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JP2010060930A - 光学干渉フィルタ、表示装置および電子機器 - Google Patents
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JP2010060930A - 光学干渉フィルタ、表示装置および電子機器 - Google Patents

光学干渉フィルタ、表示装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】陰極側から光を出射する構成において、色純度、色再現性を高め、さらに、光の取り出し効率を優れたものとすることができる光学干渉フィルタを提供すること、また、高品位な画像を長期にわたり表示することができる表示装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】光学干渉フィルタ102は、互いに間隔を隔てて設けられ、光の一部を透過し残部を反射する機能を有する複数の半透過層13を有し、互いに隣り合う2つの半透過層13間で光反射を繰り返し、干渉を生じさせて、当該2つの半透過層13間の距離Lに応じた波長の光を外部に出射し得るように構成され、各半透過層13は、Agに、Agとは原子半径の異なる添加金属を添加してなる金属材料を主材料として構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学干渉フィルタ、表示装置および電子機器に関するものである。
有機エレクトロルミネセンス素子(いわゆる有機EL素子)は、陽極と陰極との間に少なくとも1層の発光性有機層(発光層)を介挿した構造を有する発光素子である。このような発光素子では、陰極と陽極との間に電界を印加することにより、発光層に陰極側から電子が注入されるとともに陽極側から正孔が注入され、発光層中で電子と正孔が再結合することにより励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、そのエネルギー分が光として放出される(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
いわゆるトップエミッション型の発光素子では、一般に、特許文献1に開示されているように、陰極を半透過性を有するものとし、陰極側から光を出射させる。
特許文献1にかかる発光素子は、MgAg(Mg:Ag=9:1)の薄膜で陰極を構成することにより、陰極を電子注入性および半透過性を有するものとしている。そして、かかる発光素子は、陽極を反射性を有するものとし、発光層で発生した光を陰極と陽極との間で共振させるようになっている。これにより、発光素子から出射する光の輝度(ひいては電流効率)を高めることができる。
しかしながら、特許文献1にかかる発光素子では、陰極が前述したようなMgAgで構成されているため、発光層で発生した光に対する陰極の反射率は低いものとなってしまう。そのため、発光素子から出射する光の輝度を十分に高めることができなかった。
反射率の高い金属としては、一般にAgが知られているが、Agを用いて半透過性となるような薄膜を形成すると、表面拡散や表面マイグレーションによってAg原子が凝集した核による微細な凹凸を有する薄膜が形成されてしまう。このような薄膜は、プラズモン吸収により、バルクのAgとは異なる光学特性を示し、高い反射率を得ることができないという問題がある。
特開2003−77681号公報 Hitoshi Kuma. et. al,. SID DIGEST, P1504 (2007)
本発明の目的は、光の色純度、色再現性を高め、さらに、光の取り出し効率を優れたものとすることができる光学干渉フィルタを提供すること、また、高品位な画像を長期にわたり表示することができる表示装置および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光学干渉フィルタは、光透過性を有する複数の半透過層と、
前記各半透過層とは異なる屈折率を有し、かつ、光透過性を有する複数の光透過層とを有し、
前記半透過層と前記光透過層とが交互に複数積層され、
前記半透過層と前記光透過層との界面同士の間で光反射を繰り返し、干渉を生じさせて、当該界面同士の間の距離に応じた波長の光を外部に出射し得るように構成され、
前記各半透過層は、Agに、Agとは原子半径の異なる添加金属を添加してなる金属材料を主材料として構成されていることを特徴とする。
これにより、薄膜状の半透過層を形成するに際し、表面拡散や表面マイグレーションによってAg原子が凝集した核による微細な凹凸の発生を防止し、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の半透過層を形成することができる。そのため、半透過層を半透過性を有するものとしつつ優れた反射性を有するものとすることができる。その結果、発光素子の陰極側から出射する色純度、色再現性を高め、さらに、光の取り出し効率を高め、優れた発光素子を提供することができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、Agの原子半径と前記添加金属の原子半径との差は、Agの原子半径の10%以上であることが好ましい。
これにより、薄膜状の半透過層を形成するに際し、表面拡散や表面マイグレーションによってAg原子が凝集した核による微細な凹凸の発生をより確実に防止することができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記添加金属は、Mg、Cu、Zn、Alのうちのいずれか1種、または、これらのうちの2種以上の組み合わせであることが好ましい。
これにより、半透過層の反射率および安定性を優れたものとすることができる。また、このようなAg合金層は各種気相成膜法により容易に形成することができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記金属材料は、Agの含有量が80〜99.9原子%であり、前記添加金属の含有量が0.1〜20原子%であることが好ましい。
これにより、半透過層の反射率を優れたものとすることができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記半透過層は、気相成膜法を用いて形成されたものであることが好ましい。
これにより、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の半透過層を比較的簡単に形成することができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記半透過層は、Agと前記添加金属とを共蒸着することにより形成されたものであることが好ましい。
これにより、用いる添加金属の選択の幅を大きなものとしつつ、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の半透過層を比較的簡単に形成することができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記半透過層の厚さは、1〜50nmであることが好ましい。
これにより、半透過層を半透過性(発光素子(発光層)からの光の一部を透過し残部を反射する機能)を有するものとすることができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記半透過層の前記光に対する反射率は、20〜80%であることが好ましい。
これにより、光学干渉フィルタから出射する光の輝度を効果的に高めることができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記光透過層は、前記半透過層とは屈折率が異なるように、Agに、Agとは原子半径の異なる添加金属を添加してなる金属材料を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の光透過層を形成することができる。その結果、半透過層と光透過層との各界面も優れた表面性を有し、光の損失を低減することができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記光透過層は、SiOまたはSiONを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、半透過層と光透過層との屈折率差を大きくし、半透過層と光透過層との各界面での反射特性を向上させることができる。
本発明の光学干渉フィルタでは、前記光透過層の厚さは、50〜300nmであることが好ましい。
このような膜厚で光透過層を形成することで、可視光での干渉を効果的に生じさせることができる。
本発明の表示装置は、本発明の光学干渉フィルタと、
陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に設けられた少なくとも1層の発光層とを有する発光素子とを有し、
前記発光素子からの光を前記光学干渉フィルタを介して出射するように構成されていることを特徴とする。
これにより、高品位な画像を長期にわたり表示することができる表示装置を提供することができる。
本発明の表示装置では、前記発光素子は、前記少なくとも1層の発光層での発光を前記陰極側から出射するトップエミッション構造を有することが好ましい。
このようなトップエミッション型の発光素子を用いることで、比較的簡単な構成で高輝度かつ優れた色純度、色再現性、取り出し効率を有する表示装置を提供することができる。
本発明の表示装置では、前記少なくとも1層の発光層は、互いに発光スペクトルの異なる複数層の発光層で構成され、当該複数層の発光層全体として白色発光するように構成されていることが好ましい。
これにより、1つの発光素子から様々な色を分離して用いることができる。
本発明の表示装置では、前記少なくとも1層の発光層は、赤色に発光する赤色発光層と、緑色に発光する緑色発光層と、青色に発光する青色発光層とを含んで構成されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単かつ確実に、複数の発光層全体で白色発光させることができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、高品位な画像を長期にわたり表示することができる電子機器を提供することができる。
以下、本発明の発光装置の製造方法、表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の表示装置の一例(ディスプレイ装置)を示す模式的断面図、図2は、図1に示す発光装置に備えられた発光素子およびの縦断面を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中および図2中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
(表示装置)
図1に示すディスプレイ装置100は、複数の発光素子1、1、1を備える発光装置101と、各発光素子1、1、1に対応して設けられた光学干渉半透過部19、19、19を備える光学干渉フィルタ102とを有している。
このようなディスプレイ装置100は、複数の発光素子1、1、1および複数の光学干渉半透過部19、19、19がサブ画素100、100、100に対応して設けられ、トップエミッション構造のディスプレイパネルを構成している。
なお、本実施形態ではディスプレイ装置の駆動方式としてアクティブマトリックス方式を採用した例に説明するが、パッシブマトリックス方式を採用したものであってもよい。
発光装置101は、基板21と、複数の発光素子1、1、1と、複数のスイッチング素子24とを有している。
基板21は、複数の発光素子1、1、1および複数のスイッチング素子24を支持するものである。本実施形態の各発光素子1、1、1は、基板21とは反対側から光を取り出す構成(トップエミッション型)である。したがって、基板21には、透明基板および不透明基板のいずれも用いることができる。なお、各発光素子1、1、1が基板21側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)である場合には、基板21は、実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)とされる。
基板21の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
このような基板21の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
このような基板21上には、複数のスイッチング素子24がマトリクス状に配列されている。
各スイッチング素子24は、各発光素子1、1、1に対応して設けられ、各発光素子1、1、1を駆動するための駆動用トランジスタである。
このような各スイッチング素子24は、シリコンからなる半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
このような複数のスイッチング素子24を覆うように、絶縁材料で構成された平坦化層22が形成されている。
平坦化層22上には、各スイッチング素子24に対応して発光素子1、1、1が設けられている。
発光素子1は、平坦化層22上に、反射膜32、腐食防止膜33、陽極3、積層体(有機EL発光部)15、陰極12、陰極カバー34がこの順に積層されて構成されている。本実施形態では、各発光素子1、1、1の陽極3は、画素電極を構成し、各スイッチング素子24のドレイン電極245に導電部(配線)27により電気的に接続されている。また、各発光素子1、1、1の陰極12は、共通電極とされている。
なお、発光素子1、1、1については、後に詳述する。
隣接する発光素子1、1、1同士の間には、隔壁31が設けられている。
このように構成された発光装置101には、エポキシ樹脂等の接着性および透明性を有する熱硬化性樹脂で構成された樹脂層35を介して、光学干渉フィルタ102が接合されている。
光学干渉フィルタ102は、基板20と、複数の光学干渉半透過部19、19、19と、遮光層36とを有している。
基板(封止基板)20は、各光学干渉半透過部19、19、19および遮光層36を支持するものである。基板20には、透明基板が用いられる。
このような基板20の構成材料としては、基板20が光透過性を有するものであれば、特に限定されず、前述した基板21の構成材料と同様のものを用いることができる。
光学干渉半透過部19、19、19は、発光素子1、1、1に対応して設けられている。
光学干渉半透過部19は、発光素子1からの光Wを赤色に変換するものである。また、光学干渉半透過部19は、発光素子1からのWを緑色に変換するものである。また、光学干渉半透過部19は、発光素子1からの光Wを青色に変換するものである。このような光学干渉半透過部19、19、19を発光素子1、1、1と組み合わせて用いることで、フルカラー画像を表示することができる。なお、光学干渉半透過部19、19、19については、後に詳述する。
隣接する光学干渉半透過部19、19、19同士の間には、遮光層36が形成されている。
この遮光層36は、意図しないサブ画素100、100、100が発光するのを防止する機能を有する。
(発光素子)
ここで、図2に基づき、発光素子1、1、1を詳細に説明する。
図2に示す発光素子(エレクトロルミネッセンス素子)1、1、1は、それぞれ、2つの電極間(陽極3と陰極12との間)に、互いに発光スペクトルの異なるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3層の発光層を含む積層体15が介挿されている。この積層体15は、図2に示すように、陽極3側から陰極12側へ、正孔注入層4と正孔輸送層5と第1の発光層(赤色発光層)6と中間層7と第2の発光層(青色発光層)8と第3の発光層(緑色発光層)9と電子輸送層10と電子注入層11とがこの順に積層されている。
言い換えすれば、各発光素子1、1、1は、陽極3と正孔注入層4と正孔輸送層5と第1の発光層6と中間層7と第2の発光層8と第3の発光層9と電子輸送層10と電子注入層11と陰極12とがこの順に積層されてなるものである。
また、本実施形態では、陽極3と平坦化層22との間に、反射膜32および腐食防止膜33が設けられ、また、陰極12の積層体15と反対側には、陰極カバー(封止層)34が設けられている。
このような各発光素子1、1、1にあっては、第1の発光層6、第2の発光層8、および第3の発光層9の各発光層に対し、陰極12側から電子が供給(注入)されるとともに、陽極3側から正孔が供給(注入)される。そして、各発光層では、正孔と電子とが再結合し、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、エキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
このような各発光素子1、1、1では、第1の発光層6、第2の発光層8、および第3の発光層9が互いに発光スペクトルの異なる複数層の発光層で構成され、当該複数層の発光層全体として白色発光するように構成されている。そのため、発光素子1、1、1が互いに同じ構成の発光層を有しながらも、発光素子1、1、1でそれぞれ所望の色を分離して用いることができる。すなわち、1つの発光素子から様々な色を分離して用いることができる。
特に、R、G、Bを組み合わせて当該複数層の発光層全体で白色発光させるため、比較的簡単かつ確実に、当該複数層の発光層全体で白色発光することができる。
以下、発光素子1を構成する各部を順次説明する。なお、以下では、発光素子1について代表的に説明する。発光素子1、1については、発光素子1と相違する事項を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
(陽極)
陽極3は、後述する正孔注入層4を介して正孔輸送層5に正孔を注入する電極である。この陽極3の構成材料としては、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。
陽極3の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、陽極3は、後述する半透過層13と反射膜32との間の距離が発光素子1から出射する光の波長(赤色の波長)に応じたものとなるように厚さが調整されているのが好ましい。
なお、発光素子1の陽極3ついては、半透過層13と反射膜32との間の距離が発光素子1から出射する光の波長(緑色の波長)に応じたものとなるように厚さが調整されているのが好ましく、また、発光素子1の陽極3ついては、半透過層13と反射膜32との間の距離が発光素子1から出射する光の波長(青色の波長)に応じたものとなるように厚さが調整されているのが好ましい。これにより、発光素子1、1、1の各出射光の所望の色度の輝度を高めることができる。この場合、発光素子1、1、1の陽極3の厚さが出射光の波長に応じて互いに異なるものとなる。
このような陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、20〜150nm程度であるのがより好ましい。
本実施形態では、陽極3は、光透過性を有する。これにより、各発光層からの光を反射膜32が反射することができる。
(正孔注入層)
正孔注入層4は、陽極3からの正孔注入効率を向上させる機能(すなわち正孔注入性)を有するものである。
この正孔注入層4の構成材料(正孔注入材料)としては、正孔注入層4が前述したような正孔注入性を発揮するものであれば、特に限定されないが、例えば、テトラアミン化合物およびそれらの誘導体、銅フタロシアニンや、下記化1で表わされるN,N’−ビス−(4−ジフェニルアミノ−フェニル)−N,N’−ジフェニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン、下記化2で表わされる4,4’,4’’−トリス(N,N−フェニル−3−メチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、下記化3で表わされるN,N’−ジ(ナフチレン−1−イル)−N,N’−ビジフェニル−ベンジジン(NPD)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2010060930
Figure 2010060930
Figure 2010060930
このような正孔注入層4の平均厚さは、特に限定されないが、5〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層5は、陽極3から正孔注入層4を介して注入された正孔を第1の発光層6まで輸送する機能を有するものである。
この正孔輸送層5の構成材料には、各種p型の高分子材料や、各種p型の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができ、例えば、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)等のテトラアリールベンジジン誘導体、テトラアリールジアミノフルオレン化合物またはその誘導体(アミン系化合物)などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような正孔輸送層5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
(第1の発光層)
この第1の発光層6は、第1の色に発光する第1の発光材料と、この第1の発光材料をゲスト材料とする第1のホスト材料とを含んで構成されている。このような第1の発光層6は、例えば、ゲスト材料である第1の発光材料をドーパントとして第1のホスト材料にドープすることにより形成することができる。なお、第1のホスト材料は省略することができる。
第1の発光材料は、赤色に発光する赤色発光材料である。
このような赤色発光材料としては、特に限定されず、各種赤色蛍光材料、赤色燐光材料を1種または2種以上組み合わせて用いることが、赤色蛍光材料を好適に用いることができる。
赤色蛍光材料としては、赤色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、ペリレン誘導体、ユーロピウム錯体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ポルフィリン誘導体、ナイルレッド、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−(2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H−ベンゾ(ij)キノリジン−9−イル)エテニル)−4H−ピラン−4H−イリデン)プロパンジニトリル(DCJTB)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)等を挙げられる。
赤色燐光材料としては、赤色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられ、これら金属錯体の配位子の内の少なくとも1つがフェニルピリジン骨格、ビピリジル骨格、ポルフィリン骨格等を持つものも挙げられる。より具体的には、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム(アセチルアセトネート)(btp2Ir(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−12H,23H−ポルフィリン−白金(II)、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム(アセチルアセトネート)が挙げられる。
上述した中でも、赤色発光材料は、ペリレン誘導体を含むことが好ましい。ペリレン誘導体は、特に発光効率の高い発光材料である。また、ペリレン誘導体は、電子を捕獲する機能が特に優れたものである。このため、陰極12側から注入された電子を第1の発光層6で確実に捕獲し、正孔輸送層5に電子が注入されるのを防止することができる。その結果、正孔注入層4や正孔輸送層5の構成材料が電子により還元されて劣化するのを防止することができる。
特に、赤色発光材料に用いるペリレン誘導体としては、例えば下記化4で表わされる化合物等のテトラフェニルジインデノペリレン誘導体を用いるのが好ましい。
Figure 2010060930
このような赤色発光材料をゲスト材料とする第1のホスト材料は、正孔と電子とを再結合して励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを赤色発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させて、赤色発光材料を励起する機能を有する。
このような第1のホスト材料としては、用いる赤色発光材料に対して前述したような機能を発揮するものであれば、特に限定されないが、赤色発光材料が赤色蛍光材料を含む場合、例えば、ジスチリルアリーレン誘導体、下記化5で表わされる化合物等のテトラセン誘導体(ナフタセン誘導体)、下記化6で表わされる化合物等のペリレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等のキノリノラト系金属錯体、トリフェニルアミンの4量体等のトリアリールアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、シロール誘導体、ジカルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ベンゾピラン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、キノリン誘導体、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
Figure 2010060930
Figure 2010060930
中でも、第1の発光材料は、前述したようなテトラセン誘導体またはペリレン誘導体を含むものであるのが好ましい。これにより、第1の発光層6から中間層7を介して第2の発光層8への正孔をより円滑に受け渡すことができる。
また、赤色発光材料が赤色燐光材料を含む場合、第1のホスト材料としては、例えば、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニルカルバゾール、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)等のカルバゾール誘導体等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前述したような赤色発光材料(ゲスト材料)および第1のホスト材料を用いる場合、第1の発光層6中における赤色発光材料の含有量(ドープ量)は、0.1〜10wt%であるのが好ましく、1〜5wt%であるのがより好ましい。赤色発光材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができ、後述する第2の発光層8や第3の発光層9の発光量とのバランスをとりつつ第1の発光層6を発光させることができる。
また、前述したような赤色の発光材料はバンドギャップが比較的小さいため、発光しやすい。したがって、最も陽極3側に赤色発光層を設けることで、バンドギャップが比較的大きく発光し難い青色発光層や緑色発光層を陰極12側とし、各発光層をバランスよく発光させることができる。
また、第1の発光層6の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nmであるのが好ましく、3〜50nmであるのがより好ましく、5〜30nmであるのがさらに好ましい。
(中間層)
この中間層7は、前述した第1の発光層6と後述する第2の発光層8との層間にこれらに接するように設けられている。そして、中間層7は、第1の発光層6と第2の発光層8との間で励起子のエネルギーが移動するのを阻止する機能を有する。この機能により、第1の発光層6および第2の発光層8をそれぞれ効率よく発光させることができる。
このような中間層7の構成材料としては、中間層7が前述したような機能を発揮することができるものであれば、特に限定されないが、アミン系材料等を用いることができ、特に、アミン系材料とアセン系材料との混合材料を好適に用いることができる。
このような中間層7に用いられるアミン系材料としては、アミン骨格を有し、かつ、中間層7が前述したような機能を発揮するものであれば、特に限定されず、例えば、前述した正孔輸送材料のうちのアミン骨格を有する材料を用いることができるが、ベンジジン系アミン誘導体を用いるのが好ましい。
特に、ベンジジン系アミン誘導体のなかでも、中間層7に用いられるアミン系材料としては、2つ以上のナフチル基を導入したものが好ましい。このようなベンジジン系アミン誘導体としては、例えば、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(α−NPD)や、N,N,N’,N’−テトラナフチル−ベンジジン(TNB)などが挙げられる。
(第2の発光層)
この第2の発光層8は、第2の色に発光する第2の発光材料と、この第2の発光材料をゲスト材料とする第2のホスト材料とを含んで構成されている。このような第2の発光層8は、前述した第1の発光層6と同様、例えば、ゲスト材料である第2の発光材料をドーパントとして第2のホスト材料にドープすることにより形成することができる。なお、第2のホスト材料は省略することができる。
第2の発光材料は、青色に発光する青色発光材料である。
このような青色発光材料としては、特に限定されず、各種青色蛍光材料、青色燐光材料を1種または2種以上組み合わせて用いることが、青色蛍光材料を好適に用いることができる。
青色蛍光材料としては、青色の蛍光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、下記化7で表わされる化合物等のジスチリルジアミン誘導体、ジスチリル誘導体、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、ペリレンおよびペリレン誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル(BCzVBi)、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
Figure 2010060930
特に、前述したような化7で表わされる化合物のようなジスチリルジアミン誘導体は、正孔を捕獲する機能に優れるものであるため、第2の発光層8がジスチリルジアミン誘導体を含むことにより、第2の発光層8を効率よく発光させることができる。
青色燐光材料としては、青色の燐光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられる。より具体的には、ビス[4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C’]−ピコリネート−イリジウム、トリス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム、ビス[2−(3,5−トリフルオロメチル)ピリジネート−N,C’]−ピコリネート−イリジウム、ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C’)イリジウム(アセチルアセトネート)が挙げられる。
第2のホスト材料としては、前述した第1の発光層6の第1のホスト材料と同様のものを用いることができる。
前述したような青色発光材料(ゲスト材料)および第2のホスト材料を用いる場合、第2の発光層8中における青色発光材料の含有量(ドープ量)は、0.1〜20wt%であるのが好ましく、5〜20wt%であるのがより好ましい。青色発光材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができ、前述した第1の発光層6や後述する第3の発光層9の発光量とのバランスをとりつつ第2の発光層8を発光させることができる。
また、第2の発光層8の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nmであるのが好ましく、5〜60nmであるのがより好ましく、10〜40nmであるのがさらに好ましい。
(第3の発光層)
この第3の発光層9は、第3の色に発光する第3の発光材料と、この第3の発光材料をゲスト材料とする第3のホスト材料とを含んで構成されている。このような第3の発光層9は、前述した第1の発光層6と同様、例えば、ゲスト材料である第3の発光材料をドーパントとして第3のホスト材料にドープすることにより形成することができる。なお、第3のホスト材料は省略することができる。
第3の発光材料は、緑色に発光する緑色発光材料である。
このような緑色発光材料としては、特に限定されず、各種緑色蛍光材料、緑色燐光材料を1種または2種以上組み合わせて用いることが、緑色蛍光材料を好適に用いることができる。
緑色蛍光材料としては、緑色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、クマリン誘導体、下記化8で表わされる化合物等のキナクリドン誘導体、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
Figure 2010060930
緑色燐光材料としては、緑色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられる。中でも、これら金属錯体の配位子の内の少なくとも1つが、フェニルピリジン骨格、ビピリジル骨格、ポルフィリン骨格等を持つものが好ましい。より具体的には、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジネート−N,C2’)イリジウム(アセチルアセトネート)、ファク−トリス[5−フルオロ−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジン)フェニル−C,N]イリジウムが挙げられる。
第3のホスト材料としては、前述した第1の発光層6の第1のホスト材料と同様のものを用いることができる。
前述したような緑色発光材料(ゲスト材料)および第3のホスト材料を用いる場合、第3の発光層9中における緑色発光材料の含有量(ドープ量)は、0.1〜20wt%であるのが好ましく、1〜20wt%であるのがより好ましい。緑色発光材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができ、前述した第1の発光層6や第2の発光層8の発光量とのバランスをとりつつ第3の発光層9を発光させることができる。
また、第3の発光層9の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nmであるのが好ましく、5〜60nmであるのがより好ましく、10〜40nmであるのがさらに好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層10は、陰極12から電子注入層11を介して注入された電子を第3の発光層9に輸送する機能を有するものである。
電子輸送層10の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)等の8−キノリノールなしいその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層10の平均厚さは、特に限定されないが、0.5〜100nm程度であるのが好ましく、1〜50nm程度であるのがより好ましい。
なお、電子輸送層10は、省略することができる。
(電子注入層)
電子注入層11は、陰極12からの電子注入効率を向上させる機能を有するものである。
この電子注入層11の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、各種の無機絶縁材料、各種の無機半導体材料が挙げられる。
このような無機絶縁材料としては、例えば、アルカリ金属カルコゲナイド(酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物)、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを主材料として電子注入層を構成することにより、電子注入性をより向上させることができる。特にアルカリ金属化合物(アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物等)は仕事関数が非常に小さく、これを用いて電子注入層11を構成することにより、発光素子1は、高い輝度が得られるものとなる。
アルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、LiO、LiO、NaS、NaSe、NaO等が挙げられる。
アルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、MgO、CaSe等が挙げられる。
アルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、CsF、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaCl等が挙げられる。
アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF、BeF等が挙げられる。
また、無機半導体材料としては、例えば、Li、Na、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Cd、Mg、Si、Ta、SbおよびZnのうちの少なくとも1つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子注入層11の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、0.2〜100nm程度であるのがより好ましく、0.2〜50nm程度であるのがさらに好ましい。
なお、電子注入層11は、省略することができる。
(陰極)
陰極12は、前述した電子注入層11を介して電子輸送層10に電子を注入する電極である。
このような陰極12の構成材料としては、仕事関数の小さい材料が用いられ、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、陰極12の構成材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極12の構成材料として用いることにより、陰極の電子注入効率および安定性を優れたものとすることができる。
このような陰極12の平均厚さは、特に限定されないが、1〜50nm程度であるのが好ましく、5〜20nm程度であるのがより好ましい。
なお、陰極12は、後述する半透過層13と反射膜32との間の距離Lが発光素子1から出射する光の波長(赤色の波長)に応じたものとなるように厚さが調整されていてもよい。すなわち、発光素子1、1、1の陰極12の厚さが出射光の波長に応じて互いに異なるものとなっていてもよい。
(反射膜)
反射膜(反射層)32は、前述した第1の発光層6、第2の発光層8および第3の発光層9に対して陰極12と反対側に設けられている。すなわち、反射膜32と陰極12との間に、第1の発光層6、第2の発光層8および第3の発光層9が設けられている。言い換えると、反射膜32は、半透過層13に対しその厚さ方向に離間して設けられている。これにより、半透過層13と反射膜32との間の光学的作用により、発光素子1の陰極12側から出射する光の輝度を高めることができる。
このような反射膜32は、第1の発光層6、第2の発光層8および第3の発光層9のうちの少なくとも1つの発光層からの光を反射する機能を有する。これにより、少なくとも1層の発光層からの光および陰極12からの反射光を反射膜32で反射して、発光素子1の輝度を高めることができる。その結果、発光素子1の発光効率を向上させることができる。
また、反射膜32は、前述した半透過層13との間で少なくとも1層の発光層からの光を共振させるように構成されているのが好ましい。これにより、発光素子1から出射される光の強度および色純度を高めることができる。この場合、反射膜32は、半透過層13との距離Lを所望値に設定することにより、半透過層13との間で光を共振させることができる。より具体的には、輝度を高めたい色度の波長をλとしたとき、反射膜32や半透過層13での光反射時の位相のシフト量等を考慮しつつ、距離Lをnλ/2程度とする(ここで、nは自然数である)。
このような反射膜32の構成材料としては、反射膜32が前述したような機能を発揮することができるものであれば、特に限定されず、Al、Ni、Co、Agまたはこれらを含む合金等を用いることができる。
また、反射膜32は、前述した半透過層13と同様のAg合金で構成してもよい。
また、反射膜32は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなる誘電体多層膜(光学多層薄膜)で構成することもできる。
高屈折率層を構成する材料としては、例えば、TiO、Ta、酸化ニオブ、Al、HfO、ZrO、ThOなどが挙げられるが、特に、TiO、Ta、酸化ニオブなどが好適に用いられる。
低屈折率層を構成する材料としては、例えば、MgF、SiOなどが挙げられるが、特に、SiOが好適に用いられる。
反射膜32を構成する高屈折率層および低屈折率層の層数、厚さは、必要とする光学特性に応じて設定される。一般に、誘電体多層膜により反射膜を構成する場合、その光学特性を得るために必要な層数は12層以上である。
なお、本実施形態では、発光素子1がトップエミッション型であるため、反射膜32に光透過性は要求されない。
また、反射膜32の厚さは、前述したような機能を発揮するものであれば、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましい。
なお、この反射膜32は、省略することができる。この場合、前述した陽極3が反射性を有するように構成することで、反射膜32と同様の効果を発揮させることができる。これにより、発光素子1の層構成を簡単なものとしつつ、発光層からの光および陰極12からの反射光を陽極3で反射して、発光素子1の輝度を高めることができる。
(腐食防止膜)
腐食防止膜33は、反射膜32の腐食を防止する機能を有するものである。
このような腐食防止膜33の構成材料としては、腐食防止膜33が前述した機能を発揮するとともに前述した反射膜32の機能を阻害しないものであれば、特に限定されず、各種有機材料、各種無機材料を用いることができる。
なお、この腐食防止膜33は、省略してもよい。
(陰極カバー)
陰極カバー34は、陽極3、積層体15および陰極12を覆うように設けられ、これらを気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。陰極カバー34を設けることにより、発光素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止(耐久性向上)等の効果が得られる。
陰極カバー34の構成材料としては、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiまたはこれらを含む合金、酸化シリコン、各種樹脂材料等を挙げることができる。なお、陰極カバー34の構成材料として導電性を有する材料を用いる場合には、短絡を防止するために、陰極カバー34と陽極3、積層体15、および陰極12との間には、必要に応じて、絶縁膜を設けるのが好ましい。
なお、本実施形態では、図1に示す樹脂層35(封止層)および光学フィルタ102も、陽極3、積層体15および陰極12を覆うように設けられ、これらを気密的に封止し、酸素や水分を遮断する機能を有する。
(光学フィルタ)
前述したように、光学干渉フィルタ102は、複数の光学干渉半透過部19、19、19を有している。
そして、光学干渉半透過部19は、発光素子1からの光Wを赤色に変換するものである。また、光学干渉半透過部19は、発光素子1からのWを緑色に変換するものである。また、光学干渉半透過部19は、発光素子1からの光Wを青色に変換するものである。これにより、光学干渉半透過部19、19、19は、それぞれ、出射する光の所望の色の色純度を高めることができる。
これらの光学干渉半透過部19、19、19は、互いの厚さが異なる以外は、同様の構成である。以下、光学干渉半透過部19を代表的に説明し、光学干渉半透過部19、19についてはその説明を省略する。
光学干渉半透過部19は、図2に示すように、互いに屈折率の異なる半透過層13と透過層14とが交互に複数積層されて構成されている。
本実施形態では、光学干渉半透過部19は、3つの半透過層13を有し、その半透過層13同士の各層間に透過層14が介挿されている。
このような光学干渉透過部19(光学干渉フィルタ102)は、半透過層13と光透過層14との界面同士の間で光反射を繰り返し、干渉を生じさせて、当該界面同士の間の距離Lに応じた波長の光を外部に出射し得る。
各半透過層13は、前述した発光素子1からの光の一部を透過し残部を反射する機能を有する。
各半透過層13は、Agに、Agとは原子半径の異なる添加金属を添加してなる金属材料を主材料として構成されている。
このような金属材料は、薄膜を形成するに際し、添加金属が表面拡散や表面マイグレーションによるAg原子の凝集を防止することができる。そのため、得られる薄膜は、Ag原子が凝集した核による微細な凹凸の発生が防止され、優れた表面性(平坦性)を有する。そのため、このような金属材料を主材料とする各半透過層13は、半透過性を有しつつ優れた反射性を有するものとすることができる。その結果、発光素子1から出射する光の色純度および色再現性を高め、発光素子1の光の取り出し効率を優れたものとすることができる。
添加金属としては、Agの原子半径(金属結合半径)と異なる原子半径の金属であり、Ag合金を形成しうるものであれば、特に限定されず、各種金属を用いることができるが、Agの原子半径と添加金属の原子半径との差がAgの原子半径の10%以上となる金属を用いるのが好ましい。これにより、薄膜状の各半透過層13を形成するに際し、表面拡散や表面マイグレーションによってAg原子が凝集した核による微細な凹凸の発生をより確実に防止することができる。
このような原子半径を有する添加金属の中でも、添加金属としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。具体的には、添加金属は、Mg、Cu、Zn、Alのうちのいずれか1種、または、これらのうちの2種以上の組み合わせであるのが好ましく、特に、Mg、Cuが好適に用いることができる。
これにより、各半透過層13の反射率および安定性を優れたものとすることができる。また、このような各半透過層13は各種気相成膜法により容易に形成することができる。
また、金属材料は、Agの含有量が80〜99.9原子%であり、添加金属の含有量が0.1〜20原子%であるのが好ましく、Agの含有量が90〜99.9原子%であり、添加金属の含有量が0.1〜10原子%であるのがより好ましい。これにより、各半透過層13の反射率を優れたものとすることができる。これに対し、Agの含有量が前記上限値を超えたり添加金属の含有量が前記下限値未満であったりすると、各半透過層13の厚さや添加金属の種類等によっては、各半透過層13に微小な凹凸が生じる場合がある。一方、Agの含有量が前記下限値未満であったり添加金属の含有量が前記上限値を超えたりすると、半透過層13の厚さや添加金属の種類等によっては、各半透過層13の反射率が低下する傾向を示す。
また、各半透過層13は、気相成膜法を用いて形成されたものであるのが好ましい。これにより、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の半透過層13を比較的簡単に形成することができる。
特に、各半透過層13は、Agと添加金属とを共蒸着することにより形成されたものであるのが好ましい。これにより、用いる添加金属の選択の幅を大きなものとしつつ、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の各半透過層13を比較的簡単に形成することができる。
また、発光素子1からの光(サブ画素100から出射する目的とする波長)に対する各半透過層13の反射率は、20〜80%であるのが好ましく、30〜70%であるのがより好ましい。これにより、発光素子1から出射する光の輝度を効果的に高めることができる。
また、各半透過層13の厚さは、前述したような機能を発揮することができるものであれば特に限定されないが、1〜50nmであるのが好ましく、1〜30nmであるのがより好ましい。これにより、各半透過層13を半透過性(発光素子1からの光の一部を透過し残部を反射する機能)を有するものとすることができる。これに対し、かかる厚さが前記下限値未満であると、各半透過層13の構成材料等によっては、均質な半透過層13を形成するのが難しくなる。一方、かかる厚さが前記上限値を超えると、各半透過層13の構成材料等によっては、半透過層13を半透過性とするのが困難となる。
光透過層14は、各半透過層13とは異なる屈折率を有し、かつ、発光素子1からの光に対し光透過性を有する。
また、光透過層14は、1対の半透過層13、13間の距離Lを規定する機能を有する。
このような光透過層14の厚さは、互いに隣り合う2つの半透過層13間で所定波長(赤色の波長)の光を干渉させるように設定されている。これにより、光学干渉半透過部19から出射される光の強度および色純度を高めることができる。この場合、光透過層14の厚さを調整することで互いに隣り合う2つの半透過層13間の距離Lを所望値に設定することにより、当該2つの半透過層13、13間で光を干渉させることができる。より具体的には、輝度を高めたい色度の波長をλとしたとき、各半透過層13での光反射時の位相のシフト量等を考慮しつつ、光透過層14の厚さ(すなわち距離L)をnλ/2程度とする(ここで、nは自然数である)。
具体的には、各光透過層14の厚さは、前述したように用いる光の波長等に応じて決定され、特に限定されないが、50〜300nmであるのが好ましい。このような膜厚で光透過層14を形成することで、可視光での干渉を効果的に生じさせることができる。
光透過層14の構成材料としては、所望の波長の光を透過することができるものであれば、特に限定されず、各種無機材料や各種有機材料を用いることができる。
また、光透過層14は、半透過層13とは屈折率が異なるように、Agに、Agとは原子半径の異なる添加金属を添加してなる金属材料を主材料として構成されているのが好ましい。これにより、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の光透過層14を形成することができる。その結果、半透過層13と光透過層14との各界面も優れた表面性を有し、光の損失を低減することができる。
また、光透過層14は、SiOまたはSiONを主材料として構成されているのが好ましい。これにより、半透過層13と光透過層14との屈折率差を大きくし、半透過層13と光透過層14との各界面での反射特性を向上させることができる。
以上説明したように構成された光学干渉半透過部19によれば、各半透過層13がAg合金を主材料としているため、薄膜状の各半透過層13を形成するに際し、表面拡散や表面マイグレーションによってAg原子が凝集した核による微細な凹凸の発生を防止し、優れた表面性(平坦性)を有する薄膜状の半透過層13を形成することができる。そのため、各半透過層13を半透過性を有するものとしつつ優れた反射性を有するものとすることができる。その結果、光学干渉半透過部19から出射する光の色純度および色再現性を高め、発光素子の光の取り出し効率を優れたものとすることができる。
このような光学干渉フィルタ102(光学干渉半透過部19)は、トップエミッション型の発光素子1と組み合わせることで、比較的簡単な構成で高輝度かつ優れた色純度、色再現性、取り出し効率を有する表示装置100を提供することができる。
(光学干渉フィルタの製造方法)
以上のように構成された光学干渉フィルタ102は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、基板20を用意し、この基板20上に遮光部36を形成する。
遮光部36は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着等の乾式メッキ法、電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等を用いて形成することができる。
[2] 次に、遮光部36の開口部に光学干渉半透過部19、19、19を形成する。
より具体的に説明すると、半透過層13と光透過層14とを交互に積層する。
半透過層13および光透過層14は、例えば、CVD法や、真空蒸着、スパッタリング等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
その際、各光透過層14は、その厚さが前述したように各画素の波長に応じたものとなるように設定する。
以上のような工程を経て、光学干渉フィルタ102が得られる。
このようにして得られた光学干渉フィルタ102は、エポキシ樹脂等の接着性および透明性を有する熱硬化性樹脂で構成された樹脂層35を介して、発光装置101に接合される。これにより、表示装置100が得られる。
以上説明したような表示装置100(本発明の表示装置)は、各種の電子機器に組み込むことができる。
図3は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
図4は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
図5は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図3のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図4の携帯電話機、図5のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の発光素子、表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、前述した実施形態では、各発光素子が3層の発光層を有するものについて説明したが、発光層が1層、2層または4層以上であってもよい。また、発光層の発光色としては、前述した実施形態のR、G、Bに限定されない。発光層が2層または4層以上である場合でも、各発光層の発光スペクトルを適宜設定することで、白色発光させることができる。例えば、発光層が2層である場合、青色の発光層と黄色の発光層とを組み合わせることで、白色発光させることができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.膜の表面粗さの測定
Agで構成された膜(サンプル1)と、Ag合金で構成された膜(サンプル2〜5)とを真空蒸着法によりガラス基板上に成膜した。ここで、各膜の構成材料として、サンプル1ではAg、サンプル2ではAgMg(Ag:Mg=10:1)、サンプル3ではAgCu(Ag:Cu=10:1)、サンプル4ではAgZn(Ag:Zn=10:1)、サンプル5ではAgNd(Ag:Nd=10:1)を用い、また、各サンプル1〜5の膜厚を10nmとした。
そして、各サンプル1〜5について、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、表面粗さ(自乗平均面粗さ[nm])を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2010060930
表1から明らかなように、Ag合金を用いたサンプル2〜5の膜は、いずれも、Agを用いたサンプル1の膜よりも極めて優れた平坦性を有していること(すなわち光の反射性が優れていること)がわかる。特に、AgMgを用いたサンプル2の膜の平坦性が優れていた。
2.発光素子の製造
(実施例)
<1> まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。次に、この基板上に、スパッタ法により、画素用のAg反射膜およびITO電極(陽極)をこの順に画素毎に形成した。ここで、R画素用のITO電極の平均厚さを110nmとし、G画素用のITO電極の平均厚さを70nmとし、B画素用のITO電極の平均厚さを30nmとした。また、Ag反射膜の平均厚さを100nmとした。
そして、基板をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した後、酸素プラズマ処理を施した。
<2> 次に、ITO電極上に、上記化1で表わされるテトラアミン化合物を真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ40nmの正孔注入層を形成した。
<3> 次に、正孔注入層上に、上記化3で表わされるNPDを真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
<4> 次に、正孔輸送層上に、赤色発光層の構成材料を真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ10nmの赤色発光層(第1の発光層)を形成した。赤色発光層の構成材料としては、赤色発光材料(ゲスト材料)として上記化4で表わされる化合物を用い、ホスト材料として上記化5で表わされる化合物を用いた。また、赤色発光層中の発光材料(ドーパント)の含有量(ドープ濃度)は、1.0wt%とした。
<5> 次に、赤色発光層上に、中間層の構成材料を真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ7nmの中間層を形成した。中間層の構成材料としては、アミン系材料として上記化3で表されるNPDを用いた。
<6> 次に、中間層上に、青色発光層の構成材料を真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ10nmの青色発光層(第2の発光層)を形成した。青色発光層の構成材料としては、青色発光材料として上記化7で表わされる化合物を用い、ホスト材料として上記化6で表わされる化合物を用いた。また、青色発光層中の青色発光材料(ドーパント)の含有量(ドープ濃度)は、6.0wt%とした。
<7> 次に、青色発光層上に、緑色発光層の構成材料を真空蒸着法により蒸着させ、平均厚さ30nmの緑色発光層(第3の発光層)を形成した。緑色発光層の構成材料としては、緑色発光材料(ゲスト材料)として上記化8で表わされる化合物を用い、ホスト材料として上記化6で表わされる化合物を用いた。また、緑色発光層中の緑色発光材料(ドーパント)の含有量(ドープ濃度)は、1.0wt%とした。
<8> 次に、緑色発光層上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)を真空蒸着法により成膜し、平均厚さ10nmの電子輸送層を形成した。
<9> 次に、電子輸送層上に、LiFを真空蒸着法により成膜し、平均厚さ1nmの陰極を形成した。
<10> 次に、電子注入層上に、MgAg(Mg:Ag=10:1)を真空蒸着法により成膜し、平均厚さ5nmの陰極を形成した。これにより、各画素の発光素子を備える発光装置を得た。
<11> 一方、ガラス基板上に、AgMg(Ag:Mg=10:1)とSiONとを真空蒸着法(共蒸着法)により交互に成膜し、図2に示すような3層の半透過層と2層の光透過層を形成し、各画素の光学干渉半透過部を得た。
ここで、光透過層については、R画素用では610nm、G画素用では530nm、B画素用では460nmの光が半透過層と光透過層との界面同士の間で干渉(共振)するように厚さを設定した。具体的には、R画素用の各光透過層の平均厚さを160nmとし、G画素用の各光透過層の平均厚さを133nmとし、B画素用の各光透過層の平均厚さを107nmとした。
また、半透過層(AgMg)の屈折率nは、波長460nmの光に対して0.26、波長530nmの光に対して0.20、波長610nmの光に対して0.21であった。また、光透過層(SiON)の屈折率nは、波長460nmの光に対して01.78、波長530nmの光に対して1.76、波長610nmの光に対して1.75であった。
<12> そして、光学干渉半透過部のガラス基板とは反対側と、上記の工程<10>で得られた発光装置の陰極側とをエポキシ樹脂により接合した。ここで、エポキシ樹脂による接合層の平均厚さは、100μmであった。
以上のようにしてR、G、Bのサブ画素を有する表示装置を得た。
(比較例1)
前述した工程<11><12>を省略した以外は、前述した実施例1と同様にしてR、G、Bの各画素毎の発光素子を製造した。
(比較例2)
AgMgに代えてAgを用いて半透過層を形成し、これに伴い光透過層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前述した実施例1と同様にして表示装置を製造した。
ここで、光透過層について、R画素用では610nm、G画素用では530nm、B画素用では460nmの光が半透過層と光透過層との界面同士の間で干渉(共振)するように厚さを設定した。具体的には、R画素用の光透過層の平均厚さを160nmとし、G画素用の光透過層の平均厚さを130nmとし、B画素用の光透過層の平均厚さを100nmとした。
また、半透過層(Ag)の屈折率nは、波長460nmの光に対して1.42、波長530nmの光に対して2.53、波長610nmの光に対して3.03であった。
(比較例3)
AgMgに代えてMgAg(Mg:Ag=10:1)を用いて半透過層を形成し、これに伴い光透過層の厚さを表1に示すように変更した以外は、前述した実施例1と同様にして表示装置を製造した。
ここで、R画素用では610nm、G画素用では530nm、B画素用では460nmの光が半透過層と光透過層との界面同士の間で共振するように光透過層の厚さを設定した。具体的には、R画素用の光透過層の平均厚さを170nmとし、G画素用の光透過層の平均厚さを144nmとし、B画素用のフィルムの平均厚さを121nmとした。
また、半透過層(MgAg)の屈折率nは、波長460nmの光に対して0.52、波長530nmの光に対して0.57、波長610nmの光に対して0.67であった。
2.評価
実施例および各比較例の各画素の発光素子について、直流電源を用いて各発光素子に10mA/cmの定電流を流し、輝度計を用いて各発光素子の輝度を測定し、その結果から取り出し効率を求め、その結果を表2に示す。ここで、取り出し効率は、比較例1の発光素子の各画素の色での輝度を基準(100%)とし、この基準に対する実施例および各比較例の輝度の割合として求めた。
Figure 2010060930
また、実施例および各比較例の各画素の発光素子について、直流電源を用いて各発光素子に10mA/cmの定電流を流し、その際の発光スペクトルを測定し、そのピーク(R画素用では610nm、G画素用では530nm、B画素用では460nm)における半値幅を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例の各画素は、各比較例の各画素に比し、輝度が高いことがわかる。また、実施例の各画素は、発光スペクトルのピークにおける半値幅が狭く、色度を高めることができた。なお、比較例2では、半透過層のプラズモン吸収により共振効果が得られなかった。
本発明の発光装置の製造方法により得られる発光装置を含む表示装置の一例(ディスプレイ装置)を示す模式的断面図である。 図1に示す発光装置に備えられた発光素子の縦断面を模式的に示す図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
、1、1……発光素子 3……陽極 4……正孔注入層 5……正孔輸送層 6……第1の発光層 7……中間層 8……第2の発光層 9……第3の発光層 10……電子輸送層 11……電子注入層 12……陰極 13……半透過層 14……透過層 15……積層体 19、19、19……光学干渉半透過部 100……ディスプレイ装置 100、100、100……サブ画素 101……発光装置 102……光学干渉フィルタ 20……基板 21……基板 22……平坦化層 24……スイッチング素子 241……半導体層 242……ゲート絶縁層 243……ゲート電極 244……ソース電極 245……ドレイン電極 27……導電部 31……隔壁 32……反射膜 33……腐食防止膜 34……陰極カバー 35……樹脂層 36……遮光層 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース(ボディー) 1304……受光ユニット 1306……シャッタボタン 1308……回路基板 1312……ビデオ信号出力端子 1314……データ通信用の入出力端子 1430……テレビモニタ 1440……パーソナルコンピュータ

Claims (16)

  1. 光透過性を有する複数の半透過層と、
    前記各半透過層とは異なる屈折率を有し、かつ、光透過性を有する複数の光透過層とを有し、
    前記半透過層と前記光透過層とが交互に複数積層され、
    前記半透過層と前記光透過層との界面同士の間で光反射を繰り返し、干渉を生じさせて、当該界面同士の間の距離に応じた波長の光を外部に出射し得るように構成され、
    前記各半透過層は、Agに、Agとは原子半径の異なる添加金属を添加してなる金属材料を主材料として構成されていることを特徴とする光学干渉フィルタ。
  2. Agの原子半径と前記添加金属の原子半径との差は、Agの原子半径の10%以上である請求項1に記載の光学干渉フィルタ。
  3. 前記添加金属は、Mg、Cu、Zn、Alのうちのいずれか1種、または、これらのうちの2種以上の組み合わせである請求項2に記載の光学干渉フィルタ。
  4. 前記金属材料は、Agの含有量が80〜99.9原子%であり、前記添加金属の含有量が0.1〜20原子%である請求項1ないし3のいずれかに記載の光学干渉フィルタ。
  5. 前記半透過層は、気相成膜法を用いて形成されたものである請求項1ないし4のいずれかに記載の光学干渉フィルタ。
  6. 前記半透過層は、Agと前記添加金属とを共蒸着することにより形成されたものである請求項5に記載の光学干渉フィルタ。
  7. 前記半透過層の厚さは、1〜50nmである請求項1ないし6のいずれかに記載の光学干渉フィルタ。
  8. 前記半透過層の前記光に対する反射率は、20〜80%である請求項1ないし7のいずれかに記載の光学干渉フィルタ。
  9. 前記光透過層は、前記半透過層とは屈折率が異なるように、Agに、Agとは原子半径の異なる添加金属を添加してなる金属材料を主材料として構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の光学干渉フィルタ。
  10. 前記光透過層は、SiOまたはSiONを主材料として構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の光学干渉フィルタ。
  11. 前記光透過層の厚さは、50〜300nmである請求項1ないし10のいずれかに記載の光学干渉フィルタ。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の光学干渉フィルタと、
    陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に設けられた少なくとも1層の発光層とを有する発光素子とを有し、
    前記発光素子からの光を前記光学干渉フィルタを介して出射するように構成されていることを特徴とする表示装置。
  13. 前記発光素子は、前記少なくとも1層の発光層での発光を前記陰極側から出射するトップエミッション構造を有する請求項12に記載の表示装置。
  14. 前記少なくとも1層の発光層は、互いに発光スペクトルの異なる複数層の発光層で構成され、当該複数層の発光層全体として白色発光するように構成されている請求項12または13に記載の表示装置。
  15. 前記少なくとも1層の発光層は、赤色に発光する赤色発光層と、緑色に発光する緑色発光層と、青色に発光する青色発光層とを含んで構成されている請求項14に記載の表示装置。
  16. 請求項12ないし15のいずれかに記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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