JP2533006B2 - N−ホスホノメチルグリシンの製造方法 - Google Patents
N−ホスホノメチルグリシンの製造方法Info
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Description
−ホスホノメチルグリシンおよびその塩の新規な製造方
法に関する。
農薬として有効なその塩類(ナトリウム塩、アンモニウ
ム塩、イソプロピルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリ
メチルスルホニウム塩等)は生物的に分解され、また少
量の使用で除草剤として有効な化合物であり、広く使用
されている(米国特許第3,799,759号、ヨロッ
パ特許出願公開第369,076号等)。N−ホスホノ
メチルグリシンの製造方法は多数知られているが、本発
明に関連する技術として、原料にアミノメチルホスホン
酸を使用するN−ホスホノメチルグリシンの製造方法も
いくつか知られている。
メチルホスホン酸を40〜45℃で添加したのち加熱す
る方法(特開昭 62-61992 号)、同じくアミノメチルホ
スホン酸とグリオキザールを原料として二酸化硫黄の存
在下に反応させる方法(欧州特許第 81459号および米国
特許第 4369142号)、アミノメチルホスホン酸とグリオ
キシル酸を反応させた後にパラジウム触媒の存在下で水
素還元する方法(欧州特許第 186648 号)、アミノメチ
ルホスホン酸とクロロ酢酸を水酸化ナトリウムなどの酸
受容体の存在下に80〜120℃程度に加熱する方法
(ポーランド特許第 120759 号およびスペイン特許第 5
04479 号)、アミノメチルホスホン酸と臭化マロン酸ジ
エチルをアルカリ性条件下で反応させた後、硫酸酸性下
で加水分解する方法(スペイン特許第 545456 号)が知
られているが、これらの方法は取り扱いにくい気体を使
用したり、反応操作が繁雑であったり、反応の収率が充
分でなかったり、必ずしも満足なものとはいえない。
メチルホスホン酸とアミノメチルホスホン酸のモノ塩を
形成するのに必要なアルカリの存在下でホルムアルデヒ
ドを反応させ、アミノメチルホスホン酸をN−メチロー
ル体とした後、pH7〜10の間でシアン化カリウムを
反応させるN−ホスホノメチルグリシノニトリル、ある
いはそのモノ塩の製造方法が開示されている。また、同
特許中には、その方法で合成されたN−ホスホノメチル
グリシノニトリルを加水分解することによりN−ホスホ
ノメチルグリシンが得られることが記載されている。し
かし、同特許の実施例の記載によれば、N−ホスホノメ
チルグリシノニトリルは最も収率良く得られた場合でも
66%と低く、しかもアミノメチルホスホン酸の転化率
を上げるためには、アミノメチルホスホン酸に対して、
2.4倍モルという大過剰のシアン化カリウムが必要であ
る。また、N−ホスホノメチルグリシノニトリルの加水
分解の収率も、実施例によれば最高でも90%であるか
ら、アミノメチルホスホン酸を基準とするN−ホスホノ
メチルグリシンの収率は60%程度となる。
ミノメチルスルホン酸を原料に使用して、操作が容易で
収率に優れたN−ホスホノメチルグリシンの製造方法を
提供することにある。
チルホスホン酸を使用するN−ホスホノメチルグリシン
の製造方法について種々検討を重ねた結果、アミノメチ
ルホスホン酸とグリコロニトリルとを、アミノメチルホ
スホン酸がジアルカリ金属塩となり得る量のアルカリ金
属水酸化物を加えて反応させ、その後加水分解を行なう
にあたり、生成するカルボン酸を中和するのに充分な量
のアルカリ金属水酸化物を使用することによって、極め
て高収率でN−ホスホノメチルグリシンが得られること
を見出し、本発明を完成した。
酸とグリコロニトリルをアルカリ金属水酸化物の存在
下、60℃以下の温度で反応させた後、生成するカルボ
ン酸を中和するのに充分な量のアルカリ金属水酸化物を
さらに加えて加水分解することを特徴とするN−ホスホ
ノメチルグリシンの製造方法を提供したものである。
アミノメチルホスホン酸とグリコロニトリルとの反応に
おいてアルカリ金属水酸化物を加えるのは、アミノメチ
ルホスホン酸が、アミノ基とホスホノ基を同一分子内に
持つ両性化合物であること、およびアミノメチルホスホ
ン酸とグリコロニトリルが反応するためにはアミノメチ
ルホスホン酸のアミノ基がイオンの形になっていないこ
とが必要だからである。 すなわち、アミノメチルホス
ホン酸の2個の酸性を示す水酸基のうち少なくとも一方
がアルカリ金属水酸化物で中和されていない時には、一
般の両性化合物に見られるようにアミノメチルホスホン
酸のアミノ基の一部あるいはほとんどすべてがイオンの
形のいわゆる両性イオンとなり、グリコロニトリルとは
反応しない。このことからわかるように、アルカリ金属
はアミノメチルホスホン酸に対して、2倍モル以上のア
ルカリ金属水酸化物が加えられることが望ましい。アル
カリ金属のアミノメチルホスホン酸に対するモル比の値
はそれほど厳密なものではないが、アルカリ金属水酸化
物を過剰に加え、実質的に遊離のアルカリ金属水酸化物
が大量に存在すると、グリコロニトリルの分解により収
率の低下を招き、またアルカリ金属水酸化物が少ない場
合には上に述べた理由からアミノメチルホスホン酸の反
応性が落ち、やはり収率の低下を招く。従って、アルカ
リ金属水酸化物はアミノメチルホスホン酸に対して2倍
モルを基準に0.5 モル程度増減した1.5 〜2.5 倍モルの
範囲、さらに望ましくは1.8 〜2.2 倍モルの範囲で加え
ることが好ましい。なお、ここで使用するアルカリ金属
水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが
好ましい。
ては、上に述べたアルカリ金属水酸化物とアミノメチル
ホスホン酸に関する量的な関係の範囲内であれば、理論
量、すなわちアミノメチルホスホン酸に対して等モルが
望ましい。この値もそれほど厳密なものではないが、ア
ミノメチルホスホン酸に対してグリコロニトリルが多い
場合には過剰量のグリコロニトリルが副反応の原因とな
り、少ない場合には比較的高価なアミノメチルホスホン
酸が未反応のまま残るので、共に避けることが望まし
い。このような理由から、グリコロニトリルはアミノメ
チルホスホン酸に対して等モルを基準に0.5 モル程度増
減した0.5 〜1.5 倍モルの範囲、さらに望ましくは0.8
〜1.2 倍モルの範囲で反応に供されることが好ましい。
反応液のpHは原料仕込み濃度および反応温度によって
変化するので一概には言えないが、上記の条件下で反応
が行われた場合、反応液のpHは10.5以上となる。
はアミノメチルホス土ン酸とアルカリ金属水酸化物の撹
拌混合水溶液に、グリコロニトリルの水溶液を滴下した
後、さらに撹拌を続けて反応を完結させる。アミノメチ
ルホスホン酸とグリコロニトリルの反応温度は60℃以
下が望ましい。温度が高すぎる場合は副反応を生じ、収
率が低下する。一方、余り低い温度では反応が遅くなる
ので、通常は0〜60℃、好ましくは10〜40℃が適
当である。また、反応に要する時間は温度によって異な
るが30分〜3時間程度である。
化物の量は加水分解により生成するカルボン酸を中和す
るのに充分な量である必要がある。アルカリ金属水酸化
物が少ない場合には加水分解が進行しないし、また、過
剰に加えると、生成物であるN−ホスホノメチルグリシ
ンの酸析による単離の際に塩の生成量が多くなるため避
けることが望ましい。この加水分解反応の温度は特に制
限はないが通常は60℃から反応液の沸点までの範囲で
行なわれる。反応時間は温度によるが通常は1〜3時間
程度である。なお、反応を反応液の沸点以下で行なう場
合には、加水分解反応により生成するアンモニアを除去
するため、反応終了前に少なくとも一度反応液を煮沸す
ることが望ましい。
っては反応液を適宜希釈あるいは濃縮した後、N−ホス
ホノメチルグリシンを酸析によって容易に単離すること
ができる。あるいは、例えばイオン交換樹脂のような他
の常法の手段を単独で、あるいは併用して単離精製する
ことができるし、再結晶によってさらに精製することも
できる。さらに公知の方法によって、例えばナトリウム
塩、アンモニウム塩、イソプロピルアミン塩、ジメチル
アミン塩、トリメチルスルホニウム塩等の塩類に誘導す
ることができる。
グリコロニトリルを反応させる本発明の方法によれば、
容易な操作で高収率でN−ホスホノメチルグリシンまた
はその塩を得ることができる。すなわち、アミノメチル
ホスホン酸とグリコロニトリルの転化率はいずれも95
%以上となり、N−ホスホノメチルグリシンへの選択率
も95%以上に達する。
83号明細書の実施例には、アミノメチルホスホン酸とホ
ルムアルデヒドを、アミノメチルホスホン酸に対して1.
3 倍モルの水酸化ナトリウムの存在下反応させてアミノ
メチルホスホン酸のN−メチロール体とした後、塩酸水
溶液でpHを8〜9に保ちながらアミノメチルホスホン
酸に対し1.1 倍モルのシアン化カリウムを加える方法で
のアミノメチルホスホン酸の転化率が80%である旨記
載されているが、この方法に比較して、アミノメチルホ
スホン酸のN−メチロール体を経過せずグリコロニトリ
ルを使用する本発明方法の有利なことは明らかである。
さらに、前記米国特許に記載されているようなpH8〜
9の反応条件では系内に存在する未反応のホルムアルデ
ヒドとシアン化ナトリウムからグリコロニトリルが生成
していたとしても、先述のような理由でアミノメチルホ
スホン酸との反応は起きていないことは明らかであるか
ら、アミノメチルホスホン酸とグリコロニトリルを反応
が進行するのに充分な条件下で、すなわちアミノメチル
ホスホン酸に対して1.5 〜2.5 倍モルのアルカリ金属水
酸化物を加え、pH10.5以上という条件下で、グリコロ
ニトリルをアミノメチルホスホン酸と反応させるという
本発明の方法は前記米国特許の記載からは予測できない
ユニークな方法であると言える。
シンの製造方法について代表的な例を示し具体的に説明
する。ただし、これらは本発明についての理解を容易に
するための例示であり、本発明はこれのみに限定されな
いのは勿論のこと、これによって何ら限定的に解釈され
るものでなはい。
トおよび還流凝縮機をとりつけた。50gの水、16.7g
の48%水酸化ナトリウム水溶液(200mmol)、11.1
gのアミノメチルホスホン酸(100mmol)の混合液を
入れ、撹拌した。この時のpH(pH7の緩衝液で20
℃において較正したpHメーターで測定した。以下同
じ)は13.1であった。反応器を氷水中で冷却し反応液を
5℃以下に保ちながら14.3gの40%グリコロニトリル
溶液(100mmol)を30分かけて滴下した。滴下終了
後、5℃以下で30分、室温に戻して1時間撹拌した。
この時のpHは11.0であった。次いで、8.4 gの48%
水酸化ナトリウム水溶液(100mmol)を加え、2時間
加熱還流させた。反応終了後の液をHPLCで分析した
ところ、N−ホスホノメチルグリシンを94mmol含んで
いた。反応収率は原料アミノメチルホスホン酸およびグ
リコロニトリルに対して94%であった。反応液を濃塩
酸によりpH2まで中和した後、一晩放置しN−ホスホ
ノメチルグリシンを晶出させた。晶出したN−ホスホノ
メチルグリシンをろ別した。水洗、乾燥後の重量は13.4
gであり、HPLCから求めた純度は98%であった。
原料アミノメチルホスホン酸およびグリコロニトリルか
らの収率は78%であった。
保ち、滴下終了後、20℃前後で1時間撹拌した以外は
実施例1と同様に行なった。反応終了後の液をHPLC
で分析したところ、N−ホスホノメチルグリシンの反応
収率は原料アミノメチルホスホン酸およびグリコロニト
リルに対して95%であった。
保ち、滴下終了後、60℃前後で1時間撹拌した以外は
実施例1と同様に行った。反応終了後の液をHPLCで
分析したところ、N−ホスホノメチルグリシンの反応収
率は原料アミノメチルホスホン酸およびグリコロニトリ
ルに対して72%であった。
水酸化ナトリウム水溶液(100mmol)、11.1gのアミ
ノメチルホスホン酸(100mmol)の混合液を入れ、撹
拌した。この時のpHは9.7 であった。反応液を氷水中
で冷却し反応液を5℃以下に保ちながら14.3gの40%
グリコロニトリル水溶液(100mmol)を30分かけて
滴下した。滴下終了後、5℃以下で30分、室温に戻し
て1時間撹拌した。この時のpHは9.5 であった。HP
LCで分析したところ原料アミノメチルホスホン酸およ
びグリコロニトリルの転化率は5%以下であった。
gの48%水酸化ナトリウム水溶液を15分かけて滴下
した。滴下終了後のpHは11.2であった。そのまま20
℃で1時間撹拌した。この反応液をHPLCで分析した
ところ、原料アミノメチルホスホン酸およびグリコロニ
トリルの転化率は95%以上であった。次いで、8.4 g
の48%水酸化ナトリウム水溶液(100mmol)を加
え、2時間加熱還流した。反応終了後の液をHPLCで
分析したところ、N−ホスホノメチルグリシンの反応収
率は原料アミノメチルホスホン酸およびグリコロニトリ
ルに対して91%であった。
Claims (4)
- 【請求項1】 アミノメチルホスホン酸とグリコロニト
リルをアルカリ金属水酸化物の存在下で反応させた後、
生成するカルボン酸を中和するのに充分な量のアルカリ
金属水酸化物を加えて加水分解することを特徴とするN
−ホスホノメチルグリシンまたはその塩の製造方法。 - 【請求項2】 アミノメチルホスホン酸とグリコロニト
リルをアルカリ金属水酸化物の存在下60℃以下の温度
で反応させる請求項1に記載のN−ホスホノメチルグリ
シンまたはその塩の製造方法。 - 【請求項3】 アミノメチルホスホン酸とグリコロニト
リルの反応をpH10.5以上で行なう請求項1に記載
のN−ホスホノメチルグリシンまたはその塩の製造方
法。 - 【請求項4】 アミノメチルホスホン酸とアミノメチル
ホスホン酸に対して0.5〜1.5倍モルのグリコロニ
トリルを、アミノメチルホスホン酸に対して1.5〜
2.5倍モルのアルカリ金属水酸化物の存在下に反応さ
せる請求項1に記載のN−ホスホノメチルグリシンまた
はその塩の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3064026A JP2533006B2 (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | N−ホスホノメチルグリシンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3064026A JP2533006B2 (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | N−ホスホノメチルグリシンの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04279595A JPH04279595A (ja) | 1992-10-05 |
| JP2533006B2 true JP2533006B2 (ja) | 1996-09-11 |
Family
ID=13246219
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3064026A Expired - Lifetime JP2533006B2 (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | N−ホスホノメチルグリシンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2533006B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| EP0806428B1 (en) * | 1994-11-09 | 2003-01-29 | Showa Denko Kabushiki Kaisha | Method for isolating N-phosphonomethylglycine |
| EP0816369B1 (en) * | 1996-06-21 | 2003-02-26 | Showa Denko Kabushiki Kaisha | Method for producing N-phosphonomethylglycine |
-
1991
- 1991-03-05 JP JP3064026A patent/JP2533006B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04279595A (ja) | 1992-10-05 |
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