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JP2541442B2 - 近似推論装置 - Google Patents
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JP2541442B2 - 近似推論装置 - Google Patents

近似推論装置

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JP2541442B2
JP2541442B2 JP5071592A JP7159293A JP2541442B2 JP 2541442 B2 JP2541442 B2 JP 2541442B2 JP 5071592 A JP5071592 A JP 5071592A JP 7159293 A JP7159293 A JP 7159293A JP 2541442 B2 JP2541442 B2 JP 2541442B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセス、メカトロニ
クスなどの制御において、入力変数の値が与えられると
き、入出力関係を記述する複数の推論規則を用いて、最
適な出力変数を推論する近似推論に利用する。
【0002】本発明は、入力変数から出力変数を近似的
に推定する近似推論を少ない工数で行うことができる近
似推論装置に関する。
【0003】
【従来の技術】近似推論は、入出力関係が数式のような
明確なモデルとして把握されていない場合、入力変数に
対応して出力変数を近似的に推定するのを目的とする。
【0004】従来の近似推論の方法は、図6に示すよう
に、ファジィ集合論を適用したファジィ推論(菅野道夫
「ファジィ制御」1988年 日刊工業新聞社)による
もので次のように行われている。
【0005】入出力関係における入力変数と出力変数と
を定性的に表現し、入出力関係を入力変数と出力変数と
の関係の定性的表現とし複数の規則として記述する。例
えば、入力変数を2個、出力変数を1個とし、各々
1 、x2 :yと記し、各々の量をファジィ表現A1i
2i、Bi 、(iは規則の番号)で示すものとし、規則
はn個とした場合次のようにする。
【0006】
【数1】 これらの各規則に対応して、図6に示すように規則演算
部1011、1012、…、1019を設ける。
【0007】定性表現のファジィ表現は任意でよいが通
常は次のように行われる。変数領域を正と負に分け、更
に各々の絶対値を小さい、中くらい、大きいなどにクラ
ス分けする。例えば、各クラスの略記号をPB(正で大
きい)、PM(正で中くらい)、PS(正で小さい)、
Z(零付近)、NS(負で小さい)、NM(負で中くら
い)、NB(負で大きい)とする。
【0008】以上のようにファジィ表現をクラス毎のメ
ンバシップ関数により示すことができる。各クラスのメ
ンバシップ関数は変数のファジィ表現を各クラスのファ
ジィ集合に対応させるとき、変数のファジィ集合への帰
属度である。これを図で示すと、例えば図7のようにな
る。ここで、入力変数を〔外1〕、〔外2〕とし図6に
示すようにファジィ推論演算部1011、1012、
…、1019に対して入力A1i、A2iをメンバシップ関
数で表現するための入力変数メンバシップ関数部112
0、1125があり、入力〔外1〕、〔外2〕に対応し
て、メンバシップ関数から帰属度〔外3〕、〔外4〕を
ファジィロジック演算部1140へ送出する。このファ
ジィロジック演算部1140では、i番目の規則が複数
の変数〔外1〕、〔外2〕に対し、どの程度有効かを定
める規則部適合値wi を次式により算出する。
【0009】
【数2】 ここで∧は最小を選択することを示す。
【0010】
【外1】
【0011】
【外2】
【0012】
【外3】
【0013】
【外4】 ファジィ理論により、各規則における出力値はwi を用
いて次により定める。
【0014】
【数3】 これは、図8に示すように斜線部aのファジィ表現で示
すことができる。図6に示すように、システムとして
は、各規則演算部1011、1012、1019におい
て規則の出力変数の真理値をメンバシップ関数として記
憶する。出力メンバシップ関数部1160からメンバシ
ップ関数がまた、ファジィロジック演算部1140から
規則部適合値が各々出力推定部1170へ送られ式
(3)による演算を行う。複数の推論規則による出力推
定値を統合するため、ファジィ理論による次式を計算す
【0015】
【数4】 ここで∨は最大を選択することを示す。n=2の場合の
システムの動作を図8に示す。
【0016】ファジィ推論システムにおいては、図6に
示すように演算部1180を設け、各推論演算部101
1、1012、…1019から出力推定値をファジィ和
演算部1180へ送り式(3′)の演算を行わせる。
【0017】式(3′)の結果であるB0 (y)はファ
ジィ集合としてメンバシップ関数で表現されている。出
力値を1点y0 として推定する必要がある場合、一般に
次式を用いる重心法がよく知られている。
【0018】
【数5】 この演算は非ファジィ化と呼ばれる。y0 は図8に示す
0 のyに関する重心の座標を与える。
【0019】ファジィ推論システムでは、図6に示すよ
うに重心演算部1190にファジィ和演算部1180の
結果を与え、式(4)による演算を行わせy0 を出力さ
せる。
【0020】プロセス、メカトロニクスなどの制御に近
似推論を用いる場合、一般に次のように実施される。制
御を行うには、被制御のシステムの状態を示す状態量に
対応して、最適の操作量を定めて時々刻々操作する。上
記の近似推論において、入力変数を状態量に、また出力
変数を操作量に対応することにより、入力変数と出力変
数との数学的関係が判明していない場合でも制御を行う
ことができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の方法
によれば、入力変数と出力変数との関係を用いて最適な
出力変数を同定する場合、満足な同定結果が得られない
とメンバシップ関数の設定し直しが必要になる。例えば
式(2)で示すようにwi が出力Bを規制するのでwi
を調整することが必要である。wi は式(3)で示すよ
うに、入力値〔外1〕、〔外2〕における規則の対応す
る入力変数のメンバシップ関数の最小値を求めるので規
則の入力変数と入力値の合致の度合を示す。
【0022】wi の調整には〔外3〕、〔外4〕のいず
れかまたは両方を変更することが必要となる。このメン
バシップ関数の変更は、変更を必要としない規則に対応
する出力Bをも変更することになり、目的とする調整が
困難である。
【0023】例えば図9に示す規則R1 の効果を大きく
するため、〔外5〕を大きくしようとして、A21のメン
バシップ関数bがPMであるのを破線で示すように変更
すると、〔外6〕もcのように同時に大きくなってしま
い、規則Rn の効果も大きくなってしまう。
【0024】
【外5】
【0025】
【外6】 このように、従来の方法によれば、出力の1点推定には
式(4)のようにメンバシップ関数の重心を求めるた
め、はん雑な計算を必要とするので複雑な計算装置を用
いるか、あるいは常用の計算装置により長時間かけて計
算しなければならない問題がある。
【0026】本発明はこのような問題を解決するもの
で、はん雑な計算をなくし、常用の計算装置を用いても
短時間で演算を行うことができるシステムを提供するこ
とを目的とする。
【0027】本発明の第一は、複数推論規則にしたがっ
て出力変数推定値を出力する複数の推論演算部を備え、
この推論演算部でそれぞれ得られる出力変数推定値から
近似推論値を得る演算手段を備え、前記推論演算部に、
複数推論規則の真理値を別々に蓄積する規則真理値記憶
部と、各規則における入力変数の定性表現に関して信ぴ
ょう性の度合を示す真理値がどの程度の値となるかを入
力変数ごとに出力する複数の入力変数真理値関数演算
と、前記規則真理値記憶部からの規則真理値により出力
変数の代表値を得る出力変数真理値逆関数演算部と、前
記入力変数真理値関数演算部からの出力を受け入力変数
真理値の代表値の補数を求める入力変数演算部と、前記
規則真理値記憶部の出力と前記入力変数演算部の出力と
の限界差を演算するフィデリティ演算部と、前記出力変
数真理値逆関数演算部からの出力変数代表値に前記フィ
デリティ演算部の出力を乗じて出力変数推定値を出力す
る乗算部とを備え、前記演算手段に、前記乗算部のそれ
ぞれが出力する出力変数推定値を加算する出力変数推定
値加算部と、前記フィデリティ演算部それぞれが演算し
た限界差を加算するフィデリティ加算部と、前記出力変
数推定値加算部の出力を前記フィデリティ加算部の出力
で除算する除算部とを備えたことを特徴とする。
【0028】前記入力変数真理値関数演算部は、入力変
数とその真理値との関係について所定の関数関係とする
原関数演算部と、規則の入力変数の記述において「非常
に」とあるときにはその入力変数を入力し所定の関数の
2乗とする2乗関数演算部と、規則の入力変数の記述に
おいて「どちらかといえば」とあるときにはその入力変
数を入力し所定の関数の1/2乗とする1/2乗関数
部と、規則の入力変数の記述において「…でない」と
あるときにはその入力変数を入力し所定の関数の補数と
する補数関数演算部とにより構成され、前記出力変数真
理値逆関数演算部は、出力変数とその真理値との関係に
ついて所定の関数関係とする原逆関数演算部と、規則の
出力変数の記述において「非常に」とあるときにはその
出力変数を所定の関数の2乗とする2乗逆関数演算
と、規則の出力変数の記述において「どちらかといえ
ば」とあるときにはその出力変数を所定の関数の1/2
乗とする1/2乗逆関数演算部と、規則の出力変数の記
述において「…でない」とあるときにはその出力変数を
所定の関数の補数とする補数逆関数演算部とにより構成
することができる。
【0029】本発明の第二は、複数推論規則にしたがっ
て出力変数推定値を出力する複数の推論演算部を備え、
この推論演算部でそれぞれ得られる出力変数推定値から
近似推論値を得る演算手段を備え、前記推論演算部は、
複数推論規則の真理値を別々に蓄積する規則真理値記憶
部と、各規則における入力変数の定性表現に関して信ぴ
ょう性の度合を示す真理値がどの程度の値となるかを入
力変数ごとに出力する複数の入力変数真理値関数部と、
前記規則真理値記憶部からの規則真理値により出力変数
の代表値を得る出力変数真理値逆関数部と、前記入力変
数真理値関数部からの出力を受け入力変数真理値の代表
値の補数を求める入力変数演算部と、前記規則真理値記
憶部に蓄積された規則に規則真理値を設定し、その規則
真理値と入力変数真理値の補数との限界差を出力変数の
代表値のフィデリディとする手段と、フィデリティが正
のときに規則真理値を出力変数の真理値であると推論
し、その出力変数の真理値を前記出力変数真理値逆関数
部に入力して出力変数の代表値を送出する手段と、出力
変数の代表値にフィデリティを乗じて出力変数推定値を
出力する手段とを備え、前記演算手段に、この出力変数
推定値を複数規則すべてに関し相加平均することにより
複数の推論規則による出力変数推定値を求める手段とを
備えたことを特徴とする。
【0030】前記出力変数真理値逆関数部により、規則
真理値を出力変数の真理値と推論してそれに対応する出
力変数の代表値を規則真理値よりも出力変数真理値が大
きくなる出力変数の区間の中央値とする手段を含み、複
数の規則真理値を所の出力値と出力推定値との差を拡
大する方向とは逆の方向に増減することにより、入力変
数の真理値および出力変数の真理値を固定したままで所
要の出力値と出力推定値との差を縮小する手段を含み、
入力変数の真理値の補数と出力変数の真理値との大きい
方の値を推論規則の真理値に合わせる手段を含むことが
望ましい。
【0031】
【作用】従来のファジィ理論に対し、最近、古典論理が
0または1だけを取り扱っているのを新規に拡張し、論
理式において区間〔0、1〕の値を取り扱うことのでき
る新規の多値論理がK.K.ソンバーにより発表されて
いる(IEEE主催、FUZZ−1992前刷 271
〜8頁 1992年3月)。これをファジィ推論に対応
する形式で表現するとその規則の表現は式(1)に示す
ようになる。
【0032】各規則にその信ぴょう性のグレードとして
真理値(tRi)を仮定することにし、ファジィ推論にお
けるA1 .A2 .、B.のメンバシップ関数を入力変数
1、x2 、出力変数yの真理値と一致すると考え、記
号をそのまま用いて、入力変数を〔外1〕、〔外7〕と
すると、i番目の規則では、K.Kソンバーの多値論理
により、
【0033】
【外7】
【0034】
【数6】 i :if x1 is A1i and x2 is A2i,then y is Bi ;tRI (6) を用いると、
【0035】
【数7】 が成立する。
【0036】ここで(8)式は(7)式の成立する(モ
ーダスポーネンスという)ための必要条件である。Bi
の逆関数〔外8〕を図6に示すように定めて、規則Ri
から
【0037】
【外8】
【0038】
【数8】 この(9)式により出力〔外7〕を推論する。規則Ri
による推論の成立の度合(フィデリティと称しfpiと記
す)は、式(8)の成立の度合であると考えられるの
で、次のように定める。
【0039】
【数9】 このようにして、各規則から出力推論値〔外9〕とフィ
デリティfp . が得られる。
【0040】
【外9】 これらを統合して代表値を求めるとき、総合的な出力変
数の理論値は期待値の算出と同様にして
【0041】
【数10】 により計算される。
【0042】規則の真理値tR .は事前に入出力変数の
実績値があれば 1 、A 2 の実績値をa 1 、a 2 、Bの
実績値をb.とすると、R .=(1− 1 .∧ 2 .)∨. (12) で定めることができる。事前に理論的に定めることがで
きればその値を用いる。事前の情報または知識がなけれ
ば、 tR .=1 を用いる。
【0043】これにより、入力変数のファジィ集合のメ
ンバシップ関数の調整および出力変数のファジィ集合の
重心演算に要する労力および時間を大幅に削減すること
ができる。
【0044】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0045】(第一実施例)図1は本発明第一実施例の
構成を示すブロック図である。
【0046】本発明第一実施例は、複数推論規則にした
がって出力変数推定値を出力する複数の推論演算部11
1、112、…、119を備え、この推論演算部11
1、112、…、119でそれぞれ得られる出力変数推
定値から近似推論値を得る演算手段を備え、推論演算部
111、112、…、119は、複数推論規則の真理値
を別々に蓄積する規則真理値記憶部130と、各規則に
おける入力変数の定性表現に関して信ぴょう性の度合を
示す真理値がどの程度の値となるかを入力変数ごとに出
力する二つの入力変数真理値関数部120、125と、
規則真理値記憶部130からの規則真理値により出力変
数の代表値を得る出力変数真理値逆関数部160と、入
力変数真理値関数部120、125からの出力を受け入
力変数真理値の代表値の補数を求める入力変数演算部1
40と、規則真理値記憶部130の出力と入力変数演算
140の出力との限界差を演算するフィデリティ演算
部150と、出力変数真理値逆関数部160からの出力
変数代表値にフィデリティ演算部150の出力を乗じて
出力変数推定値を出力する乗算部170とを備え、前記
演算手段に、乗算部170のそれぞれが出力する出力変
数推定値を加算する出力変数推定値加算部180と、フ
ィデリティ演算部150それぞれが演算した限界差を加
算するフィデリティ加算部185と、出力変数推定値加
算部180の出力をフィデリティ加算部185の出力で
除算する除算部190とを備える。
【0047】次に、このように構成された本発明第一実
施例の動作について図面を参照して説明する。
【0048】ここでは、図1に示すように推論のための
複数の規則に対応して、推論演算部111、112、
…、119が設けられたとし、説明を簡単にするため入
力変数は、〔外1〕、〔外2〕の2個であるとして説明
する。
【0049】入力変数真理値関数部120、125は、
入力〔外1〕、〔外2〕が与えられたとき、各規則にお
ける入力変数が入力変数の定性表現に関して、信ぴょう
性の度合を示す真理値がどの程度の値となるかを出力す
る。その出力を〔外10〕、〔外11〕とする。
【0050】
【外10】
【0051】
【外11】 入力変数演算部140は、上述のK.K.ソンバーの多
値論理におけるモーダスポーネンスの必要条件を示す式
(8)の右辺である〔外12〕、すなわち入力変数論理
値〔外10〕、〔外11〕の代表値、〔外13〕の補数
を求める。また、規則真理値記憶部130は、各規則の
規則真理値tR .を記憶する。
【0052】
【外12】
【0053】
【外13】 フィデリティ演算部150は、規則真理値記憶部130
から規則真理値tR .を受けるとともに、入力変数演算
部140から〔外12〕を受けて、K.K.ソンバーの
多値論理におけるモーダスポーネンスの必要条件を示す
式(8)の成立する度合であるフィデリティfp .を求
めるため、上述の式(10)の演算を行う。すなわち、
規則真理値tR .と入力変数真理値の代表値〔外13〕
の限界差演算を行う。上述のモーダスポーネンスの必要
条件を示す式(8)が満足されるとき、すなわちフィデ
リティfp .が正であるときに限り、推論演算部11
1、112、…、119の外部に設けられたフィデリテ
ィ加算部185へフィデリティfp .を送出する。出力
変数真理値逆関数部160は、出力変数の真理値が与え
られたときに出力変数を出力する逆関数の機能を有す
る。図3はその規則真理値tR .と出力変数〔外9〕と
の関係を示す図である。
【0054】K.K.ソンバーの多値論理におけるモー
ダスポーネンスの必要条件が満足されれば、モーダスポ
ーネンスの結論である式(7)を用いることができるの
で、規則真理値tR .を規則真理値記憶部130から出
力変数真理値逆関数部160に送り出力変数の代表値
〔外9〕を得る。上述の式(9)によりこの〔外9〕は
出力変数の推定結果である。〔外9〕は乗算部170に
よりフィデリティfp .が乗じられ、フィデリティ
p .の重みがついて、各推論演算部111、112、
…、119から外部に設けされている出力変数推定値加
算部180へ送られる。各規則による推定結果を総合し
て推論するために、上述の式(11)を算出するべく、
フィデリティ加算部185、出力変数推定値加算部18
0の出力が除算部190によって除算され、出力変数推
論値y0 が得られる。
【0055】本第一実施例では、複数の規則に各々1個
ずつ推論演算部111、112、…、119を対応させ
て設けたが、システムの構成上の都合によっては、1個
の推論演算部を時分割して利用することも可能である。
このような新規の近似推論のシステムにより、従来技術
によるファジィ推論を用いてのプロセスやメカトロニク
スなどの制御を同様に行うことができる。すなわち、被
制御システムの状態量を出力変数に、操作量を入力変数
に各々対応させることにより、状態量と操作量との数学
的関係が判明していなくても、時々刻々の状態量に対す
る操作量を決定できる。
【0056】以下、具体的に従来方法と比較して説明す
る。
【0057】図4に示す入出力関数を近似推論により推
論する場合、従来の方法では、図10に示す手順で推論
し、図4に示す点(黒)のように推定される。
【0058】一方、本発明によると図10に示す手順で
推論でき図4における点(白)で示すように推定され従
来方法と一致する。
【0059】しかし、図4に示すようにx=3におい
て、推論誤差は Δy=15−12=3 と無視するには大きすぎる。
【0060】この誤差を小さくするためには、従来方法
によると図4に示すxが正で小さい領域PSのメンバシ
ップ関数を破線で示すように変更して、x=3における
規則R1 の効果を強めることが一つの方策となる。しか
し、図10に示すように推論値はy=14となり、誤差
は小さくならない。しかもPSを用いる規則が他にある
場合その規則の効果にも影響が及ぶ。
【0061】一方、本発明によれば、図10に示す手順
のように、規則R1 の重みを増すため規則R2 の信ぴょ
う性の度合を1から0.6に変更することにより、x=
3のとき、y=11.6となり、誤差は僅かに小さく
(0.4)となる。
【0062】このように規則の信ぴょう性のグレードを
調整することにより、容易に推論の程度を改善できる。
また、従来の方法では出力量は、1点で出力するために
は、ファジィ集合のメンバシップ関数の重心を計算する
必要がある。その計算に要する時間(T)はマイクロプ
ロセッサを例にとると、サイクルタイム(C)、メンバ
シップ関数を表現するデータ濃度(N)、ルールの数
(n)により次のように表される。
【0063】 T≒(Nn+α+β)C (13) ここで、α、βは各々積和、除算に要するサイクル数で
ある。
【0064】一方、本発明によれば、メンバシップ関数
を用いないので、式(13)に対応する所要時間
(T′)は次のようになる。
【0065】 T′≒(n+α+β)C (14) Nは、大抵は数個から256であり、nは数個、α、β
は2〜3である。したがって、本発明では、出力を1点
で求めるのに要する時間は従来による方法よりも1桁程
小さい。さらに、本発明の効果として、入出力の関係を
述べる規則の信ぴょう性のグレードを予め定める際、前
記K.K.ソンバーによる新規の多値論理を適用して、
式(12)により実績データにより定めることができ、
実績に裏づけられた推論ができる。
【0066】図5は本発明第一実施例における推論過程
の具体例を示したものである。
【0067】(第二実施例)図2は本発明第二実施例の
要部の構成を示すブロック図である。
【0068】本発明第二実施例は、第一実施例における
入力変数真理値関数部として、入力変数とその真理値と
の関数について所定の関数関係とする原関数部220
と、規則の入力変数の記述において「非常に」とあると
きにはその入力変数を入力し所定の関数の2乗とする2
乗関数部221と、規則の入力変数の記述において「ど
ちらかといえば」とあるときにはその入力変数を入力し
所定の関数1/2乗とする1/2乗関数部222と、規
則の入力変数の記述において「…でない」とあるときに
はその入力変数を入力し所定の関数の補数とする補数関
数部223とを備え、第一実施例における出力変数真理
値逆関数部として、出力変数とその真理値との関係につ
いて所定の関数関係とする原逆関数部270と、規則の
出力変数の記述において「非常に」とあるときにはその
出力変数を所定の関数の2乗とする2乗逆関数部271
と、規則の出力変数の記述において「どちらかといえ
ば」とあるときにはその出力変数を所定の関数の1/2
乗とする1/2乗逆関数部272と、規則の出力変数の
記述において「…でない」とあるときにはその出力変数
を所定の関数の補数とする補数逆関数部273とを備え
る。
【0069】この第二実施例は、第一実施例における入
力変数真理値関数部および出力変数真理値逆関数部を並
列に設置したものであり、その動作は次のように行われ
る。
【0070】規則の記述における入力変数x1 に関する
定性表現A1 に修飾語がないときは、切替部210によ
り、入力変数〔外1〕が原関数部220へ入力するよう
に接続し、定性表現A1 に修飾語が「非常に」とあると
きは、入力変数の真理値を2乗するような関数を設定す
る2乗関数部221へ入力するように接続し、定性表現
1 に修飾語が「どちらかといえば」とあるときは、入
力変更の真理値を1/2乗する関数を設定する1/2乗
関数部222へ入力するように接続し、定性表現A1
「…でない」とあるときは、入力変数の真理値の補数を
設定する補数関数部へ接続するようにする。
【0071】変数x2 に関し定性表現A2 についても同
様に設定し、出力変数についても同様に原逆関数部27
0、2乗逆関数部271、1/2乗逆関数部272、お
よび補数逆関数部273それぞれに切替部250により
切替え、真理値を規則の出力変数に関する定性表現の修
飾語に対して送出する。
【0072】このように本発明第二実施例では、入力変
数の定性表現に修飾語がつく場合、予め入力変数真理値
関数部を複数並列に設けているので、修飾語に応じて切
替部210により、入力変数の複数並列の入力変数真理
値関数部への接続を切替えることができ、さらに出力変
数真理値逆関数部も複数並列に設けられるので、修飾語
に応じて切替部250により、推論の信ぴょう性のグレ
ードの送出先を切替えることができる。
【0073】従って、規則が次にように入力変数および
出力変数につき、修飾語が付加される場合、例えば、 R1 :x1 が「非常に」A1 、かつx2 がA2 ならばy
は「非常に」B12 :x1 が「どちらかといえば」A1 、かつx2 がA
2 ならばyはB13 :x1 がA1 「でない」、かつx2 がA2 ならば、
yはB1 「でない」の三つのルールによるとき、図2に
示す1ケの推論演算部200を用いて次のように操作さ
れる。
【0074】ルールR1 について、〔外1〕を「非常
に」に対応する221へ、規則真理値tR1を「非常に」
に対応する2乗逆関数部271へ送るように切替部21
0、250を切替える。
【0075】ルールR2 について、〔外1〕を「どちら
かといえば」に対応する1/2乗関数部222へ、規則
真理値tR1を原逆関数部270へ送るように切替部21
0、250を切替える。
【0076】ルールR3 について、〔外1〕を「でな
い」に対応する補数関数部223へ、規則真理値tR1
「でない」に対応する補数逆関数部273へ送るように
切替部210、250を制御する。
【0077】このように、ルールR1 、R2 、R3 につ
いて各々推論演算部を設定しなくても、1ケの推論演算
部200を用いるだけで、推論演算部3ケの機能をはた
すことができる。上述のように、複数規則において、入
力変数の定性表現に修飾語がつく場合、入力変数真理値
関数部および出力変数真理関数部につき、修飾語に対応
する特性の関数特性を定めておき、修飾語に応じて選択
的に使用することにより、推論演算部の数が低減可能と
なり、システムの費用節減を行うことができる。 上記
第一実施例および第二実施例はそれぞれ図面にブロック
図を示して説明したが、この装置を実現するには、必ず
しもこのようなブロック図で区分できる回路を備えるこ
となく、このブロックの複数に相当する演算処理を一つ
のプロセッサで実行するようにして実現することができ
る。しばしばその方が設計として合理的である場合が多
い。
【0078】したがって、ブロック別に図面に対応でき
ない特許請求の範囲の各項はその意味であり、上記二つ
の実施例の説明から同様に理解することができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ァジィ推論の結果が所望の出力値とならないときに、メ
ンバシップ関数を修正するような計算処理工数のかかる
作業が不要となり、単に推論規則に対応した真理値を修
正するだけで推論を行うことができ、したがって、メン
バシップ関数を調整しても所望の出力値が得られなかっ
たためにファジィ推論が使えなかった領域にも近似推論
を活用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明第二実施例の要部の構成を示すブロック
図。
【図3】本発明第一実施例における規則真理値と出力変
数の関係を示す図。
【図4】本発明第一実施例と従来例との動作の比較を説
明する図。
【図5】本発明第一実施例における推論過程の具体例を
示す図。
【図6】従来例の構成を示すブロック図。
【図7】従来例におけるメンバシップ関数の一例を示す
図。
【図8】従来例における推論の方法を説明する図。
【図9】本発明において解決しようとする課題例を説明
する図。
【図10】従来例における推論の過程を説明する図。
【符号の説明】
111、112、…、119、200 推論演算部 120、125 入力変数真理値関数部 130 規則真理値記憶部 140 入力変数演算部 150 フィデリティ演算部 160 出力変数真理値逆関数部 170 乗算部 180 出力変数推定値加算部 185 フィデリティ加算部 190 除算部 210、250 切替部 220 原関数部 221 2乗関数部 222 1/2乗関数部 223 補数関数部 270 原逆関数部 271 2乗逆関数部 272 1/2乗逆関数部 273 補数逆関数部 1011、1012、…、1019 ファジィ推論演算
部 1120、1125 入力変数メンバシップ関数部 1140 ファジィロジック演算部 1160 出力メンバシップ関数部 1170 出力推定部 1180 ファジィ和演算部 1190 重心演算部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数推論規則にしたがって出力変数推定
    値を出力する複数の推論演算部を備え、 この推論演算部でそれぞれ得られる出力変数推定値から
    近似推論値を得る演算手段を備え、 前記推論演算部に、 複数推論規則の真理値を別々に蓄積する規則真理値記憶
    部と、 各規則における入力変数の定性表現に関して信ぴょう性
    の度合を示す真理値がどの程度の値となるかを入力変数
    ごとに出力する複数の入力変数真理値関数演算部と、 前記規則真理値記憶部からの規則真理値により出力変数
    の代表値を得る出力変数真理値逆関数演算部と、 前記入力変数真理値関数演算部からの出力を受け入力変
    数真理値の代表値の補数を求める入力変数演算部と、 前記規則真理値記憶部の出力と前記入力変数演算部の出
    力との限界差を演算するフィデリティ演算部と、 前記出力変数真理値逆関数演算部からの出力変数代表値
    に前記フィデリティ演算部の出力を乗じて出力変数推定
    値を出力する乗算部とを備え、 前記演算手段に、 前記乗算部のそれぞれが出力する出力変数推定値を加算
    する出力変数推定値加算部と、 前記フィデリティ演算部それぞれが演算した限界差を加
    算するフィデリティ加算部と、 前記出力変数推定値加算部の出力を前記フィデリティ加
    算部の出力で除算する除算部とを備えたことを特徴とす
    る近似推論装置。
  2. 【請求項2】 前記入力変数真理値関数演算部は、 入力変数とその真理値との関係について所定の関数関係
    とする原関数演算部と、 規則の入力変数の記述において「非常に」とあるときに
    はその入力変数を入力し所定の関数の2乗とする2乗関
    演算部と、 規則の入力変数の記述において「どちらかといえば」と
    あるときにはその入力変数を入力し所定の関数の1/2
    乗とする1/2乗関数演算部と、 規則の入力変数の記述において「…でない」とあるとき
    にはその入力変数を入力し所定の関数の補数とする補数
    関数演算部とにより構成され、 前記出力変数真理値逆関数演算部は、 出力変数とその真理値との関係について所定の関数関係
    とする原逆関数演算部と、 規則の出力変数の記述において「非常に」とあるときに
    はその出力変数を所定の関数の2乗とする2乗逆関数
    部と、規則の出力変数の記述において「どちらかとい
    えば」とあるときにはその出力変数を所定の関数の1/
    2乗とする1/2乗逆関数演算部と、 規則の出力変数の記述において「…でない」とあるとき
    にはその出力変数を所定の関数の補数とする補数逆関数
    演算部とにより構成された請求項1記載の近似推論装
    置。
  3. 【請求項3】 複数推論規則にしたがって出力変数推定
    値を出力する複数の推論演算部を備え、 この推論演算部でそれぞれ得られる出力変数推定値から
    近似推論値を得る演算手段を備え、 前記推論演算部は、 複数推論規則の真理値を別々に蓄積する規則真理値記憶
    部と、 各規則における入力変数の定性表現に関して信ぴょう性
    の度合を示す真理値がどの程度の値となるかを入力変数
    ごとに出力する複数の入力変数真理値関数演算部と、 前記規則真理値記憶部からの規則真理値により出力変数
    の代表値を得る出力変数真理値逆関数演算部と、 前記入力変数真理値関数演算部からの出力を受け入力変
    数真理値の代表値の補数を求める入力変数演算部と、 前記規則真理値記憶部に蓄積された規則に規則真理値を
    設定し、その規則真理値と入力変数真理値の補数との限
    界差を出力変数の代表値のフィデリディとする手段と、 フィデリティが正のときに規則真理値を出力変数の真理
    値であると推論し、その出力変数の真理値を前記出力変
    数真理値逆関数演算部に入力して出力変数の代表値を出
    力する手段と、 出力変数の代表値にフィデリティを乗じて出力変数推定
    値を出力する手段とを備え、 前記演算手段に、 この出力変数推定値を複数規則すべてに関し相加平均す
    ることにより複数の推論規則による出力変数推定値を求
    める手段とを備えたことを特徴とする近似推論装置。
  4. 【請求項4】 前記出力変数真理値逆関数演算部によ
    り、規則真理値を出力変数の真理値と推論してそれに対
    応する出力変数の代表値を規則真理値よりも出力変数真
    理値が大きくなる出力変数の区間の中央値とする手段を
    含む請求項3記載の近似推論装置。
  5. 【請求項5】 複数の規則真理値を所の出力値と出力
    推定値との差を拡大する方向とは逆の方向に増減するこ
    とにより、入力変数の真理値および出力変数の真理値を
    固定したままで所要の出力値と出力推定値との差を縮小
    する手段を含む請求項3記載の近似推論装置。
  6. 【請求項6】 入力変数の真理値の補数と出力変数の真
    理値との大きい方の値を推論規則の真理値に合わせる手
    段を含む請求項3記載の近似推論装置。
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