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JP2688751B2 - 中空炭素膜繊維の製造方法 - Google Patents
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JP2688751B2 - 中空炭素膜繊維の製造方法 - Google Patents

中空炭素膜繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は特に酸素と窒素、酸素とアルゴン等のような
分子量の近似した混合分子からなる気体を選択的に分離
することができる、膜壁に超ミクロ孔を有する中空炭素
膜繊維の製造方法に関する。
<従来技術> 気体分離膜のための膜は、ポリスルホン膜、シリコン
膜、ポリアミド膜及びテフロン膜等の合成高分子膜が公
知である。それぞれ固有のガス分離特性を有しており、
概して分離性の高いものは透過性が低く、透過性の大き
いものは分離性に乏しい傾向にある。これらはほとんど
非多孔質膜である。高分離性、高透過性を実現させるた
めの手段として多孔質膜が注目を集めつつある。
一方、分子篩活性炭(MSC)を吸着剤として用い、圧
力スイング吸着(PSA)法で空気から窒素を分離する方
法が開発されている。この方法は、分子篩活性炭を充填
した吸着塔に空気を入れると、吸着速度の速い酸素分子
が先ず活性炭に吸着され、次いで窒素がゆっくり吸着す
る。1分程度の短時間で吸着を止めると、濃縮された窒
素ガスが得られる。次いで減圧脱着して酸素を除き、再
び短時間吸着させる、この繰り返しで窒素ガスが得られ
るが、繁雑な工程と大きな吸着塔を数段必要とする。
粒状の分子篩活性炭(MSC)は、ポリ塩化ビニリデン
等を熱分解炭素化する方法、多孔質炭素材料を1200乃至
1800℃の高温度で処理して細孔を熱収縮させる方法、多
孔質炭素材料を400乃至900℃に加熱しつつエチレン、ベ
ンゼン、トルエン等の炭化水素を含む不活性ガスと接触
させて、炭化水素からの熱分解炭素を細孔壁に蒸着させ
る方法等で製造されるが、繊維状活性炭の製造に適用し
た例は知られていない。
また、繊維状活性炭及び中空繊維状活性炭も公知であ
るが、通常それらの細孔の平均径は10乃至50Åの範囲で
あり、本発明の意図する分子量の近い混合気体の分離に
は、分離性能が劣る。
<発明が解決しようとする課題> 分子篩活性炭を用いた圧力スイング吸着法(PSA法)
は1分程度の時間毎に吸着と脱着の繰り返しであり、大
型の装置と繁雑な工程を必要とする。
本発明の中空炭素膜繊維の製造方法によれば、高い分
子篩特性を有する中空炭素膜繊維を製造することが可能
であり、得られた中空炭素膜繊維を多数まとめてモジュ
ール化することにより、混合ガスの供給を加圧サイドに
するか、または膜透過サイドを減圧にするかのいずれか
により混合気体の分離を効率よく行うことができ、装置
の小型化と省エネルギープロセスとを可能にするもので
ある。
<課題を解決するための手段> 多孔質膜を用いた混合ガスの分離は、細孔の大きさに
より分離の機構が異なる。即ち細孔の径をD、気体分子
の平均自由行程をλとするとき、λ/Dの値をクヌーセン
数(Kn)といい、クヌーセン数が1より大きい(K>
1)とき、即ち、膜の細孔径が数十乃至数百Åの場合、
一定温度で細孔内を透過する気体分子の速度は分子量の
平方根の逆数に比例し、分子量の小さいものほど大き
い。従って分子量比の異なる混合ガスの分離に適するこ
とが知られている。この場合計算される窒素と酸素の理
想的な分離係数は0.94で、分離できないことをしめす。
膜の細孔径が10乃至数十Åの範囲では、クヌーセン拡
散と同時に、気体分子が細孔内壁に吸着され、吸着相の
濃度勾配によって移動する表面拡散も生じ、気体分子と
細孔内壁との親和性によっては分子量の近いものでも分
離が可能となることもある。更に毛細管凝集を生じる場
合には、毛細管凝集拡散により分離比が増加する。
中空膜壁の細孔径が本発明のように、数Åの超ミクロ
孔となると、細孔壁のポテンシャルの影響を受けつつ分
子が拡散するため、拡散係数は吸着分子の種類、吸着温
度によって大きく影響される。
酸素と窒素とでは吸着平衡定数では大きな違いはない
が、拡散係数はわずかな分子の違いでも大きく影響され
る。超ミクロ孔が3乃至6Åに制御できれば、両者の拡
散速度の差が大きくなり、分離効果を更に高めることが
できる。
本発明は、かかる3乃至6Åの細孔径を有する中空炭
素膜繊維の製造を可能とするものであり、その要旨は、
予め中空炭素繊維を水蒸気を含む雰囲気中で賦活性化処
理し、中空炭素繊維の膜部に平均細孔径10Å以上の細孔
を多数有する中空炭素膜繊維とし、次いで、不活性ガス
中で熱処理することにより、炭素含有量75%以上からな
り、分子プローブ法で測定された微細孔の大きさが3乃
至6Åである多数の微細孔が膜部に存在し、3Å以下の
大きさの分子の常温での吸着量が0.1cm3/g以上であり、
6Å以上の大きさの分子の吸着量が0.1cm3/g以下なる特
性を有する中空炭素膜繊維とすることを特徴とする中空
炭素膜繊維の製造方法にある。
以下、具体的に中空炭素膜繊維の製造方法を説明す
る。本発明の中空炭素膜繊維の製造にもちいる高分子重
合体は、セルローズ、セルローズエステル、ポリビニー
ルアルコール、ポリビニールクロライド、ポリビニール
ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ピッチ等が挙げら
れるが、中でも焼成炭素化後の膜強度、形態安定性が高
い面から、ポリアクリロニトリル系重合体が好ましい。
本発明は上記重合体をそれぞれ最適条件の下で中空繊
維に賦型する。該繊維は耐熱構造を得るための処理(架
橋、酸化)を施した後、不活性雰囲気中で600乃至1000
℃の温度で炭素化される。更に水蒸気を含む雰囲気中で
賦活性化処理を施すと、細孔径10乃至50Åの多孔構造を
有する中空炭素膜繊維が得られる。
本発明の超ミクロな細孔構造とするための第1の手段
は、賦活性化処理よりも高い温度で熱処理することによ
って得られる。賦活性化処理温度よりも低い温度では細
孔の熱収縮は殆ど生じない。処理温度が1200℃よりも高
すぎると炭素構造の発達に依って活性化能力が減少し好
ましくない。従って不活性雰囲気中で温度900乃至1200
℃で1分以上の時間熱処理することによって細孔を熱収
縮させる。ここで注意を要することは、細孔中に存在す
る空気である。細孔中に存在する空気が不活性ガスと充
分に置換されない場合、細孔は更に大きくなる。場合に
よっては繊維自体が酸化燃焼して消失する。従って、昇
温に先立って細孔中に存在する空気を窒素と置換するた
め液体窒素中に数十秒以上、好ましくは1分以上浸漬し
た後昇温することが好ましい。
本発明の超ミクロ孔を得るための第2の手段は、細孔
径10乃至50Åの多孔構造を有する前記中空炭素膜繊維
を、炭素数5以上の液状の炭化水素化合物中に浸漬し、
細孔中に該化合物を充填させた後、不活性雰囲気中で40
0乃至1200℃の範囲の温度で処理することにより炭化水
素化合物の不完全燃焼、或いは熱分解によって生じた炭
素の粒子で細孔内を狭めることを特徴とする。
熱分解性炭素化合物の例は次のようなものが挙げられ
る。
炭素数が5乃至20のパラフィン系、オレフィン系、芳
香族系炭化水素等は300℃以下の沸点を示し、400℃以上
の温度で不完全燃焼させると気相経由で炭素化する。
本発明の処理に用いられる炭素数5以上のパラフィン
系炭化水素はCnH2n+2で示され、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタデカン、エイコサン等及びこれらの混
合物から成る石油エーテル、ナフサ、ガソリン、ケロシ
ン、軽油等である。
環状パラフィン系としては、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクチン等である。
エチレン系炭化水素は、CnH2nで示され、ペンテン、
ヘキセン、ヘプテン、オクテン、セテン等である。
CnH2n-2で示されるC数5以上のアセチレン系炭化水
素はペンチン、ヘキシン、オクタデシン等がある。
更には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタリ
ン、アントラセン等の芳香族炭化水素も熱分解性炭素化
合物として用いられる。
その他、炭化水素類からの誘導体として脂肪酸類、及
びこれらを多量に含む動、植物油、シクロアルコール、
高級アルコール等のアルコール類、更には炭素数は低い
がジクロロエチレン、テトラクロル炭素等のハロゲン化
合物は、比較的低温で多量の炭素を発生する化合物であ
るので有効に用いられる。
本発明に用いる熱分解性炭素化合物には、数Åの径の
細孔中には侵入せず、10Å径以上の細孔中にのみ侵入し
て炭素化する炭素数10程度以上の炭素化合物を用いるこ
とが更に好ましい。
中空膜壁への炭化水素類の侵入は、通常は常温で行
う。必要ならば加温して用いても差し支えない。浸漬時
間は毛細管上昇力によるものかどうかは明らかではない
が僅かの時間でもよい。細孔中に侵入した炭化水素は不
活性雰囲気中で400乃至1200℃の温度で不完全燃焼或い
は熱分解によって炭素を発生し、細孔内壁に堆積して細
孔を狭める。
この様な本発明の方法によって製造された超ミクロな
細孔構造は、分子プローブ法で測定される。即ち分子径
の異なる、メタノール(3×4.6Å)、ベンゼン(3.2×
6.6Å)、n−ペンタン(4×4.8Å)、クロロホルム
(4.7Å)、シクロヘキサン(5.1×6.6Å)、イソオク
タン(5.3×6.5Å)、四塩化炭素(5.8×6.5Å)等のガ
スを20℃、相対圧95%での吸着量を重量法で求め、液体
換算容積を計算することにより測定した。
ここで括弧内はDc×Dzであり、Dcは被吸着分子を挾む
平行な細孔壁の間隙を考え、その間隙の最小の長さに吸
着できる分子の大きさであり、Dzはインクボトルで示さ
れる細孔の最小の径より小さい径の分子を吸着する大き
さである。一般に二原子分子は、Dc=Dzとされており、
例えばベンゼンのような板状分子は、Dc<Dzであるとい
われている。分子篩炭素の場合、Dcの値が分子篩径とし
てしばしば用いられている。
<実施例> 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
中空炭素膜繊維の「比表面積」は、150乃至1000m2/g
であり、20℃の温度におけるメタノール蒸気の吸着等温
線にBETの無限大式を適用して求めた。
「ガス透過性」は中空炭素膜繊維をモジュール化し、
柳本透過装置GTR−10を用いて、温度30℃、内圧760mmH
g、外圧1mmHgで測定した。ガス透過率の単位はcm3(ST
P)・cm/cm2・cm・Hg・sec(以下この単位をPUと略称す
る)である。
単繊維の「強度」はテンシロンUTM−II型を用いて、
試長100mmで測定した。
「元素分析」は示差熱電導セルにより柳本CHNコーダ
ーMT−II型を用いて測定した(炭素含有量C%、窒素含
有質N%で表示した)。
「密度」はJIS R−7601密度勾配管法で測定した。
実施例1 アクリロニトリル98モル%、メタアクリル酸2モル%
の組成からなり、内径200μm、膜厚30μmのアクリロ
ニトリル系中空膜繊維を、210℃から255℃の温度勾配を
有する空気雰囲気の耐炎化炉中で滞在時間50分で処理
し、密度1.4g/cm3の耐炎化繊維を得た。次いで300℃か
ら800℃の温勾配と窒素雰囲気を有する炭素化炉中を滞
在時間1分間処理した。更に窒素ガス/水蒸気を50/50
容量%含む混合ガス中で温度800℃で多孔質化処理し
た。収率30%(原料繊維に対する処理繊維の重量比)で
あった。
該繊維を再び窒素ガス雰囲気中で、900℃、1000℃、1
200℃のそれぞれの温度で10分間、細孔の熱収縮処理を
行った。得られた中空炭素膜繊維の諸特性を第一表に示
した。
No.1(比較例)における細孔径はメタノール等温吸着
曲線からKelvinの式に円筒モデルを仮定してCranston等
の方法に依って求めた平均直径である。
No.2〜4の中空炭素膜繊維の細孔直径は分子プローブ
法により求めた。細孔径の不等号(<)は以下を示す。
実施例2 アクリロニトリル96モル%、アクリル酸メチル3モル
%、イタコン酸1モル%の組成からなるアクリロニトリ
ル系中空膜繊維を225℃から242℃の温度勾配と空気雰囲
気の耐炎化炉中で滞在時間60分処理し、密度1.42g/cm3
の耐炎化繊維を得た。次いで800℃、窒素60vol%、水蒸
気40vol%の混合ガス中で30分間処理した。該中空炭素
膜繊維を常温のケロシン中に数分間浸漬した後、700℃
の窒素雰囲気中で10分間処理してケロシンを不完全燃焼
させて、膜壁中の細孔内にカーボンの粒子を堆積させて
細孔径の狭化を行って、中空炭素膜繊維を製造した。該
繊維の特性を第二表に示した。
No.5(比較例)における細孔径はメタノール等温吸着
曲線からKelvinの式に円筒モデルを仮定してCranston等
の方法に依って求めた。
No.6の中空炭素膜繊維の細孔直径は分子プローブ法に
より求めた。
実施例3 実施例2で得られた細孔狭化前のNo.5の中空炭素膜繊
維を、四塩化炭素又はベンゼンに浸漬した後、800℃で
本発明の狭化処理を施した。
得られた細孔狭化繊維の特性を第三表に示した。
【図面の簡単な説明】
第一図は、実施例1の熱収縮法で製造された中空炭素膜
繊維に、分子径の異なる有機ガスを相対圧(P/Ps)0.95
で吸着させた場合の吸着量を重量法で測定して20℃液体
換算容積で示した。 第二図は、実施例2の分解炭素法で製造した中空炭素膜
繊維の有機ガス吸着容量測定結果である。 第三図は、実施例3の方法によって製造した中空炭素膜
繊維の有機ガス吸着容量測定結果である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め中空炭素繊維を水蒸気を含む雰囲気中
    で賦活性化処理し、中空炭素繊維の膜部に平均細孔径10
    Å以上の細孔を多数有する中空炭素膜繊維とし、次い
    で、不活性ガス中で熱処理することにより、炭素含有量
    75%以上からなり、分子プローブ法で測定された微細孔
    の大きさが3乃至6Åである多数の微細孔が膜部に存在
    し、3Å以下の大きさの分子の常温での吸着量が0.1cm3
    /g以上であり、6Å以上の大きさの分子の吸着量が0.1c
    m3/g以下なる特性を有する中空炭素膜繊維とすることを
    特徴とする中空炭素膜繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】熱処理条件として、900℃以上の温度で1
    分間以上なる条件を用いることを特徴とする請求項1記
    載の中空炭素膜繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】賦活性化処理を施した中空炭素膜繊維を熱
    分解性炭素化合物中に浸漬し、細孔中に該化合物を充填
    させた後に、400乃至1000℃の温度で熱処理するととも
    に、熱分解炭素粒子で中空炭素膜繊維内部の細孔内を狭
    化したことを特徴とする請求項1記載の中空炭素膜繊維
    の製造方法。
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