JP2720627B2 - 楽音合成装置 - Google Patents
楽音合成装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自然楽器音を合成する
楽音合成装置に関する。
楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】管楽器の共鳴管、弦楽器の弦等、自然楽
器の共鳴部をシミュレートしたモデルを作成し、このモ
デルに励起信号を入力することにより、楽音を合成する
ようにした楽音合成装置が知られている。ここで、共鳴
部のモデルとしては、FIR(有限インパルス応答)フ
ィルタが良く用いられる。FIRフィルタによる共鳴部
のモデルを作成するに際し、まず、楽音合成の対象とな
る自然楽器の共鳴部のインパルス応答の観測が行われ
る。以下、その例を示す。図11に示すような長さLの
円筒管を有する管楽器の場合、マウスピース部からイン
パルスを入力すると、図12に示すように時間Tの経過
後、反射波パルスがマウスピース部において観測され
る。ここで、時間Tは、音波の速度をvとした場合、T
=2L/vによって与えられる。また、図13に示すよ
うな円錐管を有する管楽器の場合は図14に示すような
インパルス応答が得られる。また、図15に示すような
擦弦楽器の場合、擦弦点にインパルスを入力することに
より、図16(a)および(b)に示すインパルス応答
を重ね合せたインパルス応答が得られる。ここで、反射
パルスが現れるまでの時間T1およびT2は、擦弦点から
ブリッジまでの距離L1および擦弦点からナットまでの
距離L2によって決定され、T1=2L1/v、T2=2L
2/vによって与えられる。また、図17に示すような
ピアノの場合、弦が太いため、弦の弾性特性が振動の伝
播に影響を与える。このため、図18に例示するインパ
ルス応答が得られる。このようにして得られたインパル
ス応答を時間軸上において所定のサンプリング周期間隔
でサンプリングし、各サンプル値をフィルタ演算用係数
としてFIRフィルタに設定する。このようにすること
で、対象とする自然楽器の共鳴部と全く同じインパルス
応答を有するフィルタが作成される。そして、このよう
にして作成されたフィルタを音色調整用フィルタとして
使用することにより、自然楽器に近い音色の楽音を合成
することができる。
器の共鳴部をシミュレートしたモデルを作成し、このモ
デルに励起信号を入力することにより、楽音を合成する
ようにした楽音合成装置が知られている。ここで、共鳴
部のモデルとしては、FIR(有限インパルス応答)フ
ィルタが良く用いられる。FIRフィルタによる共鳴部
のモデルを作成するに際し、まず、楽音合成の対象とな
る自然楽器の共鳴部のインパルス応答の観測が行われ
る。以下、その例を示す。図11に示すような長さLの
円筒管を有する管楽器の場合、マウスピース部からイン
パルスを入力すると、図12に示すように時間Tの経過
後、反射波パルスがマウスピース部において観測され
る。ここで、時間Tは、音波の速度をvとした場合、T
=2L/vによって与えられる。また、図13に示すよ
うな円錐管を有する管楽器の場合は図14に示すような
インパルス応答が得られる。また、図15に示すような
擦弦楽器の場合、擦弦点にインパルスを入力することに
より、図16(a)および(b)に示すインパルス応答
を重ね合せたインパルス応答が得られる。ここで、反射
パルスが現れるまでの時間T1およびT2は、擦弦点から
ブリッジまでの距離L1および擦弦点からナットまでの
距離L2によって決定され、T1=2L1/v、T2=2L
2/vによって与えられる。また、図17に示すような
ピアノの場合、弦が太いため、弦の弾性特性が振動の伝
播に影響を与える。このため、図18に例示するインパ
ルス応答が得られる。このようにして得られたインパル
ス応答を時間軸上において所定のサンプリング周期間隔
でサンプリングし、各サンプル値をフィルタ演算用係数
としてFIRフィルタに設定する。このようにすること
で、対象とする自然楽器の共鳴部と全く同じインパルス
応答を有するフィルタが作成される。そして、このよう
にして作成されたフィルタを音色調整用フィルタとして
使用することにより、自然楽器に近い音色の楽音を合成
することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自然楽器の
音色は音高や時間経過によって変化する。また、音高や
時間経過に限らず、様々な演奏の条件によって音色は変
化する。従って、上述した従来の楽音合成装置におい
て、音色調整用のFIRフィルタのフィルタ演算用係数
を変化させ得るようにした方が、実際の自然楽器に近い
演奏を行うことができるので好ましい。しかし、このよ
うにフィルタ演算用係数を変化させ得るようにした場
合、ある楽音を発音中にフィルタ演算用係数を変更する
と、この結果、耳障りなクリックノイズが発生してしま
うという問題があった。この発明は上述した事情に鑑み
てなされたものであり、発音中であってもクリックノイ
ズを生じることなく音色変更を行うことができる楽音合
成装置を提供することを目的とする。
音色は音高や時間経過によって変化する。また、音高や
時間経過に限らず、様々な演奏の条件によって音色は変
化する。従って、上述した従来の楽音合成装置におい
て、音色調整用のFIRフィルタのフィルタ演算用係数
を変化させ得るようにした方が、実際の自然楽器に近い
演奏を行うことができるので好ましい。しかし、このよ
うにフィルタ演算用係数を変化させ得るようにした場
合、ある楽音を発音中にフィルタ演算用係数を変更する
と、この結果、耳障りなクリックノイズが発生してしま
うという問題があった。この発明は上述した事情に鑑み
てなされたものであり、発音中であってもクリックノイ
ズを生じることなく音色変更を行うことができる楽音合
成装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による楽音合成装
置は、発音すべき楽音の音色に対応したフィルタ演算用
係数を発生するパラメータ発生手段と、各々入力が共通
接続された複数のFIRフィルタ、およびこれらのFI
Rフィルタの各出力を混合して出力する混合回路を含ん
だループ手段と、励振信号を発生し、前記ループ手段に
入力する励振手段と、音色の変更が指示された場合、該
音色の変更が指示された時点においてその出力が前記混
合回路から出力されていないFIRフィルタに新たな音
色に対応するフィルタ演算用係数を設定すると共に、該
FIRフィルタの出力が時間経過に従って増加するよう
に制御し、一方、音色の変更が指示された時点において
その出力が混合回路から出力されているFIRフィルタ
の出力が時間経過に従って減少するように制御して、最
終的に前記新たな音色に対応するフィルタ演算用係数が
設定されたFIRフィルタからの出力のみが前記混合回
路から出力されるように制御する制御手段とを具備する
ことを特徴とする。
置は、発音すべき楽音の音色に対応したフィルタ演算用
係数を発生するパラメータ発生手段と、各々入力が共通
接続された複数のFIRフィルタ、およびこれらのFI
Rフィルタの各出力を混合して出力する混合回路を含ん
だループ手段と、励振信号を発生し、前記ループ手段に
入力する励振手段と、音色の変更が指示された場合、該
音色の変更が指示された時点においてその出力が前記混
合回路から出力されていないFIRフィルタに新たな音
色に対応するフィルタ演算用係数を設定すると共に、該
FIRフィルタの出力が時間経過に従って増加するよう
に制御し、一方、音色の変更が指示された時点において
その出力が混合回路から出力されているFIRフィルタ
の出力が時間経過に従って減少するように制御して、最
終的に前記新たな音色に対応するフィルタ演算用係数が
設定されたFIRフィルタからの出力のみが前記混合回
路から出力されるように制御する制御手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0005】
【作用】上記構成によれば、音色変更を行う場合、時間
軸上において連続的にフィルタ演算の態様が変化し、最
終的に新たな音色に対応したフィルタ演算が行われるよ
うになる。
軸上において連続的にフィルタ演算の態様が変化し、最
終的に新たな音色に対応したフィルタ演算が行われるよ
うになる。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照し、この発明の実施例を説
明する。 [第1実施例]図1はこの発明の第1実施例による楽音
合成装置の構成を示すブロック図である。この楽音合成
装置は、図11において示したような円筒管を有する管
楽器をシミュレートしたものである。図1において、1
は管楽器のマウスピースをシミュレートした励振部、2
は円筒管をシミュレートした係数補間型FIRフィルタ
である。また、3はマウスピースと円筒管の結合をシミ
ュレートしたジャンクションであり、加算器3aおよび
3bからなる。励振部1の出力は加算器3aの一方の入
力端に入力され、加算器3aの出力は係数補間型FIR
フィルタ2に入力されると共に加算器3bの一方の入力
端に入力される。係数補間型フィルタ2の出力は加算器
3bの他方の入力端および加算器3aの他方の入力端に
入力され、加算器3bの出力は励振部1に入力される。
明する。 [第1実施例]図1はこの発明の第1実施例による楽音
合成装置の構成を示すブロック図である。この楽音合成
装置は、図11において示したような円筒管を有する管
楽器をシミュレートしたものである。図1において、1
は管楽器のマウスピースをシミュレートした励振部、2
は円筒管をシミュレートした係数補間型FIRフィルタ
である。また、3はマウスピースと円筒管の結合をシミ
ュレートしたジャンクションであり、加算器3aおよび
3bからなる。励振部1の出力は加算器3aの一方の入
力端に入力され、加算器3aの出力は係数補間型FIR
フィルタ2に入力されると共に加算器3bの一方の入力
端に入力される。係数補間型フィルタ2の出力は加算器
3bの他方の入力端および加算器3aの他方の入力端に
入力され、加算器3bの出力は励振部1に入力される。
【0007】この励振部1への入力信号は、管楽器のマ
ウスピース内においてリードに向って帰還される空気振
動波の後退波の寄与による圧力に相当するものであり、
進行波の圧力と加算器3bによって加算されて実際の圧
力となり、励振部1における減算器101に入力され
る。そして、減算器101により、吹奏圧に相当する値
Pが加算器3bの出力から減算され、マウスピース内の
圧力に相当する信号が減算器101から出力される。減
算器101の出力信号は位相補正用のフィルタ102を
介すことにより高域成分が減衰され、マウスピース内の
圧力変化に対するリードの応答特性をシミュレートした
フィルタ103(通常はローパスフィルタ)およびマウ
スピース内の空気流の流速のマウスピース内空気圧に対
する飽和特性をシミュレートした非線形回路104に入
力される。ここで、フィルタ103は図示しない制御手
段により、得ようとする音色に対応し、選択度Q、カッ
トオフ周波数fcおよびゲインGが調整される。また、
非線形回路104および後述する非線形回路106は、
例えば目的とする非線形関数のテーブルを記憶したRO
M(リードオンリメモリ)によって実現することができ
る。フィルタ103の出力は、加算器105に入力さ
れ、演奏者がマウスピースを咥える圧力に関連するアン
ブシュア信号Eが加算される。そして、加算器105か
らリードに加わる圧力に相当する信号が出力され、リー
ドの圧力変化に対するリードおよびマウスピース間の間
隙の断面積の変化をシミュレートした非線形回路106
に入力される。そして、乗算器107により、非線形回
路106の出力信号と、非線形回路104の出力信号と
が乗算され、マウスピースおよびリード間の間隙を通過
する空気流の体積流速に相当する信号が出力される。こ
の乗算器107の出力信号に対し、乗算器108によ
り、マウスピース内の空気流に対するインピーダンスに
相当する値Zが乗算される。そして、マウスピース内に
発生する圧力変化に相当する信号が乗算器108から出
力される。この乗算器108の出力信号は、加算器3a
を介して係数補間型FIRフィルタに入力される。
ウスピース内においてリードに向って帰還される空気振
動波の後退波の寄与による圧力に相当するものであり、
進行波の圧力と加算器3bによって加算されて実際の圧
力となり、励振部1における減算器101に入力され
る。そして、減算器101により、吹奏圧に相当する値
Pが加算器3bの出力から減算され、マウスピース内の
圧力に相当する信号が減算器101から出力される。減
算器101の出力信号は位相補正用のフィルタ102を
介すことにより高域成分が減衰され、マウスピース内の
圧力変化に対するリードの応答特性をシミュレートした
フィルタ103(通常はローパスフィルタ)およびマウ
スピース内の空気流の流速のマウスピース内空気圧に対
する飽和特性をシミュレートした非線形回路104に入
力される。ここで、フィルタ103は図示しない制御手
段により、得ようとする音色に対応し、選択度Q、カッ
トオフ周波数fcおよびゲインGが調整される。また、
非線形回路104および後述する非線形回路106は、
例えば目的とする非線形関数のテーブルを記憶したRO
M(リードオンリメモリ)によって実現することができ
る。フィルタ103の出力は、加算器105に入力さ
れ、演奏者がマウスピースを咥える圧力に関連するアン
ブシュア信号Eが加算される。そして、加算器105か
らリードに加わる圧力に相当する信号が出力され、リー
ドの圧力変化に対するリードおよびマウスピース間の間
隙の断面積の変化をシミュレートした非線形回路106
に入力される。そして、乗算器107により、非線形回
路106の出力信号と、非線形回路104の出力信号と
が乗算され、マウスピースおよびリード間の間隙を通過
する空気流の体積流速に相当する信号が出力される。こ
の乗算器107の出力信号に対し、乗算器108によ
り、マウスピース内の空気流に対するインピーダンスに
相当する値Zが乗算される。そして、マウスピース内に
発生する圧力変化に相当する信号が乗算器108から出
力される。この乗算器108の出力信号は、加算器3a
を介して係数補間型FIRフィルタに入力される。
【0008】係数補間型FIRフィルタ2は、入力信号
を順次遅延する遅延回路D1〜Dn、入力信号および各遅
延回路D1〜Dnの出力に対する係数乗算処理を行う乗算
器M0〜Mn、これらの乗算器M0〜Mnの各乗算結果を加
算する加算器SUM、および図示しない制御手段から供
給されるフィルタ演算用係数a0〜anを時間軸上におい
て補間し、各乗算器M0〜Mnに乗算係数として各々供給
する補間器I0〜Inからなる。ここで、補間器Ii(i
=0〜n)は、例えば図2に示すIIR(無限インパル
ス応答)フイルタによる1次のローパスフィルタによっ
て実現することができる。また、図示しない制御手段に
より、時定数τi(i=0〜n)が補間器Ii(i=0〜
n)に供給され、各補間器おけるフィルタ演算用係数a
iの変化に対する応答特性が調整される。補間器Iiとし
て図2に示すIIRフィルタを用いる場合には、時定数
τiを乗算器MHに乗算係数として与えることにより、
上記応答特性の調整を行うことができる。
を順次遅延する遅延回路D1〜Dn、入力信号および各遅
延回路D1〜Dnの出力に対する係数乗算処理を行う乗算
器M0〜Mn、これらの乗算器M0〜Mnの各乗算結果を加
算する加算器SUM、および図示しない制御手段から供
給されるフィルタ演算用係数a0〜anを時間軸上におい
て補間し、各乗算器M0〜Mnに乗算係数として各々供給
する補間器I0〜Inからなる。ここで、補間器Ii(i
=0〜n)は、例えば図2に示すIIR(無限インパル
ス応答)フイルタによる1次のローパスフィルタによっ
て実現することができる。また、図示しない制御手段に
より、時定数τi(i=0〜n)が補間器Ii(i=0〜
n)に供給され、各補間器おけるフィルタ演算用係数a
iの変化に対する応答特性が調整される。補間器Iiとし
て図2に示すIIRフィルタを用いる場合には、時定数
τiを乗算器MHに乗算係数として与えることにより、
上記応答特性の調整を行うことができる。
【0009】以下、この楽音合成装置の動作を説明す
る。係数補間型フィルタ2の各乗算器には、設定された
音色に応じたフィルタ演算用係数a0〜anが図示しない
制御手段によって設定される。そして、例えば鍵盤等の
操作手段の操作により、図示しない制御手段に発音の指
示が与えられると、制御手段から励振部1に対し、信号
P、E等が供給され、上述したようにして、マウスピー
ス内の圧力変化に相当する信号が励振部1から出力され
る。この励振部1の出力信号はジャンクション3を介し
て係数補間型FIRフィルタ2に入力され、係数補間型
フィルタ2の出力はジャンクション3を介して励振部1
に帰還される。そして、励振部1により、係数補間型F
IRフィルタ2に入力すべき信号が再び出力される。以
後、同様の動作が繰り返され、この楽音合成装置内を循
環する信号が取り出され、楽音信号として出力される。
る。係数補間型フィルタ2の各乗算器には、設定された
音色に応じたフィルタ演算用係数a0〜anが図示しない
制御手段によって設定される。そして、例えば鍵盤等の
操作手段の操作により、図示しない制御手段に発音の指
示が与えられると、制御手段から励振部1に対し、信号
P、E等が供給され、上述したようにして、マウスピー
ス内の圧力変化に相当する信号が励振部1から出力され
る。この励振部1の出力信号はジャンクション3を介し
て係数補間型FIRフィルタ2に入力され、係数補間型
フィルタ2の出力はジャンクション3を介して励振部1
に帰還される。そして、励振部1により、係数補間型F
IRフィルタ2に入力すべき信号が再び出力される。以
後、同様の動作が繰り返され、この楽音合成装置内を循
環する信号が取り出され、楽音信号として出力される。
【0010】さて、このようにして発音動作が行われて
いる期間に、音高の変更あるいは音色操作子の操作等に
よる音色変更の操作がなされると、制御手段は係数補間
型FIRフィルタ2に対して供給するフィルタ演算用係
数ai(i=0〜n)を変更する。しかし、これらのフ
ィルタ演算用係数ai(i〜n)は、補間器Ii(i=0
〜n)により、図3に符号ai’によって例示するよう
に補間されて各乗算器Mi(i=0〜n)に供給され
る。このように、各乗算器Mi(i=0〜n)の各乗算
係数は徐々に新たな音色に対応した係数値に遷移するの
で、発音中においてクリックノイズを発生することなく
音色の変更が行われる。
いる期間に、音高の変更あるいは音色操作子の操作等に
よる音色変更の操作がなされると、制御手段は係数補間
型FIRフィルタ2に対して供給するフィルタ演算用係
数ai(i=0〜n)を変更する。しかし、これらのフ
ィルタ演算用係数ai(i〜n)は、補間器Ii(i=0
〜n)により、図3に符号ai’によって例示するよう
に補間されて各乗算器Mi(i=0〜n)に供給され
る。このように、各乗算器Mi(i=0〜n)の各乗算
係数は徐々に新たな音色に対応した係数値に遷移するの
で、発音中においてクリックノイズを発生することなく
音色の変更が行われる。
【0011】[第2実施例]図4はこの発明の第2実施
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置は、上記第1実施例と同様、円筒状の
共鳴管を有する管楽器をシミュレートしたものである。
この図において、2aおよび2bは全く同様な構成のF
IRフィルタであり、図1に示す係数補間型FIRフィ
ルタ2において補間器I0〜Inを取り除いた構成となっ
ている。これらのFIRフィルタ2aおよび2bの各々
における乗算器M0〜Mnには制御手段から供給されるフ
ィルタ演算用係数が直接設定される。励振部1からジャ
ンクション3を介して供給される信号は、FIRフィル
タ2aおよび2bの双方に入力される。FIRフィルタ
2aおよび2bの各出力は、乗算器4aおよび4bによ
り、乗算係数rおよび1−rが各々乗算され、各乗算結
果が加算器4cによって加算される。そして、加算器4
cにおける加算結果がジャンクション3を介して励振部
1に帰還されるようになっている。
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置は、上記第1実施例と同様、円筒状の
共鳴管を有する管楽器をシミュレートしたものである。
この図において、2aおよび2bは全く同様な構成のF
IRフィルタであり、図1に示す係数補間型FIRフィ
ルタ2において補間器I0〜Inを取り除いた構成となっ
ている。これらのFIRフィルタ2aおよび2bの各々
における乗算器M0〜Mnには制御手段から供給されるフ
ィルタ演算用係数が直接設定される。励振部1からジャ
ンクション3を介して供給される信号は、FIRフィル
タ2aおよび2bの双方に入力される。FIRフィルタ
2aおよび2bの各出力は、乗算器4aおよび4bによ
り、乗算係数rおよび1−rが各々乗算され、各乗算結
果が加算器4cによって加算される。そして、加算器4
cにおける加算結果がジャンクション3を介して励振部
1に帰還されるようになっている。
【0012】以下、本実施例の動作を説明する。音色変
更を行わない場合、乗算係数rの値は、制御手段によっ
て0あるいは1とされる。ここで、r=0に設定されて
いたとすると、FIRフィルタ2bの出力信号が励振部
1に帰還される。音色変更の操作がなされると、制御手
段によって新たな音色に対応したフィルタ演算用係数が
FIRフィルタ2aに設定される。そして、この設定が
行われた後、乗算係数の値rは、0から1へ、緩やかな
時間的変化により徐々に変更される。この結果、励振部
1へ帰還される信号のうち、FIRフィルタ2bの出力
信号が徐々に減少し、FIRフィルタ2aの出力信号が
徐々に増加する。そして、最終的にr=1となることに
より、FIRフィルタ2aの出力信号のみが励振部1に
帰還されるようになり、音色変更が完了する。新たに音
色変更の操作がなされた場合は、新たな音色に対応した
フィルタ演算用係数がFIRフィルタ2bに設定され、
rの値が1から0へ徐々に変更される。図5は、図4に
おいて、乗算器4aおよび4bを各々FIRフィルタ2
aおよび2bの入力部に移動したものである。この構成
においても、図4と全く等価な動作が行われる。
更を行わない場合、乗算係数rの値は、制御手段によっ
て0あるいは1とされる。ここで、r=0に設定されて
いたとすると、FIRフィルタ2bの出力信号が励振部
1に帰還される。音色変更の操作がなされると、制御手
段によって新たな音色に対応したフィルタ演算用係数が
FIRフィルタ2aに設定される。そして、この設定が
行われた後、乗算係数の値rは、0から1へ、緩やかな
時間的変化により徐々に変更される。この結果、励振部
1へ帰還される信号のうち、FIRフィルタ2bの出力
信号が徐々に減少し、FIRフィルタ2aの出力信号が
徐々に増加する。そして、最終的にr=1となることに
より、FIRフィルタ2aの出力信号のみが励振部1に
帰還されるようになり、音色変更が完了する。新たに音
色変更の操作がなされた場合は、新たな音色に対応した
フィルタ演算用係数がFIRフィルタ2bに設定され、
rの値が1から0へ徐々に変更される。図5は、図4に
おいて、乗算器4aおよび4bを各々FIRフィルタ2
aおよび2bの入力部に移動したものである。この構成
においても、図4と全く等価な動作が行われる。
【0013】[第3実施例]図6はこの発明の第3実施
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置は、図13において示したような円錐
管を有する管楽器をシミュレートしたものである。図1
3に示すような円錐管の入力音響インピーダンスZは下
記数1のように表すことができる。
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置は、図13において示したような円錐
管を有する管楽器をシミュレートしたものである。図1
3に示すような円錐管の入力音響インピーダンスZは下
記数1のように表すことができる。
【数1】 ただし、ρは媒質密度(g/cm3)、cは音速(cm
/sec)、Xはのどの長さ(cm)、Lは円錐管の長
さ(cm)である。また、kは波定数(rad/cm)
であり、音の波長をλ(cm)とした場合、k=2π/
λとなる。また、Sは円錐管の初期面積である。さて、
上記数1における分母第1項および第2項において、
/sec)、Xはのどの長さ(cm)、Lは円錐管の長
さ(cm)である。また、kは波定数(rad/cm)
であり、音の波長をλ(cm)とした場合、k=2π/
λとなる。また、Sは円錐管の初期面積である。さて、
上記数1における分母第1項および第2項において、
【数2】
【数3】 とおく。ただし、ωは音の角周波数(rad/sec)
であり、ω=c・kである。また、M=ρ・X/Sであ
る。この置き換え操作により、下記数4が得られる。
であり、ω=c・kである。また、M=ρ・X/Sであ
る。この置き換え操作により、下記数4が得られる。
【数4】 すなわち、円錐管の入力音響インピーダンスZは、イン
ピーダンスZxおよびZLを並列接続したものとみなす
ことができる。ここで、長さがLの無損失平行線路にお
いて受側を短絡した時の送側から見た入力インピーダン
スがZi=j・tan(k・L)となることから、イン
ピーダンスZLを太さが一定の円筒管によってシミュレ
ートすることが可能である。また、図13において、の
どの長さXが小さい場合、上記数2によって示したイン
ピーダンスZxを下記数5の近似式により近似すること
が可能である。
ピーダンスZxおよびZLを並列接続したものとみなす
ことができる。ここで、長さがLの無損失平行線路にお
いて受側を短絡した時の送側から見た入力インピーダン
スがZi=j・tan(k・L)となることから、イン
ピーダンスZLを太さが一定の円筒管によってシミュレ
ートすることが可能である。また、図13において、の
どの長さXが小さい場合、上記数2によって示したイン
ピーダンスZxを下記数5の近似式により近似すること
が可能である。
【数5】 すなわち、数5の近似式によるものを適用することによ
り、円錐管を2本の円筒管を並列接続した構成によって
近似することができる。図6における係数補間型フィル
タ2cおよび2dは、このように円錐管を近似した2本
の円筒管をシミュレートしたものである。これら係数補
間型フィルタ2cおよび2dは上述した第1実施例(図
1)において用いられているものと全く同様な構成であ
り、発音すべき音色に対応したフィルタ演算用係数が制
御手段によって各々設定される。5は励振部1、係数補
間型フィルタ2cおよび2dの各々の間の信号の授受を
媒介するジャンクションであり、乗算器5M1〜5M3、
減算器5S1〜5S3および加算器5Aからなる。励振部
1の出力信号はジャンクション3および1サンプル周期
遅延回路6を介した後、減算器5S1のマイナス側入力
端に入力される一方、乗算器5M1によって係数C1が乗
算されて加算器5Aに入力される。ここで、1サンプル
周期遅延回路6は、ジャンクション3における加算器3
aおよびジャンクション5における減算器5S1を通過
するループが遅延要素を全く含まないディレイフリール
ープとなるのを避けるために設けられたものである。係
数補間型FIRフィルタ2cの出力信号は、減算器5S
2のマイナス側入力端に入力される一方、乗算器5M2に
よって係数C2が乗算されて加算器5Aに入力される。
また、係数補間型FIRフィルタ2dの出力信号は、減
算器5S3のマイナス側入力端に入力される一方、乗算
器5M3によって係数C3が乗算されて加算器5Aに入力
される。ここで、各係数C1〜C3は、C1+C2+C3≦
2を満足する範囲内で、シミュレートしようとする円錐
管の形状に応じた値が用いられる。加算器5Aにおける
加算結果は、減算器5S1〜5S3の各々のプラス側入力
端に入力される。減算器5S1の出力はジャンクション
3を介して励振部1に帰還され、減算器5S2および5
S3の各出力は係数補間型フィルタ2cおよび2dに各
々入力される。この構成においても、上記第1実施例と
同様、係数補間型FIRフィルタ2cおよび2d内の補
間器によってフィルタ演算用係数の補間が行われる。従
って、発音中、音色変更によってフィルタ演算用係数が
切り換えられる場合においても、クリックノイズが生じ
ることなく、新たな音色への変更がなされる。
り、円錐管を2本の円筒管を並列接続した構成によって
近似することができる。図6における係数補間型フィル
タ2cおよび2dは、このように円錐管を近似した2本
の円筒管をシミュレートしたものである。これら係数補
間型フィルタ2cおよび2dは上述した第1実施例(図
1)において用いられているものと全く同様な構成であ
り、発音すべき音色に対応したフィルタ演算用係数が制
御手段によって各々設定される。5は励振部1、係数補
間型フィルタ2cおよび2dの各々の間の信号の授受を
媒介するジャンクションであり、乗算器5M1〜5M3、
減算器5S1〜5S3および加算器5Aからなる。励振部
1の出力信号はジャンクション3および1サンプル周期
遅延回路6を介した後、減算器5S1のマイナス側入力
端に入力される一方、乗算器5M1によって係数C1が乗
算されて加算器5Aに入力される。ここで、1サンプル
周期遅延回路6は、ジャンクション3における加算器3
aおよびジャンクション5における減算器5S1を通過
するループが遅延要素を全く含まないディレイフリール
ープとなるのを避けるために設けられたものである。係
数補間型FIRフィルタ2cの出力信号は、減算器5S
2のマイナス側入力端に入力される一方、乗算器5M2に
よって係数C2が乗算されて加算器5Aに入力される。
また、係数補間型FIRフィルタ2dの出力信号は、減
算器5S3のマイナス側入力端に入力される一方、乗算
器5M3によって係数C3が乗算されて加算器5Aに入力
される。ここで、各係数C1〜C3は、C1+C2+C3≦
2を満足する範囲内で、シミュレートしようとする円錐
管の形状に応じた値が用いられる。加算器5Aにおける
加算結果は、減算器5S1〜5S3の各々のプラス側入力
端に入力される。減算器5S1の出力はジャンクション
3を介して励振部1に帰還され、減算器5S2および5
S3の各出力は係数補間型フィルタ2cおよび2dに各
々入力される。この構成においても、上記第1実施例と
同様、係数補間型FIRフィルタ2cおよび2d内の補
間器によってフィルタ演算用係数の補間が行われる。従
って、発音中、音色変更によってフィルタ演算用係数が
切り換えられる場合においても、クリックノイズが生じ
ることなく、新たな音色への変更がなされる。
【0014】[第4実施例]図7はこの発明の第4実施
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置は、上記第3実施例(図6)における
係数補間型フィルタ2cおよび2dに代えて、図4にお
いて示したFIRフィルタ2aと同様な構成のFIRフ
ィルタ2caと2cb、およびFIRフィルタ2daと
2dbが設けられている。また、FIRフィルタ2ca
の出力に対して乗算係数rを乗算する乗算器5M2a
と、FIRフィルタ2cbの出力に対して乗算係数1−
rを乗算する乗算器5M2bと、これらの乗算器5M2a
および5M2bの各乗算結果を加算して乗算器5M2に供
給する加算器5A2とからなる混合部が設けられてい
る。同様に、FIRフィルタ2daおよび2dbの各出
力は、乗算器5M3a(乗算係数r)、5M3b(乗算係
数1−r)および加算器5A3からなる混合部によって
混合され、乗算器5M3に供給されるようになってい
る。また、FIRフィルタ2ca、2cb、2daおよ
び2dbの各々の入力端には、加算器5Aにおける加算
結果から当該FIRフィルタの出力を減算し出力する減
算器5S2a、5S2b、5S3aおよび5S3bの各出力
端が接続されている。
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置は、上記第3実施例(図6)における
係数補間型フィルタ2cおよび2dに代えて、図4にお
いて示したFIRフィルタ2aと同様な構成のFIRフ
ィルタ2caと2cb、およびFIRフィルタ2daと
2dbが設けられている。また、FIRフィルタ2ca
の出力に対して乗算係数rを乗算する乗算器5M2a
と、FIRフィルタ2cbの出力に対して乗算係数1−
rを乗算する乗算器5M2bと、これらの乗算器5M2a
および5M2bの各乗算結果を加算して乗算器5M2に供
給する加算器5A2とからなる混合部が設けられてい
る。同様に、FIRフィルタ2daおよび2dbの各出
力は、乗算器5M3a(乗算係数r)、5M3b(乗算係
数1−r)および加算器5A3からなる混合部によって
混合され、乗算器5M3に供給されるようになってい
る。また、FIRフィルタ2ca、2cb、2daおよ
び2dbの各々の入力端には、加算器5Aにおける加算
結果から当該FIRフィルタの出力を減算し出力する減
算器5S2a、5S2b、5S3aおよび5S3bの各出力
端が接続されている。
【0015】この楽音合成装置においては、上記第2実
施例と同様な制御により音色変更が行われる。すなわ
ち、r=0の状態にて発音を行っている期間に音色変更
を行う場合、FIRフィルタ2caおよび2daの各々
に対し、新たな音色に対応したフィルタ演算用係数が各
々設定された後、rの値が0から1へ徐々に変更され
る。また、r=1の状態にて発音を行っている期間に音
色変更を行う場合、FIRフィルタ2cbおよび2db
の各々に対し、新たな音色に対応したフィルタ演算用係
数が各々設定された後、rの値が1から0へ徐々に変更
される。なお、乗算器5M2aおよび5M2bを減算器5
S2aおよび5S2bの各々の前段に設け、乗算器5M3
aおよび5M3bを減算器5S3aおよび5S3bの各々
の前段に設けても良く、この構成においても、上記構成
と全く等価な動作が行われる。
施例と同様な制御により音色変更が行われる。すなわ
ち、r=0の状態にて発音を行っている期間に音色変更
を行う場合、FIRフィルタ2caおよび2daの各々
に対し、新たな音色に対応したフィルタ演算用係数が各
々設定された後、rの値が0から1へ徐々に変更され
る。また、r=1の状態にて発音を行っている期間に音
色変更を行う場合、FIRフィルタ2cbおよび2db
の各々に対し、新たな音色に対応したフィルタ演算用係
数が各々設定された後、rの値が1から0へ徐々に変更
される。なお、乗算器5M2aおよび5M2bを減算器5
S2aおよび5S2bの各々の前段に設け、乗算器5M3
aおよび5M3bを減算器5S3aおよび5S3bの各々
の前段に設けても良く、この構成においても、上記構成
と全く等価な動作が行われる。
【0016】[第5実施例]図8はこの発明の第5実施
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置はピアノ等の打弦楽器をシミュレート
したものであり、図8における係数補間型FIRフィル
タ7、加算器8、係数補間型FIRフィルタ9および加
算器10からなるループ回路100はピアノの弦に対応
している。さらに詳述すると、係数補間型フィルタ7は
ピアノの弦の打弦点からブリッジに至るまでの部分のイ
ンパルス応答をシミュレートしたものであり、係数補間
型フィルタ9はピアノの弦の打弦点からカポダストに至
るまでの部分のインパルス応答をシミュレートしたもの
である。これらの係数補間型FIRフィルタ7および9
は、上記第1実施例において使用されたものと全く同様
な構成のものが用いられており、図示しない制御手段に
より、フィルタ演算用係数が設定される。また、係数補
間型フィルタ7および9の各出力は加算器11によって
加算されて出力される。
例による楽音合成装置の構成を示すブロック図である。
この楽音合成装置はピアノ等の打弦楽器をシミュレート
したものであり、図8における係数補間型FIRフィル
タ7、加算器8、係数補間型FIRフィルタ9および加
算器10からなるループ回路100はピアノの弦に対応
している。さらに詳述すると、係数補間型フィルタ7は
ピアノの弦の打弦点からブリッジに至るまでの部分のイ
ンパルス応答をシミュレートしたものであり、係数補間
型フィルタ9はピアノの弦の打弦点からカポダストに至
るまでの部分のインパルス応答をシミュレートしたもの
である。これらの係数補間型FIRフィルタ7および9
は、上記第1実施例において使用されたものと全く同様
な構成のものが用いられており、図示しない制御手段に
より、フィルタ演算用係数が設定される。また、係数補
間型フィルタ7および9の各出力は加算器11によって
加算されて出力される。
【0017】ハンマによって弦に与えられる励起は、以
下説明する励振部200によってシミュレートされる。
まず、加算器201は、一方の入力端にハンマが弦ST
Rに衝突する速度に対応したハンマ速度信号VEL0が
入力される。また、加算器201の他方の入力端は、積
分器202における積分値が入力される。この積分値
は、ハンマおよび弦間の相互作用によってハンマに生じ
る速度変化分に相当する。なお、この速度変化分の演算
については後述する。加算器201からはハンマ速度信
号VEL0を前記速度変化分によって修正した信号、す
なわち、現時点のハンマの速度に対応した信号が得られ
る。そして、加算器201の出力信号は積分器203に
入力されて積分され、ハンマの変位に相当するハンマ変
位信号HDが出力される。一方、加算器204は、加算
器11の出力信号に対し乗算器205によって係数SA
DMを乗じた信号および乗算器206の出力信号が入力
される。ここで、乗算器205の出力信号は打弦点にお
ける弦の速度に相当し、乗算器206の出力信号はハン
マによって弦にもたらされる速度修正分に相当する。従
って、加算器204から現時点における弦の速度に対応
した信号SVが出力される。そして、信号SVが積分器
207によって積分され、弦の変位に相当する弦変位信
号SDが得られる。そして、減算器208により、ハン
マ変位信号HDから弦変位信号SDが減算され、ハンマ
に対する弦の食込み量に応じた相対変位信号SHDが得
られる。
下説明する励振部200によってシミュレートされる。
まず、加算器201は、一方の入力端にハンマが弦ST
Rに衝突する速度に対応したハンマ速度信号VEL0が
入力される。また、加算器201の他方の入力端は、積
分器202における積分値が入力される。この積分値
は、ハンマおよび弦間の相互作用によってハンマに生じ
る速度変化分に相当する。なお、この速度変化分の演算
については後述する。加算器201からはハンマ速度信
号VEL0を前記速度変化分によって修正した信号、す
なわち、現時点のハンマの速度に対応した信号が得られ
る。そして、加算器201の出力信号は積分器203に
入力されて積分され、ハンマの変位に相当するハンマ変
位信号HDが出力される。一方、加算器204は、加算
器11の出力信号に対し乗算器205によって係数SA
DMを乗じた信号および乗算器206の出力信号が入力
される。ここで、乗算器205の出力信号は打弦点にお
ける弦の速度に相当し、乗算器206の出力信号はハン
マによって弦にもたらされる速度修正分に相当する。従
って、加算器204から現時点における弦の速度に対応
した信号SVが出力される。そして、信号SVが積分器
207によって積分され、弦の変位に相当する弦変位信
号SDが得られる。そして、減算器208により、ハン
マ変位信号HDから弦変位信号SDが減算され、ハンマ
に対する弦の食込み量に応じた相対変位信号SHDが得
られる。
【0018】相対変位信号SHDは、非線形回路209
に入力され、ハンマおよび弦間の反撥力に相当する信号
Fが非線形回路209から出力される。非線形回路20
9の出力信号Fは乗算器210によって乗算係数1/2
が乗算される。この結果、弦における打弦点の両側に各
々伝播する振動波の速度成分が乗算器210から出力さ
れ、ループ回路100の加算器8および10に帰還され
る。また、非線形回路209の出力信号は、乗算器20
6によって所定の乗算係数FADMが乗算され、上述し
たハンマによって弦に与えられる速度変化分に相当する
信号が乗算器206から得られる。また、非線形回路2
09の出力信号Fは、乗算器211によって乗算係数−
1/M(ただし、Mはハンマの質量)が乗算され、ハン
マに作用する加速度に相当する信号HAが出力される。
そして、この信号HAが積分器202によって積分され
ることにより、上述したハンマの速度変化分に相当する
信号が得られる。この楽音合成装置においても、制御手
段から与えられるフィルタ演算用係数が時間軸上で補間
されて使用されるので、クリックノイズを発生すること
なく音色変更を行うことができる。
に入力され、ハンマおよび弦間の反撥力に相当する信号
Fが非線形回路209から出力される。非線形回路20
9の出力信号Fは乗算器210によって乗算係数1/2
が乗算される。この結果、弦における打弦点の両側に各
々伝播する振動波の速度成分が乗算器210から出力さ
れ、ループ回路100の加算器8および10に帰還され
る。また、非線形回路209の出力信号は、乗算器20
6によって所定の乗算係数FADMが乗算され、上述し
たハンマによって弦に与えられる速度変化分に相当する
信号が乗算器206から得られる。また、非線形回路2
09の出力信号Fは、乗算器211によって乗算係数−
1/M(ただし、Mはハンマの質量)が乗算され、ハン
マに作用する加速度に相当する信号HAが出力される。
そして、この信号HAが積分器202によって積分され
ることにより、上述したハンマの速度変化分に相当する
信号が得られる。この楽音合成装置においても、制御手
段から与えられるフィルタ演算用係数が時間軸上で補間
されて使用されるので、クリックノイズを発生すること
なく音色変更を行うことができる。
【0019】[第6実施例]図9はこの発明の第6実施
例であってバイオリン等の擦弦楽器の楽音を合成する楽
音合成装置の構成を示すブロック図である。この図にお
いて、301aおよび301bは各々バイオリンの弦の
擦弦位置からナットに至るまでの部分のインパルス応答
をシミュレートしたFIRフィルタである。これらのF
IRフィルタ301aおよび301bの各出力は、乗算
器302aおよび302bにより、各々乗算係数rおよ
び1−rが乗算され、各乗算結果が加算器303によっ
て加算され、その加算結果は加算器304の一方の入力
端に入力される。加算器304の出力は、弦の擦弦位置
からブリッジに至るまでの部分のインパルス応答をシミ
ュレートしたFIRフィルタ305aおよび305bに
入力される。これらのFIRフィルタ305aおよび3
05bの各出力は、乗算器306aおよび306bによ
り、各々乗算係数rおよび1−rが乗算され、各乗算結
果が加算器307によって加算され、その加算結果は加
算器308の一方の入力端に入力される。この加算器3
08の出力はFIRフィルタ301aおよび301bに
入力される。以上説明した各要素により擦弦楽器におけ
る弦に対応したループ回路300が構成されている。ま
た、加算器303および307の各出力は加算器309
によって加算される。この結果、加算器309から擦弦
位置における弦の速度に相当する信号が出力される。そ
して、減算器401により、加算器309の出力信号か
ら弓によって弦を弾く時の速度に相当する信号Vbが差
し引かれ、弓と弦との相対速度に相当する信号が出力さ
れる。この減算器401の出力信号は、除算器402に
入力され、弓の圧力に相当する信号Fbによって除算さ
れる。そして、除算器402の出力信号は、図10に例
示する入出力特性を有する非線形回路403に入力され
る。そして、非線形回路403の出力信号に対し、乗算
器404によって信号Fbが乗算され、乗算器404か
ら弓によって弦に与えられる速度変化分に相当する信号
が出力され、ループ回路300における加算器303お
よび307の各他方の入力端に帰還される。この楽音合
成装置においても、上記第2実施例と同様な制御により
音色変更が行われる。
例であってバイオリン等の擦弦楽器の楽音を合成する楽
音合成装置の構成を示すブロック図である。この図にお
いて、301aおよび301bは各々バイオリンの弦の
擦弦位置からナットに至るまでの部分のインパルス応答
をシミュレートしたFIRフィルタである。これらのF
IRフィルタ301aおよび301bの各出力は、乗算
器302aおよび302bにより、各々乗算係数rおよ
び1−rが乗算され、各乗算結果が加算器303によっ
て加算され、その加算結果は加算器304の一方の入力
端に入力される。加算器304の出力は、弦の擦弦位置
からブリッジに至るまでの部分のインパルス応答をシミ
ュレートしたFIRフィルタ305aおよび305bに
入力される。これらのFIRフィルタ305aおよび3
05bの各出力は、乗算器306aおよび306bによ
り、各々乗算係数rおよび1−rが乗算され、各乗算結
果が加算器307によって加算され、その加算結果は加
算器308の一方の入力端に入力される。この加算器3
08の出力はFIRフィルタ301aおよび301bに
入力される。以上説明した各要素により擦弦楽器におけ
る弦に対応したループ回路300が構成されている。ま
た、加算器303および307の各出力は加算器309
によって加算される。この結果、加算器309から擦弦
位置における弦の速度に相当する信号が出力される。そ
して、減算器401により、加算器309の出力信号か
ら弓によって弦を弾く時の速度に相当する信号Vbが差
し引かれ、弓と弦との相対速度に相当する信号が出力さ
れる。この減算器401の出力信号は、除算器402に
入力され、弓の圧力に相当する信号Fbによって除算さ
れる。そして、除算器402の出力信号は、図10に例
示する入出力特性を有する非線形回路403に入力され
る。そして、非線形回路403の出力信号に対し、乗算
器404によって信号Fbが乗算され、乗算器404か
ら弓によって弦に与えられる速度変化分に相当する信号
が出力され、ループ回路300における加算器303お
よび307の各他方の入力端に帰還される。この楽音合
成装置においても、上記第2実施例と同様な制御により
音色変更が行われる。
【0020】なお、本発明の別の応用形態として、管楽
器音を合成する際、トーンホールの開閉状態が変化する
遷移期間中の音色の変化をフィルタ係数の補間を行うこ
とによって実現することが考えられる。この場合、ある
トーンホールの状態に対応したフィルタ係数からトーン
ホールの別の状態に対応したフィルタ係数に更新する際
に、トーンホールが中途半端に開いた状態に対応したフ
ィルタ係数を経て新たな状態に対応したフィルタ係数に
変化させるようにすると、さらにピッチ切り替え時の音
色のリアリティが増し、楽音の音質が向上する。このよ
うなトーンホールが中途半端に開閉された状態において
は、管内の圧力波の損失が大きくなり、結果として楽音
の振幅は不安定となり、ピッチも不安定なものとなる。
器音を合成する際、トーンホールの開閉状態が変化する
遷移期間中の音色の変化をフィルタ係数の補間を行うこ
とによって実現することが考えられる。この場合、ある
トーンホールの状態に対応したフィルタ係数からトーン
ホールの別の状態に対応したフィルタ係数に更新する際
に、トーンホールが中途半端に開いた状態に対応したフ
ィルタ係数を経て新たな状態に対応したフィルタ係数に
変化させるようにすると、さらにピッチ切り替え時の音
色のリアリティが増し、楽音の音質が向上する。このよ
うなトーンホールが中途半端に開閉された状態において
は、管内の圧力波の損失が大きくなり、結果として楽音
の振幅は不安定となり、ピッチも不安定なものとなる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による楽音
合成装置によれば、発音中においてもクリックノイズを
生じることなく音色変更を行うことができるという効果
が得られる。
合成装置によれば、発音中においてもクリックノイズを
生じることなく音色変更を行うことができるという効果
が得られる。
【図1】 この発明の第1実施例による楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施例における補間器の構成例を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図3】 同実施例における補間器の動作を示す波形図
である。
である。
【図4】 この発明の第2実施例による楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図5】 同実施例の変形例の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図6】 この発明の第3実施例による楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の第4実施例による楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の第5実施例による楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の第6実施例による楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図10】 同実施例において用いる非線形関数を例示
する図である。
する図である。
【図11】 円筒管を有する管楽器を示す図である。
【図12】 同管楽器のインパルス応答を示す図であ
る。
る。
【図13】 円錐管を有する管楽器を示す図である。
【図14】 同管楽器のインパルス応答を示す図であ
る。
る。
【図15】 擦弦楽器を示す図である。
【図16】 同擦弦楽器のインパルス応答を示す図であ
る。
る。
【図17】 打弦楽器を示す図である。
【図18】 同打弦楽器のインパルス応答を示す図であ
る。
る。
1……励振部、2……係数補間型FIRフィルタ、4a
……乗算器、4b……乗算器、4c……加算器。
……乗算器、4b……乗算器、4c……加算器。
Claims (1)
- 【請求項1】 発音すべき楽音の音色に対応したフィル
タ演算用係数を発生するパラメータ発生手段と、 各 々入力が共通接続された複数のFIRフィルタ、およ
びこれらのFIRフィルタの各出力を混合して出力する
混合回路を含んだループ手段と、励振信号を発生し、前記ループ手段に入力する励振手段
と、 音色の変更が指示された場合、該音色の変更が指示され
た時点においてその出力が前記混合回路から出力されて
いないFIRフィルタに新たな音色に対応するフィルタ
演算用係数を設定すると共に、該FIRフィルタの出力
が時間経過に従って増加するように制御し、一方、音色
の変更が指示された時点においてその出力が混合回路か
ら出力されているFIRフィルタの出力が時間経過に従
って減少するように制御して、最終的に前記新たな音色
に対応するフィルタ演算用係数が設定されたFIRフィ
ルタからの出力のみが前記混合回路から出力されるよう
に制御する制御手段とを具備することを特徴とする楽音
合成装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3111866A JP2720627B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 楽音合成装置 |
| US07/838,572 US5359146A (en) | 1991-02-19 | 1992-02-19 | Musical tone synthesizing apparatus having smoothly varying tone control parameters |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3111866A JP2720627B2 (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 楽音合成装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05119776A JPH05119776A (ja) | 1993-05-18 |
| JP2720627B2 true JP2720627B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=14572132
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3111866A Expired - Fee Related JP2720627B2 (ja) | 1991-02-19 | 1991-05-16 | 楽音合成装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2720627B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5940698A (ja) * | 1982-07-27 | 1984-03-06 | ロ−ランド株式会社 | 電子楽器の楽音生成装置 |
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| JPH0769702B2 (ja) * | 1989-05-18 | 1995-07-31 | ヤマハ株式会社 | 楽音合成装置 |
-
1991
- 1991-05-16 JP JP3111866A patent/JP2720627B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05119776A (ja) | 1993-05-18 |
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