以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、本明細書等において結晶面および方向はミラー指数で示す。結晶面および方向の表記は、結晶学上、数字に上付きのバーを付すが、本明細書等では出願表記の制約上、数字の上にバーを付す代わりに、数字の前に-(マイナス符号)を付して表現する場合がある。また、結晶内の方向を示す個別方位は[ ]で、等価な方向すべてを示す集合方位は< >で、結晶面を示す個別面は( )で、等価な対称性を有する集合面は{ }でそれぞれ表現する。
本明細書等において、偏析とは、複数の元素(例えばA,B,C)からなる固体において、ある元素(例えばB)が空間的に不均一に分布する現象をいう。
本明細書等において、活物質等の粒子の表層部とは、表面から10nm程度までの領域をいう。ひびやクラックにより生じた面も表面といってよい。また表層部より深い領域を、内部という。
本明細書等において、リチウムと遷移金属を含む複合酸化物が有する層状岩塩型の結晶構造とは、陽イオンと陰イオンが交互に配列する岩塩型のイオン配列を有し、遷移金属とリチウムが規則配列して二次元平面を形成するため、リチウムの二次元的拡散が可能である結晶構造をいう。なお陽イオンまたは陰イオンの欠損等の欠陥があってもよい。また、層状岩塩型結晶構造は、厳密に言えば、岩塩型結晶の格子が歪んだ構造となっている場合がある。
また本明細書等において、岩塩型の結晶構造とは、陽イオンと陰イオンが交互に配列している構造をいう。なお陽イオンまたは陰イオンの欠損があってもよい。
また本明細書等において、リチウムと遷移金属を含む複合酸化物が有する擬スピネル型の結晶構造とは、空間群R-3mであり、スピネル型結晶構造ではないものの、コバルト、マグネシウム等のイオンが酸素6配位位置を占め、陽イオンの配列がスピネル型と似た対称性を有する結晶構造をいう。なお、擬スピネル型の結晶構造は、リチウムなどの軽元素は酸素4配位位置を占める場合があり、この場合もイオンの配列がスピネル型と似た対称性を有する。
また擬スピネル型の結晶構造は、層間にランダムにLiを有するもののCdCl2型の結晶構造に類似する結晶構造であるということもできる。このCdCl2型に類似した結晶構造は、ニッケル酸リチウムを充電深度0.94まで充電したとき(Li0.06NiO2)の結晶構造と近いが、純粋なコバルト酸リチウム、またはコバルトを多く含む層状岩塩型の正極活物質では通常この結晶構造を取らないことが知られている。
層状岩塩型結晶、および岩塩型結晶の陰イオンは立方最密充填構造(面心立方格子構造)をとる。擬スピネル型結晶も、陰イオンは立方最密充填構造をとると推定される。これらが接するとき、陰イオンにより構成される立方最密充填構造の向きが揃う結晶面が存在する。ただし、層状岩塩型結晶および擬スピネル型結晶の空間群はR-3mであり、岩塩型結晶の空間群Fm-3m(一般的な岩塩型結晶の空間群)およびFd-3m(最も単純な対称性を有する岩塩型結晶の空間群)とは異なるため、上記の条件を満たす結晶面のミラー指数は層状岩塩型結晶および擬スピネル型結晶と、岩塩型結晶では異なる。本明細書では、層状岩塩型結晶、擬スピネル型結晶、および岩塩型結晶において、陰イオンにより構成される立方最密充填構造の向きが揃うとき、結晶の配向が概略一致する、と言う場合がある。
二次電池は例えば正極および負極を有する。正極を構成する材料として、正極活物質がある。正極活物質は例えば、充放電の容量に寄与する反応を行う物質である。なお、正極活物質は、その一部に、充放電の容量に寄与しない物質を含んでもよい。
本明細書等において、本発明の一態様の正極活物質は、正極材料、あるいは二次電池用正極材、等と表現される場合がある。また本明細書等において、本発明の一態様の正極活物質は、化合物を有することが好ましい。また本明細書等において、本発明の一態様の正極活物質は、組成物を有することが好ましい。また本明細書等において、本発明の一態様の正極活物質は、複合体を有することが好ましい。
(実施の形態1)
本実施の形態は、本発明の一態様の二次電池の一例について説明する。
二次電池において、充電電圧を高めることにより、放電容量を増大させることができる。またエネルギー密度を高めることもできる。
一方、二次電池は、充電電圧を高くすると、充放電サイクルに伴う容量の低下が顕著に生じる場合がある。高い充電電圧では例えば、正極活物質の結晶構造が不安定になる場合がある。
例えば、正極活物質としてキャリアイオンとなる金属(以下、金属A)を有する材料を用いる場合を考える。充電反応に伴い、正極活物質から金属Aが脱離する。充電電圧を高くするのに伴い、正極活物質から多量の金属Aが脱離し、正極活物質の結晶構造が大きく変化する場合がある。金属Aの挿入脱離に伴う結晶構造の変化が不可逆である場合には、徐々に結晶構造が崩れ、充放電サイクルに伴う容量の低下が顕著に生じる場合がある。
本発明の一態様の正極活物質を用いた二次電池は、高い充電電圧において、繰り返し充電を行っても、結晶構造の崩れを抑制し、充放電サイクルに伴う容量の低下を抑制することができる。
また、後述する実施例に示す通り、本発明の一態様の正極活物質を用いた二次電池において、正極として本発明の一態様の正極活物質を有する正極を用い、さらに、電解液の主溶媒としてイオン液体を用いることにより、充放電サイクルに伴う容量の低下をさらに抑制し、顕著に優れた二次電池の特性が実現されることが見いだされた。
イオン液体はカチオンおよびアニオンの組み合わせからなる塩である。イオン液体は常温溶融塩と呼ばれる場合がある。
イオン液体は、揮発性、引火性が低く、広い温度範囲において安定である。高温においても揮発しづらいため、電解液からのガスの発生による二次電池の膨張を抑制することができる。よって、高温においても二次電池の動作が安定である。また、引火性が低く、難燃性である。
イオン液体を用いることにより、高温での使用が可能であり、安全性の高い二次電池を実現することができる。
例えばジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の有機溶媒においては、その沸点は150℃より低く、揮発性が高いため、高温での使用によりガスが発生し、二次電池の外装体が膨張する場合がある。また、有機溶媒は、50℃以下に引火点を有する場合がある。
一方、イオン液体は揮発性が低く、分解等の反応が生じる温度よりも低い温度、例えば300℃程度までは極めて安定であるといえる。
このように、イオン液体は高温においても安定であることがわかる。一方、二次電池を構成する他の要素、例えば正極活物質、負極活物質、外装体、等が高温において変化する場合、特に不可逆的な変化をする場合には、二次電池の顕著な容量低下を招く場合がある。
例えば、高温における充電により正極活物質を構成する材料の結晶構造に不可逆的な変化が生じる場合には、二次電池において、劣化が顕著に生じる。例えば、充放電のサイクルに伴う容量の低下が顕著に生じる場合がある。温度が高く、加えて充電電圧が高い場合には、正極の結晶構造はさらに不安定になる場合がある。
本発明の一態様の二次電池においては、高い充電電圧、および高い温度において結晶構造が極めて安定な正極活物質を用いることにより、温度が高く、加えて充電電圧が高い場合においても、優れた特性を実現することができ、イオン液体の効果を充分に発揮することができる。すなわち、本発明の一態様の二次電池の構成を用いることにより得られる顕著な特性向上は、本発明の一態様の正極活物質との組み合わせにより見いだされるものである。
また、本発明の一態様の正極活物質は、後述する通り、元素Xを有することが好ましく、元素Xに加えてハロゲンを有することが好ましい。本発明の一態様の正極活物質が元素X、あるいは元素Xに加えてハロゲンを有することにより、正極活物質表面におけるイオン液体との反応の抑制が示唆される。上述の通り、イオン液体は高温においても極めて安定である。一方、本発明の一態様の二次電池においては、反応電位の幅が極めて広い。そのように広い反応電位においては、活物質表面においてイオン液体との反応が懸念される場合があり、本発明の一態様の正極活物質を用いることにより、イオン液体との反応を抑制し、さらに安定な二次電池の実現が示唆される。
本発明の一態様の二次電池の構成を用いることにより例えば、充電の上限電圧を高くしても、繰り返し充電を行うことが可能な二次電池を実現することができる。例えば、充電の上限電圧を好ましくは4.45V以上、より好ましくは4.47V以上、さらに好ましくは4.49V以上、例えば4.5V程度として、繰り返し充電を行うことが可能な二次電池を実現することができる。また、本発明の一態様の二次電池の構成を用いることにより、充電の上限電圧を高くしても放電容量の低下を顕著に抑制することができる。
本発明の一態様の二次電池の構成において、充電における温度がt(1)[℃]以上t(2)[℃]未満の範囲である場合には充電の上限電圧をv(1)[V]とし、充電における温度がt(2)[℃]以上である場合には充電の上限電圧をv(2)[V]とすることが好ましい。ここで、t(1)は5以上15以下の値であることが好ましく、t(2)は25以上55未満の値であることが好ましい。またv(1)はv(2)よりも0.02以上大きな値であることが好ましく、v(1)は4.45以上4.6以下の値であることが好ましい。
本発明の一態様の二次電池の構成を用いることにより例えば、42℃以上の高温においても、高い充電電圧において、繰り返し充電を行うことが可能な二次電池を実現することができる。例えば、環境温度を42℃以上とし、充電の上限電圧を好ましくは4.37V以上、より好ましくは4.40V以上、さらに好ましくは4.42V以上、さらに好ましくは4.44V以上、例えば4.45V程度として、繰り返し充電を行うことが可能な二次電池を実現することができる。
また、さらに高い温度においても、優れた二次電池を実現することができる。例えば、42℃以上200℃以下、あるいは42℃以上180℃以下、あるいは42℃以上150℃以下、あるいは42℃以上120℃以下、あるいは42℃以上100℃以下、あるいは42℃以上90℃以下において安定に動作する二次電池が実現できる場合がある。
本発明の一態様の二次電池は例えば、累積57000mAh/gの電荷量の放電を行った後の放電容量が、160mAh/g以上である。ここで例えば、放電容量は0.2Cにおいて測定されることが好ましい。また、累積の電荷量および放電容量は、正極活物質重量あたりで算出することが好ましい。
また、本発明の一態様の二次電池は例えば、25℃において、充電電圧を4.5Vとし、300回の充電を行った後の放電容量が、160mAh/g以上である。ここで例えば、放電容量は0.2Cにおいて測定されることが好ましい。また、累積の電荷量および放電容量は、正極活物質重量あたりで算出することが好ましい。
また、本発明の一態様の二次電池は、電池制御回路と組み合わせて用いられることが好ましい。該電池制御回路は例えば、充電の制御を行う機能を有することが好ましい。充電の制御とは例えば、二次電池のパラメータを監視し、状態に合わせて充電の条件を変更することを指す。監視する二次電池のパラメータの一例としては、二次電池の電圧、電流、温度、電荷量、インピーダンス、等が挙げられる。
また、本発明の一態様の二次電池は、センサと組み合わせて用いられることが好ましい。該センサは例えば、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、および赤外線の一以上を測定することができる機能を有することが好ましい。
また、本発明の一態様の二次電池は、センサにより測定された値に応じて、充電の制御が行われることが好ましい。温度センサを用いた二次電池の制御の一例について、後述する。
[正極活物質]
以下に、本発明の一態様の二次電池に用いることが好ましい正極活物質について説明する。
<正極活物質の構造>
正極活物質は、キャリアイオンとなる金属(以降、元素A)を有することが好ましい。元素Aとして例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、およびカルシウム、ベリリウム、マグネシウム等の第2族の元素を用いることができる。
正極活物質において、充電に伴いキャリアイオンが正極活物質から脱離する。元素Aの脱離が多ければ、二次電池の容量に寄与するイオンが多く、容量が増大する。一方、元素Aの脱離が多いと、正極活物質が有する化合物の結晶構造が崩れやすくなる。正極活物質の結晶構造の崩れは、充放電サイクルに伴う放電容量の低下を招く場合がある。本発明の一態様の正極活物質が元素Xを有することにより、二次電池の充電時にキャリアイオンが脱離する際の結晶構造の崩れが抑制される場合がある。元素Xは例えば、その一部が元素Aの位置に置換される。元素Xとしてマグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、ランタン、バリウム等の元素を用いることができる。また例えば元素Xとして銅、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の元素を用いることができる。また元素Xとして上記に示す元素のうち二以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の一態様の正極活物質は、元素Xに加えてハロゲンを有することが好ましい。フッ素、塩素等のハロゲンを有することが好ましい。本発明の一態様の正極活物質が該ハロゲンを有することにより、元素Xの元素Aの位置への置換が促進される場合がある。
本発明の一態様の正極活物質が元素Xを有する場合、あるいは元素Xに加えてハロゲンを有する場合、正極活物質の表面における電気伝導度が抑制される場合がある。
また、本発明の一態様の正極活物質は、二次電池の充電および放電により価数が変化する金属(以降、元素M)を有する。元素Mは例えば、遷移金属である。本発明の一態様の正極活物質は例えば元素Mとしてコバルト、ニッケル、マンガンのうち一以上を有し、特にコバルトを有する。また、元素Mの位置に、アルミニウムなど、価数変化がなく、かつ元素Mと同じ価数をとり得る元素、より具体的には例えば三価の典型元素を有してもよい。前述の元素Xは例えば、元素Mの位置に置換されてもよい。また本発明の一態様の正極活物質が酸化物である場合には、元素Xは酸素の位置に置換されてもよい。
本発明の一態様の正極活物質として例えば、層状岩塩型結晶構造を有するリチウム複合酸化物を用いることが好ましい。より具体的には例えば層状岩塩型結晶構造を有するリチウム複合酸化物として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、ニッケル、マンガンおよびコバルトを有するリチウム複合酸化物、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを有するリチウム複合酸化物、等を用いることができる。また、これらの正極活物質は空間群R-3mで表されることが好ましい。
層状岩塩型結晶構造を有する正極活物質において、充電深度を高めると結晶構造の崩れが生じる場合がある。ここで結晶構造の崩れとは例えば層のズレである。結晶構造の崩れが不可逆な場合には、充電と放電の繰り返しに伴い二次電池の容量の低下が生じる場合がある。
本発明の一態様の正極活物質が元素Xを有することにより例えば、充電深度が深くなっても、上記の層のズレが抑制される。ズレを抑制することにより、充放電における体積の変化を小さくすることができる。よって、本発明の一態様の正極活物質は、優れたサイクル特性を実現することができる。また、本発明の一態様の正極活物質は、高電圧の充電状態において安定な結晶構造を取り得る。よって、本発明の一態様の正極活物質は、高電圧の充電状態を保持した場合において、ショートが生じづらい場合がある。そのような場合には安全性がより向上するため、好ましい。
本発明の一態様の正極活物質では、十分に放電された状態と、高電圧で充電された状態における、結晶構造の変化および同数の遷移金属原子あたりで比較した場合の体積の差が小さい。
本発明の一態様の正極活物質は化学式AMyOZ(y>0、z>0)で表わされる場合がある。例えばコバルト酸リチウムはLiCoO2で表される場合がある。また例えばニッケル酸リチウムはLiNiO2で表される場合がある。
元素Xを有する、本発明の一態様の正極活物質では、充電深度が0.8以上の場合において、空間群R-3mで表され、スピネル型結晶構造ではないものの、元素M(例えばコバルト)、元素X(例えばマグネシウム)、等のイオンが酸素6配位位置を占め、陽イオンの配列がスピネル型と似た対称性を有する場合がある。本構造を本明細書等では擬スピネル型の結晶構造と呼ぶ。なお、擬スピネル型の結晶構造は、リチウムなどの軽元素は酸素4配位位置を占める場合があり、この場合もイオンの配列がスピネル型と似た対称性を有する。
充電に伴うキャリアイオンの脱離により、正極活物質の構造は不安定となる。擬スピネル型結晶構造は、キャリアイオンが脱離したにもかかわらず、高い安定性を保つことができる構造である、といえる。
本発明の充電深度が高い場合において、擬スピネル型構造を有する正極活物質を二次電池に用いることにより、例えばリチウム金属の電位を基準として4.57V以上4.65V未満、あるいは4.59V以上4.63未満、例えば4.6V程度の電圧において、正極活物質の構造が安定であり、充放電による容量低下を抑制することができる。なお、二次電池において例えば負極活物質として黒鉛を用いる場合には、例えば二次電池の電圧が好ましくは4.45V以上4.6V以下、より好ましくは4.47V以上4.55V未満、さらに好ましくは4.49V以上4.53V未満、例えば4.5V程度において、正極活物質の構造が安定であり、充放電による容量低下を抑制することができる。
また擬スピネル型の結晶構造は、層間にランダムにLiを有するもののCdCl2型の結晶構造に類似する結晶構造であるということもできる。このCdCl2型に類似した結晶構造は、ニッケル酸リチウムを充電深度0.94まで充電したとき(Li0.06NiO2)の結晶構造と近いが、純粋なコバルト酸リチウム、またはコバルトを多く含む層状岩塩型の正極活物質では通常この結晶構造を取らないことが知られている。
層状岩塩型結晶、および岩塩型結晶の陰イオンは立方最密充填構造(面心立方格子構造)をとる。擬スピネル型結晶も、陰イオンは立方最密充填構造をとると推定される。これらが接するとき、陰イオンにより構成される立方最密充填構造の向きが揃う結晶面が存在する。ただし、層状岩塩型結晶および擬スピネル型結晶の空間群はR-3mであり、岩塩型結晶の空間群Fm-3m(一般的な岩塩型結晶の空間群)およびFd-3m(最も単純な対称性を有する岩塩型結晶の空間群)とは異なるため、上記の条件を満たす結晶面のミラー指数は層状岩塩型結晶および擬スピネル型結晶と、岩塩型結晶では異なる。本明細書では、層状岩塩型結晶、擬スピネル型結晶、および岩塩型結晶において、陰イオンにより構成される立方最密充填構造の向きが揃うとき、結晶の配向が概略一致する、と言う場合がある。
擬スピネル型の結晶構造は、ユニットセルにおけるコバルトと酸素の座標を、Co(0,0,0.5)、O(0,0,x)、0.20≦x≦0.25の範囲内で示すことができる。
本発明の一態様の正極活物質において、充電深度0の体積におけるユニットセルの体積と、充電深度0.82の擬スピネル型結晶構造のユニットセルあたりの体積の差は2.5%以下が好ましく、2.2%以下がさらに好ましい。
擬スピネル型の結晶構造では、2θ=19.30±0.20°(19.10°以上19.50°以下)、および2θ=45.55±0.10°(45.45°以上45.65°以下)に回折ピークが出現する。より詳しく述べれば、2θ=19.30±0.10°(19.20°以上19.40°以下)、および2θ=45.55±0.05°(45.50°以上45.60以下)に鋭い回折ピークが出現する。
なお、本発明の一態様の正極活物質は高電圧で充電したとき擬スピネル型の結晶構造を有するが、粒子のすべてが擬スピネル型の結晶構造でなくてもよい。他の結晶構造を含んでいてもよいし、一部が非晶質であってもよい。ただし、XRDパターンについてリートベルト解析を行ったとき、擬スピネル型の結晶構造が50wt%以上であることが好ましく、60wt%以上であることがより好ましく、66wt%以上であることがさらに好ましい。擬スピネル型の結晶構造が50wt%以上、より好ましくは60wt%以上、さらに好ましくは66wt%以上あれば、十分にサイクル特性に優れた正極活物質とすることができる。
元素Xの原子数は、元素Mの原子数の0.001倍以上0.1倍以下が好ましく、0.01より大きく0.04未満がより好ましく、0.02程度がさらに好ましい。ここで示す元素Xの濃度は例えば、ICP-MS等を用いて正極活物質の粒子全体の元素分析を行った値であってもよいし、正極活物質の作製の過程における原料の配合の値に基づいてもよい。
元素Mとしてコバルトおよびニッケルを有する場合には、コバルトとニッケルの原子数の和(Co+Ni)に占める、ニッケルの原子数(Ni)の割合Ni/(Co+Ni)が、0.1未満であることが好ましく、0.075以下であることがより好ましい。
本発明の一態様の正極活物質は、上記に挙げた材料に限られない。
正極活物質として例えば、スピネル型結晶構造を有する複合酸化物等を用いることができる。また、正極活物質として例えば、ポリアニオン系の材料を用いることができる。ポリアニオン系の材料として例えば、オリビン型の結晶構造を有する材料、ナシコン型の材料、等が挙げられる。また、正極活物質として例えば、硫黄を有する材料を用いることができる。
スピネル型の結晶構造を有する材料として例えば、LiM2O4で表される複合酸化物を用いることができる。元素MとしてMnを有することが好ましい。例えば、LiMn2O4を用いることができる。また元素Mとして、Mnに加えてNiを有することにより、二次電池の放電電圧が向上し、エネルギー密度が向上する場合があり、好ましい。また、LiMn2O4等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有するリチウム含有材料に、少量のニッケル酸リチウム(LiNiO2やLiNi1-xMxO2(M=Co、Al等))を混合することにより、二次電池の特性を向上させることができ好ましい。
ポリアニオン系の材料として例えば、酸素と、金属Aと、金属Mと、元素Zと、を有する複合酸化物を用いることができる。金属AはLi、Na、Mgの一以上であり、金属MはFe、Mn、Co、Ni、Ti、V、Nbの一以上であり、元素ZはS、P、Mo、W、As、Siの一以上である。
オリビン型の結晶構造を有する材料として例えば、複合材料(一般式LiMPO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPO4の代表例としては、LiFePO4、LiNiPO4、LiCoPO4、LiMnPO4、LiFeaNibPO4、LiFeaCobPO4、LiFeaMnbPO4、LiNiaCobPO4、LiNiaMnbPO4(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFecNidCoePO4、LiFecNidMnePO4、LiNicCodMnePO4(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFefNigCohMniPO4(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム化合物を用いることができる。
また、一般式Li(2-j)MSiO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等の複合材料を用いることができる。一般式Li(2-j)MSiO4の代表例としては、Li(2-j)FeSiO4、Li(2-j)NiSiO4、Li(2-j)CoSiO4、Li(2-j)MnSiO4、Li(2-j)FekNilSiO4、Li(2-j)FekColSiO4、Li(2-j)FekMnlSiO4、Li(2-j)NikColSiO4、Li(2-j)NikMnlSiO4(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2-j)FemNinCoqSiO4、Li(2-j)FemNinMnqSiO4、Li(2-j)NimConMnqSiO4(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2-j)FerNisCotMnuSiO4(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
また、AxM2(XO4)3(A=Li、Na、Mg、M=Fe、Mn、Ti、V、Nb、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe2(MnO4)3、Fe2(SO4)3、Li3Fe2(PO4)3等がある。また、正極活物質として、Li2MPO4F、Li2MP2O7、Li5MO4(M=Fe、Mn)の一般式で表される化合物を用いることができる。
また、正極活物質として、NaFeF3、FeF3等のペロブスカイト型フッ化物、TiS2、MoS2等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO4等の逆スピネル型の結晶構造を有する酸化物、バナジウム酸化物系(V2O5、V6O13、LiV3O8等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いてもよい。
また、正極活物質として、一般式LiMBO3(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II))で表されるホウ酸塩系材料を用いてもよい。
ナトリウムを有する材料として例えば、NaFeO2や、Na2/3[Fe1/2Mn1/2]O2、Na2/3[Ni1/3Mn2/3]O2、Na2Fe2(SO4)3、Na3V2(PO4)3、Na2FePO4F、NaVPO4F、NaMPO4(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II))、Na2FePO4F、Na4Co3(PO4)2P2O7、などのナトリウム含有酸化物を正極活物質として用いてもよい。
また、正極活物質として、リチウム含有金属硫化物を用いてもよい。例えば、Li2TiS3、Li3NbS4などが挙げられる。
本発明の一態様の正極活物質として、上記に挙げる材料のうち、二以上を混合して用いてもよい。
一般的な二次電池において、充電電圧が高くなるのに伴い、正極活物質の構造が不安定となり、正極活物質が有する元素Mが電解液中に溶出する場合がある。元素Mが電解液中に溶出することにより例えば、正極の容量が低下してしまう場合がある。正極の容量の低下は、二次電池の容量の低下を招く。また、電解液中に溶出した元素Mが、二次電池の負極の表面に析出する場合がある。析出した元素Mの負極の反応の阻害は、二次電池の容量の低下を招く。
本発明の一態様の正極活物質を用いた二次電池では、高い充電電圧においても正極活物質の構造が安定であるため、正極活物質が有する元素Mの電解液中への溶出を抑制することができる。
[電解液]
本発明の一態様の二次電池は、電解液を有することが好ましい。本発明の一態様の二次電池が有する電解液は、イオン液体と、キャリアイオンとなる金属を含む塩と、を有することが好ましい。
キャリアイオンとなる金属がリチウムである場合には、キャリアイオンとなる金属を含む塩として例えば、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)、LiN(C2F5SO2)2、LiC(FSO2)3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiAsF6、LiBF4、LiAlCl4、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li2B10Cl10、Li2B12Cl12、LiPF6、LiClO4等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いることができる。
特にフルオロスルホン酸アニオン、フルオロアルキルスルホン酸アニオンとの金属塩が好ましい場合があり、なかでも(CnF2n+1SO2)2N-(n=0以上3以下)で表されるアミド系アニオンとの金属塩は高温における安定性が高い上に酸化還元耐性も高く、好ましい場合がある。
イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解液に用いる有機カチオンとして、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンや、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、および四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンが挙げられる。また、電解液に用いるアニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、パーフルオロアルキルボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、またはパーフルオロアルキルホスフェートアニオン等が挙げられる。
また、電解液はイオン液体に加えて例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、DEC、EMC、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合した非プロトン性溶媒を有してもよい。
また、電解液にビニレンカーボネート(VC)、プロパンスルトン(PS)、tert-ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、スクシノニトリル、アジポニトリル、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル等のジニトリル化合物などの添加剤を添加してもよい。添加する材料の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1wt%以上5wt%以下とすればよい。
イミダゾリウムカチオンを有するイオン液体として例えば、下記一般式(G1)で表されるイオン液体を用いることができる。一般式(G1)中において、R1は、炭素数が1以上4以下のアルキル基を表し、R2乃至R4は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数が1以上4以下のアルキル基を表し、R5は、アルキル基、または、C、O、Si、N、S、Pの原子から選択された2つ以上で構成される主鎖を表す。また、R5の主鎖に置換基が導入されていてもよい。導入される置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。
ピリジニウムカチオンを有するイオン液体として例えば、下記一般式(G2)で表されるイオン液体を用いてもよい。一般式(G2)中において、R6は、アルキル基、または、C、O、Si、N、S、Pの原子から選択された2つ以上で構成される主鎖を表し、R7乃至R11は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数が1以上4以下のアルキル基を表す。また、R6の主鎖に置換基が導入されていてもよい。導入される置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。
四級アンモニウムカチオンを有するイオン液体として例えば、下記一般式(G3)、(G4)、(G5)および(G6)で表されるイオン液体を用いることができる。
一般式(G3)中、R28乃至R31は、それぞれ独立に、炭素数が1以上20以下のアルキル基、メトキシ基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、または水素原子のいずれかを表す。
一般式(G4)中、R12乃至R17は、それぞれ独立に、炭素数が1以上20以下のアルキル基、メトキシ基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、または水素原子のいずれかを表す。
一般式(G5)中、R18乃至R24は、それぞれ独立に、炭素数が1以上20以下のアルキル基、メトキシ基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、または水素原子のいずれかを表す。
一般式(G6)中、n及びmは1以上3以下である。αは0以上6以下とし、nが1の場合αは0以上4以下であり、nが2の場合αは0以上5以下であり、nが3の場合αは0以上6以下である。βは0以上6以下とし、mが1の場合βは0以上4以下であり、mが2の場合βは0以上5以下であり、mが3の場合βは0以上6以下である。なお、αまたはβが0であるとは、無置換であることを表す。また、αとβが共に0である場合は除くものとする。X又はYは、置換基として炭素数が1以上4以下の直鎖状若しくは側鎖状のアルキル基、炭素数が1以上4以下の直鎖状若しくは側鎖状のアルコキシ基、又は炭素数が1以上4以下の直鎖状若しくは側鎖状のアルコキシアルキル基を表す。
三級スルホニウムカチオンを有するイオン液体として例えば、下記一般式(G7)で表されるイオン液体を用いることができる。一般式(G7)中において、R25乃至R27は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数が1以上4以下のアルキル基、またはフェニル基、を表す。または、R25乃至R27として、C、O、Si、N、S、Pの原子から選択された2つ以上で構成される主鎖を用いてもよい。
四級ホスホニウムカチオンを有するイオン液体として例えば、下記一般式(G8)で表されるイオン液体を用いることができる。一般式(G8)中において、R32乃至R35は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数が1以上4以下のアルキル基、またはフェニル基、を表す。または、R32乃至R35として、C、O、Si、N、S、Pの原子から選択された2つ以上で構成される主鎖を用いてもよい。
一般式(G1)乃至(G8)に示すA-として、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、パーフルオロアルキルボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、およびパーフルオロアルキルホスフェートアニオン等の一以上を用いることができる。
1価のアミド系アニオンとしては、(CnF2n+1SO2)2N-(n=0以上3以下)、1価の環状のアミド系アニオンとしては、(CF2SO2)2N-などを用いることができる。1価のメチド系アニオンとしては、(CnF2n+1SO2)3C-(n=0以上3以下)、1価の環状のメチド系アニオンとしては、(CF2SO2)2C-(CF3SO2)などを用いることができる。フルオロアルキルスルホン酸アニオンとしては、(CmF2m+1SO3)-(m=0以上4以下)などが挙げられる。フルオロアルキルボレートアニオンとしては、{BFn(CmHkF2m+1-k)4-n}-(n=0以上3以下、m=1以上4以下、k=0以上2m以下)などが挙げられる。フルオロアルキルホスフェートアニオンとしては、{PFn(CmHkF2m+1-k)6-n}-(n=0以上5以下、m=1以上4以下、k=0以上2m以下)などが挙げられる。
また、一価のアミド系アニオンとして例えば、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオンおよびビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドアニオンの一以上を用いることができる。
また、イオン液体は、ヘキフルオロホスフェートアニオンおよびテトラフルオロボレートアニオンの一以上を有してもよい。
以降、(FSO2)2N-で表されるアニオンをFSAアニオン、(CF3SO2)2N-で表されるアニオンをTFSAアニオンと表す場合がある。
上記一般式(G1)のカチオンの具体例として、例えば構造式(111)乃至構造式(174)が挙げられる。
上記一般式(G2)のカチオンの具体例として、例えば構造式(701)乃至構造式(719)が挙げられる。
上記一般式(G4)のカチオンの具体例として、例えば構造式(501)乃至構造式(520)が挙げられる。
上記一般式(G5)のカチオンの具体例として、例えば構造式(601)乃至構造式(630)が挙げられる。
上記一般式(G6)のカチオンの具体例として、例えば構造式(301)乃至構造式(309)、および構造式(401)乃至構造式(419)が挙げられる。
また、構造式(301)乃至構造式(309)、および構造式(401)乃至構造式(419)には、一般式(G6)において、mが1の例を示すが、構造式(301)乃至構造式(309)、および構造式(401)乃至構造式(419)において、mを2、あるいは3に替えても構わない。
また、上記一般式(G7)のカチオンの具体例として、例えば構造式(201)乃至構造式(215)が挙げられる。
本発明の一態様の二次電池においては、本発明の一態様の正極活物質を用い、かつ、電解液が上記に示すイオン液体を有することにより、高い充電電圧において二次電池を繰り返し使用する場合においても、容量の低下を抑制し、顕著に優れた特性を実現することができる。
[負極活物質]
二次電池の負極活物質として、キャリアイオンの挿入脱離により充放電反応を行うことが可能な材料、およびキャリアイオンとなる金属Aとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な材料、等を用いることができる。
負極材料として、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等の炭素系材料を用いることができる。
黒鉛としては、人造黒鉛や、天然黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛としては例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等が挙げられる。ここで人造黒鉛として、球状の形状を有する球状黒鉛を用いることができる。例えば、MCMBは球状の形状を有する場合があり、好ましい。また、MCMBはその表面積を小さくすることが比較的容易であり、好ましい場合がある。天然黒鉛としては例えば、鱗片状黒鉛、球状化天然黒鉛等が挙げられる。
黒鉛は、リチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム-黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に低い電位を示す(0.05V以上0.3V以下 vs.Li/Li+)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。すなわち例えば、リチウムイオン二次電池の充電電圧を高めることができる。よって、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を高めることができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が比較的小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
また、負極活物質として例えば、シリコン、スズ、ガリウム、アルミニウム、ゲルマニウム、鉛、アンチモン、ビスマス、銀、亜鉛、カドミウム、インジウム等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。また、これらの元素を有する化合物を用いてもよい。例えば、SiO、Mg2Si、Mg2Ge、SnO、SnO2、Mg2Sn、SnS2、V2Sn3、FeSn2、CoSn2、Ni3Sn2、Cu6Sn5、Ag3Sn、Ag3Sb、Ni2MnSb、CeSb3、LaSn3、La3Co2Sn7、CoSb3、InSb、SbSn等がある。ここで、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な元素、および該元素を有する化合物等を合金系材料と呼ぶ場合がある。
本明細書等において、SiOは例えば一酸化シリコンを指す。あるいはSiOは、SiOxと表すこともできる。ここでxは1近傍の値を有することが好ましい。あるいは、xは例えば、0.2以上1.5以下が好ましく、0.3以上1.2以下がより好ましい。
また、負極活物質として、二酸化チタン(TiO2)、リチウムチタン酸化物(Li4Ti5O12)、リチウム-黒鉛層間化合物(LixC6)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タングステン(WO2)、酸化モリブデン(MoO2)等の酸化物を用いることができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、Li3N型構造をもつLi3-xMxN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4N3は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm3)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV2O5、Cr3O8等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムとの合金を作らない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe2O3、CuO、Cu2O、RuO2、Cr2O3等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn3N2、Cu3N、Ge3N4等の窒化物、NiP2、FeP2、CoP3等のリン化物、FeF3、BiF3等のフッ化物でも起こる。
一般的な二次電池において、電解液中に正極活物質が有する元素Mが電解液中に溶出し、負極表面に析出する場合がある。析出した元素Mの負極の反応の阻害は、二次電池の容量の低下を招く。
例えば負極活物質として黒鉛を用いる場合を考える。黒鉛は電池反応において、層間へキャリアイオンが挿入、および脱離する。例えば黒鉛粒子の表面のうち、層の断面が露出する領域においてキャリアイオンの挿入および脱離が生じる。粒子の表面の特定の領域においてのみ効率よく電池反応が生じるため、例えば、粒子表面への元素Mの析出の影響をより顕著に受けやすいことが示唆される。
本発明の一態様の正極活物質を用いた二次電池では、前述の通り、正極活物質が有する元素Mの電解液中への溶出を抑制することができる。よって例えば負極活物質として黒鉛を用いる場合においても、高い充電電圧で繰り返し二次電池を使用しても、高い電池容量を維持することができる。
また、イオン液体を用いることにより、充放電に伴う黒鉛の劣化が抑制される可能性がある。
また、本発明の一態様の二次電池において、電解液が有するキャリアイオンの濃度を高めることにより、黒鉛へのカチオンへの挿入が抑制され、二次電池の寿命が長くなる場合がある。
イオン液体を有する電解液において、電解液が有するキャリアイオンとしてリチウムイオンを用いる場合には例えば、リチウム塩の濃度は0.8mol/L以上が好ましく、1mol/L以上2.5mol/L以下がより好ましく、1.2mol/L以上2mol/L未満がさらに好ましい。
[二次電池の例]
図1に、蓄電装置の一例として、フィルム状の外装体を用いた二次電池を示す。フィルム状の外装体を用いた二次電池は、可撓性を有する構成とすれば、可撓性を有する部位を少なくとも一部有する電子機器に実装すれば、電子機器の変形に合わせて二次電池も曲げることもできる。
図1はフィルム状の外装体を用いた二次電池として、二次電池500の外観図を示す。また、図2Aおよび図2Bは、図1に一点鎖線で示すA1-A2断面およびB1-B2断面を示す。二次電池500は、正極集電体501および正極活物質層502を有する正極503と、負極集電体504および負極活物質層505を有する負極506と、セパレータ507と、電解液508と、外装体509と、を有する。外装体509内に設けられた正極503と負極506との間にセパレータ507が設置されている。また、外装体509内は、電解液508で満たされている。
図1および図2に示す二次電池500において、正極リード電極510は正極503が有する正極集電体501と、負極リード電極511は負極506が有する負極集電体504と、それぞれ超音波接合される。また、外部との電気的接触を得る端子の役割を正極集電体501および負極集電体504で兼ねることもできる。その場合は、リード電極を用いずに、正極集電体501および負極集電体504の一部を外装体509から外側に露出するように配置してもよい。
また、図1では正極リード電極510と負極リード電極511は同じ辺に配置されているが、図3に示すように、正極リード電極510と負極リード電極511を異なる辺に配置してもよい。このように、本発明の一態様の二次電池は、リード電極を自由に配置することができるため、設計自由度が高い。よって、本発明の一態様の二次電池を用いた製品の設計自由度を高めることができる。また、本発明の一態様の二次電池を用いた製品の生産性を高めることができる。
<外装体>
二次電池500において、外装体509には例えば、金属薄膜の両面にポリマー層等が被覆されたフィルムを用いることができる。より具体的には例えば、金属薄膜として、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を用い、外装体の内面となる面に第1のポリマー層を設け、外装体の外面となる面に第2のポリマー層を設け、第1のポリマー層、第1のポリマー層上の金属薄膜、金属薄膜上の第2のポリマー層、の三層構造のフィルムを用いることができる。第1のポリマー層および第2のポリマー層は、絶縁性合成樹脂膜であることが好ましい。また、第1のポリマー層および第2のポリマー層として、熱可塑性樹脂を用いることができ、特に第1のポリマー層に熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
第1のポリマー層および第2のポリマー層として、イオン液体との反応を抑制する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド、ポリエステル、等の材料からなる膜を用いることができる。ポリアミドとして例えばナイロンを用いることができる。
また図2では、一例として、向かい合う正極活物質層と負極活物質層の組の数を5組としているが、勿論、電極の組は5組に限定されず、多くてもよいし、少なくてもよい。電極層数が多い場合には、より多くの容量を有する二次電池とすることができる。また、電極層数が少ない場合には、薄型化でき、可撓性に優れた二次電池とすることができる。
上記構成において、二次電池の外装体509は、最小の曲率半径が例えば、3mm以上30mm以下、より好ましくは3mm以上10mm以下となるように変形することができる。二次電池の外装体であるフィルムは、1枚または2枚で構成されており、積層構造の二次電池である場合、湾曲させた電池の断面構造は、外装体であるフィルムの2つの曲線で挟まれた構造となる。
[二次電池の作製方法の例]
次に二次電池の作製方法の一例について説明する。
まず、負極506、セパレータ507及び正極503を積層する。図4Aは正極503及び負極506の外観図を示す。正極503は正極集電体501を有し、正極活物質層502は正極集電体501の表面に形成されている。また、正極503は正極集電体501が一部露出する領域(以下、タブ領域という)を有する。負極506は負極集電体504を有し、負極活物質層505は負極集電体504の表面に形成されている。また、負極506は負極集電体504が一部露出する領域、すなわちタブ領域を有する。正極及び負極が有するタブ領域の面積や形状は、図4Aに示す例に限られない。
図4Bには、積層された負極506、セパレータ507及び正極503を示す。ここでは負極を5組、正極を4組使用する例を示す。次に、正極503のタブ領域同士の接合と、最表面の正極のタブ領域への正極リード電極510の接合を行う。接合には、例えば超音波溶接等を用いればよい。同様に、負極506のタブ領域同士の接合と、最表面の負極のタブ領域への負極リード電極511の接合を行う。
次に外装体509上に、負極506、セパレータ507及び正極503を配置する。
次に、図4Cに示すように、外装体509を破線で示した部分で折り曲げる。その後、外装体509の外周部を接合する。接合には例えば熱圧着等を用いればよい。この時、後に電解液508を入れることができるように、外装体509の一部(または一辺)に接合されない領域(以下、導入口という)を設ける。
次に、外装体509に設けられた導入口から、電解液508(図示しない。)を外装体509の内側へ導入する。例えば図5Aに示すように、外装体509において、第1の辺に沿う封止部521と、第2の辺に沿う封止部522を封止し、第3の辺の封止は行わない。ここで封止部522において、正極リード電極510と外装体509との間、および負極リード電極511と外装体509との間にそれぞれ、接合層を挟んで、外装体509の封止を行ってもよい。次に、第3の辺に位置する開口部から、電解液508を導入する。その後、図5Bに示すように、第3の辺に沿う封止部523を封止する。電解液508の導入は、減圧雰囲気下、或いは不活性雰囲気下で行うことが好ましい。そして最後に、導入口を接合する。このようにして、ラミネート型の二次電池500を作製することができる。
次に、二次電池を作製した後のエージングについて説明する。二次電池を作製した後に、エージングを行うことが好ましい。エージング条件の一例について以下に説明する。まず初めに0.001C以上0.2C以下のレートで充電を行う。温度は例えば室温以上、50℃以下とすればよい。ここで、正極や負極の反応電位が電解液508の電位窓の範囲を超える場合には、二次電池の充放電により電解液の分解が生じる場合がある。電解液の分解によりガスが発生した場合には、そのガスがセル内にたまると、電解液が電極表面と接することができない領域が発生してしまう。つまり電極の実効的な反応面積が減少し、実効的な抵抗が高くなることに相当する。
また、過度に抵抗が高くなると、負極電位が下がることによって、黒鉛へのリチウム挿入が起こると同時に、黒鉛表面へのリチウム析出も生じてしまう。このリチウム析出は容量の低下を招く場合がある。例えば、リチウムが析出した後、表面に被膜等が成長してしまうと、表面に析出したリチウムが再溶出できなくなり、容量に寄与しないリチウムが増えてしまう。また、析出したリチウムが物理的に崩落し、電極との導通を失った場合にも、やはり容量に寄与しないリチウムが生じてしまう。よって、負極電極の電位が充電電圧上昇によりリチウム電位まで到達する前に、ガスを抜くことが好ましい。
また、ガス抜きを行った後に、室温よりも高い温度、好ましくは30℃以上60℃以下、より好ましくは35℃以上50℃以下において、例えば1時間以上100時間以下、充電状態で保持してもよい。初めに行う充電の際に、表面で分解した電解液は黒鉛の表面に被膜を形成する。よって、例えばガス抜き後に室温よりも高い温度で保持することにより、形成された被膜が緻密化する場合も考えられる。
[正極、負極およびセパレータの積層例]
次に、正極、負極およびセパレータの積層の様々な例を示す。
図6Aに示す構成では、1枚のセパレータ123が正極活物質層122と負極活物質層126の間に挟まれるように複数回折り返されている。図6Aに示す構成では、正極111において正極活物質層122は正極集電体121の両面、または片面に設けられ、負極115において負極活物質層126は負極集電体125の両面、または片面に設けられる。図6Aに示す構成では、6組の正極活物質層122と負極活物質層126がセパレータ123を挟んで向かい合っており、セパレータ123を少なくとも5回以上折り返すことが好ましい。また、セパレータ123は、正極活物質層122と負極活物質層126の間に挟まれるように設けるだけでなく、延長して複数の正極111と負極115を一まとめに結束するようにしてもよい。
図6Dは、捲回したセパレータ複数の電極組立体が覆われる例を示す。図6Bは第1の電極組立体130、図6Cは第2の電極組立体131の断面図である。図6Dは、図1の一点破線A1-A2における断面図である。なお、図6Dでは図を明瞭にするため、第1の電極組立体130、第2の電極組立体131およびセパレータ123を抜粋して示す。
図6Bに示すように、第1の電極組立体130では、正極集電体121の両面に正極活物質層122を有する正極111a、セパレータ123、負極集電体125の両面に負極活物質層126を有する負極115a、セパレータ123、正極集電体121の両面に正極活物質層122を有する正極111aがこの順に積層されている。また図6Cに示すように、第2の電極組立体131では、負極集電体125の両面に負極活物質層126を有する負極115a、セパレータ123、正極集電体121の両面に正極活物質層122を有する正極111a、セパレータ123、負極集電体125の両面に負極活物質層126を有する負極115aがこの順に積層されている。
図6Dに示すように、二次電池500は、複数の第1の電極組立体130および複数の第2の電極組立体131を有する。さらに図6Dに示すように、複数の第1の電極組立体130および複数の第2の電極組立体131は、捲回したセパレータ123によって覆われている。
[二次電池の例2]
図7Aに示す捲回体950は、負極931と、正極932と、セパレータ933と、を有する。捲回体950は、セパレータ933を挟んで負極931と、正極932が重なり合って積層され、該積層シートを捲回させた捲回体である。なお、負極931と、正極932と、セパレータ933と、の積層を、さらに複数重ねてもよい。負極931、正極932およびセパレータ933からなる積層の積層数は、必要な容量と素子体積に応じて適宜設計すればよい。
図7Bに示すように、外装体となるフィルム981と、凹部を有するフィルム982とを熱圧着などにより貼り合わせて形成される空間に上述した捲回体950を収納することで、図7Cに示す二次電池913を作製することができる。捲回体950は、端子951および端子952を有し、フィルム981と、凹部を有するフィルム982との内部で電解液に含浸される。端子951および端子952は例えば、リード電極である。
フィルム981と、凹部を有するフィルム982には、外装体509として述べた材料、および形態等を用いることができる。
また、図7Bおよび図7Cでは2枚のフィルムを用いる例を示しているが、1枚のフィルムを折り曲げることによって空間を形成し、その空間に上述した捲回体950を収納してもよい。
また、図8には、筐体930として角柱型のケースを用いる例を示す。筐体930として例えば角柱型の缶を用いることができる。また、筐体930は例えば、円柱等の形状を有してもよい。缶については例えば、後述する電池缶に関する記載を参照することができる。
捲回体950は、筐体930の内部で電解液に含浸される。端子952は、筐体930に接し、端子951は、絶縁材などを用いることにより筐体930に接していない。なお、図8では、便宜のため、筐体930を分離して図示しているが、実際は、捲回体950が筐体930に覆われ、端子951及び端子952が筐体930の外に延在している。筐体930としては、金属材料(例えばアルミニウムなど)又は樹脂材料を用いることができる。
[電池パックの例1]
図9A及び図9Bは、電池パックの外観図を示す図である。電池パックは、回路基板900および二次電池913を有する。二次電池913には、ラベル910が貼られている。さらに、図9Bに示すように、二次電池913は、端子951と、端子952を有する。また回路基板900は、シール915で固定されている。
回路基板900は、端子911と、電池制御回路912と、を有する。端子911は、回路基板900を介して、端子951、端子952、アンテナ914、及び電池制御回路912に接続される。なお、端子911を複数設けて、複数の端子911のそれぞれを、制御信号入力端子、電源端子などとしてもよい。
電池制御回路912は、回路基板900の裏面に設けられていてもよい。なお、アンテナ914は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ914は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ914を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
電池パックは、アンテナ914と、二次電池913との間に層916を有する。層916は、例えば二次電池913による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層916としては、例えば磁性体を用いることができる。
また、電池パックは、温度センサを有することが好ましい。
<電池制御回路>
電池制御回路912は、電池制御回路として用いることができる。電池制御回路912は充電制御回路を有することが好ましい。また、電池制御回路912はスイッチを有する。該スイッチは例えばトランジスタを用いて構成することができる。
二次電池913の端子951に接続され、二次電池913から出力される電力を伝送する第1の伝送路は、電池制御回路912が有する充電制御回路の端子と電気的に接続される。また、二次電池913の端子952に接続されている第2の伝送路は、電池制御回路912に設けられるスイッチと電気的に接続される。該スイッチは、第2の伝送路を遮断する機能を有する。スイッチは、導通および遮断動作を制御しており、供給及び遮断を切り替える切替手段とも呼べる。
電池制御回路912がマイクロショートなどの異常を検知した場合には、第2の伝送路を遮断するスイッチのゲートに信号を入力することで第2の伝送路を遮断することができる。第2の伝送路を遮断すれば、充電器からの電流の供給の停止、または二次電池913が搭載されるモバイル機器への電流の供給の停止を行うことができる。また、第2の伝送路を遮断するスイッチのゲートへ印加する信号電圧をメモリ回路(酸化物半導体を用いたトランジスタを含む)で保持することで、遮断を長時間維持することができる。従って、安全性の高い充電制御システムとすることができる。
二次電池913に充電器から電力を供給して充電する場合、二次電池913は充電状態となり、電極971及び電極972における電圧や電流などの挙動を電池制御回路912で監視し、異常を検知した場合には、第2の伝送路を遮断して充電を停止する。
充電器とは例えば、外部電源と接続するアダプターを有する機器や、無線信号を用いて電力伝送を行う機器を指している。なお、充電器がモバイル機器等の電子機器に内蔵されている場合もある。
<温度による制御の例>
次に、本発明の一態様の二次電池を、環境温度に合わせて制御する例について説明する。温度の測定は温度センサを用いて行うことができる。
本発明の一態様の二次電池は、極めて高い充電電圧により繰り返し充放電を行うことができる。また、後述する実施例に示す通り、本発明の一態様の二次電池において、より温度が低い場合には、より高い充電電圧において二次電池を安定に繰り返し動作させることができる。
以下に、本発明の一態様の二次電池において、温度に応じて充電条件を制御する例を説明する。
充電における温度が第1の温度以上、第2の温度未満の範囲である場合、充電の上限電圧を第1の値とする。充電における温度が第2の温度以上である場合、充電の上限電圧を第2の値とする。
第1の温度は例えば5℃以上15℃未満であり、第2の温度は25℃以上55℃未満である。あるいは第1の温度は例えば8℃以上15℃未満であり、第2の温度は30℃以上55℃未満である。
第1の値は前記第2の値よりも0.02V以上高く、あるいは0.04V以上高く、あるいは0.06V以上高く、あるいは0.08V以上高く、例えば0.05Vである。
第1の値は4.45V以上4.6V以下、より好ましくは4.47V以上4.6V未満、さらに好ましくは4.47V以上4.55V未満、4.49V以上4.53V未満、例えば4.5V程度である。
上記の通り、二次電池の充電条件を制御することにより、二次電池の劣化を抑制し、寿命を延ばすことができる。
[電池パックの例2]
なお、電池パックの構造は、図9に限定されない。
例えば、図10A及び図10Bに示すように、図9A及び図9Bに示す二次電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれにアンテナを設けてもよい。図10Aは、上記一対の面の一方を示した外観図であり、図10Bは、上記一対の面の他方を示した外観図である。なお、図8A及び図8Bに示す二次電池と同じ部分については、図9A及び図9Bに示す二次電池の説明を適宜援用できる。
図10Aに示すように、二次電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914が設けられ、図10Bに示すように、二次電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ918が設けられる。層917は、例えば二次電池913による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層917としては、例えば磁性体を用いることができる。
上記構造にすることにより、アンテナ914及びアンテナ918の両方のサイズを大きくすることができる。アンテナ918は、例えば、外部機器とのデータ通信を行うことができる機能を有する。アンテナ918には、例えばアンテナ914に適用可能な形状のアンテナを適用することができる。アンテナ918を介した二次電池と他の機器との通信方式としては、NFC(近距離無線通信)など、二次電池と他の機器との間で用いることができる応答方式などを適用することができる。
又は、図10Cに示すように、図9A及び図9Bに示す二次電池913に表示装置920を設けてもよい。表示装置920は、端子911に電気的に接続される。なお、表示装置920が設けられる部分にラベル910を設けなくてもよい。なお、図9A及び図9Bに示す二次電池と同じ部分については、図9A及び図9Bに示す二次電池の説明を適宜援用できる。
表示装置920には、例えば充電中であるか否かを示す画像、蓄電量を示す画像などを表示してもよい。表示装置920としては、例えば電子ペーパー、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(ELともいう)表示装置などを用いることができる。例えば、電子ペーパーを用いることにより表示装置920の消費電力を低減することができる。
又は、図10Dに示すように、図9A及び図9Bに示す二次電池913にセンサ921を設けてもよい。センサ921は、端子922を介して端子911に電気的に接続される。なお、図9A及び図9Bに示す二次電池と同じ部分については、図9A及び図9Bに示す二次電池の説明を適宜援用できる。
センサ921としては、例えば、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定することができる機能を有すればよい。センサ921を設けることにより、例えば、二次電池が置かれている環境を示すデータ(温度など)を検出し、電池制御回路912内のメモリに記憶しておくこともできる。
さらに、二次電池913の構造例について図11A乃至図11Eを用いて説明する。
[さまざまな構成例]
図11Aに、曲げることのできる二次電池250の上面概略図を示す。図11B、図11C、図11D、図11Eはそれぞれ、図11A中の切断線C1-C2、切断線C3-C4、切断線A1-A2、および切断線B1-B2における断面概略図である。二次電池250は、外装体251と、外装体251の内部に収容された電極積層体210と、を有する。電極積層体210は、少なくとも正極211aおよび負極211bが積層された構造を有する。正極211aと電気的に接続されたリード212a、および負極211bと電気的に接続されたリード212bは、外装体251の外側に延在している。また外装体251で囲まれた領域には、正極211aおよび負極211bに加えて電解液(図示しない)が封入されている。なお、図11B等では省くが、正極211aと負極211bの間には例えば、セパレータが配置される。
次に、外装体251について図11B、図11C、図11D、図11Eを用いて説明する。
外装体251は、フィルム状の形状を有し、正極211aおよび負極211bを挟むように2つに折り曲げられている。外装体251は、折り曲げ部261と、一対のシール部262と、シール部263と、を有する。一対のシール部262は、正極211aおよび負極211bを挟んで設けられ、サイドシールとも呼ぶことができる。また、シール部263は、リード212a及びリード212bと重なる部分を有し、トップシールとも呼ぶことができる。
外装体251は、正極211aおよび負極211bと重なる部分に、稜線271と谷線272が交互に並んだ波形状を有することが好ましい。また、外装体251のシール部262及びシール部263は、平坦であることが好ましい。
図11Bは、稜線271と重なる部分で切断した断面であり、図11Cは、谷線272と重なる部分で切断した断面である。図11B、図11Cは共に、二次電池250及び正極211aおよび負極211bの幅方向の断面に対応する。
ここで、負極211bの幅方向の端部、すなわち負極211bの端部と、シール部262との間の距離を距離Laとする。二次電池250に曲げるなどの変形を加えたとき、後述するように正極211aおよび負極211bが長さ方向に互いにずれるように変形する。その際、距離Laが短すぎると、外装体251と正極211aおよび負極211bとが強く擦れ、外装体251が破損してしまう場合がある。特に外装体251の金属フィルムが露出すると、当該金属フィルムが電解液により腐食されてしまう恐れがある。したがって、距離Laを出来るだけ長く設定することが好ましい。一方で、距離Laを大きくしすぎると、二次電池250の体積が増大してしまう。
また、積層された正極211aおよび負極211bの合計の厚さが厚いほど、正極211aおよび負極211bと、シール部262との間の距離Laを大きくすることが好ましい。
より具体的には、積層された正極211aおよび負極211bおよび図示しないがセパレータ214の合計の厚さをtとしたとき、距離Laは、厚さtの0.8倍以上3.0倍以下、好ましくは0.9倍以上2.5倍以下、より好ましくは1.0倍以上2.0倍以下であることが好ましい。距離Laをこの範囲とすることで、コンパクトで、且つ曲げに対する信頼性の高い電池を実現できる。
また、一対のシール部262の間の距離を距離Lbとしたとき、距離Lbを正極211aおよび負極211bの幅(ここでは、負極211bの幅Wb)よりも十分大きくすることが好ましい。これにより、二次電池250に繰り返し曲げるなどの変形を加えたときに、正極211aおよび負極211bと外装体251とが接触しても、正極211aおよび負極211bの一部が幅方向にずれることができるため、正極211aおよび負極211bと外装体251とが擦れてしまうことを効果的に防ぐことができる。
例えば、一対のシール部262の間の距離Lbと、負極211bの幅Wbとの差が、正極211aおよび負極211bの厚さtの1.6倍以上6.0倍以下、好ましくは1.8倍以上5.0倍以下、より好ましくは、2.0倍以上4.0倍以下を満たすことが好ましい。
また、図11Dはリード212aを含む断面であり、二次電池250、正極211aおよび負極211bの長さ方向の断面に対応する。図11Dに示すように、折り曲げ部261において、正極211aおよび負極211bの長さ方向の端部と、外装体251との間に空間273を有することが好ましい。リード212aは領域215aにおいて正極211aと接合される。
図11Eに、二次電池250を曲げたときの断面概略図を示している。図11Eは、図11A中の切断線B1-B2における断面に相当する。
二次電池250を曲げると、曲げの外側に位置する外装体251の一部は伸び、内側に位置する他の一部は縮むように変形する。より具体的には、外装体251の外側に位置する部分は、波の振幅が小さく、且つ波の周期が大きくなるように変形する。一方、外装体251の内側に位置する部分は、波の振幅が大きく、且つ波の周期が小さくなるように変形する。このように、外装体251が変形することにより、曲げに伴って外装体251にかかる応力が緩和されるため、外装体251を構成する材料自体が伸縮する必要がない。その結果、外装体251は破損することなく、小さな力で二次電池250を曲げることができる。
また、図11Eに示すように、二次電池250を曲げると、正極211aおよび負極211bとがそれぞれ相対的にずれる。このとき、複数の積層された正極211aおよび負極211bは、シール部263側の一端が固定部材217で固定されているため、折り曲げ部261に近いほどずれ量が大きくなるように、それぞれずれる。これにより、正極211aおよび負極211bにかかる応力が緩和され、正極211aおよび負極211b自体が伸縮する必要がない。その結果、正極211aおよび負極211bが破損することなく二次電池250を曲げることができる。
また、正極211aおよび負極211bと外装体251との間に空間273を有していることにより、曲げた時内側に位置する正極211aおよび負極211bが、外装体251に接触することなく、相対的にずれることができる。
面の曲率半径について、図12A、図12B、図12Cを用いて説明する。図12Aにおいて、曲面1700を切断した平面1701において、曲面1700に含まれる曲線1702の一部を円の弧に近似して、その円の半径を曲率半径1703とし、円の中心を曲率中心1704とする。図12Bに曲面1700の上面図を示す。図12Cに、平面1701で曲面1700を切断した断面図を示す。曲面を平面で切断するとき、曲面に対する平面の角度や切断位置に応じて、断面に現れる曲線の曲率半径は異なるものとなるが、本明細書等では、最も小さい曲率半径を面の曲率半径とする。
2枚のフィルムを外装体として電極・電解液など1805を挟む二次電池を湾曲させた場合には、二次電池の曲率中心1800に近い側のフィルム1801の曲率半径1802は、曲率中心1800から遠い側のフィルム1803の曲率半径1804よりも小さい(図13A)。二次電池を湾曲させて断面を円弧状とすると曲率中心1800に近いフィルムの表面には圧縮応力がかかり、曲率中心1800から遠いフィルムの表面には引っ張り応力がかかる(図13B)。外装体の表面に凹部または凸部で形成される模様を形成すると、このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、ひずみによる影響を許容範囲内に抑えることができる。そのため、二次電池は、曲率中心に近い側の外装体の最小の曲率半径が例えば、3mm以上30mm以下、より好ましくは3mm以上10mm以下となるように変形することができる。
なお、二次電池の断面形状は、単純な円弧状に限定されず、一部が円弧を有する形状にすることができ、例えば図13Cに示す形状や、波状(図13D)、S字形状などとすることもできる。二次電池の曲面が複数の曲率中心を有する形状となる場合は、複数の曲率中心それぞれにおける曲率半径の中で、最も曲率半径が小さい曲面において、2枚の外装体の曲率中心に近い方の外装体の最小の曲率半径が例えば、3mm以上30mm以下、より好ましくは3mm以上10mm以下となるように変形することができる。
[円筒型二次電池]
円筒型の二次電池の例について図14Aを参照して説明する。円筒型の二次電池400は、図14Aに示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)401を有し、側面及び底面に電池缶(外装缶)402を有している。これら正極キャップ401と電池缶(外装缶)402とは、ガスケット(絶縁パッキン)410によって絶縁されている。
図14Bは、円筒型の二次電池の断面を模式的に示した図である。図14Bに示す円筒型の二次電池は、上面に正極キャップ(電池蓋)601を有し、側面および底面に電池缶(外装缶)602を有している。これら正極キャップと電池缶(外装缶)602とは、ガスケット(絶縁パッキン)610によって絶縁されている。
中空円柱状の電池缶602の内側には、帯状の正極604と負極606とがセパレータ605を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶602は、一端が閉じられ、他端が開いている。電池缶602には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニウム等を電池缶602に被覆することが好ましい。電池缶602の内側において、正極、負極およびセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板608、609により挟まれている。また、電池素子が設けられた電池缶602の内部は、非水電解液(図示せず)が注入されている。非水電解液は、コイン型の二次電池と同様のものを用いることができる。
円筒型の蓄電池に用いる正極および負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成することが好ましい。正極604には正極端子(正極集電リード)603が接続され、負極606には負極端子(負極集電リード)607が接続される。正極端子603および負極端子607は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子603は安全弁機構613に、負極端子607は電池缶602の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構613は、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子611を介して正極キャップ601と電気的に接続されている。安全弁機構613は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ601と正極604との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子611は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO3)系半導体セラミックス等を用いることができる。
図14Cは蓄電システム415の一例を示す。蓄電システム415は複数の二次電池400を有する。それぞれの二次電池の正極は、絶縁体425で分離された導電体424に接触し、電気的に接続されている。導電体424は配線423を介して、制御回路420に電気的に接続されている。また、それぞれの二次電池の負極は、配線426を介して制御回路420に電気的に接続されている。制御回路420として、上記に述べた電池制御回路912を適用することができる。
図14Dは、蓄電システム415の一例を示す。蓄電システム415は複数の二次電池400を有し、複数の二次電池400は、導電板413及び導電板414の間に挟まれている。複数の二次電池400は、配線416により導電板413及び導電板414と電気的に接続される。複数の二次電池400は、並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよいし、並列に接続された後さらに直列に接続されていてもよい。複数の二次電池400を有する蓄電システム415を構成することで、大きな電力を取り出すことができる。
複数の二次電池400が、並列に接続された後さらに直列に接続されてもよい。
複数の二次電池400の間に温度制御装置を有していてもよい。二次電池400が過熱されたときは、温度制御装置により冷却し、二次電池400が冷えすぎているときは温度制御装置により加熱することができる。そのため蓄電システム415の性能が外気温に影響されにくくなる。
また、図14Dにおいて、蓄電システム415は制御回路420に配線421及び配線422を介して電気的に接続されている。配線421は導電板413を介して複数の二次電池400の正極に、配線422は導電板414を介して複数の二次電池400の負極に、それぞれ電気的に接続される。
[電池パックの例3]
次に本発明の一態様の蓄電システムの例について、図15を用いて説明する。
図15Aは、二次電池パック531の外観を示す図である。図15Bは二次電池パック531の構成を説明する図である。二次電池パック531は、回路基板540と、二次電池513と、を有する。二次電池513には、ラベル529が貼られている。回路基板540は、シール515により固定されている。また、二次電池パック531は、アンテナ517を有する。
二次電池パック531において例えば、図15Bに示すように、回路基板540上に、制御回路590を有する。また、回路基板540は、端子514と電気的に接続されている。また回路基板540は、アンテナ517、二次電池513の正極リード及び負極リードの一方551、正極リード及び負極リードの他方552と電気的に接続される。制御回路590に上記に述べた電池制御回路912を適用することができる。
あるいは、図15Cに示すように、回路基板540上に設けられる回路システム590aと、端子514を介して回路基板540に電気的に接続される回路システム590bと、を有してもよい。例えば、本発明の一態様の制御回路の一部分が回路システム590aに、他の一部分が回路システム590bに、それぞれ設けられる。
なお、アンテナ517はコイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ517は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ517を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
二次電池パック531は、アンテナ517と、二次電池513との間に層519を有する。層519は、例えば二次電池513による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層519としては、例えば磁性体を用いることができる。
二次電池513として、先に述べた様々な二次電池を用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、本発明の一態様の二次電池と、電池制御回路とが搭載される蓄電システムの一例について説明する。
図16Aは、フレキシブルなフィルムである可撓性基板上に形成された電池制御回路912を二次電池913に実装させた蓄電システムの概念図である。回路基板900は可撓性基板を用いて構成される。また、図16B、図16C、図16Dは図16Aに示す蓄電システムの作製方法を説明する図である。
図16Bは、二次電池913を示す。二次電池913は端子951および端子952を有する。図16Cは、回路基板900を広げた様子を示す。
図16Dに示すように、回路基板900を曲げて、二次電池913に巻き付けるように装着し、図16Aに示す蓄電システムを形成することができる。
本発明の一態様の蓄電システムは、二次電池913と、電池制御回路912と、を有する。また、電池制御回路912はスイッチを有する。該スイッチは例えばトランジスタを用いて構成することができる。
また、本発明の一態様の蓄電システムは、層916と、回路基板900上に形成されたアンテナ914と、を有することが好ましい。層916は例えば絶縁シートである。アンテナ914は例えば、電池制御回路912に電気的に接続される。電池制御回路912は例えば、アンテナ914からの信号を授受するための回路、例えば変調回路、復調回路、等を有する。
二次電池913の端子951に接続され、二次電池913から出力される電力を伝送する第1の伝送路は、電極971を介して充電制御回路の端子と電気的に接続される。また、二次電池913の端子952に接続されている第2の伝送路は、電極972を介して第2の伝送路を遮断するスイッチと接続されている。スイッチは、導通および遮断動作を制御しており、供給及び遮断を切り替える切替手段とも呼べる。
電池制御回路912を回路基板900上に形成する作製方法は、半導体基板上に形成した後、剥離方法を用いて剥離後に回路基板900上に固定する方法を用いる。剥離方法においては、公知の技術を用いることができる。また、半導体基板上に形成した後、裏面を研磨した後、回路基板900上に固定する方法でもよい。また、レーザー光を用いて部分的に切り取った、所謂レーザーカット後、回路基板900上に固定する方法でもよい。また、直接、電池制御回路912を回路基板900上に形成する方法でもよい。また、ガラス基板上に形成した電池制御回路912を剥離し、回路基板900上に固定する方法を用いることもできる。
電池制御回路912がマイクロショートなどの異常を検知した場合には、第2の伝送路を遮断するスイッチのゲートに信号を入力することで第2の伝送路を遮断することができる。第2の伝送路を遮断すれば、充電器からの電流の供給の停止、または電池制御回路912に接続される電子機器等への電流の供給の停止を行うことができる。また、第2の伝送路を遮断するスイッチのゲートへ印加する信号電圧をメモリ回路(酸化物半導体を用いたトランジスタを含む)で保持することで、遮断を長時間維持することができる。従って、安全性の高い蓄電システムとすることができる。
二次電池913に充電器から電力を供給して充電する場合、二次電池913は充電状態となり、電極971及び電極972における電圧や電流などの挙動を電池制御回路912で監視し、異常を検知した場合には、第2の伝送路を遮断して充電を停止する。
充電器とは例えば、外部電源と接続するアダプターを有する機器や、無線信号を用いて電力伝送を行う機器を指している。なお、充電器がモバイル機器等の電子機器に内蔵されている場合もある。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、車両に本発明の一態様の二次電池を搭載する例を示す。車両として例えば自動車、二輪車、自転車、等が挙げられる。
本発明の一態様の二次電池は、エネルギー密度が高い。また寿命が長く信頼性に優れる。また本発明の一態様の二次電池を電池制御回路と組み合わせて用いることにより、二次電池の寿命をさらに長くできる場合があり、好ましい。また、本発明の一態様の二次電池を電池制御回路と組み合わせて用いることにより、該二次電池が搭載される電子機器、車両等の安全性を高めることができる。
以下には、本発明の一態様の二次電池と、電池制御回路とを組み合わせた蓄電システムを、車両に搭載する例について説明するが、以下に示す構成において、車両に実装される蓄電システムは、上記に述べた電池制御回路を有さない構成とすることもできる。例えば、本発明の一態様の二次電池のみを、以下に示す車両に適用してもよい。
蓄電システムを車両に搭載すると、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。
図17A、図17B、図17Cにおいて、本発明の一態様である蓄電システムを用いた車両を例示する。図17Aに示す自動車8400は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。本発明の一態様を用いることで、航続距離の長い車両を実現することができる。自動車8400は蓄電システムを有する。蓄電システムは電気モーター8406を駆動するだけでなく、ヘッドライト8401やルームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
また、蓄電システムは、自動車8400が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示装置に電力を供給することができる。また、蓄電システムは、自動車8400が有するナビゲーションシステムなどに電力を供給することができる。
図17Bに示す自動車8500は、自動車8500が有する蓄電システム8024にプラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図17Bに、地上設置型の充電装置8021から自動車8500に搭載された蓄電システム8024に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクターの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車8500に搭載された蓄電システム8024を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電システムの充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
また、図17Cは、本発明の一態様の蓄電システムを用いた二輪車の一例である。図17Cに示すスクータ8600は、蓄電システム8602、サイドミラー8601、方向指示灯8603を備える。蓄電システム8602は、方向指示灯8603に電気を供給することができる。
また、図17Cに示すスクータ8600は、座席下収納8604に、蓄電システム8602を収納することができる。蓄電システム8602は、座席下収納8604が小型であっても、座席下収納8604に収納することができる。
また、図18Aは、本発明の一態様の蓄電システムを用いた電動自転車の一例である。図18Aに示す電動自転車8700に、本発明の一態様の蓄電システムを適用することができる。
電動自転車8700は、蓄電システム8702を備える。蓄電システム8702は、運転者をアシストするモーターに電気を供給することができる。また、蓄電システム8702は、持ち運びができ、図18Bに自転車から取り外した状態を示している。また、蓄電システム8702は、本発明の一態様の蓄電システムが有する蓄電池8701が複数内蔵されており、そのバッテリー残量などを表示部8703で表示できるようにしている。また蓄電システム8702は、本発明の一態様の制御回路8704を有する。制御回路8704は、蓄電池8701の正極及び負極と電気的に接続されている。制御回路8704として、先の実施の形態に示す電池制御回路を用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の二次電池を電子機器に実装する例を説明する。
本発明の一態様の二次電池は、エネルギー密度が高い。また寿命が長く信頼性に優れる。また本発明の一態様の二次電池を電池制御回路と組み合わせて用いることにより、二次電池の寿命をさらに長くできる場合があり、好ましい。また、本発明の一態様の二次電池を電池制御回路と組み合わせて用いることにより、該二次電池が搭載される電子機器、車両等の安全性を高めることができる。
以下には、本発明の一態様の二次電池と、電池制御回路とを組み合わせた蓄電システムを、電子機器に搭載する例について説明するが、以下に示す構成において、電子機器に実装される蓄電システムは、上記に述べた電池制御回路を有さない構成とすることもできる。例えば、本発明の一態様の二次電池のみを、以下に示す電子機器に適用してもよい。
図19Aおよび図19Bに、2つ折り可能なタブレット型端末(クラムシェル型端末も含む)の一例を示す。図19A及び図19Bに示すタブレット型端末9600は、筐体9630a、筐体9630b、筐体9630aと筐体9630bを接続する可動部9640、表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操作スイッチ9628、を有する。表示部9631には、可撓性を有するパネルを用いることで、より広い表示部を有するタブレット端末とすることができる。図19Aは、タブレット型端末9600を開いた状態を示し、図19Bは、タブレット型端末9600を閉じた状態を示している。
また、タブレット型端末9600は、筐体9630a及び筐体9630bの内部に蓄電体9635を有する。蓄電体9635は、可動部9640を通り、筐体9630aと筐体9630bに渡って設けられている。
表示部9631は、一部をタッチパネルの領域とすることができ、表示された操作キーにふれることでデータ入力をすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタンが表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631にキーボードボタン表示することができる。
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9625は、タブレット型端末9600に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
図19Bは、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、及び本発明の一態様の蓄電システムを有する。蓄電システムは、制御回路9634と、蓄電体9635と、を有する。制御回路9634については、先の実施の形態に示す電池制御回路を用いることができる。
なお、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630a及び筐体9630bを重ね合せるように折りたたむことができる。折りたたむことにより、表示部9631を保護できるため、タブレット型端末9600の耐久性を高めることができる。
また、この他にも図19A及び図19Bに示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、蓄電体9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。
なお図19A、図19Bでは、2つ折り可能なタブレット型端末に先の実施の形態に示す電池制御回路を用いた制御回路を適用する構成について説明したが、他の構成でもよい。例えば、図19Cに図示するように、クラムシェル型端末であるノート型パーソナルコンピュータへの適用も可能である。図19Cでは、筐体9630aに表示部9631、筐体9630bにキーボード部9650を備えたノート型パーソナルコンピュータ9601を図示している。ノート型パーソナルコンピュータ9601内には、図19A、図19Bで説明した制御回路9634と、蓄電体9635と、を有する。制御回路9634については、先の実施の形態に示す電池制御回路を用いることができる。
図20に、他の電子機器の例を示す。図20において、表示装置8000は、本発明の一態様の蓄電システムを実装する電子機器の一例である。具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表示部8002、スピーカ部8003、二次電池8004等を有する。本発明の一態様に係る検出システムは、筐体8001の内部に設けられている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8004に蓄積された電力を用いることもできる。
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
また、音声入力デバイス8005も二次電池を用いる。音声入力デバイス8005は、先の実施の形態に示す蓄電システムを有する。音声入力デバイス8005は、無線通信素子の他、マイクを含むセンサ(光学センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、照度センサ、モーションセンサなど)を複数有し、使用者の命令する言葉によって他のデバイス、例えば表示装置8000の電源操作、照明装置8100の光量調節などを行うことができる。音声入力デバイス8005は音声で周辺機器の操作が行え、手動リモコンの代わりとなる。
また、音声入力デバイス8005は、車輪や機械式移動手段を有しており、使用者の発声が聞こえる方向に移動し、内蔵されているマイクで正確に命令を聞き取るとともに、その内容を表示部8008に表示する、または表示部8008のタッチ入力操作が行える構成としている。
また、音声入力デバイス8005は、スマートフォンなどの携帯情報端末8009の充電ドックとしても機能させることができる。携帯情報端末8009と音声入力デバイス8005は、有線または無線で電力の授受を可能としている。携帯情報端末8009は、室内においては、特に持ち運ぶ必要がなく、必要な容量を確保しつつ、二次電池に負荷がかかり劣化することを回避したいため、音声入力デバイス8005によって二次電池の管理、メンテナンスなどを行えることが望ましい。また、音声入力デバイス8005はスピーカ8007及びマイクを有しているため、携帯情報端末8009が充電中であってもハンズフリーで会話することもできる。また、音声入力デバイス8005の二次電池の容量が低下すれば、矢印の方向に移動し、外部電源と接続された充電モジュール8010から無線充電によって充電を行えばよい。
また、音声入力デバイス8005を台に載せてもよい。また、音声入力デバイス8005を車輪や機械式移動手段を設けて所望の位置に移動させてもよく、或いは台や車輪を設けず、音声入力デバイス8005を所望の位置、例えば床の上などに固定してもよい。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図20において、据え付け型の照明装置8100は、充電を制御するマイクロプロセッサ(APSを含む)で制御される二次電池8103を用いた電子機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐体8101、光源8102、二次電池8103等を有する。図20では、二次電池8103が、筐体8101及び光源8102が据え付けられた天井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、二次電池8103は、筐体8101の内部に設けられていても良い。照明装置8100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8103に蓄積された電力を用いることもできる。
なお、図20では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示しているが、二次電池8103は、天井8104以外、例えば側壁8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図20において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナーは、二次電池8203を用いた電子機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、二次電池8203等を有する。図20では、二次電池8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、二次電池8203は室外機8204に設けられていても良い。或いは、室内機8200と室外機8204の両方に、二次電池8203が設けられていても良い。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8203に蓄積された電力を用いることもできる。
図20において、電気冷凍冷蔵庫8300は、二次電池8304を用いた電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、二次電池8304等を有する。図20では、二次電池8304が、筐体8301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、二次電池8304に蓄積された電力を用いることもできる。
また、電子機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、二次電池に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、二次電池8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、二次電池8304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
上述の電子機器の他、二次電池はあらゆる電子機器に搭載することができる。本発明の一態様により、二次電池のサイクル特性が良好となる。そのため、本発明の一態様である充電を制御するマイクロプロセッサ(APSを含む)を本実施の形態で説明した電子機器に搭載することで、より長寿命の電子機器とすることができる。本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本発明の一態様の蓄電システムを電子機器に実装する例を図21A乃至図21Gに示す。本発明の一態様の蓄電システムを適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
図21Aは、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、本発明の一態様の蓄電システムを有する。本発明の一態様の蓄電システムは例えば、蓄電池7407と、先の実施の形態に示す電池制御回路と、を有する。
図21Bは、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機7400を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電池7407も湾曲される場合がある。このような場合には、蓄電池7407として、可撓性を有する蓄電池を用いることが好ましい。可撓性を有する蓄電池の曲げられた状態を図21Cに示す。蓄電池には制御回路7408が電気的に接続されている。制御回路7408として、先の実施の形態に示す電池制御回路を用いることができる。
また、フレキシブルな形状を備える蓄電池を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図21Dは、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び本発明の一態様の蓄電システムを有する。本発明の一態様の蓄電システムは例えば、蓄電池7104と、先の実施の形態に示す電池制御回路と、を有する。
図21Eは、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7200は、筐体7201、表示部7202、バンド7203、バックル7204、操作ボタン7205、入出力端子7206などを備える。
携帯情報端末7200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部7202はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7202はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7202に表示されたアイコン7207に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
操作ボタン7205は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7200に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7205の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯情報端末7200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7200は入出力端子7206を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7206を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7206を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯情報端末7200は、本発明の一態様の蓄電システムを有する。該蓄電システムは、蓄電池と、先の実施の形態に示す電池制御回路と、を有する。
携帯情報端末7200はセンサを有することが好ましい。センサとして例えば、指紋センサ、脈拍センサ、体温センサ等の人体センサや、タッチセンサ、加圧センサ、加速度センサ、等が搭載されることが好ましい。
図21Fは、腕章型の表示装置の一例を示している。表示装置7300は、表示部7304を有し、本発明の一態様の二次電池を有している。また、表示装置7300は、表示部7304にタッチセンサを備えることもでき、また、携帯情報端末として機能させることもできる。
表示部7304はその表示面が湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示装置7300は、通信規格された近距離無線通信などにより、表示状況を変更することができる。
また、表示装置7300は入出力端子を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子を介さずに無線給電により行ってもよい。
日用電子機器に二次電池として本発明の一態様の二次電池を用いることで、軽量で長寿命な製品を提供できる。例えば、日用電子機器として、電動歯ブラシ、電気シェーバー、電動美容機器などが挙げられ、それらの製品の二次電池としては、使用者の持ちやすさを考え、形状をスティック状とし、小型、軽量、且つ、大容量の二次電池が望まれている。
図21Gはタバコ収容喫煙装置(電子タバコ)とも呼ばれる装置の斜視図である。図21Gにおいて電子タバコ7500は、加熱素子を含むアトマイザ7501と、アトマイザに電力を供給する二次電池7504と、液体供給ボトルやセンサなどを含むカートリッジ7502で構成されている。安全性を高めるため、二次電池7504の過充電や過放電を防ぐ保護回路を二次電池7504に電気的に接続してもよい。図21Gに示した二次電池7504は、充電機器と接続できるように外部端子を有している。二次電池7504は持った場合に先端部分となるため、トータルの長さが短く、且つ、重量が軽いことが望ましい。本発明の一態様の二次電池は高容量、良好なサイクル特性を有するため、長期間に渡って長時間の使用ができる小型であり、且つ、軽量の電子タバコ7500を提供できる。
次に、本発明の一態様の電池制御回路を備えた電子機器の例について図22を用いて説明を行う。
ロボット7000は、二次電池、照度センサ、マイクロフォン、カメラ、スピーカ、ディスプレイ、各種センサ(赤外線センサ、超音波センサ、加速度センサ、ピエゾセンサ、光センサ、ジャイロセンサなど)、および移動機構などを備える。ロボット7000の二次電池に本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、二次電池の制御および保護等を行うことができる。
マイクロフォンは、使用者の音声および環境音などの音響信号を検知する機能を有する。また、スピーカは、音声および警告音などのオーディオ信号を発する機能を有する。ロボット7000は、マイクロフォンを介して入力されたオーディオ信号を解析し、必要なオーディオ信号をスピーカから発することができる。ロボット7000においては、マイクロフォン、およびスピーカを用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
カメラは、ロボット7000の周囲を撮像する機能を有する。また、ロボット7000は、移動機構を用いて移動する機能を有する。ロボット7000は、カメラを用いて周囲の画像を撮像し、画像を解析して移動する際の障害物の有無などを察知することができる。
飛行体7120は、プロペラ、カメラ、および二次電池などを有し、自律して飛行する機能を有する。
また、飛行体7120の二次電池に本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、軽量化に加えて、二次電池の制御および保護等を行うことができる。
掃除ロボット7140は、二次電池、上面に配置されたディスプレイ、側面に配置された複数のカメラ、ブラシ、操作ボタン、各種センサなどを有する。図示されていないが、掃除ロボット7140には、タイヤ、吸い込み口などが備えられている。掃除ロボット7140は自走し、ゴミを検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。掃除ロボット7140の二次電池に電気的に接続する本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、使用部品数を削減し、且つ、二次電池のマイクロショートなどの異常を検知することができる。
移動体の一例として電気自動車7160を示す。電気自動車7160は、二次電池、タイヤ、ブレーキ、操舵装置、カメラなどを有する。電気自動車7160の二次電池に接続する本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、使用部品数を削減し、且つ、二次電池のマイクロショートなどの異常を検知することができる。
なお、上述では、移動体の一例として電気自動車について説明しているが、移動体は電気自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができ、これらの移動体の二次電池に電気的に接続する本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、使用部品数を削減し、且つ、二次電池のマイクロショートなどの異常を検知することができる。
本発明の一態様の電池制御回路を備えた二次電池は、スマートフォン7210、PC7220(パーソナルコンピュータ)、ゲーム機7240等に組み込むことができる。
スマートフォン7210は、携帯情報端末の一例である。スマートフォン7210は、マイクロフォン、カメラ、スピーカ、各種センサ、および表示部を有する。充電制御回路によってこれら周辺機器が制御される。スマートフォン7210の二次電池に電気的に接続する本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、使用部品数を削減し、且つ、二次電池の制御および保護等を行うことができ、安全性を高めることができる。
PC7220はそれぞれノート型PCの例である。ノート型PCの二次電池に電気的に接続する本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、使用部品数を削減し、且つ、二次電池の制御および保護等を行うことができ、安全性を高めることができる。
ゲーム機7240は携帯型ゲーム機の例である。ゲーム機7260は家庭用の据え置き型ゲーム機の例である。ゲーム機7260には、無線または有線でコントローラ7262が接続されている。コントローラ7262に、本発明の一態様の電池制御回路を搭載した蓄電システムを適用して、使用部品数を削減し、且つ、二次電池の制御および保護等を行うことができ、安全性を高めることができる。
図23Aは、ウェアラブルデバイスの例を示している。ウェアラブルデバイスは、電源として二次電池を用いる。また、使用者が生活使用または屋外使用において水による耐水性を高めるため、接続するコネクター部分が露出している有線による充電だけでなく、無線充電も行えるウェアラブルデバイスが望まれている。
例えば、図23Aに示すような眼鏡型デバイス490に搭載することができる。眼鏡型デバイス490は、フレーム490aと、表示部490bを有する。湾曲を有するフレーム490aのテンプル部に二次電池を搭載することで、軽量であり、且つ、重量バランスがよく継続使用時間の長い眼鏡型デバイス490とすることができる。
また、ヘッドセット型デバイス491に搭載することができる。ヘッドセット型デバイス491は、少なくともマイク部491aと、フレキシブルパイプ491bと、イヤフォン部491cを有する。フレキシブルパイプ491b内やイヤフォン部491c内に二次電池を設けることができる。
また、身体に直接取り付け可能なデバイス402に搭載することができる。デバイス402の薄型の筐体402aの中に、二次電池402bを設けることができる。
また、衣服に取り付け可能なデバイス403に搭載することができる。デバイス403の薄型の筐体403aの中に、二次電池403bを設けることができる。
また、ベルト型デバイス406に搭載することができる。ベルト型デバイス406は、ベルト部406aおよびワイヤレス給電受電部406bを有し、ベルト部406aの内部に、二次電池を搭載することができる。
また、腕時計型デバイス405に搭載することができる。腕時計型デバイス405は表示部405aおよびベルト部405bを有し、表示部405aまたはベルト部405bに、二次電池を設けることができる。
表示部405aには、時刻だけでなく、メールや電話の着信等、様々な情報を表示することができる。
また、腕時計型デバイス405は、腕に直接巻きつけるタイプのウェアラブルデバイスであるため、使用者の脈拍、血圧等を測定するセンサを搭載してもよい。使用者の運動量および健康に関するデータを蓄積し、健康維持に役立てることができる。
図23Aに示した腕時計型デバイス405について、以下に詳細な説明を行う。
図23Bに腕から取り外した腕時計型デバイス405の斜視図を示す。
また、側面図を図23Cに示す。図23Cには、内部に二次電池913を内蔵している様子を示している。二次電池913は表示部405aと重なる位置に設けられており、小型、且つ、軽量である。
また、腕時計型デバイス405は、内部に二次電池913と電気的に接続される電池制御回路を有することが好ましい。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(本明細書等の記載に関する付記)
以上の実施の形態、及び実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)という表記を用いる。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電圧とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
本明細書等において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲートとが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとの間の距離をいう。
本明細書等において、チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。
本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
本実施例では、本発明の一態様の二次電池の作製方法と、作製した二次電池の特性について説明する。
[正極活物質の作製]
正極活物質の作製を行った。
まずマグネシウムおよびフッ素を有する第1の混合物を作製した。LiFとMgF2のモル比が、LiF:MgF2=1:3となるよう秤量し、溶媒としてアセトンを加えて湿式で混合および粉砕をした。混合および粉砕はジルコニアボールを用いたボールミルで行い、400rpm、12時間行った。処理後の材料を回収し、第1の混合物とした。
次に、リチウムおよびコバルトを有する複合酸化物として、コバルト酸リチウムを準備した。より具体的には、日本化学工業株式会社製のセルシードC-10Nを準備した。
次に、コバルト酸リチウムの分子量に対して、第1の混合物が有するマグネシウムの原子量が0.5原子%となるよう秤量し、乾式で混合した。混合はジルコニアボールを用いたボールミルで行い、150rpm、1時間行った。処理後の材料を回収し、第2の混合物とした。
次に、第2の混合物をアルミナ坩堝に入れ、酸素雰囲気のマッフル炉にて850℃、60時間アニールした。アニールの際には、アルミナ坩堝にふたをした。酸素の流量は10L/minとした。昇温は200℃/hrとし、降温は10時間以上かけて行った。加熱処理後の材料を正極活物質とした。
[正極の作製]
次に、上記で作製した正極活物質を用いて、正極を作製した。上記で作製した正極活物質と、アセチレンブラック(AB)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、正極活物質:AB:PVDF=95:3:2(重量比)で混合し、溶媒としてNMPを用いてスラリーを作製した。作製したスラリーを集電体に塗工し、溶媒を揮発させた。その後、120℃において179kN/mのプレスを行った後、1249kN/mのプレスを行い、集電体上に正極活物質層を形成し、正極P1を作製した。正極P1は、用いる電池セルにより正極活物質の担持量を変化させた。集電体として20μm厚のアルミニウム箔を用いた。正極活物質層は、集電体の片面に設けた。
[負極の作製]
負極活物質として黒鉛を用いて負極を作製した。
2種類の黒鉛を用いてそれぞれ、負極を作製した。第1の種類として、比表面積6.3m2/g、平均粒径15μmの球状化天然黒鉛を用い、CMC-NaおよびSBRとともに、黒鉛:CMC-Na:SBR=97:1.5:1.5(重量比)で混合し、溶媒として水を用い、スラリーを作製した。第2の種類として、比表面積が1.5m2/gのMCMB黒鉛を用い、導電助剤、CMC-NaおよびSBRとともに、黒鉛:導電助剤:CMC-Na:SBR=96:1:1:2(重量比)で混合し、溶媒として水を用い、スラリーを作製した。
用いたCMC-Naの重合度は600から800、1weight%水溶液として用いた場合の水溶液粘度は300mPa・sから500mPa・sの範囲の値であった。また、導電助剤として気相成長炭素繊維であるVGCF(登録商標)-H(昭和電工(株)製、繊維径150nm、比表面積13m2/g)を用いた。
作製したそれぞれのスラリーを集電体に塗工し、乾燥させ、集電体上に負極活物質層を作製した。集電体として18μm厚の銅箔を用いた。負極活物質層は集電体の両面に設けた。
第1の種類の黒鉛を用いた負極を負極N1、第2の種類の黒鉛を用いた負極を負極N2とする。負極N1および負極N2は、用いる電池セルにより負極活物質の担持量を変化させた。
[二次電池の作製]
上記で作製した正極および負極を用いて、外装体にフィルムを用いた二次電池を作製した。
セパレータには厚さ50μmのセルロースを用いた。
正極、セパレータ、負極、セパレータ、正極の順に積層した。集電体の片面に設けられた正極活物質が負極活物質とセパレータを挟んで向かい合うように、2枚の正極をそれぞれ配置した。
正極および負極にそれぞれリードを接合した。
正極、負極およびセパレータを積層した積層体を、半分に折り曲げた外装体で挟み、リードの一端が外装体の外側に出るように積層体を配置した。次に、外装体の一辺を開放部として残し、その他の辺の封止を行った。
外装体となるフィルムとして、ポリプロピレン層、酸変性ポリプロピレン層、アルミニウム層、ナイロン層、が順に積層されたフィルムを用いた。フィルムの厚さは約110μmであった。外装体として外側に配置される面にナイロン層、内側に配置される面にポリプロピレン層がそれぞれ配置されるように、外装体となるフィルムを折り曲げた。アルミニウム層の厚さは約40μm、ナイロン層の厚さは約25μm、ポリプロピレン層と酸変性ポリプロピレン層の厚さの合計は約45μmであった。
次に、アルゴンガス雰囲気下において、開放部として残した一辺から電解液の注入を行った。
電解液として計5種類の電解液(電解液Sol_1、Sol_2、Sol_3、Sol_4およびSol_5)を作製し、それぞれの二次電池において、いずれかの電解液を用いた。
電解液Sol_1および電解液Sol_2について説明する。溶媒として構造式(G11)に示すEMI-FSAを用いた。電解液Sol_1では電解質としてLiFSA(リチウムビス(フルオロスルホニル)アミド)を用い、電解液に対する電解質の濃度は、2.15mol/Lとした。電解液Sol_2では電解質としてLiTFSA(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド)を用い、電解液に対する電解質の濃度は、1.50mol/Lとした。
電解液Sol_3について説明する。溶媒として構造式(G12)に示すBMI-FSAを用いた。電解質としてLiFSA(リチウムビス(フルオロスルホニル)アミド)を用いた。電解液に対する電解質の濃度は、1.93mol/Lとした。
電解液Sol_4について説明する。溶媒として構造式(G13)に示すP13-FSAを用いた。電解質としてLiFSA(リチウムビス(フルオロスルホニル)アミド)を用いた。電解液に対する電解質の濃度は、1.80mol/Lとした。
電解液Sol_5について説明する。溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)がEC:DEC=3:7(体積比)で混合されたものを用いた。電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を用いた。電解液に対する電解質の濃度は、1.00mol/Lとした。
それぞれの電解液に用いた溶媒(Solvent)および電解質(Electrolyte)を表1に示す。
次に、減圧雰囲気下で、開放部として残していた外装体の一辺を封止した。
以上の工程により、二次電池の作製を行った。
[エージング]
次に、二次電池のエージングを行った。
まず、二次電池を2枚の板で挟み、充電をCC(0.01C、容量15mAh/g)で行った。その後、2枚の板を外し、アルゴン雰囲気下において外装体の一辺を切断して開封し、ガスを抜き、再封止を行った。ここでCCは定電流を表す。ここで、二次電池の容量は正極活物質重量あたりで算出した。またCレートは、1Cを充放電サイクルの条件に合わせて算出した。サイクル特性の評価における充電電圧が4.4Vにおいては190mA/g、4.45Vにおいては210mAh/g、4.5Vにおいては220mAh/gとして算出した。
次に、二次電池を2枚の板で挟み、充電をCC(0.1C、容量120mAh/g)で行った。その後、2枚の板を外し、0℃にて24時間保持した後、アルゴン雰囲気下において外装体の一辺を切断して開封し、ガスを抜き、再封止を行った。
[充放電特性の評価]
次に、二次電池を2枚の板で挟み、充電をCCCV(0.1C、終始電流0.01C)で行い、放電をCC(0.2C、2.5V)で行った。充電電圧は、サイクル特性の評価における充電電圧に合わせた。ここでCVは定電圧を表す。
その後、充電をCCCV(0.2C、終始電流0.01C)、放電をCC(0.2C、2.5V)として充電、放電を3回繰り返し行った。充電電圧は、サイクル特性の評価における充電電圧に合わせた。
[サイクル特性の評価1]
次に、25℃において、二次電池のサイクル特性の評価を行った。
電池セルとして、表2に示すセルCel_1乃至Cel_7を作製した。用いた正極(Positive Electrode)、負極(Negative Electrode)および電解液(Electrolyte Solution)の組み合わせと、充電電圧(Charge Voltage)と、を表2に示す。
Cレートや、後述する容量比において、充電電圧が4.4Vの場合には正極容量を190mAh/gとした。充電電圧が4.45Vの場合には正極容量を210mAh/gとした。充電電圧が4.5Vの場合には正極容量を220mAh/gとした。
正極P1の正極活物質の担持量は、セルCel_1乃至Cel_4はおよそ6.5mg/cm2、セルCel_5乃至Cel_7はおよそ11mg/cm2とした。
正極P1における正極活物質層の面積を8.194cm2とした。
各電池セルにおける負極N1および負極N2の負極活物質の担持量は、容量比がおよそ77%以上83%以下となるように調整した。ここで容量比とは、負極容量に対する正極容量を百分率で示した値である。容量比の算出において、負極容量は、負極活物質重量を基準として、330mAh/gとした。なお負極活物質の担持量は、集電体の両面に設けた負極活物質層における担持量の合計を半分に割り、算出した。
充電をCCCV(0.2C、終始電流0.02C)で行い、放電をCC(0.2C、2.5V)で行った。二次電池の容量は、正極活物質重量を基準として算出した。
25℃におけるサイクル特性の評価結果を図24A、図24Bおよび図25に示す。
図24AはセルCel_1乃至Cel_4のサイクル特性の結果であり、横軸にはサイクル数、縦軸には放電容量をそれぞれ示す。図24Bには図24Aの縦軸を拡大した図を示す。
図25にはセルCel_5乃至Cel_7のサイクル特性の結果を示す。
また、セルCel_1乃至Cel_4の充放電カーブを図26A、図26B、図27A、図27Bにそれぞれ示す。実線は1サイクル目のカーブ、点線は100サイクル目のカーブをそれぞれ示す。それぞれの充放電カーブにおいて、縦軸には充電または放電の電圧を、横軸には容量を示す。
図26A、図26B、図27A、図27Bより、セルCel_1乃至Cel_4のすべてにおいて、充電電圧を4.5Vと非常に高い値にした場合においても、1サイクル目において良好な充放電カーブが得られた。これは、本発明の一態様の正極活物質が、高い充電電圧においても結晶構造の安定性が高いことを示唆している。
また、図24A、図24Bより、電解液にイオン液体を有するセルCel_1、Cel_2およびCel_3においては300サイクル後に、初回の放電容量の80%以上の容量値を維持しており、極めて優れた特性を発揮することがわかった。
また、図25に示すように、正極活物質および負極活物質の担持量をそれぞれ増やし、黒鉛の種類を変更したセルにおいても、充電電圧を4.5Vまで高くしても優れたサイクル特性が得られることがわかった。
以上より、本発明の一態様の二次電池においては、優れた正極活物質を用い、イオン液体を電解液に用いることにより、顕著に優れた特性が得られることがわかった。
[サイクル特性の評価2]
次に、45℃において、二次電池のサイクル特性の評価を行った。
電池セルとして、表3に示すセルCel_11乃至Cel_23を作製した。用いた正極(Positive Electrode)、負極(Negative Electrode)および電解液(Electrolyte Solution)の組み合わせと、充電電圧(Charge Voltage)と、を表3に示す。
正極P1の正極活物質の担持量は、セルCel_11乃至Cel_20はおよそ6.5mg/cm2、セルCel_21乃至Cel_23はおよそ11mg/cm2とした。
正極P1における正極活物質層の面積を8.194cm2とした。
各電池セルにおける負極N1および負極N2の負極活物質の担持量は、容量比がおよそ77%以上83%以下となるように調整した。
充電をCCCV(0.2C、終始電流0.02C)で行い、放電をCC(0.2C、2.5V)で行った。二次電池の容量は、正極活物質重量を基準として算出した。
45℃における、セルCel_11乃至セルCel_13のサイクル特性を図28Aに、セルCel_14乃至セルCel_16のサイクル特性を図28Bに、セルCel_17乃至セルCel_20のサイクル特性を図29Aに、セルCel_21乃至セルCel_23のサイクル特性を図29Bに、それぞれ示す。
図28Aおよび図28Bより、イオン液体を電解液に用いたセルでは、充電電圧4.45Vにおいても放電容量の低下が極めて少ないという結果が得られた。一方、有機電解液を用いたセルにおいては充電電圧4.45Vにおいて放電容量の低下がみられ始めた。
図29Aより、充電電圧を4.5Vにすると、イオン液体を電解液に用いたセルにおいても、放電容量のゆるやかな低下がみられた。一方、図24A、図24Bより、25℃においては充電電圧を4.5Vとした場合においても、良好な特性が得られた。よって、使用する温度範囲に合わせて充電電圧を制御することにより、二次電池の使用に伴う放電容量の低下を抑制し、長寿命の二次電池とすることができる、と示唆された。
また、図29Bに示すように、正極活物質および負極活物質の担持量をそれぞれ増やし、黒鉛の種類を変更したセルにおいても、充電電圧が4.45Vにおいて、優れたサイクル特性が得られることがわかった。
[レート特性の評価]
次に、10℃において、レート特性の評価を行った。
電池セルとして、表4に示すセルCel_31乃至Cel_33を作製した。用いた正極(Positive Electrode)、負極(Negative Electrode)および電解液(Electrolyte Solution)の組み合わせと、充電電圧(Charge Voltage)と、を表4に示す。
正極P1の正極活物質の担持量は、およそ6.5mg/cm2とした。負極N1の負極活物質の担持量は、容量比がおよそ84%以上87%以下となるように調整した。
正極において、集電体上に形成する正極活物質層の面積を8.194cm2とした。
充電をCCCV(0.2C、終始電流0.02C)で行い、放電をCC(2.5V)で行った。放電は、放電レートを0.1、0.2、0.5、1[C]にて順に行った。二次電池の容量は、正極活物質重量を基準として算出した。
10℃における、セルCel_31乃至セルCel_33のサイクル特性を図30A、図30B、図31にそれぞれ示す。
図30A、図30Bおよび図31より、比較的温度の低い10℃の条件においても、0.5Cのレートにおいては、0.1Cの98%以上の放電容量が得られることがわかった。また、1Cのレートにおいては、Cel_31では0.1Cの97%以上の放電容量が得られ、極めて優れたレート特性が得られた。またCel_32においては、放電容量に低下がみられ、0.1Cのおよそ60%程度にとどまった。