/μlであった。
【0179】
(評価−1)
評価用トナー(1−1)を385gキヤノン製iR6000複写機用現像器に入れ、高温高湿室(32.5℃/85%)に一晩(12時間以上)放置する。現像器の質量を測定後、iR6000改造機(ギヤ、クラッチ、モーター類を変更し、複写速度を10%アップ)へ現像器を設置し、現像スリーブを3分間回転させた後、印字比率4%のテストチャートを500枚通紙する。500枚目の画像透過濃度を測定し、透過濃度が1.6〜1.8の範囲であることを確認する。上記範囲外の場合には、現像バイアス値を変更して透過濃度が1.6〜1.8の範囲となるように調整する。次に、本体内のクリーナー部及び廃トナー回収部及び現像器を一旦取り外し、質量を測定する。その後、印字比率6%のテストチャートを用いて、500枚画出しを行い転写率を評価した。評価用トナー(1−1)の転写率は92%となった。
【0180】
尚、画像透過濃度の測定はGRETAG D200−IIを用いて、未使用紙分を除いた数値にて規定している。
【0181】
転写率は以下の計算式で算出した。
【0182】
【数3】
【0183】
評価レベルは以下に示す。
◎:転写率が93%以上
○:転写率が92%〜89%
△:転写率が88%〜85%
×:転写率が85%未満
【0184】
(評価−2)
iR6000改造機を、常温低湿室(23℃/5%)へ設置し、12時間以上調湿した。現像スリーブを1分間回転させた後、印字比率4%のテストチャートを用いて、1000枚画出しを行い、第一日目のテストを終了した。本体から現像器を取り出し、機外に放置した。
【0185】
翌日、iR6000改造機をスタンバイ状態にした後、現像器をセットして、前日と同様に、印字比率4%のテストチャートを用いて、1000枚画出しを行い、第ニ日目のテストを終了した。
【0186】
上記操作を繰り返すことで、3日目、4日目、5日目までのテストを終了させた。
【0187】
テストチャートは1枚目、1000枚目、1001枚目、2000枚目、2001枚目、3000枚目、3001枚目、4000枚目、4001枚目、5000枚目をサンプリングし、テストチャート上の白部のカブリと文字周辺へのトナー飛び散り具合にて画質評価した。カブリは初期から5000枚目まで1.0%未満であり問題の無いレベルとなった。また、文字周辺の飛び散りに関しても、ルーペで拡大して目視確認したが、殆ど無い状態だった。
【0188】
評価レベルは以下に示す。
【0189】
カブリ測定用反射測定機REFLECTMETER(東京電色(株))にて、上記の画像の白部及び未使用紙の反射率を測定し、両者の差をカブリとする。
【0190】
未使用紙反射率−画像白部の反射率=カブリ%
◎:カブリ0.5%未満
○:カブリ0.5〜1.0%
△:カブリ1.1〜1.9%
×:カブリ2.0〜2.5%
××:カブリ2.6%以上
【0191】
文字周辺へのトナー飛び散り具合は画像上の文字をルーペにて拡大して、目視にて判断した。
◎:文字周辺に飛び散ったトナーが無い
○:文字周辺に飛び散ったトナーが極僅か確認できる
△:文字周辺に飛び散ったトナーが有るが、ラインははっきりしている
×:文字周辺に飛び散ったトナーが多数存在する
××:文字周辺に飛び散ったトナーが多数存在し、ラインもはっきりしない
【0192】
(評価−3)
iR6000改造機を、高温高湿室(32.5℃/85%)へ設置し、12時間以上調湿した。現像スリーブを1分間回転させた後、印字比率4%のテストチャートを用いて、古紙を70%再利用した再生紙(填料:灰分として25%のA4サイズ紙)30000枚画出しを行い、第一日目のテストを終了した。本体から現像器を取り出し、機外に放置した。
【0193】
翌日、iR6000改造機をスタンバイ状態にした後、現像器をセットして、前日と同様に、印字比率4%のテストチャートを用いて、30000枚画出しを行い、第ニ日目のテストを終了した。
【0194】
上記操作を繰り返すことで、3日目、4日目、5日目までテストを継続して、トータル 150000枚耐久してテストを終了させた。
【0195】
テストチャートの朝一〜10枚目までと、ラスト−10枚目〜ラストまでの各20枚をサンプリングして、テストチャート上の黒部の画像濃度を測定して、耐久時の濃度推移及び立ち上がり状態をを確認した。結果は初期画像濃度1.48であり、ラスト(15万枚目)1.40となり、ΔDmax=0.08と非常に安定していた。
【0196】
また、各朝一濃度(10枚の平均値)の最大値と最小値の差 ΔD朝一max=0.18となった。
【0197】
更に、耐久初期から15万枚終了までの間、感光ドラム汚染による画像欠陥は、白地部に1mm以下の黒ぽちが12万枚目以降1つ発生したが、増加も成長もしなかった。
【0198】
尚、ΔDmax=初期画像濃度−耐久ラスト(10万枚目)画像濃度
ΔD朝一 =耐久日当日ラスト画像濃度−耐久日朝一画像濃度
ΔD朝一max=テスト1日目〜テスト5日目までの最大値ΔD朝一
【0199】
評価レベルは以下に示す。
・ΔDmax
◎:ΔDmax0.05以下
○:ΔDmax0.06〜0.10
△:ΔDmax0.11〜0.20
×:ΔDmax0.21〜0.30
××:ΔDmax0.31以上
・ΔD朝一max
◎:ΔD朝一max0.10以下
○:ΔD朝一max0.11〜0.19
△:ΔD朝一max0.20〜0.29
×:ΔD朝一max0.30〜0.39
××:ΔD朝一max0.40以上
・ドラム
◎:白地部への黒ぽち未発生
○:白地部への黒ぽち(1mm以下)1〜3個発生。
△:白地部への黒ぽち(1mm以下)4〜6個発生。
×:白地部への黒ぽちが多数発生。
××:クリーニング不良のようなの画像欠陥が発生。
【0200】
(評価−4)
iR6000改造機を、常温常湿室(23.0℃/5%)へ設置し、未定着画像を作成し、キヤノン製iR6010複写機の定着器を取り外し、外部駆動及び温度制御装置を設置したものを用いて、定着ローラーを350mm/秒で回転させて、120〜180℃の温度範囲で定着させ、画像濃度を測定した後、画像を柔和な薄紙により摺擦し、画像濃度を測定して、この前後における画像濃度差(画像濃度低下率%)を求めた。画像濃度差が15%以上となる定着温度L=135℃となった。
【0201】
更に、定着ローラーを350mm/秒で回転させて、190〜250℃の温度範囲で定着させた時の高温オフセットを確認した。定着ローラー上に、オフセットトナーが視認できた定着温度H=225℃となり、定着可能範囲温度H−L=90℃であった。
【0202】
評価レベルは以下に示す。
A:定着可能範囲温度H−Lが100℃以上
B:定着可能範囲温度H−Lが99℃〜80℃
C:定着可能範囲温度H−Lが79℃〜60℃
D:定着可能範囲温度H−Lが59℃〜40℃
【0203】
<実施例2>
実施例1で作製した粉体原料A(粗粉砕物)を、日本ニューマチック工業社製I−2型ミルを用い、粗砕品供給量を1.2kg/hr、粉砕圧1.8kgPaとし、更に、所定の粒径に粉砕されなかったトナー粗砕品は再度、粉砕機内へ戻るように設定して粉砕し、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が62個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を7.4体積%含有する微粉砕品を得た。
【0204】
次いで、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が23.1個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を5.1体積%含有する分級品(A−2)を得た。
【0205】
この分級品A−2 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.2質量部とチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.8μm)3.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−2)とした。このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0206】
評価用トナー(1−2)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0207】
<実施例3>
実施例1で作製した粉体原料A(粗粉砕物)の供給量を30kg/hrとして、機械式粉砕機内の入口温度は−12℃、出口温度は50℃となるように粉砕し、重量平均径が7.3μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が48個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を9.1体積%含有する微粉砕品を得た。
【0208】
次いで、風力分級機で分級することで、重量平均径が7.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が15.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を8.3体積%含有する分級品(A−3)を得た。
【0209】
この分級品B−1 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−3)とした。
【0210】
このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0211】
評価用トナー(1−3)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0212】
<実施例4>
実施例1で作製した粉体原料A(粗粉砕物)を、日本ニューマチック工業社製I−2型ミルを用い、粗砕品供給量を5.0kg/hr、粉砕圧6kgPaとし、更に、所定の粒径に粉砕されなかったトナー粗砕品は再度、粉砕機内へ戻るように設定して粉砕し、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が57.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を9.9体積%含有する微粉砕品を得た。更に、得られた微粉砕品を65℃の熱球形化装置を通した後、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が19.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を4.2体積%含有する分級品(A−4)を得た。
【0213】
この分級品(A−4)100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.2質量部とチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.8μm)3.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−4)とした。このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0214】
評価用トナー(1−4)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0215】
<実施例5〜22>
実施例1において樹脂の種類及び添加量、制御剤の種類及び添加量、磁性体の種類及び添加量を表2に示す通りに変更した以外は、上記実施例1と同様の方法を用いて表2に示す評価用トナー(2)〜(19)を得た。
【0216】
尚、実施例21及び22で用いた磁性酸化鉄は、
・磁性酸化鉄2
(平均粒径:0.29μm、Hc(保磁力):10.1kA/m、σs(飽和磁化):83.9Am2/kg、σr(残留磁化):11.9Am2/kg)
・磁性酸化鉄3
(平均粒径:0.10μm、Hc(保磁力):12.1kA/m、σs(飽和磁化):82.0Am2/kg、σr(残留磁化):15.1Am2/kg)
である。
【0217】
得られた各トナー(2)〜(19)について、実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0218】
<比較例1〜10>
実施例1において樹脂の種類及び添加量、制御剤の種類及び添加量、磁性体の種類及び添加量を表2に示す通りに変更した以外は、上記実施例1と同様の方法を用いて表2に示す評価用トナー(20)〜(29)を得た。
【0219】
尚、比較例8及び9で用いた磁性酸化鉄は、
・磁性酸化鉄4
(平均粒径:0.33μm、Hc(保磁力):9.7kA/m、σs(飽和磁化):84.2Am2/kg、σr(残留磁化):10.8Am2/kg)
・磁性酸化鉄3
(平均粒径:0.08μm、Hc(保磁力):12.7kA/m、σs(飽和磁化):81.1Am2/kg、σr(残留磁化):15.2Am2/kg)
である。
【0220】
得られた各トナー(20)〜(29)について、実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0221】
<比較例11>
実施例4で作製した微粉砕品を熱球形化装置を通さずに、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が20.2個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を4.0体積%含有する分級品(A−5)を得た。
【0222】
この分級品A−5 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.2質量部とチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.8μm)3.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−5)とした。このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0223】
評価用トナー(1−5)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0224】
尚、比較例6〜10では下記構造式(30),(31)で表わされる制御剤を用いた。
【0225】
【化14】
【0226】
【表1】
【0227】
【表2】
【0228】
【表3】
【0229】
【表4】
【0230】
【表5】
【0231】
【発明の効果】
本発明によれば、廃トナーの発生が少なく、高転写効率で、微粒子化に対しても良好な現像性を維持できる負摩擦帯電性磁性トナーを提供することができる。
【0232】
また、再生紙を用いた場合でも、感光体上の転写残トナーを廃トナーを再コートするマグネットローラー及びクリーニングブレードを用いて除去する画像形成プロセスにおいても、良好なクリーニング性を有し、感光体汚染による画像欠陥を生じない負摩擦帯電性磁性トナーを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、又はトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来電子写真法としては、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙のごとき転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得る方法が知られている。
【0003】
トナーを現像する方法においては、キャリアを必要とせず、装置の小型化が有利な点で磁性トナーを用いた磁性一成分現像方式が好ましく用いられる。磁性一成分現像方式に用いるトナー中には、微粉末状の磁性体が相当量混合分散されており、この存在状態がトナーの流動性及び摩擦帯電性に大きく影響する。また磁性トナーにおいては、磁性体をそのまま着色剤として用いる場合が多く、トナーの着色力を向上させるためには磁性体の小粒径化、及び均一分散性が重要となる。
【0004】
言い換えるならば、磁性体の分散が不十分な小粒径トナーを用いた場合には、トナー担持体からの飛翔を十分におこなえない、磁性体過剰含有成分が蓄積することとなり、長期間の耐久過程において、局所的な粒度変化により、画像ムラ、濃度薄といった問題をおこす場合がある。
【0005】
また、トナー粒子中に十分に取り込まれていない磁性体が存在する場合には、耐久時に受けるストレスの度合いによって、トナー粒子から離脱した磁性体がトナー担持体や潜像担持体を傷つけることにより、画像欠陥を引き起こす場合があり、更に改善すべき点がある。
【0006】
磁性粉を均一に分散させる目的で、磁性粉の粒子径を小径化し、粒度分布を狭めたトナー(例えば、特許文献1参照)が開示されているが、更なる改良の余地がある。
【0007】
更に、トナー中に含有される結着樹脂としては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられるが、低温定着性の観点からポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。また、トナーの定着領域を拡大する目的で、軟化点温度の異なる2種類以上の樹脂を混合して用いる方法も検討されている。しかし、この様に複数の樹脂を磁性トナーに使用する場合には、トナー製造工程の熱溶融混練工程において、磁性体を均一に分散することが困難となる。
【0008】
特定のポリエステル樹脂とカーボンブラックを表面に吸着させた磁性体とを組み合わせたトナー(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、帯電制御と言った面で更なる改良の余地がある。
【0009】
特に、トナーの帯電性付与及び安定化を目的として、荷電制御剤を用いた場合には、上述の磁性体以上にその分散状態を管理して行くことが重要となる。
【0010】
今日、当該技術分野で知られている負摩擦帯電性荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオールの如き金属錯塩、酸性分を含む樹脂が知られている。
【0011】
しかしながら、これらのものは有色であり、カラートナーへの適応が出来ないものが多い。また、無色或いは白色、淡色のものの場合には、荷電制御剤として改善すべき点がある。
【0012】
ベンジル酸誘導体の錯体を用いた負帯電性トナー(例えば、特許文献3参照)が開示されているが、磁性トナーとして使用する場合には更なる改良の余地がある。
【0013】
芳香族オキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸を配位子とする金属化合物を有効成分とする荷電制御剤を用いたトナー(例えば、特許文献4参照)が開示されているが、特定のポリエステル樹脂を主成分とする磁性トナーとして使用する場合には更なる改良の余地がある。
【0014】
トナーの微粒子化により画像の解像力や鮮鋭度を上げることはできても、種々の問題点が生じてくる。
【0015】
トナー粒子径を小さくすることにより、トナーの比表面積が増え、トナー帯電量自体を増大させることは達成されるが、同時に帯電量分布の幅が大きくなり、非画像部にトナーが現像されるカブリを生じ易くなる。
【0016】
また、感光体上から転写材にトナーを転写する際、過剰帯電されたトナーが存在する場合、飛び散りと言った、文字やライン画像の周囲にトナーが飛散する現象が生じる。この飛び散りを抑制する目的で、トナー帯電を十分に行わなかった場合には、帯電不足なトナーが存在する為、現像性の低下やカブリを引き起こしてしまう。
【0017】
更に、トナーの帯電特性がより環境の影響を受け易くなる。このカブリを減らす目的で、トナー粒度分布をシャープにすることも試みられているが、トナー製造上における収率の低下等によるコストアップの要因となってしまう。
【0018】
また、画像形成の工程で、感光体上よりトナー像を転写材に転写した場合、感光体上には、転写残のトナーが存在する。
【0019】
連続した複写を速やかに行う為に、この感光体上の残余トナーをクリーニングしてやる必要がある。更に回収された残余トナーは、本体内に設置した容器又は回収箱へ入れられた後に廃棄されるか、しかる工程をへてリサイクルされる。
【0020】
環境問題への取り組みとしては、廃トナーレスシステムとして本体内部にリサイクルシステムを設けた本体設計が必要となる。
【0021】
しかし、複写機及びプリンターの多機能化、コピー画像の高画質化、更に高速化を達成する為には、かなり大掛かりなリサイクルシステムが本体内に必要となり複写機及びプリンター自体が大きくなってしまい、省スペースの観点からの小型化に対応できない。また、本体内に設置した容器又は回収箱へ廃トナーを収納する方式や、感光体と上記の廃トナーを回収する部分を一体化した方式においても同様である。
【0022】
これらに対応する為には、感光体上よりトナー像を転写材に転写するさいの転写率を向上させることが必要である。
【0023】
平均粒子径0.1〜3μmの転写向上剤とBET比表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉体を用いたトナー(例えば、特許文献5参照)が開示されているが、特に粉砕法で製造されたトナーの場合には、その粒度分布の広さから、全ての粒子に効果を出すことは難しく、更なる改良の余地がある。
【0024】
また、噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法と言った製造方法によるトナー(例えば、特許文献6参照)が開示されているが、トナー製造に大掛かりな設備を必要とし、更にトナー形状が真球に近づくが故のクリーニングに関る問題も発生する為、好ましい方法とは言えない。
【0025】
従来より、トナー形状がトナーの諸特性に影響を与えることが知られているが、本発明者らは、粉砕法にて製造される磁性黒色トナーの粒径及び形に関して検討を進め、3μm以上の粒子における円形度と転写性及び現像性(画質)、定着性には密接な関係があることを見出し、既にいくつかの提案をしている(例えば、特許文献7参照)。
【0026】
また、同様に、廃棄されるOA紙の減量化や省資源化といった社会的要請が強まる中で、古紙を再利用した再生紙をコピー・プリンター用紙として用いるようになってきている。
【0027】
しかしながら、再生紙は白色度を向上させる目的で、タルクや炭酸カルシウムを主体とした填料を非再生紙に比べ2〜4倍多く添加して製造されることが一般的である。この様な再生紙を長期間使用した場合、紙粉とともに運ばれた填料が感光体表面に付着或いは汚染することで、転写残トナーを付着或いは蓄積させた後、クリーニング工程により強固な付着或いは融着となり、画像欠陥を引き起こす場合がある。
【0028】
特に、近年は省エネルギー化を目的とした低温定着性トナーとなる樹脂設計を施す場合が多く、感光体への影響を更に考慮して行く必要がある。
【0029】
つまり、低温定着性を目的とした、ポリエステルユニットを含む樹脂を主成分とする負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、廃トナーとなる、感光体上の転写残トナーを減少させる目的で、転写効率を向上させた、高現像性のトナーにおいて、再生紙利用を前提とした感光体への影響を考えた場合には、更なる改善が必要である。
【0030】
【特許文献1】
特開平3−101744号公報
【特許文献2】
特開2001−296689号公報
【特許文献3】
特開2000−10345号公報
【特許文献4】
特開2000−103979号公報
【特許文献5】
特開平9−26672号公報
【特許文献6】
特開平4−102862号公報
【特許文献7】
特開2002−107990号公報
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、廃トナーの発生が少ない、高転写効率の負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0032】
本発明の目的は、微粒子化に対しても良好な現像性を維持できる負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0033】
本発明の目的は、微粒子化に対しても、画出し環境の影響を受けることの無い、つまり、高温高湿下及び常温低湿下においても良好な現像性を維持できる負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0034】
本発明の目的は、転写前帯電(ポスト帯電)を含む画像形成プロセスにおいても、カブリ抑制、飛び散り抑制の良好な、高現像性の負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0035】
本発明の目的は、再生紙を用いた場合でも、感光体上の転写残トナーを廃トナーを再コートするマグネットローラー及びクリーニングブレードを用いて除去する画像形成プロセスにおいても、良好なクリーニング性を有し、感光体汚染による画像欠陥を生じない負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0036】
本発明の目的は、粉砕法によって安易に製造可能な高生産性の負摩擦帯電性磁性トナーを提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂と磁性体及び荷電制御剤を含有する負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、
(a)該結着樹脂の主成分が炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒として合成されたポリエステルユニットを含む樹脂であり、
(b)該磁性体の平均粒径が0.1〜0.3μmであり、
(c)該荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物であり、
(d)該トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、平均円形度が0.940以上であることを特徴とする負摩擦帯電性磁性トナーに関する。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0038】
【発明の実施の形態】
従来より、トナー形状がトナーの諸特性に影響を与えることが知られているが、本発明者らは、粉砕法にて製造される負摩擦帯電性磁性トナーの粒径及び形に関して検討を進めた結果、特に低温定着性の観点から、特定の樹脂と磁性体及び荷電制御剤を組み合わせることで、現像性及び定着性、転写性の改良はもとより、更に、再生紙を連続使用した場合に発生する感光体汚染が改良されることを見出した。
【0039】
つまり、本発明者らの検討によれば、粉砕法で製造された負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、感光体上よりトナー像を転写材に転写する際の転写率を向上させることで、廃トナーの発生を抑制し、且つ、高温高湿及び低湿下においても画質と高耐久性を両立し、再生紙を連続使用した場合に発生する感光体汚染を防止する為には、
樹脂と磁性体及び荷電制御剤を含有する負摩擦帯電性トナーにおいて、
▲1▼該結着樹脂の主成分が炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒として合成されたポリエステルユニットを含む樹脂であり、
▲2▼該磁性体が、平均粒子径が0.1〜0.3μmであり、
▲3▼該荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物であり、
▲4▼粉砕法で製造された磁性黒色トナーが、特定の粒度分布と円形度を有する
ことが重要である。
【0040】
特定の円形度を有する負摩擦帯電性磁性トナーを製造する場合、重量平均径5乃至12μmであるトナーに限定される。更に好ましくは、重量平均径5乃至12μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が40個数%以下であり、粒径10.1μm以上の粒子が25体積%以下のトナーである。
【0041】
重量平均径が12μmを上回る負摩擦帯電性磁性トナーの場合には、トナー粒子径自体の大きさにより、高画質化の面で問題があり好ましくない。
【0042】
重量平均径が5μmを下回る負摩擦帯電性磁性トナーの場合には、トナーの円形度と磁性体及び荷電制御剤の分散状態のバランスを十分に取ることが出来ず、カブリ、飛び散りを悪化させることがあり好ましくない。4.0μm以下及び10.1μm以上に関しても同様である。
【0043】
つまり、重量平均径5乃至12μmであるトナーにおいては、該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で90%以上有し、平均円形度が0.940以上であることが重要である。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0044】
更に、トナー粒径が違う場合、トナー自体の帯電量、比表面積は違うものとなる。つまり、小粒径のトナーは、微粉含有量が多く、帯電量も高く、比表面積も大きい。逆に、大粒径のトナーは、粗粉含有量が多く、帯電量も低く、比表面積も小さい。
【0045】
上述の粒子径及び円形度範囲であれば、転写効率、帯電のコントロールに問題は無いが、粒子径の違うトナーに対して、絶えず同一の効果を与える為には、以下のように更に、詳細な円形度を規定することがより好ましい。
【0046】
トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
且つ
a)カット率Zとトナー重量平均径(X)の関係が下記式(2)を満足し
カット率Z≦5.3×X (2)
[但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とした時、下記式(3)で示される。
Z=(1−B/A)×100 (3)
且つ、該トナーの3μm以上の粒子において、円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.950以上の円形度(a)を有する粒子の個数基準累積値Yとトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する。
円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X−0.645(4)
[但し、トナーの重量平均粒子径X:5.0〜12.0μm]
或いは
b)カット率Zとトナー重量平均径(X)の関係が下記式(5)を満足し
カット率Z>5.3×X (5)
且つ、該トナーの3μm以上の粒子において、円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.950以上の円形度(a)を有する粒子の個数基準累積値Yとトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足すること。
円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.37×X−0.545(6)
[但し、トナーの重量平均粒子径X:5.0〜12.0μm]
【0047】
該トナーの3μm以上の粒子における円形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が
カット率Z≦5.3×X、好ましくは、0<カット率Z≦5.3×Xの式を満たし、
個数基準累積値Y≧exp5.51×X−0.645を満足しない場合、即ち、
個数基準累積値Y<exp5.51×X−0.645を満足するような場合には、
或いは、該トナーの3μm以上の粒子における円形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が
カット率Z>5.3×X、好ましくは、95≧カット率Z≦5.3×Xの式を満たし、
個数基準累積値Y≧exp5.37×X−0.545を満足しない場合、即ち、
個数基準累積値Y<exp5.37×X−0.545を満足するような場合には、
定着部材等への付着を促進しやすくなり、トナーの流動性も悪化する場合があり、また、転写効率を低下させる原因となる場合がある。
【0048】
このような各円形度を有する粒子のバラツキの一つの目安として、標準偏差SDを用いることもできる。本発明においては標準偏差SDが0.030乃至0.050であれば問題は無い。
【0049】
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下記式(1)により求め、さらに下記式(7)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0050】
【数1】
【0051】
円形度標準偏差SDは、上記式(1)及び(7)で求めた平均円形度をa、各粒子における円形度をai、測定粒子数をmとすると、下記式(8)から算出される。
【0052】
【数2】
【0053】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。また、本発明における円形度分布のSDは、ばらつきの指標であり、数値が小さいほどシャープな分布であることを示す。
【0054】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
【0055】
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。尚、分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとすることで、カット率が大きくなった場合でも装置の精度が保てるだけの粒子濃度を維持することができる。
【0056】
測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0057】
試料分散液は、フラットで扁平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
【0058】
更に本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
【0059】
本発明におけるポリエステルユニットを含む樹脂では、炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物が触媒として使用される。この化合物はエステル化反応及びエステル交換反応において好適な触媒であり、樹脂の軟化点や物性調整などが行ないやすいとともに、比較的短時間での重合を可能にするものである。また重合後のポリエステルユニット中に存在すると、トナー製造時の熱溶融混練工程において以下に述べる効果により、樹脂と磁性体との分散性及び密着性を向上させるものと考えられる。一つには、アルキルカルボン酸成分の効果により、熱溶融混練時におけるポリエステルユニットの粘度を局所的に低下させることで磁性体が均一に分散しやすくなる。また無機錫化合物が存在することで、磁性体の磁気凝集性が低減し、樹脂中での磁性体の微分散性が良化するものである。特に粒径が0.1〜0.3μm程度の小粒径磁性体を使用した場合、樹脂中への均一分散性が飛躍的に向上し、環境による帯電特性の変化が少なく、樹脂からの磁性体の脱離を発生せず、さらには高着色力なトナーを得ることができる。
【0060】
ここで本発明で使用されるアルキルカルボン酸の錫化合物の炭素数としては、5以上15以下のものがエステル化反応の触媒効果を有する物として最適なものである。
【0061】
またアルキルカルボン酸の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.05質量部以上2質量部以下、好ましくは0.1質量部以上1質量部以下がよい。0.05質量部未満となると、ポリエステルユニット重合時の反応時間が長くなるとともに、磁性体の分散性を向上させる効果が得られなくなる。また2質量部超含有すると、トナーの帯電特性に影響を及ぼすようになり、環境による帯電量の変動が大きくなりやすい。
【0062】
本発明において、炭素数5〜15のアルキルカルボン酸錫化合物としては特に限定されないが、好ましくはカプロン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリル酸等の錫化合物が挙げられ、この中でも2−エチルヘキサン酸錫が特に好ましく用いられる。
【0063】
本発明で使用される結着樹脂は、ポリエステルユニットを主成分とするものである。
【0064】
ポリエステルユニットは、多価アルコールと多塩基酸との重縮合により生成する樹脂であり、ポリエステルユニット成分のモノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0065】
二価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また下記(ア)式で表されるビスフェノール誘導体、及び下記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0066】
【化1】
【0067】
【化2】
【0068】
また、二価のカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;またさらに炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基で置換されたコハク酸若しくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0069】
また、ポリエステルユニットのその他のモノマーとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類等が挙げられる。
【0070】
本発明においては、ポリエステルユニット成分とスチレン−アクリル系樹脂成分を含むハイブリッド樹脂も好適なものである。
【0071】
ハイブリッド樹脂において、スチレン−アクリル系樹脂成分を生成するためのビニル系モノマーとしては次のようなものが挙げられる。
【0072】
スチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体が挙げられる。
【0073】
またアクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸及びアクリル酸エステル類や、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸及びそのエステル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0074】
さらに、スチレン−アクリル系樹脂のモノマーとしては、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0075】
またスチレン−アクリル系樹脂成分には、ビニル重合が可能な種々のモノマーを必要に応じて併用することができる。このようなモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸の酸無水物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0076】
また、前記スチレン−アクリル系樹脂成分は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。架橋性モノマーには、例えば芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、ポリエステル型ジアクリレート類、及び多官能の架橋剤等が挙げられる。
【0077】
芳香族ジビニル化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。
【0078】
アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0079】
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0080】
芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
【0081】
ポリエステル型ジアクリレート類としては、例えば商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
【0082】
多官能の架橋剤としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0083】
これらの架橋性モノマーは、他のモノマー成分100質量%に対して、0.01〜10質量%(さらに好ましくは0.03〜5質量%)用いることができる。またこれらの架橋性モノマーのうち、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)や、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0084】
また前記スチレン−アクリル系樹脂成分は、重合開始剤を用いて製造された樹脂であっても良い。このような重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロビルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0085】
前記ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット成分及びスチレン−アクリル系樹脂成分が直接又は間接的に化学的に結合している樹脂であり、上述のポリエステルユニット成分、スチレン−アクリル系樹脂成分、及びこれらの樹脂成分の両方と反応し得るモノマー成分から構成される。ポリエステルユニット成分を構成するモノマーのうちスチレン−アクリル系樹脂成分と反応し得るものとしては、例えばフマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
【0086】
スチレン−アクリル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステルユニット成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシル基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0087】
ハイブリッド樹脂を得る方法としては、先に挙げたポリエステルユニット及びスチレン−アクリル系樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方若しくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0088】
本発明の効果を満足するためには、ハイブリッド樹脂成分中にポリエステルユニット成分を50質量%以上、好ましくは70質量%以上含有する必要がある。
【0089】
本発明において、ポリエステルユニットを含有する樹脂は3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価アルコールで架橋された樹脂を含有することが、低温定着性と耐高温オフセット性の両立を達成するために好ましい。
【0090】
また本発明においては、定着領域の拡大のために軟化点の異なるポリエステルユニットを含有する樹脂を2種以上混合して使用することが好ましい。
【0091】
ポリエステルユニットを含有する樹脂の酸価は好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下であり、OH価は好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる為である。
【0092】
ポリエステルユニットを含有する樹脂のガラス転移温度は好ましくは50〜75℃、より好ましくは55〜65℃であることが良い。
【0093】
本発明のトナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0094】
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0095】
これらの強磁性体は平均粒径が0.10〜0.30μmで、795.8kA/m印加での磁気特性が抗磁力1.6〜12.0kA/m、飽和磁化50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化2〜20Am2/kgのものが好ましい。
【0096】
結着樹脂100質量部に対して、磁性体20〜150質量部、好ましくは50〜150質量部、更に好ましくは60〜120質量部使用するのが良い。
【0097】
本発明のトナーに含まれる荷電制御剤の有機金属化合物は、芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物である。
【0098】
本発明に使用される芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリカルボン酸の金属錯体あるいは金属錯塩又は有機金属塩の如き有機金属化合物を以下により説明する。
【0099】
一般式(l)又は(2)に好ましい金属錯体あるいは錯塩を示す。
【0100】
【化3】
【0101】
一般式(1)において、MはZr、Al及びZn、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わし、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、C2は2価のカチオン又は2価の金属イオンを表し、nは2,3又は4を表わし、mは0,2又は4を表わす。各錯体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。対イオンのC1及びC2が異なる錯塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基(Ar)としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基又は水酸基が好ましく、Lとしては水が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましい。
【0102】
【化4】
【0103】
一般式(2)において、MはZr、Al及びZn、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わし、X及びYは−O−、−CO−O−を表わし、X及びYは同じであっても異なっていてもよく、Lは中性配位子、水、アルコール、アンモニア、アルキルアミン又はピリジンを表わし、Aは、アニオン、ハロゲン、水酸イオン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、シアンイオン又はチオシアンイオンを表わし、Aは相互に異なるイオンを有していても良く、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、C2は2価のカチオン又は2価の金属イオンを表し、nは1,2,3又は4を表わし、kは1,2,3,4,5又は6を表わし、mは0,1,2,3又は4を表わす。各錯体または各錯塩において配位子となるアニオンA、芳香族カルボン酸類及び芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。対イオンのC1及びC2が異なる錯塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基(Ar)としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基又は水酸基が好ましく、Lとしては水が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましく、Aとしては水酸イオン又はカルボン酸イオンが好ましい。Aが2価のアニオンの場合には、カウンターカチオンの係数kは2倍する。
【0104】
さらに、好ましい金属錯体又は錯塩を一般式(3),(4),(5),(6),(7)及び(8)に示す。
【0105】
【化5】
【0106】
一般式(3),(4)及び(5)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、C1は1価のカチオン、水素、アルカリ金属、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、lは1〜8の整数を表わし、nは2,3又は4を表わし、mは0,2又は4を表わし、各錯体または錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類又は芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。また、対イオンのC1が異なる錯塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基Rとしてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基又は水酸基が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はアルキルアンモニウムが好ましい。
【0107】
特に好ましいのは、一般式(4)で表わされる錯化合物あるいはカウンターイオンを有さない、一般式(3),(4)又は(5)においてn=2の場合の金属中性錯体であり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0108】
【化6】
【0109】
一般式(6)、(7)及び(8)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香族環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、Aは、アニオン、ハロゲン、水酸イオン、カルボン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、シアンイオン又はチオシアンイオンを表わし、Aは相互に異なるイオンを有していても良く、C1は1価のカチオン、水素、1価の金属イオン、アンモニウム又はアルキルアンモニウムを表わし、lは1〜8の整数を表わし、nは1,2,3又は4を表わし、kは1,2,3,4,5又は6を表わし、mは0,1,2,3又は4を表わす。各錯体または各錯塩において配位子となる芳香族カルボン酸類、芳香族ジオール類は同じものであっても異なるものであってもよく、またn又は/及びmの数の異なる錯化合物の混合物であっても良い。カチオンC1又は/及びアニオンAが異なる2種以上の錯化合物の混合物であっても良い。Aが2価のアニオンの場合には、カウンターカチオンの係数kは2倍する。
【0110】
結着樹脂中への錯体又は錯塩の分散性の向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基Rとしては、アルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基が好ましく、C1としては水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムが好ましく、Aとしては水酸イオン又はカルボン酸イオンが好ましい。
【0111】
特に好ましいのは、一般式(7)で表わされる錯化合物あるいは、カウンターイオンを有さない、一般式においてn=2の場合の金属中性錯体であり、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、良好な耐久性が得られる。
【0112】
本発明に用いられる金属錯体あるいは錯塩は、六配位または八配位の錯化合物で、八配位の中には、配位子が橋かけした複核錯化合物となり示性式上六配位となる錯化合物があり、また、水酸基などの配位子が橋かけし、次々と錯化合物を重合した複核錯化合物などもある。
【0113】
本発明に使用される好ましい芳香族カルボン酸の金属塩を一般式(9)及び(10)に示す。
【0114】
【化7】
【0115】
一般式(9)及び(10)において、MはZr、Al及びZn、Arは置換基としてアルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を有していてもよい芳香族残基を表わし、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表わし、mは、2,3,4を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオンA1、アニオンA2、酸イオンとなる芳香族カルボン酸類及び芳香族ヒドロキシカルボン酸は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、芳香族残基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環又はフェナントレン環が好ましく、置換基としてはアルキル基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ましい。
【0116】
更に好ましい金属塩は一般式(11)及び(12)で表わせる金属塩である。
【0117】
【化8】
【0118】
一般式(11)及び(12)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rを1乃至8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1〜8の整数を表わし、mは、2,3,4を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオンA1、アニオンA2及び酸イオンとなる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ましく、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐久性が得られる。
【0119】
更に好ましい金属塩は一般式(13)及び(14)で表わせる金属塩である。
【0120】
【化9】
【0121】
一般式(13)及び(14)において、MはZr、Al及びZn、Rは水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、アミド基又はカルバモイル基を表わし、相互に連結して脂肪族環、芳香環あるいは複素環を形成しても良く、この場合この環に置換基Rを有していても良く、置換基Rは1から8個持っていてもよく、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、A1は1価のアニオン、ハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン又はカルボン酸イオンを表わし、A2は2価のアニオン、硫酸イオン、リン酸水素イオン又は炭酸イオンを表し、lは1〜8の整数を表わし、mは、2,3,4を表わし、nは1,2,3又は4を表わす。各金属塩においてアニオンA1、アニオンA2及び酸イオンとなる芳香族カルボン酸類は同じものであっても異なるものであってもよい。また、nの数が異なる塩の混合物であっても良い。結着樹脂中への金属塩の分散性向上の観点あるいは帯電性向上の観点から、置換基としてはアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、水酸基又はアシルオキシ基が好ましく、優れた環境安定性が得られ、結着樹脂中への分散性にも優れ、優れた耐久性が得られる。
【0122】
本発明の有機金属化合物は、塩化酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、有機酸ジルコニウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属化合物を水、アルコール、アルコール水溶液に溶解し、芳香族カルボン酸、芳香族ジオールおよびこれらのアルカリ金属塩を添加するか、あるいは芳香族カルボン酸、芳香族ジオールとアルカリ剤を添加することにより合成される。これらの有機金属化合物は、アルコール水溶液などで再結晶し、アルコール洗浄で精製する。また、錯塩の場合は、生成物を鉱酸、アルカリ剤、アミン剤で処理することにより種々のカウンターイオンを持つ錯塩が得られる。本発明においては、金属錯塩のカウンターイオンに水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなど複数種有しているものも含む。
【0123】
以下に、本発明に用いられる有機金属化合物の具体例を挙げるが、ここでは、示性式を示す。水分子を2〜4個配位しているものも含まれるが、ここでは水分子の記載を省略する。また、カウンターイオンは複数種有するものも含むが、ここでは一番多いカウンターイオンのみを記載する。
【0124】
【化10】
【0125】
本発明に使用されるベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物としては、下記一般式(21)で表される。
【0126】
【化11】
【0127】
式中、MがBまたはAlであり、XがLi、NaまたはKであり、R1、R2、R3またはR4は、各々水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子を示し、R1、R2、R3またはR4は、複数存在してもよく、R1、R2、R3及びR4が複数存在する場合、各々が異なっていてもよく同一であってもよい。nは、1〜5の正整数を示す。
【0128】
以下に、本発明に用いられる有機金属化合物の具体例を挙げる。
【0129】
【化12】
【0130】
【化13】
【0131】
上述の有機金属化合物と炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒といて製造されたポリエステルユニットを含有する樹脂及び小粒径の磁性体を用いることにより、官能基にカルボキシル基の如き酸価を有する樹脂とのなじみがよく、更に、磁性体に対しては反発、吸引のバランスを取ることで、個々の成分がより均一に分散状態を保つことが可能となり、高帯電性を発揮するだけでなく、均一帯電性も発揮される。
【0132】
また、結着樹脂中の酸基又は/及び水酸基の荷電制御剤中の金属元素への配位を介したポリマー鎖の架橋により、トナーにゴム弾性を持たせることで、再生紙から感光体へ転移した、填料及び紙粉への付着を防止することが可能となる。
【0133】
本発明のトナーは、上記の有機金属化合物を結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1乃至10質量部、より好ましくは0.5乃至5質量部含有することが良い。含有量が0.1質量部未満となる場合には、十分な帯電効果が得られない場合があり、また、10質量部超となる場合には、帯電過剰となるか、トナー中への分散が不十分となる場合があり好ましくない。
【0134】
本発明に使用する有機金属化合物は、トナー粒子に内添させることに加えて、さらにトナー粒子に外添することもできる。トナー粒子に有機金属化合物を外添する場合は、トナー粒子100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、特にメカノケミカル的にトナー粒子表面に固着させるのが好ましい。
【0135】
本発明において、必要に応じて一種又は二種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわない。離型剤としては次のものが挙げられる。
【0136】
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;また、ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、また、植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0137】
離型剤の量は、結着樹脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部が好ましい。
【0138】
また、これらの離型剤は、通常、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時に混合する方法で結着樹脂に含有させることができる。
【0139】
本発明のトナーに使用される無機微粉体は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ等がある。
【0140】
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0141】
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカとしてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0142】
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
【0143】
【0144】
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0145】
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0146】
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
【0147】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。0.01質量部未満となる場合には、求める効果としての流動性向上が達成できない場合があり好ましくなく、8質量部超えとなる場合には、カブリが悪化する場合があり、好ましくない。
【0148】
本発明のトナーには、研摩効果に加え、帯電性付与性及び流動性付与、クリーニング助剤として、上述以外の無機微粉体を添加しても良い。無機微粉体は、トナー粒子に外添することにより、添加前後を比較するとより効果が増加し得るものである。本発明に用いられる無機微粉体としては、マグネシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、ストロンチウム、セリウム、カルシウム、バリウム等のチタン酸塩及び/又はケイ酸塩が挙げられる。特に本発明の効果をより発揮できることから、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)及びチタン酸カルシウム(CaTiO3)、ケイ酸ストロンチウム(SrSiO3)、チタン酸バリウム(TiBaO3)が好ましい。
【0149】
本発明で使用する無機微粒子は、例えば焼結法によって生成し、機械粉砕した後、風力分級して、所望の粒度分布であるものを用いるのが良い。
【0150】
本発明における無機微粒子は、トナー100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜8質量部用いるのが良い。
【0151】
本発明の負摩擦帯電性トナーの製造方法としては、一般的な製造装置を用いて、所望の円形度及び粒子径が得られれば、特に限定するものではない。
【0152】
具体的には、結着樹脂と磁性体、荷電制御剤、又はその他の添加剤として離型剤等を加えて、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により乾式混合し、ニーダー、ロールミル、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融・混練して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粗粉砕し、得られた租粉砕物をジェットミル、ミクロンジェット、IDS型ミル等の衝突式気流粉砕機又はクリプトロン、ターボミル、イノマイザー等の機械式粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕品を気流式分級機等を用いて所望の粒度分布とした後、流動化剤や研磨剤等の無機微粉体を外添混合することで本発明のトナーを得ることが出来る。
【0153】
また、本発明の負摩擦帯電性トナーは、粗粉砕品を微粉砕する際の粉砕条件を工夫するか、或いは、微粉砕後又は分級後に表面改質装置等を用いることにより、所望の円形度を達成することが出来るが、生産性及び粉砕条件の設定等が容易に出来る機械式粉砕機を使用することがより好ましい。
【0154】
具体的には、機械式粉砕機を用いることで、トナーの円形度を上げたい場合には、装置内負荷を上げ、装置内温度を上昇させ、逆に、トナーの円形度を下げたい場合には、装置内負荷を下げ、装置内温度を下げることで容易に円形度をコントロールすることが出来る。
【0155】
次に、以下の実施例中で測定した各種物性データの測定方法に関して以下に説明する。
【0156】
(1)粒度分布の測定
粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターのマルチサイザーを用いて行った。
【0157】
測定装置としてはコールターカウンターのマルチサイザーII型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し、電解液は特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、アパーチャーとして、トナー粒径を測定するときは100μmアパーチャーを用い、無機微粉末粒径を測定するときは13μmアパーチャーを用いて測定する。トナー及び無機微粉末の体積,個数を測定して、体積分布と、個数分布とを算出した。それから体積分布から求めた重量基準の重量平均径を求める。
【0158】
(2)ワックスの融点測定
示差熱分析測定装置(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。測定はASTM D3418−82に準じておこなう。測定試料2〜10mgを精秤してアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。この吸熱メインピークの温度をもってワックスの融点とする。
【0159】
(3)ガラス転移温度(Tg)の測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0160】
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0161】
(4)樹脂の軟化点の測定方法
樹脂の軟化点はJIS K 7210に示される測定方法に則り、降下式フローテスタにより測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
【0162】
降下式フローテスタ(島津製作社製)を用いて1cm3の試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m2(20kg/cm2)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0163】
(5)磁性体平均粒子径の測定方法
走査型電子顕微鏡(30000倍)の写真を撮影し、フェレ径にて算出した。
【0164】
(6)磁気特性の測定方法
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用して、外部磁場796kA/mにて測定した。
【0165】
【実施例】
次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0166】
(結着樹脂の製造例1)
表1に示すポリエステルモノマー及びアルキルカルボン酸の錫化合物を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出す際に急冷条件で取り出し、粉砕して、軟化点120℃の樹脂1を得た。
【0167】
(結着樹脂の製造例2〜7)
製造例1において、モノマー及びアルキルカルボン酸の錫化合物の量及び種類を表1に示すように変更し、製造例1と同様の方法を用いて表1に示す結着樹脂2〜7を得た。
【0168】
(結着樹脂の製造例8)
表1に示すポリエステルモノマー及びアルキルカルボン酸の錫化合物を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて130℃の温度で攪拌しつつ、表1に示すビニル系共重合体モノマー及び重合開始剤とを混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。これを130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し後粉砕し、ポリエステル樹脂成分、ビニル系重合体成分及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分からなり、軟化点142℃の結着樹脂8を得た。
【0169】
(結着樹脂の製造例9)
結着樹脂の製造例8において、アルキルカルボン酸の錫化合物の添加量を表1に示すように変更し、上記製造例8と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂9を得た。
【0170】
(結着樹脂の製造例10〜13)
結着樹脂の製造例1において、アルキルカルボン酸の錫化合物の種類及び量を表1に示すように変更し、上記製造例1と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂10〜13を得た。
【0171】
(結着樹脂の製造例14〜15)
結着樹脂の製造例2及び3において、アルキルカルボン酸の錫化合物をジオクチル錫オキサイドに変更した以外は製造例1と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂14〜15を得た。
【0172】
(結着樹脂の製造例16〜17)
結着樹脂の製造例8及び9において、アルキルカルボン酸の錫化合物をジオクチル錫オキサイドに変更した以外は製造例8と同様の方法を用いて、表1に示す結着樹脂16〜17を得た。
【0173】
<実施例1>
(トナーの製造例)
・結着樹脂1 100質量部
・磁性酸化鉄1 90質量部
(平均粒径:0.15μm、Hc(保磁力):10.7kA/m、σs(飽和磁化):82.3Am2/kg、σr(残留磁化):13.0Am2/kg)
・有機アルミニウム化合物(20) 1質量部
・エチレン・プロピレン共重合体 2質量部
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製造用粉体原料である粉体原料A(粗粉砕物)を得た。
【0174】
粉体原料Aをターボ工業社製ターボミルT−250型を用い、粗砕品供給量を25kg/hrとして、機械式粉砕機内の入口温度は−10℃、出口温度は47℃となるように粉砕し、重量平均径が6.3μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が55個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を3.7体積%含有する微粉砕品を得た。
【0175】
次いで、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が21.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を3.3体積%含有する分級品(A−1)を得た。
【0176】
この分級品B−1 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET220m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−1)とした。
【0177】
このトナーは重量平均径が6.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が22.3個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を3.3体積%含有し、FPIA 1000にて測定した結果、平均円形度が0.955であり、円形度a=0.900以上の粒子が95.9個数%、円形度a=0.950以上の粒子が80.4個数%であった。
【0178】
また、3μm以下の粒子をカット前(全粒子)粒子濃度Aは15481.5個数/μlであり、3μm以上の測定粒子濃度Bは13276.2個数/μlであった。
【0179】
(評価−1)
評価用トナー(1−1)を385gキヤノン製iR6000複写機用現像器に入れ、高温高湿室(32.5℃/85%)に一晩(12時間以上)放置する。現像器の質量を測定後、iR6000改造機(ギヤ、クラッチ、モーター類を変更し、複写速度を10%アップ)へ現像器を設置し、現像スリーブを3分間回転させた後、印字比率4%のテストチャートを500枚通紙する。500枚目の画像透過濃度を測定し、透過濃度が1.6〜1.8の範囲であることを確認する。上記範囲外の場合には、現像バイアス値を変更して透過濃度が1.6〜1.8の範囲となるように調整する。次に、本体内のクリーナー部及び廃トナー回収部及び現像器を一旦取り外し、質量を測定する。その後、印字比率6%のテストチャートを用いて、500枚画出しを行い転写率を評価した。評価用トナー(1−1)の転写率は92%となった。
【0180】
尚、画像透過濃度の測定はGRETAG D200−IIを用いて、未使用紙分を除いた数値にて規定している。
【0181】
転写率は以下の計算式で算出した。
【0182】
【数3】
【0183】
評価レベルは以下に示す。
◎:転写率が93%以上
○:転写率が92%〜89%
△:転写率が88%〜85%
×:転写率が85%未満
【0184】
(評価−2)
iR6000改造機を、常温低湿室(23℃/5%)へ設置し、12時間以上調湿した。現像スリーブを1分間回転させた後、印字比率4%のテストチャートを用いて、1000枚画出しを行い、第一日目のテストを終了した。本体から現像器を取り出し、機外に放置した。
【0185】
翌日、iR6000改造機をスタンバイ状態にした後、現像器をセットして、前日と同様に、印字比率4%のテストチャートを用いて、1000枚画出しを行い、第ニ日目のテストを終了した。
【0186】
上記操作を繰り返すことで、3日目、4日目、5日目までのテストを終了させた。
【0187】
テストチャートは1枚目、1000枚目、1001枚目、2000枚目、2001枚目、3000枚目、3001枚目、4000枚目、4001枚目、5000枚目をサンプリングし、テストチャート上の白部のカブリと文字周辺へのトナー飛び散り具合にて画質評価した。カブリは初期から5000枚目まで1.0%未満であり問題の無いレベルとなった。また、文字周辺の飛び散りに関しても、ルーペで拡大して目視確認したが、殆ど無い状態だった。
【0188】
評価レベルは以下に示す。
【0189】
カブリ測定用反射測定機REFLECTMETER(東京電色(株))にて、上記の画像の白部及び未使用紙の反射率を測定し、両者の差をカブリとする。
【0190】
未使用紙反射率−画像白部の反射率=カブリ%
◎:カブリ0.5%未満
○:カブリ0.5〜1.0%
△:カブリ1.1〜1.9%
×:カブリ2.0〜2.5%
××:カブリ2.6%以上
【0191】
文字周辺へのトナー飛び散り具合は画像上の文字をルーペにて拡大して、目視にて判断した。
◎:文字周辺に飛び散ったトナーが無い
○:文字周辺に飛び散ったトナーが極僅か確認できる
△:文字周辺に飛び散ったトナーが有るが、ラインははっきりしている
×:文字周辺に飛び散ったトナーが多数存在する
××:文字周辺に飛び散ったトナーが多数存在し、ラインもはっきりしない
【0192】
(評価−3)
iR6000改造機を、高温高湿室(32.5℃/85%)へ設置し、12時間以上調湿した。現像スリーブを1分間回転させた後、印字比率4%のテストチャートを用いて、古紙を70%再利用した再生紙(填料:灰分として25%のA4サイズ紙)30000枚画出しを行い、第一日目のテストを終了した。本体から現像器を取り出し、機外に放置した。
【0193】
翌日、iR6000改造機をスタンバイ状態にした後、現像器をセットして、前日と同様に、印字比率4%のテストチャートを用いて、30000枚画出しを行い、第ニ日目のテストを終了した。
【0194】
上記操作を繰り返すことで、3日目、4日目、5日目までテストを継続して、トータル 150000枚耐久してテストを終了させた。
【0195】
テストチャートの朝一〜10枚目までと、ラスト−10枚目〜ラストまでの各20枚をサンプリングして、テストチャート上の黒部の画像濃度を測定して、耐久時の濃度推移及び立ち上がり状態をを確認した。結果は初期画像濃度1.48であり、ラスト(15万枚目)1.40となり、ΔDmax=0.08と非常に安定していた。
【0196】
また、各朝一濃度(10枚の平均値)の最大値と最小値の差 ΔD朝一max=0.18となった。
【0197】
更に、耐久初期から15万枚終了までの間、感光ドラム汚染による画像欠陥は、白地部に1mm以下の黒ぽちが12万枚目以降1つ発生したが、増加も成長もしなかった。
【0198】
尚、ΔDmax=初期画像濃度−耐久ラスト(10万枚目)画像濃度
ΔD朝一 =耐久日当日ラスト画像濃度−耐久日朝一画像濃度
ΔD朝一max=テスト1日目〜テスト5日目までの最大値ΔD朝一
【0199】
評価レベルは以下に示す。
・ΔDmax
◎:ΔDmax0.05以下
○:ΔDmax0.06〜0.10
△:ΔDmax0.11〜0.20
×:ΔDmax0.21〜0.30
××:ΔDmax0.31以上
・ΔD朝一max
◎:ΔD朝一max0.10以下
○:ΔD朝一max0.11〜0.19
△:ΔD朝一max0.20〜0.29
×:ΔD朝一max0.30〜0.39
××:ΔD朝一max0.40以上
・ドラム
◎:白地部への黒ぽち未発生
○:白地部への黒ぽち(1mm以下)1〜3個発生。
△:白地部への黒ぽち(1mm以下)4〜6個発生。
×:白地部への黒ぽちが多数発生。
××:クリーニング不良のようなの画像欠陥が発生。
【0200】
(評価−4)
iR6000改造機を、常温常湿室(23.0℃/5%)へ設置し、未定着画像を作成し、キヤノン製iR6010複写機の定着器を取り外し、外部駆動及び温度制御装置を設置したものを用いて、定着ローラーを350mm/秒で回転させて、120〜180℃の温度範囲で定着させ、画像濃度を測定した後、画像を柔和な薄紙により摺擦し、画像濃度を測定して、この前後における画像濃度差(画像濃度低下率%)を求めた。画像濃度差が15%以上となる定着温度L=135℃となった。
【0201】
更に、定着ローラーを350mm/秒で回転させて、190〜250℃の温度範囲で定着させた時の高温オフセットを確認した。定着ローラー上に、オフセットトナーが視認できた定着温度H=225℃となり、定着可能範囲温度H−L=90℃であった。
【0202】
評価レベルは以下に示す。
A:定着可能範囲温度H−Lが100℃以上
B:定着可能範囲温度H−Lが99℃〜80℃
C:定着可能範囲温度H−Lが79℃〜60℃
D:定着可能範囲温度H−Lが59℃〜40℃
【0203】
<実施例2>
実施例1で作製した粉体原料A(粗粉砕物)を、日本ニューマチック工業社製I−2型ミルを用い、粗砕品供給量を1.2kg/hr、粉砕圧1.8kgPaとし、更に、所定の粒径に粉砕されなかったトナー粗砕品は再度、粉砕機内へ戻るように設定して粉砕し、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が62個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を7.4体積%含有する微粉砕品を得た。
【0204】
次いで、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が23.1個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を5.1体積%含有する分級品(A−2)を得た。
【0205】
この分級品A−2 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.2質量部とチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.8μm)3.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−2)とした。このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0206】
評価用トナー(1−2)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0207】
<実施例3>
実施例1で作製した粉体原料A(粗粉砕物)の供給量を30kg/hrとして、機械式粉砕機内の入口温度は−12℃、出口温度は50℃となるように粉砕し、重量平均径が7.3μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が48個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を9.1体積%含有する微粉砕品を得た。
【0208】
次いで、風力分級機で分級することで、重量平均径が7.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が15.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を8.3体積%含有する分級品(A−3)を得た。
【0209】
この分級品B−1 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−3)とした。
【0210】
このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0211】
評価用トナー(1−3)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0212】
<実施例4>
実施例1で作製した粉体原料A(粗粉砕物)を、日本ニューマチック工業社製I−2型ミルを用い、粗砕品供給量を5.0kg/hr、粉砕圧6kgPaとし、更に、所定の粒径に粉砕されなかったトナー粗砕品は再度、粉砕機内へ戻るように設定して粉砕し、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が57.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を9.9体積%含有する微粉砕品を得た。更に、得られた微粉砕品を65℃の熱球形化装置を通した後、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が19.8個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を4.2体積%含有する分級品(A−4)を得た。
【0213】
この分級品(A−4)100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.2質量部とチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.8μm)3.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−4)とした。このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0214】
評価用トナー(1−4)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0215】
<実施例5〜22>
実施例1において樹脂の種類及び添加量、制御剤の種類及び添加量、磁性体の種類及び添加量を表2に示す通りに変更した以外は、上記実施例1と同様の方法を用いて表2に示す評価用トナー(2)〜(19)を得た。
【0216】
尚、実施例21及び22で用いた磁性酸化鉄は、
・磁性酸化鉄2
(平均粒径:0.29μm、Hc(保磁力):10.1kA/m、σs(飽和磁化):83.9Am2/kg、σr(残留磁化):11.9Am2/kg)
・磁性酸化鉄3
(平均粒径:0.10μm、Hc(保磁力):12.1kA/m、σs(飽和磁化):82.0Am2/kg、σr(残留磁化):15.1Am2/kg)
である。
【0217】
得られた各トナー(2)〜(19)について、実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0218】
<比較例1〜10>
実施例1において樹脂の種類及び添加量、制御剤の種類及び添加量、磁性体の種類及び添加量を表2に示す通りに変更した以外は、上記実施例1と同様の方法を用いて表2に示す評価用トナー(20)〜(29)を得た。
【0219】
尚、比較例8及び9で用いた磁性酸化鉄は、
・磁性酸化鉄4
(平均粒径:0.33μm、Hc(保磁力):9.7kA/m、σs(飽和磁化):84.2Am2/kg、σr(残留磁化):10.8Am2/kg)
・磁性酸化鉄3
(平均粒径:0.08μm、Hc(保磁力):12.7kA/m、σs(飽和磁化):81.1Am2/kg、σr(残留磁化):15.2Am2/kg)
である。
【0220】
得られた各トナー(20)〜(29)について、実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0221】
<比較例11>
実施例4で作製した微粉砕品を熱球形化装置を通さずに、風力分級機で分級することで、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が20.2個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を4.0体積%含有する分級品(A−5)を得た。
【0222】
この分級品A−5 100質量部に対して、疎水性シリカ微粉体(BET250m2/g)1.2質量部とチタン酸ストロンチウム(平均粒径1.8μm)3.0質量部をヘンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナー(1−5)とした。このトナーの粒度は表3、円形度は表4であった。
【0223】
評価用トナー(1−5)を実施例1と同様に評価して、表5の結果を得た。
【0224】
尚、比較例6〜10では下記構造式(30),(31)で表わされる制御剤を用いた。
【0225】
【化14】
【0226】
【表1】
【0227】
【表2】
【0228】
【表3】
【0229】
【表4】
【0230】
【表5】
【0231】
【発明の効果】
本発明によれば、廃トナーの発生が少なく、高転写効率で、微粒子化に対しても良好な現像性を維持できる負摩擦帯電性磁性トナーを提供することができる。
【0232】
また、再生紙を用いた場合でも、感光体上の転写残トナーを廃トナーを再コートするマグネットローラー及びクリーニングブレードを用いて除去する画像形成プロセスにおいても、良好なクリーニング性を有し、感光体汚染による画像欠陥を生じない負摩擦帯電性磁性トナーを提供することができる。
Claims (11)
- 少なくとも結着樹脂と磁性体及び荷電制御剤を含有する負摩擦帯電性磁性トナーにおいて、
(a)該結着樹脂の主成分が炭素数5〜15のアルキルカルボン酸の錫化合物を触媒として合成されたポリエステルユニットを含む樹脂であり、
(b)該磁性体の平均粒径が0.1〜0.3μmであり、
(c)該荷電制御剤が芳香族オキシカルボン酸と配位又は/及び結合している有機金属化合物、或いは/及びベンジル酸誘導体の錯体からなる有機金属化合物であり、
(d)該トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、平均円形度が0.940以上であることを特徴とする負摩擦帯電性磁性トナー。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 - 該トナーは溶融混練工程、微粉砕工程及び分級工程を経て生成されたものであって、特に、中心回転軸に取り付けられた回転体からなる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されている固定子とを具備し、且つ間隔を保持することによって形成される環状空間が気密状態となるように構成されている機械式粉砕機によって製造されたことを特徴とする請求項1に記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 該結着樹脂が、軟化点の異なる2種以上のポリエステルユニットを含む樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 該結着樹脂が、3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価アルコールで架橋されたポリエステルユニットを含む樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 該アルキルカルボン酸の錫化合物が2−エチルヘキサン酸錫であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 結着樹脂100質量部に対して、磁性体が50〜150質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 結着樹脂100質量部に対して、磁性体が60〜120質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 該荷電制御剤がジルコニウム又はアルミニウム、亜鉛と、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合している有機金属化合物であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 該荷電制御剤がホウ素又はアルミニウムと、ベンジル酸誘導体の錯体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- 該荷電制御剤がジルコニウム又はアルミニウム、亜鉛と、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合している有機金属化合物及びホウ素又はアルミニウムと、ベンジル酸誘導体の錯体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
- トナーの重量平均粒子径(X)が5μm乃至12μmであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.900以上の円形度(a)を有する粒子が90個数%以上存在し、
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
且つ
a)カット率Zとトナー重量平均径(X)の関係が下記式(2)を満足し
カット率Z≦5.3×X (2)
[但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数/μl)とした時、下記式(3)で示される。
Z=(1−B/A)×100 (3)
且つ、該トナーの3μm以上の粒子において、円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.950以上の円形度(a)を有する粒子の個数基準累積値Yとトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する。
円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.51×X−0.645(4)
[但し、トナーの重量平均粒子径X:5.0〜12.0μm]
或いは
b)カット率Zとトナー重量平均径(X)の関係が下記式(5)を満足し
カット率Z>5.3×X (5)
且つ、該トナーの3μm以上の粒子において、円形度(a)の個数基準の円形度分布において、0.950以上の円形度(a)を有する粒子の個数基準累積値Yとトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の負摩擦帯電性磁性トナー。
円形度0.950以上の粒子の個数基準値Y≧exp5.37×X−0.545(6)
[但し、トナーの重量平均粒子径X:5.0〜12.0μm]
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |