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JP2563541B2 - ターボ分子ポンプ用耐食材料 - Google Patents
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JP2563541B2 - ターボ分子ポンプ用耐食材料 - Google Patents

ターボ分子ポンプ用耐食材料

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JP2563541B2
JP2563541B2 JP31303088A JP31303088A JP2563541B2 JP 2563541 B2 JP2563541 B2 JP 2563541B2 JP 31303088 A JP31303088 A JP 31303088A JP 31303088 A JP31303088 A JP 31303088A JP 2563541 B2 JP2563541 B2 JP 2563541B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば半導体製造設備の排気ラインなどに
適用されるターボ分子ポンプ用耐食材料に関する。
〔従来の技術〕
従来、例えば半導体製造設備の排気ラインなどにター
ボ分子ポンプが設置されているが、このターボ分子ポン
プはウエハパターン形成のエツチング工程で排出される
塩素ガスなど腐食性ガスの環境中で運転されるためター
ボ分子ポンプの設計に際しては動翼や静翼などの部材の
耐食性が重視されている。このため、翼材として軽量、
低コスト、強度などの面から通常アルミニウム合金が用
いられている。ただし、アルミニウム合金は塩素ガスな
どの環境中では著しく腐食するためにアルミニウム合金
の表面に陽極酸化処理により酸化被膜を生成させたり、
或いはNiメッキ処理によりメツキ被膜を生成させるなど
して耐食性の向上を計つている。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に、耐食性の向上を計るのみであればアルミニウ
ム合金よりも耐食性に優れる、例えばステンレス鋼或い
はチタン合金などの耐食材料を使用すれば良い。しかし
ながら、上記のような従来のターボ分子ポンプは軽量
化、比強度の向上、低コスト化などの要求が強く、これ
らを満足させるためにはアルミニウム合金以外に無い。
また、陽極酸化処理による酸化被膜は一般的に多孔質で
あり、空孔が無数にあるために封孔処理が行われている
が、この封孔処理によつて完全に空孔を皆無にすること
は不可能である。また、Niメツキ処理はピンホールなど
の欠陥が必ず発生するためにこの欠陥部から選択的に腐
食が進行し、局部的に著しい腐食を生ずるなどの不具合
を抱えている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るターボ分子ポンプ用耐食材料は上記の課
題を解決することを目的にしており、アルミニウム金属
またはアルミニウム合金の表面に酸化被膜と、該酸化被
膜を酢酸ニツケル浴により処理して得られた水和物およ
び水酸化物による封孔処理層と、該封孔処理層上に形成
されたエポキシ樹脂層とを有することを特徴としてい
る。
また、本発明に係るターボ分子ポンプ用耐食材料はア
ルミニウム金属またはアルミニウム合金の表面に酸化被
膜と、該酸化被膜を温水中で沸騰処理して得られた水和
物による封孔処理層と、該封孔処理層上に形成された中
間結合用樹脂層と、該中間結合用樹脂層上に形成された
エポキシ樹脂層とを有することを特徴としている。
〔作用〕
即ち、本発明に係るターボ分子ポンプ用耐食材料はア
ルミニウム金属またはアルミニウム合金の表面の第1層
に酸化被膜が形成されている。そして、その封孔のため
に水和物Al2O3・xH2Oが第2層として形成されている。
さらに、この水和物が形成される際に水酸化物Ni(OH)
2,Al(OH)が同時に形成され、第3層としてエポキシ
樹脂が形成されている。一般に、酸化被膜は多孔質であ
り、そのままでは十分な耐食性を得ることが難しいので
封孔処理によりできる限り空孔を封じ込め耐食性の向上
を計つている。封孔処理としては沸騰封孔処理が一般的
であるが、本発明に於いては酢酸ニツケル浴により封孔
処理を施している。沸騰封孔処理では水和物Al2O3・xH2
Oにより空孔を封じ込むのに対し、酢酸ニツケル浴では
水和物と水酸化物Ni(OH)2,Al(OH)とにより空孔を
封じ込むことによつて耐食性の向上を計り、さらに第3
層にエポキシ樹脂を形成させて耐食性を向上させてい
る。このように、複数の被膜を重ね合わせることにより
従来よりも優れた耐食性を有するターボ分子ポンプ用耐
食材料が得られる。
また、本発明に係る他のターボ分子ポンプ用耐食材料
はアルミニウム金属またはアルミニウム合金の表面の第
1層に酸化被膜が形成され、その封孔のために水和物Al
2O3・xH2Oが第2層として形成されているが、第3層に
中間結合用樹脂層が形成されている。この中間結合用樹
脂層は第1層の酸化被膜の表面に生成しているOH基およ
び中間結合用樹脂層の上に形成されるエポキシ樹脂のエ
ポキシ基と化学的に結びついており、このような被膜構
造を有することによつて単に機械的に形成されている被
膜に比べて基材との密着力が弱い。このため、繰返し応
力が作用しても被膜が破壊され難く、耐食性とともに疲
労強度が改善されたターボ分子ポンプ用耐食材料が得ら
れる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例に係るターボ分子ポンプ用
耐食材料の断面図、第2図はその作用説明図、第3図は
そのターボ分子ポンプの断面図である。図に於いて、本
実施例に係るターボ分子ポンプ用耐食材料は第1図に示
すように脱脂、アルカリ洗浄、水洗、中和、水洗の順に
行われる工程で前処理されたJIS 2014に基づくアルミ
ニウム合金を一定の濃度、温度に保持された硫酸水溶液
中に浸漬する。そして、アルミニウム合金に所定の時間
通電し、電解によりアルミニウム合金の表面にAl2O3
ら成る酸化被膜(商品名はアルマイト被膜)を形成させ
る。なお、この場合の通電時間は被膜の厚さによつて異
なる。このように酸化被膜を形成させた後水洗を行い、
温度80℃以上、pH5.0〜6.0に保持された酢酸ニツケル中
に10分間以上浸漬し、空孔の部分にAl2O3・xH2Oからな
る水和物とNi(OH)およびAl(OH)からなる水酸化
物を生成させて封孔し、封孔処理層を形成させる。この
ように陽極酸化処理ならびに封孔処理によりアルミニウ
ム合金の表面に形成される酸化被膜と水和物および水酸
化物による封孔処理層との上にエポキシ樹脂を浸漬処理
により付着させる。次いで、これを引き上げ回転させて
不要のエポキシ樹脂を除去して均一な膜厚のエポキシ樹
脂層を形成させる。エポキシ樹脂層を形成させた後、密
着力を向上させるために温度50〜100℃の範囲で乾燥処
理を行う。なお、この乾燥処理の温度が100℃を越える
とエポキシ樹脂表面に割れが生じやすくなる。
このような処理方法によつて得られたターボ分子ポン
プ用耐食材料について、塩素ガスに温度80℃、相対湿度
70%になるように水分を含ませた湿りガス中で従来の耐
食材料との耐食性の比較試験を行つた。第2図は腐食試
験前後の試験片の重量減量から計算により求めた腐食速
度と試験日数との関係を表わすグラフで、図に示すよう
にアルミニウム合金は従来の陽極酸化処理による耐食コ
ーテイング材料、Niメツキ処理による耐食コーテイング
材料および本実施例に係る耐食材料に比べ著しく耐食性
が劣る。さらに、従来の陽極酸化処理による耐食コーテ
イング材料およびNiメツキ処理による耐食コーテイング
材料とも本実施例に係る耐食材料に比べるとピンホール
などの欠陥の影響により耐食性が劣つており、本実施例
に係る耐食材料が耐食性に最も優れている。なお、本実
施例に於いてはアルミニウム合金について記載したが、
アルミニウム金属に適用しても同様の作用効果が得られ
る。
第3図は動翼および静翼に本ターボ分子ポンプ用耐食
材料が適用されたターボ分子ポンプの断面図である。図
に於いて、このターボ分子ポンプはケーシング1の上部
に吸気口2、ケーシング1の下部に排気口3が設けられ
ており、ロータ6に装着した複数の動翼5をケーシング
1に設けられた複数の静翼4間の溝状の空間内で高速回
転させることにより、排気作用を得て吸気口2側を高真
空にしている。ロータ6をこのように高速回転させるた
め、ロータ6の上部軸受はロータ6の中心軸7に装着し
た永久磁石8aとロータ6の中心軸7の周囲に中心軸7と
間隔をおいてケーシング1の下部から上方に向つて伸び
る支持台10に装着した永久磁石8bとを磁気的に反撥させ
て或る間隙を設けて対向させた磁気軸受8であり、下部
軸受はロータ6の中心軸7の軸方向および軸直角方向に
負荷能力を有する、例えばスパイラルグループベアリン
グのようなすべり軸受9で構成されている。11はモータ
である。
第4図は本発明の他の実施例に係るターボ分子ポンプ
用耐食材料の縦断説明図、第5図はその作用説明図であ
る。図に於いて、本実施例に係るターボ分子ポンプ用耐
食材料は第4図に示すように脱脂、アルカリ洗浄、水
洗、中和、水洗の順に行われる工程で前処理されたJIS
2014に基づくアルミニウム合金を一定の濃度、温度に保
持された硫酸水溶液中に浸漬する。そして、アルミニウ
ム合金に所定の時間通電し、電解によりアルミニウム合
金の表面にAl2O3からなる酸化被膜(商品名はアルマイ
ト被膜)を形成させる。なお、この場合の通電時間は被
膜の厚さによつて異なる。このように酸化被膜を形成さ
せた後水洗を行い、一定の温度と水素イオン濃度に保持
された温水中に所定の時間浸漬し、沸騰処理により空孔
の部分にAl2O3・xH2Oからなる水和物を生成させて封孔
し、封孔処理層を形成させる。このように陽極酸化処理
ならびに封孔処理によりアルミニウム合金の表面に形成
された酸化被膜と水和物により形成された封孔処理層と
の上に中間結合層としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン樹脂を浸漬処理によつて形成させた後、
さらにエポキシ樹脂を浸漬処理により付着させる。その
後温度100℃で熱処理を行い。化学結合を促進させる。
このような処理方法によつて得られたターボ分子ポン
プ用耐食材料について、塩素ガスに温度80℃、相対湿度
70%になるように水分を含ませた湿りガス中で疲労試験
を行つた。第5図はその結果を示すグラフで、図に示す
ように従来の単に陽極酸化被膜のみのもの、或いはその
上にエポキシ樹脂層を形成させたものよりも本ターボ分
子ポンプ用耐食材料は強度的に優れている。なお、上記
の実施例に係るターボ分子ポンプ用耐食材料と同程度に
耐食性にも優れることは明らかである。また、本実施例
に於いてはアルミニウム合金について記載したが、アル
ミニウム金属に適用しても同様の作用効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明に係るターボ分子ポンプ用耐食材料は前記の通
り構成されており、従来の耐食材料よりも耐食性に優れ
ているので塩素ガスなど腐食性ガスの環境中でもターボ
分子ポンプが十分安全に運転されるなどの効果が奏せら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るターボ分子ポンプ用耐
食材料の断面図、第2図はその作用説明図、第3図はそ
のターボ分子ポンプの断面図、第4図は本発明の他の実
施例に係るターボ分子ポンプ用耐食材料の縦断説明図、
第5図はその作用説明図である。 4……静翼、5……動翼。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム金属またはアルミニウム合金
    の表面に酸化被膜と、該酸化被膜を酢酸ニツケル浴によ
    り処理して得られた水和物および水酸化物による封孔処
    理層と、該封孔処理層上に形成されたエポキシ樹脂層と
    を有することを特徴とするターボ分子ポンプ用耐食材
    料。
  2. 【請求項2】アルミニウム金属またはアルミニウム合金
    の表面に酸化被膜と、該酸化被膜を温水中で沸騰処理し
    て得られた水和物による封孔処理層と、該封孔処理層上
    に形成された中間結合用樹脂層と、該中間結合用樹脂層
    上に形成されたエポキシ樹脂層とを有することを特徴と
    するターボ分子ポンプ用耐食材料。
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