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JP2641464B2 - 酵素によるペプチド結合の生成反応 - Google Patents
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JP2641464B2 - 酵素によるペプチド結合の生成反応 - Google Patents

酵素によるペプチド結合の生成反応

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JP2641464B2
JP2641464B2 JP62265501A JP26550187A JP2641464B2 JP 2641464 B2 JP2641464 B2 JP 2641464B2 JP 62265501 A JP62265501 A JP 62265501A JP 26550187 A JP26550187 A JP 26550187A JP 2641464 B2 JP2641464 B2 JP 2641464B2
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Description

【発明の詳細な説明】 酵素によるジペプチドの合成法は周知である。即ち米
国特許第4,165,311号、同第4,436,925号及び同第4,256,
836号には水性媒質中で不溶性の付加化合物、例えば1
モルのフェニルアラニンメチルエステルと1モルのN原
子を保護されたアスパルチルフェニルアラニンメチルエ
ステルとの付加化合物を合成する方法が記載されてい
る。米国特許第4,284,721号には、N原子を保護された
アスパラギン酸とフェニルアラニンの低級アルキルエス
テルとを水と混合しない溶媒の存在下において酵素的に
結合させる方法が記載されている。この溶媒は水と混合
し得る共溶媒を含むことができるが、水と混合し得る溶
媒の量は酵素を不活性化または抑制することを避けるた
めに一定限度に制限しなければならない。米国特許第4,
116,768号及び同第4,119,493号においては、水性媒質中
の共溶媒として水と混合し得る溶媒を使用することが記
載されている。同様にアンゲヴァンテ・ヘミー・インタ
ーナショナル・エディション、英語版(Angew.Chem.In
t.Ed.Engl.)24巻、(1985年)、第2号、87頁には、水
と混合し得る溶媒を水と混合して共溶媒として使用する
ことができるが、プロテアーゼ酵素の触媒活性は共溶媒
の濃度が増加するにつれて減少し、50%以上では、酵素
としてキモトリプシンを使用した場合、合成ができない
ことが示されている。可能な例外としてはポリオール
(例えば1,4−ブタンジオール)を使用すると、或る場
合には酵素を安定させることもある。
N−フォルミルジペプチド(例えばN−フォルミルア
スパルテーム)及びポリペプチドをつくるための酵素的
結合反応に対し水性媒質または水性−有機媒質を使用す
ることはWO 8604924及びヨーロッパ特許第0149594号に
記載されている。
種々の科学的な学術雑誌には酵素を水及び水混和性有
機溶媒と組み合わせて使用することが多くの論文に記載
されているが、その際の収率は溶媒の選択、水、酵素及
び基質の量に依存して変化するように思われる。また酵
素が固定化されているかどうかも一つの因子になるよう
に思われる。アセトニトリル/水の50/50溶媒系を使用
することは、バイオテクノロジー・アンド・バイオエン
ジニアリング(Biotech.Bioeng.)誌、26巻1146頁(198
4年)のニルソン(Nilsson)とモスバッハ(Mosbach)
の論文に記載されている。この論文にはまたブタンジオ
ール/水(90/10)混合物を使用することも記載されて
いる。溶媒としてアセトニトリルを使用することは米国
ニューヨーク、ジェー・ウィリー(J.Wiley)社、1976
年発行、ジェー・ビー・ジョーンズ(J.B.Jones)、シ
ー・ジェー・サイ(C.J.Sih)及びディー・パールマン
(D.Perlman)編「アプリケーション・オヴ・バイオケ
ミカル・システムズ・イン・オーガニック・ケミストリ
ー(Application of Biochemical Systems in Organic
Chemistry)」第1部107頁以降のジェー・ビー・ジョー
ンズ及びジェー・エフ・ベック(J.F.Beck)の論文、及
びカナディアン・ジャーナル・オヴ・ケミストリー(Ca
n.J.Chem.)誌、57巻、2245頁(1979年)のジェー・ビ
ー・ジョーンズ及びエム・エム・メーヘス(M.M.Mehe
s)の論文に記載されている。L−フェニルアラニンメ
チルエステル(即ちL−pheOMe)とN原子を保護された
N−カーボベンジロキシアスパラギン酸(即ちZ−as
p)とを水−不混和性溶媒/水混和性溶媒の混合物を使
用して結合させることはバイオテクノロジー・レターズ
(Biotech.Lett.)誌、7巻789頁(1985年)に記載され
ている。モナートシュリフツ・フュール・ヘミー(Mona
tshrifts fur Chemie)誌、112巻469〜481頁(1981年)
のコンネッケ(Konnecke)等の論文にはその475頁にア
セトニトリルを溶媒として使用することが記載されてい
る。他の関連する論文としては、ジャーナル・オヴ・バ
イオケミストリー(J.Biochem.)誌、89巻、385頁(198
1年)、ジャーナル・オヴ・オーガニック・ケミストリ
ー(J.Org.Chem.)誌51巻2728頁(1986年)、コッレク
ション・オヴ・チェッコスロバック・ケミカル・コンミ
ュニケーション(Coll.Cze chos.Chem.Comm.)誌、49
巻、231頁(1984年)、及びプロシーティング・オヴ・
ナショナル・アカデミー・オヴ・サイエンス(Proc.Nat
l.Acad.Sci.)誌、80巻、3241頁(1983年)がある。
文献には一般に酵素、特にプロテアーゼは水に混合し
得る有機溶媒及び水と混合しない有機溶媒の両方で使用
されることが記載されているが、水に混合し得る溶媒の
方が幾分劣っているというのが一般的な見解のように思
われる。従って「大部分の酵素は親水性の、水と混合し
得る溶媒の中では不活性であり、このことは実質的に水
が酵素から溶媒の方へ分配されることによって容易に理
解される」ということができる。[ケムテック(Chemte
ch)誌、1986年6月号、354頁のエー・ケー・クリバァ
ノフ(A.K.Klibanov)の論文参照]。
本発明はプロテアーゼを水と混合し得る有機溶媒中で
使用することに関する。
本発明によれば酵素を使用してN置換アスパラギン酸
及びフェニルアラニン低級アルキルエステルから成る群
から選ばれた二種の基質の間のペプチド結合生成の触媒
作用を行わせる方法が提供される。該エステルのベンジ
ル炭素原子は水素と容易に置換り得る動き易い一個また
はそれ以上の基で置換されていることができる。本発明
方法には上記方法を水と混合し得る溶媒中で行う方法が
含まれる。
水混和性溶媒を使用すると多くの利点が得られる。予
想に反してこの溶媒は酵素から不可欠の水を奪うことな
く使用することができる。例えば連続法を実施する場
合、酵素活性に必要な水は溶媒系の中で2〜10重量%が
水で残りが水混和性有機溶媒または該溶媒と他の溶媒と
の混合物であるようにすることで提供される。閉じた系
(例えば連続法ではなくて実質的なバッチ法の場合)に
おいては、酵素とその担体は上記の2〜10重量%の水を
与えるのに十分な水を失うであろう。しかし酵素が十分
に大量の実質的に無水の水混和性溶媒と接触すると、十
分な水が抽出され、溶媒中の水含量は約2%以下に落
ち、酵素は変性される。10%以上、例えば最高50%の量
の水を使用することもできるが、その場合には水混和性
溶媒を使用する利点が減少するであろう。
多くの反応において、水混和性溶媒を唯一の溶媒とし
て或いは共溶媒として使用すると、単一の液相が生じ、
溶媒が水と混合しない場合に起る相変化による制限が避
けられる。例えば、水混和性溶媒を使用するとしばしば
反応速度が増加する。また大部分の有用な水混和性溶媒
の誘電定数は、5〜60(好ましくは30〜60)であり、こ
のことは単一の液相の生成に寄与する。何故ならば大部
分のアミノ酸誘導体は比較的極性があり、ことような溶
媒に可溶であるからである。例えばフェニルアラニンの
メチルエステルはヘキサンまたは酢酸エチルに対してよ
りもアセトニトリルに遥かに多く溶解する。
水混和性溶媒を使用すると反応の平衡を移動させるこ
とができる。例えば酢酸エチル中においてN−フォルミ
ルアスパラギン酸とフェニルアラニンメチルエステルと
の反応で約10%の収率が得られるが、アセトニトリル中
ではこの収率は約80%になる。
酵素は固定化されていても「遊離」の形をとっていて
も、水非混和性溶媒に比べ水混和性溶媒中では遥かに安
定である。例えばシリカまたはイオン交換樹脂(例えば
アンバライト)上で固定化されたサーモリジンは、酢酸
エチル中よりもアセトニトリル中の方が安定である。こ
こで「安定性」という言葉は、酵素が水の抽出または他
の手段による変性に抵抗性をもっていることを意味す
る。また「溶媒系」という言葉は、液相の溶媒部分を指
すのに用いられ、水混和性溶媒及びそれと併用される任
意の共溶媒、例えば水または水混和性溶媒を含む。
「水混和性有機溶媒」という言葉は、任意の割合で水
と混和し単一相をつくる有機液体を意味する。適当な有
機溶媒と例としては、アルコール(例えばエタノール、
1−プロパノール及び2−プロパノール)、ポリオール
(例えば1,4−ブタンジオール及びジエチレングリコー
ル)、ニトリル(例えばアセトニトリル)、及びエーテ
ル(例えばジオキサン及びテトラヒドロフラン)、並び
に他の溶媒、例えばジメチルフォルムアミド、ジメチル
スルフォキシド及びアセトンがある。
アセトニトリルは好適な水混和性溶媒である。本発明
の具体化例においては、アセトニトリルを広範囲のアミ
ノ酸及び酵素と共に使用して酵素的結合反応によりジペ
プチド及びポリペプチドをつくることができる。この反
応に使用される適当なアミノ酸の例としては、脂肪族ア
ミノ酸、例えばグリシン(Gly)、アラニン(Ala)、ヴ
ァリン(Val)、ノルヴァリン(nor−Val)、ロイシン
(Leu)、イソロイシン(iso−Leu)、ノルロイシン(n
or−Leu)のようなモノアミノモノカルボン酸;セリン
(Ser)、スレオニン(Thr)、ホモセリン(homo−Se
r)のようなオキシアミノ酸、メチオニン(Met)、シス
チン(CysS)、及びシステイン(CysH)のような含硫ア
ミノ酸;アスパラギン酸(Asp)及びグルタミン酸(Gl
u)のようなモノアミノジカルボン酸;オルニチン(Or
n)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)のようなジア
ミノジカルボン酸;フェニルアラニン(Phe)、チロシ
ン(Tyr)のような芳香族アミノ酸;ヒスチジン(His)
及びトリプトファン(Trp)のような複素環式アミノ酸
が含まれる。(アミノ酸はこの分野で普通使用されてい
る記号で表される。) 溶媒の選択には注意が必要である。例えば、酵素が金
属を含んでいる場合には、溶媒はこの金属と錯体を形成
してはいけない。DMF及びDMSOはメタロプロテナーゼの
金属成分と錯体をつくると思われるので、溶媒系の50%
以下(モル基準)に制限し、残りは例えば水または他の
溶媒にすることが好適である。溶媒はまた酵素または基
質と化学的に反応しないという意味で不活性でなければ
ならない。例えば、アセトンが溶媒である場合、基質ま
たは酵素のアミノ基との反応を最低限度に抑制する条件
下で使用しなければならない。
アシル供与体として使用するアミノ酸は、一般にNの
位置に保護基を有している。適当なNの保護基は、ペプ
チド合成に通常使用されるもので、例えばt−ブチロキ
シカルボニル(BOC−)、t−アミロキシカルボニル
(t−AOC)のようなt−アルコキシカルボニル基、ベ
ンジロキシカルボニル(Z−)、p−メトキシベンジロ
キシカルボニル(PMZ−)、3,5−ジメトキシベンジロキ
シカルボニル(Z(OMe)−)、2,4,6−トリメチルベ
ンジロキシカルボニル(TMZ−)、p−フェニルアゾベ
ンジロキシカルボニル(PZ−)、p−トルエンスルフォ
ニル(tosyl−)のような随時不活性置換基を有し得る
ベンジロキシカルボニル基;o−ニトロフェニルスルフェ
ニル(Nps−)等である。フォルミル基も使用すること
ができる。
アミノ部分を供与してジペプチドまたはポリペプチド
をつくるのに適したアミノ酸の例には、上記の任意のも
のが含まれる。フェニルアラニンが好適であり、特にベ
ンジル炭素に置換基をもつ誘導体、例えば接触水素化分
解または電解還元による開裂のような方法によって容易
に置換し得る少なくとも1個の基をベンジル炭素に置換
基として有する誘導体を使用することができる。適当な
置換フェニルアラニンの例としては、式 但し式中Phはフェニル基(置換または非置換の)であ
り、xは−OH、−SH、−Cl、−Br、−I、−OCOCH3、−
OCOOCH3、−NH2または−SCH3であり、 Rは炭素数1〜4の低級アルキル基である、に対応す
るものが含まれる。
アミノ基供与アミノ酸は適当なC末端保護基によって
保護される。アミン成分のガルボキシル基保護基(C末
端保護基)には、メトキシ(−OMe)、エトキシ(−OE
t)のようなアルコキシ基;t−ブトキシ(O−t−Bu)
のようなt−アルコキシ基;及びベンジロキシ(−OBz
l)、p−ニトロベンジロキシ(−OBZL(p−NO2))、
ベンズヒドリロキシ(−OBzh)、ベンジルアミノ(−NH
Bzl)、2,4−ジメトキシベンジルアミノ(−NHDBM)、
ベンジルヒドリルアミノ(−NHBzh)のような置換基を
有することもあるベンジロキシ基;または非置換のアミ
ノ基(−NH2)等が含まれる。またアミド及びヒドラジ
ット基もC末端保護基とし用いることができる。
使用できる酵素は、ペプチド結合の生成を媒介し得る
公知のものであり、アミノペプチダーゼ(例えばロイシ
ンアミノペプチダーゼ)、カルボキシペプチダーゼ(例
えばカルボキシペプチダーゼy)、セリンプロテイナー
ゼ(例えばキモトリプシン、スブチリシン)、チオール
プロテイナーゼ(例えばパパイン、ブロメイン)、酸プ
ロテイナーゼ(例えばペプシン)、及びメタロプロテイ
ナーゼ(例えばサーモリシン、及びビブリオ・プロテオ
リティクス(Vibrio Proteolyticus)から得られるメタ
ロエンドプロテイナーゼ(実施例6参照))が含まれ
る。酵素は純粋な形で使用する必要はなく、一種の酵素
または多数の酵素を含む多少とも粗製の製品(例えば部
分的に生成した醗酵ブィヨン濃縮物)であることができ
る。
水混和性有機溶媒は実質的に無水の「割らない」形ま
たは水及び/又は他の有機溶媒(水非混和性溶媒及び水
混和性溶媒の両方)と組み合わせて使用することができ
る。水を使用する場合、その量は一般に全溶媒系(例え
ば水足す水混和性溶媒)に関し50重量%より少ない。し
かし、或種の溶媒は金属イオンと錯体をつくり種々のメ
タロプロテイナーゼ酵素を不活性化するようなので、こ
のような溶媒と共に使用する水の量は溶媒系の50%に等
しいかまたはそれ以上でなければならない。錯体をつく
る溶媒の例としてはDMF及びDMSOが含まれる。溶媒が乾
燥したまたは割らない形である場合、溶媒は酵素を固定
化するのに用いられた担体から与えられる若干の水(溶
媒の約10重量%までの)を含んでいよう。好適なアセト
ニトリル溶媒の場合、一般に水の量は最低限度に保た
れ、「割らない」アセトニトリルは良好な溶媒であるこ
とが見だされている。この場合、含まれた水は担体から
来るものだけである。しかし連続法を行う場合、アセト
ニトリル溶媒中の水の量は少なくとも10重量%の水準に
保たれなければならず、一般に5〜50重量%の範囲に入
る。この水の量は酵素の脱水を避けるに有利であり、基
質を溶解する助けとなることができる。連続法を行う場
合には、必要ならば基質流を介して水を加えることがで
きる。さらに詳細には、Nを保護されたアスパラギン酸
をフェニルアラニン低級エステル及びそのベンジル置換
誘導体と結合させる場合(連続法でもバッチ法でも)、
アセトニトリルを種々の量の水と用いることができる
が、水の量は50重量%より少ないことが好適である。即
ちCH3CN/H2Oの重量比は1を、好ましくは約2.5を越えて
いなければならない。
当業界の専門家に公知の方法を用い、各結合反応に対
して選ばれた有機溶媒は、該溶媒に対する基質及び生成
するジペプチドまたはパリペプチドの溶解度、水または
他の共溶媒の存在量、酵素に対する共溶媒の効果及び他
の因子のようないくつかの因子に関して最適化すること
ができる。
周知のように、多くのプロテアーゼ酵素はエステラー
ゼ活性をも示す。この活性は水混和性有機溶媒を適当に
選択することにより時により減少させることができる。
例えばアクリロニトリルはエステラーゼ活性を減少させ
る若干の効果を示す。またエステラーゼ活性が別の酵素
によって与えられるか、または同じ分子上にあるエステ
ラーゼ活性部位がプロテアーゼ活性部位と異なっている
場合には、エステラーゼ活性をさらに減少させる阻害剤
を使用することもできる。適当な阻害剤は、えん麦、そ
ら豆、いんげん豆及び馬鈴薯から抽出することができ
る。この抽出法は日本農芸化学会誌、31巻、38頁、(19
57年)に記載されている。阻害剤は純粋な物質の必要は
なく、粗抽出物でよい。
「結合した」という言葉は酵素が適当な不溶性担体上
に固定化され、回収及び再使用し得る錯体を形成してい
ることを意味する。適当な固定化の方法には、物理的吸
着、イオン結合、共有結合、吸着に続く交叉結合または
後酵素を反応媒質に実質的に不溶な担体材料に包含させ
るその他の方法が含まれる。適当な基質としては、珪酸
質材料(例えば多孔性シリカ)、非珪酸質セラミックス
(例えばアルミナ)、または天然または合成有機重合体
材料(例えばアンバライトXAD−7、ポリアクリルアミ
ド共重合体、アガロース及びアルギネートのような樹
脂)がある。これに対し「遊離」の酵素は結合しておら
ず、溶媒系中に溶解または懸濁させることができる。
基質アミノ酸の濃度を高くし適切な反応速度で工程を
行うようにすることが好ましい。結合反応に与える各基
質は、溶媒に対するその溶解度範囲内の濃度で使用され
る。しかし反応の進行と共に原料が消費されるから、基
質の一部を懸濁状態に保つことができる。溶液中におい
て基質材料は夫々約0.001〜約2モル、好ましくは約0.1
〜約1モルの範囲の濃度で存在しなければならない。
N−置換アスパラギン酸/フェニルアラニン低級アル
キルエステルの結合反応に関しては、酸/エステルのモ
ル比は両方の基質がL配置を有する場合には1:1である
ことができる。実際には10:1〜1〜1:10の範囲で使用す
ることができ、3;1〜1:5が好適である。両基質がDL配置
をもっている場合には、L−異性体の割合が上記範囲に
入るような量で使用することができる。
本発明は、例えば水を含んだ固定化された酵素を、両
方の原料を含む水と混和し得る有機溶媒中に懸濁させ、
撹拌しながら反応を進行させることにより実施すること
ができる。反応が完結したら、固定化された酵素と反応
生成物を含む溶液または懸濁液とを瀘過または他の分離
方法により互いに分離することができる。
本発明はまた水を含んだ固定化した酵素を充填したカ
ラム中に、二種の原料を含む水混和性有機溶媒を流すこ
とによっても行うことができる。この方法によれば、反
応を連続的に行うことができ、本発明を工業的に応用す
る際に有利である。
反応温度は通常約10〜約80℃、好ましくは約20〜約50
℃である。
反応時間は二つの基質の濃度、固定化した酵素の量、
予め決められた転化率等に依存する。しかし、通常反応
時間は約0.5〜約200時間であり、好ましくは約2〜約24
時間で十分である。
所望の生成物がアスパルテームとして知られているジ
ペプチドである場合には、反応生成物、即ちN−置換−
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ルは通常の方法、例えば反応生成物を濃縮した後再結
晶、抽出等を行う方法により分離することができる。ま
た反応混合物は当業界に公知の適当な方法により固定化
された酵素から分離することができる。分離後、固定化
された酵素は再使用できる。
本発明を実施する場合、アミノ酸基質はDLまたはLの
配置をもっていることができる。酵素がL異性体に対し
選択性をもっている時には、DL異性体を使用してもL異
性体だけが反応に関与し、D異性体は反応せずに反応媒
質中に残る。酵素が立体選択性をもたない場合には、D
異性体を例えばD,L選択性をもたないセリンプロテアー
ゼのような酵素と一緒に使用することができ、アミノ供
与体(例えばアラニンまたはフェニルアラニン)はDで
あることができる。
実施例1 サーモアーゼの固定化 アンバライトXAD−7樹脂のビーズをエタノールで洗
浄し、次いで水を洗浄して微細物を除去する。洗浄した
ビーズを0.05モルMes/0.02モルCaCl2溶液の中に再懸濁
させる。アンバライトXAD−7を真空瀘過して過剰の水
を除去した後、ビーズ(100g)を4℃において9gのサー
モアーゼを含む0.05モルMes/0.02モルCaCl2緩衝溶液100
mlに懸濁させる。一晩振盪した後、固定化したサーモア
ーゼを上記混合緩衝溶液で十分に洗浄した後真空瀘過し
た。
実施例2 遊離酵素を使用した 「割らない」水混和性溶媒中での結合反応25mlのフラ
スコ中においてZ−L−アスパラギン酸(0.192g、80ミ
リモル)及びD,L−エリスロ−フェニルセリンメチルエ
ステル(0.42g、240ミリモル)を割らない有機溶媒(ア
セトニトリル、ジオキサン、THFまたはDMF)に溶解し、
最終容積を9mlにする。粗製のサーモアーゼ粉末(120m
g)を上記反応混合物に加え、反応フラスコを40℃で振
盪する。10時間後、反応混合物中のZ−アスパルチル−
L−エリスロフェニルセリンメチルエステル(Z−OH−
アスパルテーム)の濃度をHPLCによって決定する。結果
を次の表に示す。
実施例3 固定化した酵素を用いる結合反応 実施例2と及び同じ実験を繰返したが、固定化したサ
ーモアーゼ(サーモアーゼを固定化する方法は実施例1
記載の通り)1gを120mgの粗製サーモアーゼ粉末の代り
に用いた。20時間の反応後、Z−OH−アスパルテームの
濃度をHPLCで決定した。結果を下記表に示す。
実施例4 Z−Phe−PheOMeを生成するためのアセトニ
トリル中での結合反応 25mlのフラスコ中においてZ−L−フェニルアラニン
(0.216g、80ミリモル)及びL−フェニルアラニンメチ
ルエステル(0.32g、200ミリモル)を割らないアセトニ
トリルに溶解し、最終容積を9mlにする。固定化したサ
ーモアーゼ(2.5g)を反応混合物に加え、反応フラスコ
を40℃で振盪する。18時間反応させた後、Z−L−フェ
ニルアラニル−L−フェニルアラニンメチルエステルの
濃度は70ミリモルであった。
実施例5 D,L−エリスロフェニルセリンの結合反応 1のバイオリアクターの中で30gのZ−asp、65gの
D,L−エリスロフェニルセリンメチルエステル及び80gの
湿った固定化したサーモアーゼを40℃において650mlの
アセトニトリルに混合する。24時間後22gのZ−L−ア
スパルチル−フェニルセリンメチルエステルを得た。
実施例6 ビブリオ・プロテオリティクス酵素によるプ
ロテアーゼ(即ち「ビブリオ」)の調製 1.種子培養の調製 A.準備−500mlの目盛付きエルレンマイヤー・フラスコ
の中に100mlの種菌培地を入れ、121℃で20分間オートク
レーブ処理する。
B.接種−微生物の入った単一の−70℃のアンプルを水道
水の下で解かし、種菌フラスコへ無菌的に移す。
C.培養−接種したフラスコを250rpm/27℃で18時間培養
する。
D.640mlで測定された増殖度は、光学密度4.0〜6.0であ
った。ブィヨンのpHは約8.0であった。
2.規模を拡大した醗酵−1.5の醗酵容器中で容積1.0
で行う。
A.準備−容器に培地のすべての成分(ポリペプトン20
g、食塩20g、MgSO2・7H2O 0.4g、P−2000 0.2ml)を加
えたが、滅菌前にはpHの調節は行わない。pHは約7.0で
なければならない。オートクレーブ中で滅菌した場合、
1.0の容器を温度121℃で45分間滅菌しなければならな
い。
B.接種 (1)設定及び二重チェック操作パラメータ a.6NのNaOHでpHを約8.6にする。
b.温度75℃ c.RPM 1000 d.空気1.0LPMにおいて溶存酸素の読み 100% (2)10mlの種菌ブィヨンを接種した。
C.操作 (1)上記パラメータを維持する。
(2)溶存酸素は最高要求量の約75〜80%に低下する。
(3)次の量を監視する。
a.光学濃度−640nmにおける吸光度の読み。約12〜14時
間で光学濃度は10〜12のピークに達する。
b.メタロエンドペプチダーゼの生成−毎秒約0.1単位。
3.ビブリオ酵素の収得及び濃縮 醗酵開始後約14〜16時間で生成酵素は、ファグラ(FA
GLA)試験法で測定して約0.10単位/秒活性の力価に達
する。ブィヨンは細胞が進んだ段階に分裂する前に収得
する(約10〜25%)。
先ずブィヨン全体を遠心分離にかけ細胞部分を分離す
る。次に上澄液をアミコン(Amicon)社製のSIOYIO及び
SIYIO限外瀘過カートリッジを用いて70〜100倍に濃縮す
る。最後に濃縮液を3回0.01モルのhepes及び0.01モル
のCaCl2緩衝溶液(pH7.2)で洗浄する。
上記方法を用いるビブリオ・プロテオリティクスを米
国メリーランド州ロックヴィル(Rockville)パーク・
ローン・ドライヴ(Park Lawn Drive)12301所在のアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American
Type Culture Collection)番号ATCC53559として寄託
した。
実施例7 N−フォルミルアスパラギン酸の結合反応 実施例6と同様にしてつくったビブリオ・プロテオリ
ティクスの醗酵ブィヨンを濃縮し洗浄した。醗酵ブィヨ
ン中の中性のプロテアーゼを実施例1と同様な方法でア
ンバライトXAD−7上で固定化した。N−フォルミルア
スパラギン酸(1.93g)及びL−フェニルアラニンメチ
ルエステル(6.2g)をアセトニトリルに溶解し最終容積
を150mlにする。湿った固定化中性プロテアーゼ14.5gを
加えた後、反応を室温で24時間行う。最終生成物(N−
フォルミルアスパルチル−L−フェニルアラニンメチル
エステル)の濃度はHPLCで測定して11.7g/であった。
溶媒を真空蒸発させ、残渣を酢酸エチルに溶解し、1Nの
HClで2回洗浄する。水性相を酢酸エチルで処理する。
一緒にした有機相を塩水で洗浄し、一晩MgSO2上で乾燥
する。溶媒を蒸発させると無色の固体が得られ、これを
ジクロロエタンから再結晶しN−フォルミルアスパルテ
ームと同定した。
実施例8 水/水混和性溶媒系の使用 水/水混和性有機溶媒をジペプチドの酵素的合成反応
の有機媒質として試験した。各反応混合物中の基質の濃
度はZ−アスパラギン酸が80ミリモル、D,L−エリスロ
フェニルセリンメチルエステルが240ミリモルであっ
た。サーモアーゼ酵素及びシリカを使用して得た固定化
した触媒は、ウィートール(Weetall)のカルボニル−
アルキルアミン共有結合法[メソッズ・イン・エンザイ
モロジー(Methods in Enzymology)64巻、134〜148頁
(1976年)のエイチ・エイチ・ウィートールの論文参
照]を使用して調製した。
Z−アスパルチル−L−エリスロフェニルセリンメチ
ルエステルの合成は、シリカで固定化した酵素を用いた
場合、溶媒が90%以上を占める濃度のエタノール、ジメ
チルスルフォキシド、N,N−ジメチルフォルムアミドま
たはアセトン中では認められなかった。シリカで固定化
した酵素を用いた場合、割らない1,2−ジメトキシエタ
ン及び1,4−ブタンジオール中におけるジペプチドの収
率は共に理論値の25%であった。シリカではなくアンバ
ライトを使用した実施例3とこの結果を比較すると、担
体の選択が酵素反応に影響を及ぼし得ることが示され
る。アンバライトで固定化した酵素を用いた場合、95%
エタノール及び1,4−ブタンジオール中でのジペプチド
の収率は夫々20%及び40%であった。すべたの反応は40
℃で行った。
実施例9 水/アセトニトリル溶媒系の使用 固定化したまたは遊離のサーモアーゼ酵素を使用し、
ジペプチドの酵素的合成に対する水/水混和性有機溶媒
としてアセトニトリルを試験した。この合成反応に使用
した基質の濃度はZ−アスパラギン酸が80ミリモル、D,
L−エリスロフェニルセリンメチルエステルまたはL−
フェニルアラニンメチルエステルが240ミリモルであっ
た。実施例1記載の吸着法によりサーモアーゼ酵素をア
ンバライト上に固定化した。合成反応は100%アセトニ
トリル、75%アセトニトリル/25%水、50%アセトニト
リル/50%水及び25%アセトニトリル/75%水系中で試験
した。24時間反応を監視し、反応速度及び収率を決定し
た。遊離の酵素を高アセトニトリル濃度で使用した場
合、ジペプチドの反応速度は遅いことが認められた。ア
セトニトリル濃度が25及び50%の場合にはジペプチド合
成反応は著しくは認められなかった。しかし、アセトニ
トリル濃度が75%以上の場合は反応速度は同様であり、
共に24時間で約70%の収率を示した。アセトニトリル濃
度90%以上でさらに長く培養すると、ジペプチドの収率
は90%を越えた。すべての反応は40℃で行った。
実施例10 結合反応の大規模化 固定化したプロテアーゼ酵素を含む1撹拌器付タン
ク反応器を使用して、Z−アスパルチル−L−フェニル
アラニンメチルエステルジペプチドの連続製造法を示
す。80gのアンバライト触媒をZ−アスパラギン酸160ミ
リモル及びL−フェニルアラニンメチルエステル480ミ
リモルを含む700mlの割らないアセトニトリル中に加え
る。触媒は実施例1の方法で調製した。一定に撹拌しな
がら反応温度を40℃に保つ。26時間後90%のジペプチド
収率が得られた。3回の別々の操作中同じ酵素触媒を使
用して新しい反応原料とアセトニトリルとを反応器に装
入したが、活性の低下は見られなかった。
実施例11 アセトニトリル中における固定化したプロナ
ーゼによるZ−Asp−L−エリスロPhserOMeの合成 Z−アスパラギン酸(192mg)及びD,L−エリスロフェ
ニルセリン(411mg)をアセトニトリル(9ml)中に含む
溶液に、アンバライト上で固定化したプロナーゼE[シ
グマ・ケミカルズ(Sigma Chemicals)社製](湿った
重量1.5g)を加えた。この混合物を23℃で19時間振盪す
る。HPLC分析の結果182mgのZ−Asp−L−エリスロPhse
rOMeが得られた。
実施例12 アセトニトリル中における固定化したキモト
リプシンによるZ−L−Tyr−D−AlaOMeの合成 N−Z−L−チロシン(102mg、0.32ミリモル)及び
D−アラニンメチルエステル(137mg、0.66ミリモル)
をアセトニトリル(4ml)中に含む溶液に、アバライトX
AD−7上で固定化したキモトリプシン(湿った重量0.5
g)を加えた。この混合物を室温で39時間振盪する。固
定化した酵素を瀘過し、溶媒を蒸発して85mgのZ−L−
Tyr−D−AlaOMeを得た。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−末端保護基をもったアミノ酸またはペ
    プチド或いはその塩の酸成分を、C−末端保護基をもっ
    たアミノ酸またはペプチド或いはその塩のアミノ成分と
    を、ペプチド結合を形成するために水を含有するメタロ
    プロテイナーゼ及び水に対するアセトニトリルの重量比
    が1:1を超える溶媒の存在下において反応させることに
    よってジペプチドまたはポリペプチドを製造する方法。
  2. 【請求項2】溶媒が50重量%を超えるアセトニトリルを
    含んでおり、残りが水である特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
  3. 【請求項3】溶媒が50重量%を超えるアセトニトリルを
    含んでおり、残りが水、一種またはそれ以上のアセトニ
    トリル以外の水混和性有機溶媒またはそれらの混合物で
    ある特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】メタロプロテイナーゼが固定化された形態
    にある特許請求の範囲1〜3項のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】酵素がサーモリシンである特許請求の範囲
    第1〜4項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】N−末端保護基をもつアミノ酸がアスパラ
    ギン酸またはその塩である特許請求の範囲第1〜5項の
    いずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】C−末端保護基をもつアミノ酸がフェニル
    アラニンの低級アルキルエステルである特許請求の範囲
    第1〜5項のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】保護されたアミノ酸がフェニルアラニンの
    メチルエステルである特許請求の範囲第7項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】N−原子の保護基がフォルミルまたはベン
    ジロキシカルボニルである特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  10. 【請求項10】N−保護基がt−アルコキシカルボニ
    ル、ベンジロキシカルボニル、p−トルエンスルフォニ
    ル、o−ニトロフェニルスルフェニルまたはフォルミル
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  11. 【請求項11】フェニルアラニンの低級アルキルエステ
    ルが式 但し式中Phはフェニル基であり、Xは−OH、−SH、−O
    l、−Br、−I、−OCOCH3、−OCOOCH3、−NH2または−S
    CH3であり、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基であ
    る、 に対応する特許請求の範囲第8項記載の方法。
  12. 【請求項12】Xが−OHであり、Rがメチルである特許
    請求の範囲第11項記載の方法。
  13. 【請求項13】C−末端保護基をもつアミノ酸がD−ア
    ラニンである特許請求の範囲第1項記載の方法。
  14. 【請求項14】N−末端保護基をもったアミノ酸または
    その塩及びC−末端保護基をもったアミノ酸またはその
    塩が、それぞれN−置換アスパラギン酸またはその塩、
    及びベンジル基の炭素原子が一個またはそれ以上の水素
    と容易に置き換り得る動き易い基によって置換されてい
    るフェニルアラニン低級アルキルエステルである特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  15. 【請求項15】エステラーゼ阻害剤の存在下において反
    応を行う特許請求の範囲第1〜14項のいずれかに記載の
    方法。
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