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JP2639792B2 - キトサンのえぐ味の除去方法 - Google Patents
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JP2639792B2 - キトサンのえぐ味の除去方法 - Google Patents

キトサンのえぐ味の除去方法

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JP2639792B2
JP2639792B2 JP7039071A JP3907195A JP2639792B2 JP 2639792 B2 JP2639792 B2 JP 2639792B2 JP 7039071 A JP7039071 A JP 7039071A JP 3907195 A JP3907195 A JP 3907195A JP 2639792 B2 JP2639792 B2 JP 2639792B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水に溶解されやすいよ
うに処理したキトサンのえぐ味を除去する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】キトサンは、カニやエビ等の甲殻類の殻
等に含まれるキチンから得られる。たとえば、カニの殻
には約30%のキチンが含まれている。カニの殻から下
記のようにしてキトサンが製造される。 カニの殻を微粉砕する。 微粉砕した殻を5%の塩酸溶液に浸漬する。この工
程で、殻に含まれるカルシウムが除かれる。カルシウム
が、塩化カルシウムとなって溶解して除去されるからで
ある。 カルシウムを除去した殻の微粉末を、5%の水酸化
ナトリウム水溶液に浸漬する。この工程は、殻に含まれ
たんぱく質を除去する。たんぱく質は、水酸化ナトリウ
ムに溶解して除去される。この工程でキチンが得られ
る。 得られたキチンを、再び水酸化ナトリウム水溶液に
浸漬して熱処理し、キトサンが得られる。この工程でキ
チンがキトサンとなるのは、水酸化ナトリウムによっ
て、キチンのN−アセチルアミノ基が、グルコ酸となる
からである。
【0003】このようにして得られるキトサンは、人体
に吸収されて、種々の優れた効果、たとえば、免疫力の
強化、抗血栓作用、血液循環促進作用、抗菌・抗カビ作
用、抗ウイルス作用、創傷治療促進作用、重金属イオン
の除去作用、制酸作用等の優れた効果が実証されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】キトサンは、このよう
に種々の優れた特長があるので、たとえば健康増進用の
食品として多用されている。キトサンは、希塩酸等の無
機酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸には可溶である
が、中性〜アルカリ性の水溶液に不溶である。このた
め、キトサンを直接に食べると、中性である口の中では
溶解せず、胃に入って初めて溶解されるようになる。中
性の口の中で溶解されると、速く吸収される。このこと
を実現するために、中性で溶解できるように処理したキ
トサンが開発されている(特開昭63−225602号
公報)。
【0005】この公報に記載される方法は、キトサンを
酢酸等の有機酸に溶解し、キトサンの溶解液を、たとえ
ば、真空凍結乾燥やスプレードライ等の方法で乾燥して
粉末状に加工するものである。このように処理した易溶
性のキトサンは、中性の液体にも溶解できるので、口の
中で溶解されて速やかに吸収できる特長がある。
【0006】しかしながら、このように処理した易溶性
のキトサンは、食べるときに口の中で溶けて非常に強い
えぐ味があって食べ難い欠点がある。易溶性処理をしな
いキトサンは、えぐ味はないが、吸収されるのが遅くな
ってしまう。キトサンに独特のえぐ味を少なくするため
に、キトサンの錠剤に乳糖等を添加することが行われて
いる。また、キトサンを食べた後で牛乳を飲むことを推
奨している。しかしながら、これ等の方法では、易溶性
キトサンに独特の激しいえぐ味を有効に抑制することが
できず、キトサンを食べやすい食品として速やかに吸収
できるようにすることができない。
【0007】キトサンのえぐ味を除去する方法ではない
が、茶抽出物に含まれるポリフェノール類の苦味、渋味
を除去するためにキチンを添加することが特開平5−2
79264号公報に記載されている。この公報に記載さ
れる茶抽出物は、含有されるポリフェノール類の苦味、
渋味を除去するために、キチンを使用している。キチン
を添加した茶抽出物は、中性溶液中では溶け難いので、
口中における苦味、渋味を少なくできる。胃中では酸に
溶解して有効性が失われないようにしている。この公報
に記載される方法は、酸には溶けるが、中性には溶けな
いキチンの性質を有効に利用して、茶抽出物のポリフェ
ノール類の苦味、渋味を除去しようとするものである。
【0008】この公報にも記載されるように、キトサン
は、酸には溶けるが中性〜アルカリ性の水溶液には溶け
難いので、キチンを使用してポリフェノール類の苦味、
渋味を防止できる。しかしながら、この方法に使用され
るキトサンには、易溶処理したものを使用できない。易
溶性のキトサンは、口の中の中性の唾液に溶解して強烈
なえぐ味を感じるからである。このため、中性である口
中で溶け難い易溶性のものを利用して、キトサンのえぐ
味を少なくすることはできない。
【0009】以上の公報に記載される方法は、茶抽出物
の苦味、渋味を除去するために、酸には溶解するが中性
〜アルカリ性の水溶液に溶解しないキチンを使用するも
のである。すなわち、この公報には、茶抽出物のポリフ
ェノール類の苦味、渋味を除去するために、キチンを使
用することが記載され、易溶性のキトサンのえぐ味を除
去する方法は開示されず、また、このことを示唆する記
述もない。しかしながら、この公報の記載事項から、易
溶性のキトサンのえぐ味を除去するために、易溶性のキ
トサンに茶抽出物を添加することも推測される。ただ、
この方法では易溶性のキトサンのえぐ味を有効に抑制で
きないと共に、易溶性キトサンのえぐ味を除去するため
に茶抽出物を添加すると用途が限られてしまう欠点もあ
る。それは、茶抽出物には胃腸を刺激する物質が含有さ
れるからである。胃腸を刺激する茶抽出物を添加した易
溶性のキトサンは、胃の弱い者が安心して服用できなく
なってしまう欠点がある。
【0010】本発明者は、極めて膨大な実験を繰り返し
た結果、極めて簡単な方法で、易溶性のキトサンのえぐ
味を極めて有効に抑制することに成功した。したがっ
て、本発明の重要な目的は、易溶性のキトサンのえぐ味
を有効に抑制して、食べやすくできる易溶性のキトサン
のえぐ味の除去方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のキトサンのえぐ
味の除去方法は、キトサンを酸に溶解した水溶液を脱水
した易溶性のキトサン、あるいは、無機酸または有機酸
を添加してなる易溶性のキトサンに、柿の葉の粉末、あ
るいは柿の葉の抽出エキスを添加することを特徴とす
る。
【0012】柿の葉の粉末、あるいは柿の葉の抽出エキ
スの添加量は、柿の葉の重量に換算して、キトサン10
0重量部に対して、たとえば15〜150重量部、好ま
しくは20〜120重量部、さらに好ましくは30〜1
00重量部、最適には50〜70重量部の範囲に設定さ
れる。柿の葉の添加量が少な過ぎると、キトサンのえぐ
味を有効に抑制できず、添加量が多すぎるとキトサンの
効果が少なくなる。柿の葉の添加量は、要求されるえぐ
味と、キトサンの効果とを考慮して前記の範囲で最適値
に調整する。
【0013】
【作用】本発明のキトサンのえぐ味の除去方法は、易溶
性のキトサンに柿の葉の粉末、あるいは柿の葉の抽出エ
キスを添加することにより、柿の葉の成分でもってキト
サンのえぐ味を極減できる特長がある。易溶性のキトサ
ンは、中性である口中で溶解されて速やかに人体に吸収
され、しかも口中で溶解するときの易溶性キトサンに独
特のえぐ味が、柿の葉で有効に抑制される。このため、
本発明の方法は、キトサンを効率良く速やかに人体に吸
収できるようにして、しかも食べやすくできる理想的な
特長を実現する。柿の葉は、易溶性キトサンのえぐ味を
有効に阻止できることに加えて、止血作用がある。この
ため、易溶性のキトサンに柿の葉を添加する本発明の方
法は、たとえば胃潰瘍等があって胃腸の弱いものも安心
して、キトサンと一緒に食べて速やかに吸収できる特長
がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。ただし、
以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するた
めの易溶性キトサンのえぐ味の除去方法を例示するもの
であって、本発明はキトサンのえぐ味の除去方法を下記
のものに特定しない。
【0015】[実施例1]下記の工程で、キトサンの錠
剤を製作する。 (1) 粉砕機を使用して、カニの殻を100〜150メ
ッシュに粉砕する。 (2) 粉砕したカニの殻を、5%の塩酸溶液に2時間浸
漬する。塩酸溶液の温度は5℃とする。この工程で、殻
に含まれるカルシウムが塩化カルシウムとなって溶解し
て除去される。 (3) カルシウムを除去した殻の微粉末を、5%の水酸
化ナトリウム水溶液に3時間浸漬する。水酸化ナトリウ
ム水溶液の温度は80℃とする。この工程は、殻に含ま
れるたんぱく質を除去する。 (4) 得られたキチンを、再び40%の水酸化ナトリウ
ム水溶液(80℃)に浸漬して熱処理し、キチンをキト
サンとする。この工程は、水酸化ナトリウムによって、
キチンのN−アセチルアミノ基を、グルコ酸としてキト
サンとする。得られたキトサンを充分に水洗する。 (5) キトサンを2%の酢酸を添加した酸液に溶解させ
る。キトサンを溶解させる酸液には、酢酸に代わって、
乳酸やリンゴ酸等の有機酸も使用できる。酸溶液には、
たとえば1〜3%の有機酸を添加する。酸溶液には、た
とえば、15重量%のキトサンを溶解させる。ただし、
酸液に対するキトサンの溶解量は、飽和状態になるまで
溶解させることも、また、飽和状態よりも少量のキトサ
ンを溶解することもできる。 (6) キトサンを溶解させた酸液を、真空凍結乾燥して
粉末状にする。酸液の乾燥は、スプレードライ法、ドラ
ム乾燥、マイクロ波乾燥等の方法で乾燥させることもで
きる。このようにして、易溶性のキトサンの粉末が得ら
れる。 (7) 柿の葉を、カニの殻と同じように、100〜15
0メッシュに粉砕する。 (8) 下記の原料を秤量して混合、攪拌する。 易溶性のキトサン……100重量部 柿の葉の粉末………………………60重量部 乳糖…………………………………20重量部 レシチン……………………………40重量部
【0016】(9) 前記の原料に1重量%の水分を添加
した後、加圧押出して、平均粒子径を約0.8mmとす
る粒状に造粒する。 (10) 造粒した原料を、70℃で約8時間かけてゆっく
りと乾燥させる。乾燥後、フルイにかけて、微細な粒子
を除去する。
【0017】(11) 造粒した原料を成形器に入れて加圧
し、1粒約250mgの錠剤に加圧して成形する。
【0018】得られた錠剤を歯で噛み砕いて食べてみる
と、易溶性のキトサンに独特のえぐ味はほとんど感じら
れず、美味に食べることができた。比較例として、柿の
葉の粉末を添加しないで試作した易溶性のキトサンの錠
剤を、歯で噛んで食べると、数分間は口の中で強烈なえ
ぐ味が残存した。
【0019】[実施例2〜8]易溶性のキトサン100
重量部に対する柿の葉の粉末の添加量を下記の値とする
以外、実施例1と同様にしてキトサンの錠剤を試作し
て、試食した。 実施例2……柿の葉の粉末の添加量は10重量部 実施例3……柿の葉の粉末の添加量は15重量部 実施例4……柿の葉の粉末の添加量は20重量部 実施例5……柿の葉の粉末の添加量は30重量部 実施例6……柿の葉の粉末の添加量は50重量部 実施例7……柿の葉の粉末の添加量は70重量部 実施例8……柿の葉の粉末の添加量は100重量部
【0020】以上の実施例で試作した易溶性のキトサン
の錠剤を実際に食べてみると、えぐ味は下記のようにな
った。 実施例2…相当なえぐ味があった。 実施例3…多少はえぐ味が少なくなったが、食べ安いと
は言えない。 実施例4…えぐ味はあるが相当に少なくて食べられる程
度になった。 実施例5…えぐ味がさらに改善されて食べるのに問題は
なくなった。 実施例6…えぐ味がなくなって問題なく食べられる。 実施例7…えぐ味がなくなって問題なく食べられる。 実施例8…えぐ味がなくなって問題なく食べられる。
【0021】[実施例9]乳糖を添加しない以外実施例
1と同様にして易溶性のキトサンの錠剤を試作して、試
食した。その結果、この実施例で得られた易溶性のキト
サンの錠剤は、歯で噛み砕いて食べても、易溶性のキト
サンに独特のえぐ味はほとんど感じられず、美味に食べ
ることができた。
【0022】[実施例10]レシチンを添加しない以外
実施例1と同様にして易溶性のキトサンの錠剤を試作し
て、試食した。その結果、この実施例で得られた易溶性
のキトサンの錠剤は、歯で噛み砕いて食べても、易溶性
のキトサンに独特のえぐ味はほとんど感じられず、美味
に食べることができた。
【0023】以上の実施例は、柿の葉の粉末を使用した
が、柿の葉の粉末に代わって柿の葉エキスも使用でき
る。柿の葉エキスは、水に柿の葉の粉末を添加して沸騰
させ、水の量が約1/3になるまで数時間煮詰めた後、
柿の葉の粉末を除去して、残った煮詰め液を真空乾燥し
て粉末状にして製作できる。乾燥して粉末状にした柿の
葉エキスは、柿の葉の粉末と同じようにして易溶性のキ
トサンに混合できる。キトサンは錠剤に加工する前に水
分を添加して造粒するので、柿の葉エキスを完全に乾燥
させることなく、濃く煮詰めた液状の状態としてキトサ
ンに添加して造粒することもできる。
【0024】以上の錠剤は、キトサンを酸液に溶解し、
それを粉末状に乾燥して易溶性のキトサンとする。この
状態に処理された易溶性のキトサンは、酸に溶解された
分子量が小さくなるので、口中で極めて速やかに溶解で
きる特長がある。ただ、本発明のキトサンのえぐ味の除
去方法は、キトサンと一緒に、塩酸等の無機酸、あるい
は、酢酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸を添加、混合して
易溶性のキトサンとすることもできる。酸を添加したキ
トサンは、中性の口中で酸が溶解されて酸性となって、
キトサンが速やかに溶解される。
【0025】さらに、本発明のキトサンのえぐ味の除去
方法は、用途やキトサンの状態を特定しない。たとえ
ば、キトサンを有機酸や無機酸に溶解したドリンク剤と
し、これに柿の葉の粉末や柿の葉エキスを添加して、え
ぐ味を除去することもできる。さらに、易溶性のキトサ
ンに、柿の葉の粉末や柿の葉エキスを添加して練り歯磨
きとすることもできる。
【0026】
【発明の効果】本発明のキトサンのえぐ味の除去方法
は、柿の葉の粉末や柿の葉エキスを添加するという極め
て簡単な方法で、易溶性のキトサンに独特の強烈なえぐ
味を有効に抑制して、食べ安くできる特長がある。この
ため、キトサンが口中で速やかに溶解されるように処理
して、人体に吸収されやすくし、しかも食べやすくでき
る理想的な特長を実現する。さらに、易溶性のキトサン
のえぐ味を抑制するために添加される柿の葉は止血作用
もあるので、これを添加することによって、キトサンの
用途が制限されるのではなくて、たとえば胃潰瘍の者で
も安心して食べられる特長がある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサンを酸に溶解した水溶液を脱水し
    た易溶性のキトサン、あるいは、無機酸または有機酸を
    添加してなる易溶性のキトサンに、柿の葉の粉末、ある
    いは柿の葉の抽出エキスを添加することを特徴とするキ
    トサンのえぐ味の除去方法。
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