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JP2810803B2 - 時間分解フーリエ変換分光測定法 - Google Patents
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JP2810803B2 - 時間分解フーリエ変換分光測定法 - Google Patents

時間分解フーリエ変換分光測定法

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JP2810803B2
JP2810803B2 JP6462491A JP6462491A JP2810803B2 JP 2810803 B2 JP2810803 B2 JP 2810803B2 JP 6462491 A JP6462491 A JP 6462491A JP 6462491 A JP6462491 A JP 6462491A JP 2810803 B2 JP2810803 B2 JP 2810803B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刺激に対して繰り返し
同じ応答を示す測定対象に刺激を周期的に与え、ラピッ
ドスキャン干渉計を用いた検知器の出力を刺激より後の
所定の遅延時間においてサンプリングする等をして、所
定の遅延時間と通常状態との差のインタフェログラムを
取得し、フーリエ変換してスペクトルを得ることによっ
て、測定対象の反応過程におけるスペクトル状態を測定
する時間分解フーリエ変換分光測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】サンプルに電気やレーザその他の手段に
より周期的に刺激を与え、その刺激から復帰する過程に
おいて、その反応状態を測定しようという要求は、例え
ば液晶の特性を評価する場合や、その他のいろいろな分
野にある。その測定方法としては、FT−IR(フーリ
エ変換赤外分光光度計)を用いた時間分解フーリエ変換
分光測定法がある。この方法は、広い波数域を高いSN
比で測定できるため、従来から開発利用されているが、
ラピッドスキャン干渉計を用いるものと、ステップスキ
ャン干渉計を用いるものに分類できる。
【0003】FT−IRは、半透鏡と移動鏡と固定鏡か
らなるマイケルソン干渉計を用い、移動鏡を移動させて
インタフェログラムを得るものであるが、インタフェロ
グラムは、サンプルの透過率等の特性が測定中一定でな
ければならないという条件があり、サンプルの特性が変
わってしまうと、それをフーリエ変換した場合、本来の
情報と違う情報が出てしまう。したがって、時間分解フ
ーリエ変換分光測定法において、与える刺激の周期は、
反応が終わってしまう時間より長いことが条件である
が、周期的な刺激を与える場合、移動鏡の移動と無関係
に刺激を与えると、その整合を採ることが必要になる。
そこで、従来は、干渉計の持つ基準信号に同期して刺激
を与えるようにしている。
【0004】このような状況の下に、本出願人はすで
に、刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測定対象に刺
激を周期的に与え、ラピッドスキャン干渉計を用いた検
知器の出力をサンプリングして刺激よりある遅延時間に
対するインタフェログラムを取得し、フーリエ変換して
スペクトルにより反応状態を測定する時間分解分光測定
法であって、測定対象に反応周期の2倍より長い周期で
繰り返し刺激を与えると共に、検知器出力を刺激繰り返
し周期の2分の1の周期で刺激からの遅延時間を制御し
てサンプリングし、サンプリングされた信号から刺激繰
り返し周波数に乗った成分を抽出することによって、励
起状態の試料から得られるインタフェログラムと通常状
態の試料から得られるインタフェログラムの差のインタ
フェログラムを取り出し、この差のインタフェログラム
をフーリエ変換することにより、前記制御された遅延時
間での測定対象と通常状態での測定対象との差スペクト
ルを得ることを特徴とする時間分解フーリエ変換分光測
定法を提案した(特願平1−335748号)。この方
法は、刺激を干渉計の持つ基準信号と非同期で与えるこ
とができるので、刺激に対する制約を大幅に緩和するこ
とができ、また、速い反応には、刺激周波数を上げるこ
とができるので、測定効率の向上を図ることができ、し
かも、一般に普及しているラピッドスキャン干渉計を持
った装置に刺激発生器、可変型遅延回路、ゲート回路、
バンドパスフィルタ、ロックインアンプを加えることに
より、データサンプリング回路やデータ編集ソフト等、
システムの大幅な変更を必要とせず実施できるメリット
があり、さらに、差測定法のメリットである装置の状
態、測定環境の変化に影響されないメリットも有してい
るものである。
【0005】また、本出願人は、同じ試料に遅延時間を
変化させて同様の測定を繰り返し行わずに、試料に刺激
を与えたときの異なる時間における過渡現象を同時に短
時間に測定できるようにするため、上記の特願平1−3
35748号の方法をマルチチャンネル化して、ラピッ
ドスキャン干渉計を用いた同一の検知器出力信号を異な
る複数の遅延時間において別々にサンプリングし、各サ
ンプリングされた信号から刺激繰り返し周波数に乗った
成分を抽出することによって、各遅延時間に対する差の
インタフェログラムを取得し、各差のインタフェログラ
ムをフーリエ変換することにより対応する遅延時間での
測定対象と通常状態での測定対象との差スペクトルを得
て、刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測定対象の複
数の遅延時間における反応状態を同時に測定するように
することも提案した(特願平2−259357号)。
【0006】さらに、本出願人は、上記の特願平1−3
35748号の方法の遅延時間を制御してサンプリング
する代わりに、光源を同様に刺激繰り返し周期の2分の
1の周期で刺激からの遅延時間を制御して放射するパル
ス光源にすることも提案した(特願平2−82128
号)。そして、この場合も、本出願人は、同じ試料に遅
延時間を変化させて同様の測定を繰り返し行わずに、試
料に刺激を与えたときの異なる時間における過渡現象を
同時に短時間に測定できるようにするため、上記の特願
平2−82128号の方法をマルチチャンネル化して、
パルス光源から刺激繰り返し周期の1/2の周期当たり
異なる複数の遅延時間で光を放射して、各遅延時間毎の
検知器出力信号を別々に取り出し、各別々に取り出され
た信号から刺激繰り返し周波数に乗った成分を抽出する
ことによって、各遅延時間に対する差のインタフェログ
ラムを取得し、各差のインタフェログラムをフーリエ変
換することにより対応する遅延時間での測定対象と通常
状態での測定対象との差スペクトルを得て、刺激に対し
て繰り返し同じ応答を示す測定対象の複数の遅延時間に
おける反応状態を同時に測定するようにすることも提案
した(特願平2−259358号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
本出願人による提案は、何れの場合も、刺激の繰り返し
周期が、サンプリング定理により、インタフェログラム
信号の持っている最大周波数fmax の2倍の逆数より短
いものを前提としていた。刺激の繰り返し周期をτとす
ると、上記はτ<1/2fmax 、又は、fmax <1/2
τを前提としていたことを意味している。
【0008】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、上記した本出願人の提案に係
る時間分解フーリエ変換分光測定法を、刺激の繰り返し
周期がインタフェログラム信号の持っている最大周波数
max の2倍の逆数より長い測定の場合、すなわち、刺
激に対する反応周期がより長い測定対象に対しても、適
用可能にすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の時間分解フーリエ変換分光測定法は、刺激に
対して繰り返し同じ応答を示す測定対象に刺激を周期的
に与え、ラピッドスキャン干渉計を用いた検知器の出力
をサンプリングして刺激よりある遅延時間に対するイン
タフェログラムを取得し、フーリエ変換してスペクトル
により刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測定対象の
反応状態を測定する時間分解フーリエ分光測定法であっ
て、干渉計による変調周波数をf、刺激の繰り返し周波
数を1/τとしたとき、m/2τ<f<(m+1)/2
τ(mは正の整数)にのみに検知器出力信号が存在する
場合に適用する時間分解フーリエ分光方法において、測
定対象に反応周期の2倍より長い周期で繰り返し刺激を
与えると共に、検知器出力を刺激繰り返し周期の2分の
1の周期で刺激からの遅延時間を制御してサンプリング
し、サンプリングされた信号のn/2τ<f<(n+
1)/2τ(nはn=m+2k又はn=−(m+1)+
2kで表されるゼロ又は正の整数。kは奇数)の範囲の
周波数成分を取り出し、その信号に位相補正を施すこと
により、励起状態の試料から得られるインタフェログラ
ムと通常状態の試料から得られるインタフェログラムの
差のインタフェログラムを取り出し、この差のインタフ
ェログラムをフーリエ変換することにより、前記制御さ
れた遅延時間での測定対象のスペクトルと通常状態での
測定対象のスペクトルの差スペクトルを得ることを特徴
とする方法である。
【0010】また、第2の時間分解フーリエ変換分光測
定法は、刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測定対象
に刺激を周期的に与え、ラピッドスキャン干渉計を用い
た検知器の出力をサンプリングして刺激よりある遅延時
間に対するインタフェログラムを取得し、フーリエ変換
してスペクトルにより刺激に対して繰り返し同じ応答を
示す測定対象の反応状態を測定する時間分解フーリエ分
光測定法であって、干渉計による変調周波数をf、刺激
の繰り返し周波数を1/τとしたとき、m/2τ<f<
(m+1)/2τ(mは正の整数)にのみに検知器出力
信号が存在する場合に適用する時間分解フーリエ分光方
法において、パルス光源により刺激繰り返し周期の2分
の1の周期で刺激からの遅延時間を制御して光を放射
し、得られた検知器出力信号のn/2τ<f<(n+
1)/2τ(nはn=m+2k又はn=−(m+1)+
2kで表されるゼロ又は正の整数。kは奇数)の範囲の
周波数成分を取り出し、その信号に位相補正を施すこと
により、励起状態の試料から得られるインタフェログラ
ムと通常状態の試料から得られるインタフェログラムの
差のインタフェログラムを取り出し、この差のインタフ
ェログラムをフーリエ変換することにより、前記制御さ
れた遅延時間での測定対象のスペクトルと通常状態での
測定対象のスペクトルの差スペクトルを得ることを特徴
とする方法である。
【0011】
【作用】第1の方法、第2の方法何れにおいても、干渉
計による変調周波数をf、刺激の繰り返し周波数を1/
τとしたとき、m/2τ<f<(m+1)/2τ(mは
正の整数)にのみに検知器出力信号が存在する場合に適
用できるので、刺激の繰り返し周期がインタフェログラ
ム信号の持っている最大周波数fmax の2倍の逆数より
長い測定の場合、すなわち、刺激に対する反応周期が従
来適用可能であった試料より長い測定対象に対して、時
間分解フーリエ変換分光測定法が適用できるようにな
る。しかも、例えばm=1の場合には、従来の方法に比
べて、バンドパスフィルタをローパスフィルタで置き換
えることだけで可能になる。
【0012】なお、従来の方法と同様、刺激を干渉計の
持つ基準信号と非同期で与えることができるので、刺激
に対する制約を大幅に緩和することができ、また、差測
定法のメリットである装置の状態、測定環境の変化に影
響されないメリットも有しているものである。
【0013】
【実施例】上記したように、本出願人がこれまで提案し
た時間分解フーリエ変換分光測定法においては、スペク
トロメータの各時間分解信号の変調周波数fが、刺激の
繰り返し周波数1/τ(τ:刺激繰り返し周期)の半分
より小さい範囲にのみ存在する場合を取り扱ってきた。
これに対し、本発明は、m/2τ<f<(m+1)/2
τ(mは正の整数)の範囲のみに信号が存在する場合を
取り扱う。
【0014】以下、図面を参照にして本発明の実施例に
ついて説明する。
【0015】図1に本発明に係る時間分解フーリエ変換
分光測定法のm=1の場合の1実施例を実施するための
時間分解フーリエ変換分光測定装置の基本構成を示す。
図1において、1は光源、2は干渉計、3は試料(この
場合の試料3は、刺激により透過率が変化するものであ
るが、反射率等が変化するものであってもよい。)、4
は検知器、5は刺激発生器、6は1/2分周器、7はタ
イマ、8は可変型遅延回路、9はプリアンプ、10はゲ
ート回路、11はローパスフィルタ、12はメインアン
プ、13はAD変換器、14はCPUを示す。ただし、
mの値によっては11にバンドパスフィルタを用いる。
【0016】図1において、試料3は、反応が刺激に対
して繰り返し同じ応答を示す反応周期τ′の測定対象で
あり、タイマ7は、周期τ/2(≧反応周期τ′)のク
ロック信号(図3(C))を発生するものである。1/
2分周器6は、タイマ7のクロック信号を1/2分周
し、その分周した周期τの信号を刺激発生器5に供給す
るものである。刺激発生器5は、干渉計2の持つ基準信
号(インタフェログラムをA/D変換してコンピュータ
に取り込んでフーリエ変換するためのサンプリング信
号)と非同期で、1/2分周器6で生成された信号に基
づいて試料3に図3(D)のような周期τの刺激(トリ
ガー)を与えるものである。可変型遅延回路8は、図3
(F)に示すように、タイマ7のクロック信号から一定
時間Δτだけ遅延したトリガーを生成してゲート回路1
0を制御するものである。ゲート回路10は、AD変換
器13と同様に、周期τ/2に対して十分狭いゲート幅
を持つものであり、図3(G)に示すように、トリガー
のある間だけ信号を通す。ローパスフィルタ11は、ゲ
ート回路10の出力から得られるスペクトルの低周波数
成分(後記するように、f<1/2τの範囲)を取り出
して、試料3の刺激からの一定遅延時間Δτにおける透
過率と通常状態における透過率の差スペクトルに関する
アナルグ信号に変換するものである。
【0017】上記本発明のシステムに用いられる試料3
は、反応が刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測定対
象である。
【0018】したがって、光源1、干渉計2、試料3、
検知器4、プリアンプ9からなるFT−IR/スペクト
ロメータ部の検知器4からの出力は、ゲート回路10、
ローパスフィルタ11を経て、FT−IR/信号処理部
のメインアンプ12に入力され、AD変換器13でフー
リエ変換のためにサンプリングされる。タイマ7からは
周期τ/2クロック信号が2方向に出力され、一方の信
号は1/2分周器6で1/2分周され、周期τの信号を
刺激発生器5に入力し、刺激発生器5から試料3に周期
τの刺激が加えられる。一方、タイマ7からの別の周期
τ/2クロック信号は可変型遅延回路8に入力し、タイ
マ7のクロック信号から一定時間Δτだけ遅延したトリ
ガーを生成して、このトリガー信号のある間ゲート回路
10を開く。試料3はFT−IR/スペクトロメータ部
の試料室にセットされ、刺激発生器5からの刺激信号
で、周期τで繰り返し刺激される。この刺激の周期τ
は、一般に試料3の過渡現象が刺激により開始してから
完全に減衰するまでの反応周期τ′の2倍より長く、ま
た、刺激の時間幅は、過渡現象が刺激と同時に開始する
場合には、過渡現象を測定する分解時間より狭い必要が
ある。試料3の通常状態及び過渡現象時における各分解
時間でのスペクトルが干渉計により変調された周波数
(インタフェログラムの周波数)の最小と最大をfmin
、fmax とすると、 τ>m/2fmin ・・・(a) τ<(m+1)/2fmax ・・・(b) の条件を満足する周期τで刺激が繰り返される。ここ
で、mは正の整数である。すなわち、試料3からのスペ
クトルがm/2τ<f<(m+1)/2τの範囲にのみ
存在する場合である。図2にm=1の場合の刺激から遅
延時間Δτ時のアナログインタフェログラム及びそのス
ペクトルの様子を示す。通常状態についてもほぼ同様に
なる。この変調周波数fは、スペクトルの波数をσ(波
長をλとすると、1/λ)、干渉計2の移動鏡の移動速
度をvとすると、f=2vσで表されるので、上記条件
を満足するように、光源1からの放射スペクトル領域
(波長範囲)を光学フィルタで制限しておくようにして
もよいし、移動鏡の移動速度を調整して上記条件を満足
させるようにしてもよい。この分光測定法の特長の1つ
は、上に述べた条件から分かるように、刺激繰り返し周
波数1/τをこの移動鏡の移動と同期を取る必要がない
点にある。
【0019】さて、このような構成の装置を用いて分光
する場合の原理を以下に説明する。刺激を受けた試料3
は一定の確率で励起され、同時に元の状態に減衰し始め
る。このとき、試料3は、その過渡状態の分子構造に応
じた特性バンドの波数の光を吸収する。図3(A)に示
すような単発刺激による試料3の過渡状態における透過
率スペクトル(図3(B))を、 T(σ,t) = T0(σ)+ T1(σ,t) ・・・(1) で表すと、図3(D)のような繰り返し刺激のときに
は、 T(σ,t) = T0(σ)+ T1(σ,t) *Шτ(t) ・・・(2) となる(図3(E))。 T0(σ) は刺激に無関係な透過
率スペクトル、 T1(σ,t) は刺激で変化する透過率スペ
クトル、Шτ(t) はデラック関数δ(t)が等間隔な時
間τで並んだ繰り返し操作を表すコム関数、そして、*
はコンボリューション演算である。このとき、検知器4
からの出力信号F(x,t)は(3)式になる。 F(x,t)=∫T(σ,t) B(σ) cos2πx σ dσ =F0(x)+∫{ T1(σ,t) *Шτ(t) }B(σ)cos2 πx σ dσ・(3) F0(x) =∫ T0(σ) B(σ) cos2πx σ dσ ・・・(3') ここで、F0(x) は刺激に無関係なスペクトル成分の干渉
計出力であり、通常状態に対する干渉計出力である。t
は試料の刺激に付随した時間、xは干渉計2の光路差、
σはスペクトルの波数、そしてB(σ) はFT−IR/ス
ペクトロメータ部の試料室から試料3を取り除いた場合
のバックグラウンドスペクトルを表す。なお、xは時間
変数t'とはx=2vt'の関係にあるが、試料3の励起が
干渉計2の移動鏡の動きとは同期がとられていないた
め、tとt'とは位相の相関を持たない。すなわち、tと
t'の間に有する位相量Δt=t'−tは、移動鏡の走査の
都度異なる値をとる。このため、(3)式の第2項はイ
ンタフェログラムが移動鏡の走査の度に異なる値を示す
ことを表している。
【0020】この検知器4からの出力は、プリアンプ9
を介してゲート回路10に入力され、可変型遅延回路8
で生成されたクロック信号から時間Δτ遅延したゲート
信号で切り出される。この切り出しタイミングを図3
(F)に示す。ここで、ゲート信号の時間幅は測定する
分解時間より狭くとられるが、簡単のために時間幅を無
限小にして、サンプリング処理をШτ(t) とШτ(t- τ
/2) に分けて表示する。前者は、試料3の励起状態での
サンプリングを表し、後者は通常状態でのサンプリング
を表すものである。このとき、ゲート回路10から得ら
れる遅延時間Δτの励起状態での出力信号F'1(x,t)
(図3(G)で点線で表したインタフェログラムの切り
出し信号)は、(4a)、(4b)式のようになる。
【0021】 F'1(x,t)= Шτ(t -Δτ) [F0(x)+∫{ T1(σ,t) *Шτ(t) } ×B(σ)cos2 πx σ dσ](4a) = Шτ(t -Δτ) ∫ T( σ,Δτ) B(σ)cos2 πx σ dσ・(4b) また、ゲート回路10から得られる通常状態での出力信
号F'2(x,t)(図3(G)で一点鎖線で表したインタフ
ェログラムの切り出し信号)は(5)式のようになる。
【0022】 F'2(x,t)= Шτ(t -τ/2- Δτ) F0(x) ・・・・(5) なお、(4a)式から(4b)式への導出は、後記する。
(4b)式の積分部分は試料3が刺激を受けてから時間Δ
τ後の試料3の過渡状態における測定対象スペクトル T
( σ,Δτ) B(σ) のインタフェログラム(アナログイ
ンタフェログラム)であって、(4b)式全体は、このア
ナログ信号がШτ(t -Δτ) でサンプリングされた形の
離散型データ(デジタルインタフェログラム)になって
いる。すなわち、(4b)式はこの遅延時間Δτで測定信
号が時間分解されたことを示している。同様に、(5)
式のF0(x) は試料3が通常状態にあるときの測定対象ス
ペクトル T0(σ) B(σ) のインタフェログラム(アナロ
グインタフェログラム)であって、(5)式全体は、こ
のアナログ信号がШτ(t -τ/2- Δτ) でサンプリング
された形の離散型データ(デジタルインタフェログラ
ム)になっている。すなわち、(5)式も遅延時間τ/2
+Δτで測定信号が時間分解されたことを示している。
そして、(4b)式も(5)式も、サンプリングは変数t
とxが非同期であるため、移動鏡の走査の都度、インタ
フェログラムのサンプリングされる位置が異なることを
示している。
【0023】このゲート回路10からの出力を詳しく知
るために、(4b)式のШτ(t -Δτ) 及び(5)式のШ
τ(t -τ/2- Δτ) を移動鏡の移動と相関のある時間t'
でフーリエ変換して、信号の持つスペクトルを調べる。
【0024】 ∫Шτ(t -Δτ)exp(-i2πft')dt'= (1/τ)exp{ -i2π( Δτ+ Δt)f } ×Ш1/τ(f) ・・・(6) =(1/τ )[δ(f)+ exp{ -i2π( Δτ+ Δt) /τ}δ(f- 1/τ) +・・・・ + exp{ i2 π( Δτ+ Δt) /τ}δ(f+ 1/τ)+・・・]・(6') ∫Шτ(t -τ/2- Δτ)exp(-i2πft')dt' =(1/ τ)exp{ -i2π( τ/2+ Δτ+ Δt)f }×Ш1/τ(f)
・・(7) =(1/τ )[δ(f)+ exp{-i2 π( τ/2+ Δτ+ Δt) /τ}δ(f- 1/τ) + ・・・・ + exp { i2 π( τ/2+ Δτ+ Δt) /τ}δ(f+ 1/τ)+・・・]・(7') (6)、(7)式は位相項を持ったコム関数である。す
なわち、(4b)式、(5)式は共にフーリエ変換により
スペクトルが1/τの周波数のサイドバンドに2π×
(Δτ+ Δt )/τの位相を持って得られることを示し
ているが、両者の間には、奇数次項((6')、(7')式
の2項)に関するスペクトルが逆位相の関係にあること
がわかる。すなわち、図3(G)のゲート回路10から
の出力のスペクトルの中、1次項は励起状態と通常状態
の差スペクトルを表している。ここで、m/2τ<f<
(m+1)/2τの条件から、各サイドバンド同士のス
ペクトルは重ならない。以上のことをm=1に対して図
4に示す。同図(A)は励起状態のデジタルインタフェ
ログラム(図3(G)の)のスペクトルを、同図
(B)は通常状態のデジタルインタフェログラム(図3
(G)の)のスペクトルを、また、同図(C)はゲー
ト回路10からの出力のスペクトルをそれぞれ表す。こ
れらの図の各スペクトルに書き込んだ番号は、同じ番号
の搬送周波数のサイドバンドであることを示している。
【0025】ゲート回路10からの出力は、従来の方式
ではバンドパスフィルタに導いたが、図4の場合には、
図5(A)に示す特性を持つローパスフィルタ11を通
して、図4(C)の番号1のスペクトル成分((6')
式、(7')式の2項が関与するスペクトル)のみを有す
るアナログ信号(差のアナログインタフェログラム)が
出力される(図5(B))。この信号は、∫ T1(σ, Δ
τ) B(σ)cos2 πx σ dσのインタフェログラムが周波
数1/τで変調されている。図4の場合にも、バンドパ
スフィルタを用いて奇数番号のスペクトルのみを通過さ
せることも可能である。一般の場合には、n/2τ<f
<(n+1)/2τ(nはn=m+2k又はn=−(m
+1)+2kで表されるゼロ又は正の整数。kは奇数)
を通過せるフィルタを用いて、(6')、(7')式の奇数
次項に関するスペクトルが取り出せるようにする。とこ
ろで、この信号にはΔtの関数の位相が含まれているた
め、干渉計の移動鏡のスキャンの度にアナログ信号の形
が異なる。このため、測定したデータの積算は、各デー
タ毎に位相補正を施した後に行わなければならない。す
なわち、この位相がローパスフィルタ11からの出力の
アナログ信号に復元されているので、一般のFT−IR
の測定と同様に、AD変換器13でフーリエ変換のため
に干渉計2が持つ周期τ0 の基準信号(図3(I))で
サンプリングを行った後、CPU14で位相補正を行っ
てからインタフェログラムのまま積算し、後でフーリエ
変換処理をするか、位相補正と同時にフーリエ変換を施
してスペクトルに変換した後、積算するようにする。こ
のとき、τ0 は、ローパスフィルタ11から出力される
差のインタフェログラム信号の持つ変調周波数の最小と
最大をfmin 、fmax とすると、 τ0 >m′/2fmin ,τ0 <(m′+1)/2fmax の条件を満足する必要がある。ここで、m′はゼロ又は
正の整数である。
【0026】以上により、例えばm=1の場合には、差
のスペクトルT1{ 1/(2vτ)-σ,Δτ} B{ 1/(2vτ)-
σ}が得られるので、例えば通常のFT−IR分光測定
で別に求めておいたバックグランドスペクトル B{ 1/
(2vτ)-σ}との比をとり、試料3が刺激を受けてから
時間Δτ後の過渡状態における透過率スペクトル T{ 1
/(2vτ)-σ,Δτ}とその通常状態における透過率スペ
クトル T0 { 1/(2vτ)-σ}の差スペクトルT1{ 1/(2v
τ)-σ,Δτ}を得ることができる。以下、同様にし
て、可変型遅延回路8の遅延時間を調節して、ゲート回
路10へのトリガー信号の遅延時間Δτを変えることに
より、一連の遅延時間における時系列スペクトルが得ら
れる。なお、この方式においては、上述のように得られ
たスペクトルの波数が折り返されたり、シフトしたりし
ているので、CPU14により、波数を復元する処理
(波数変換)を行う必要がある。
【0027】以上のようにして、本発明の時間分解フー
リエ変換分光測定法によると、刺激の繰り返し周期がイ
ンタフェログラム信号の持っている最大周波数fmax
2倍の逆数より長い測定対象で、かつ、このサンプリン
グ周期と非同期な繰り返し周期の刺激に対する過渡状態
と通常状態の差スペクトルの測定をすることができる。
したがって、刺激に対する反応周期τ′が長いものにも
適用できる。また、このように差スペクトルの形で処理
するので、A/D変換器13に入力する信号が圧縮され
てA/D変換器13のダイナミックレンジの不足を補う
ことができ、A/D変換器13によるSN比の悪化を防
ぐことができる。
【0028】なお、ここで、上記の(4a)式から(4b)
式への導出について説明しておく。 F'(x,t)=Шτ(t -Δτ) [F0(x)+∫{ T1(σ,t) *Шτ(t) } ×B(σ)cos2 πx σ dσ](4a) (4a)式のサンプリング処理を示すШτ(t -Δτ) は、
変数σとは独立な関数であるため、第2項の積分の中に
組み込むことができる。ここで、時間変数tに従属なШ
τ(t -Δτ) { T1(σ,t) *Шτ(t) }だけを取り出し
て、その式の変形を行う。コム関数はデルタ関数の和で
表せるので、 Шτ(t) =Σδ(t-nτ) ・・・(A1) Шτ(t -Δτ) { T1(σ,t) *Шτ(t) }をこの(A1)
式を用いて書き直す。ここで、nは整数である。
【0029】 Шτ(t -Δτ) { T1(σ,t) *Шτ(t) } ={Σδ(t- Δτ-nτ) }[∫T1( σ,t-t'){Σδ(t'- mτ) }dt' ] ={Σδ(t- Δτ-nτ) }{ΣT1( σ,t-mτ) } ・・・(A2) mもまた整数である。刺激の周期τは試料の過渡現象の
寿命τ′より長くとられているので、t<0,t≧τの
ときは、T1( σ,t) =0となる。したがって、(A2)式
はn=mのときのみ信号が得られる。よって、(A2)式
は次のように変形できる。
【0030】 {Σδ(t- Δτ-nτ) }{ΣT1( σ,t-mτ) } =Σ{δ(t- Δτ-nτ) T1( σ,t- n τ) } =Σ{δ(t- Δτ-nτ) T1( σ, Δτ) } ・・・(A3) T1( σ, Δτ) は定数のため、括りだせるので、 =T1( σ, Δτ) Σδ(t- Δτ-nτ) =T1( σ, Δτ) Шτ(t- Δτ) ・・・(A4) よって、T(σ,t) = T0(σ)+ T1(σ,t) (前記(1)
式)を用いると、(4a)式のF'(x,t) は、求める(4b)
式、 F'(x,t)=Шτ(t -Δτ) ∫ T( σ,Δτ) B(σ)cos2 πx σ dσ・・(4b) になる。
【0031】以上の方法は、特願平1−335748号
の場合と同様、種々の変形が可能である。例えば、検知
器への供給電圧を刺激発生器からのトリガー信号に同期
させてオン/オフする等によりゲート回路の代わりを行
うようにしてもよい。さらには、パルスレーザを試料に
照射する蛍光分光、ラマン分光にも同様に適用すること
ができる。ラマン分光の場合は、図6に示すように、ラ
マン励起用の連続発振レーザ27と試料励起(刺激用)
用のパルスレーザ28を用いる。そして、タイマ24の
クロック信号の1/2分周信号で試料励起用のパルスレ
ーザ28を動作させ、タイマ24のクロック信号1/2
τを可変型遅延回路26でΔτ遅延させたタイミングで
ゲート回路32を動作させる。その後、図1に示した実
施例と同様の処理を行う。また、蛍光分光の場合は、図
7に示すように、パルスレーザ33を用いて図1図の構
成と同様、タイマ24のクロック信号の1/2分周信号
で試料に刺激を与える。検知器23で取り込んだ信号
は、図1に示した実施例と同様の処理を行う。
【0032】また、特願平2−259357号の場合と
同様に、図1、図6、図7に示したような装置におい
て、ゲート回路、ローパスフィルタ等からなるチャンネ
ルを複数並列に設け、各チャンネルに同じ検知信号を入
力し、試料に刺激を与えてから各ゲート回路を開くまで
の遅れ時間Δτをチャンネル毎に異ならせることによ
り、図2から図5を参照にして説明した原理により、刺
激を与えてから異なる複数の遅延時間における差のイン
タフェログラムを同時に取得して、それらをフーリエ変
換することにより、刺激に対して繰り返し同じ応答を示
す測定対象の反応過程における異なる時間と通常状態の
差スペクトルを同時に測定することもできる。図8にこ
のような時間分解フーリエ変換分光測定法を実施するた
めの装置の構成の1例を示す。試料3は図3(D)に示
すような繰り返しパルス刺激を発生する刺激発生器5か
らの周期τの繰り返しパルスによって刺激され、刺激さ
れた試料3からの光は検知器4によって測定信号に変換
される点までは、図1、図6、図7と同様である(連続
発振レーザ27は図示していない。)。検知器4からの
信号は複数の並列に配置されたゲート回路101、10
2、103…に入力する。一方、タイマ7からの周期τ
/2のクロック信号は複数の並列に配置された遅延回路
81、82、83…に入力する。遅延回路81、82、
83…はそれぞれ異なる遅延時間Δτ1 、Δτ2 、Δτ
3 …を有し、クロック信号から遅延時間Δτ1 、Δτ2
、Δτ3 …後に各ゲート回路101、102、103
…にトリガー信号を送るようになっている。したがっ
て、各ゲート回路101、102、103…からは、そ
れぞれ図3(G)のΔτがΔτ1 、Δτ2 、Δτ3 …で
置き代えてサンプリングされた出力が得られる。これら
は、それぞれ、刺激に対して遅延時間Δτ1 、Δτ2 、
Δτ3 …のインタフェログラム及び通常状態のインタフ
ェログラムをサンプリングしたデジタルインタフェログ
ラムであり、各ゲート回路101、102、103…に
接続されたローパスフィルタ111、112、113…
により、図5(B)に示したような周波数1/τで変調
された差スペクトルのインタフェログラムが得られる。
そして、各差のインタフェログラムは、図1と同様にし
て各チャンネルに設けられたメインアンプ121、12
2、123…により増幅され、AD変換器131、13
2、133…により、干渉計の基準信号の周期τ0 でサ
ンプリングされ、CPU14に取り込まれて、図1の場
合と同様に処理されてからフーリエ変換され、各遅延時
間Δτ1 、Δτ2 、Δτ3 …における試料3の状態を表
す差スペクトルが同時に求められる。そのため、図1、
図6、図7の方法に比較して測定時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0033】なお、この複数の異なる遅延時間における
スペクトルを同時に求める方法については、特願平2−
259357号の場合と同様に、その他種々の変形、適
用が可能であり、その明細書を参照されたい。
【0034】以上は、刺激を与えてから遅延時間Δτに
おける過渡状態をみるのに、光源として連続的に光を出
すものを用い、ゲート回路によってこの遅延時間におけ
る検知器の出力及び通常状態の出力を櫛状に切り出し
て、デジタルインタフェログラムを出力する場合につい
て説明したが、本発明の方法は、光源としてパルス光源
を用い、刺激繰り返し周期の2分の1の周期で刺激から
遅延時間Δτにおいてこのパルス光源から光を放射し
て、検知器からその過渡状態におけるデジタルインタフ
ェログラムと通常状態におけるデジタルインタフェログ
ラムとを半周期の位相差で重ね合わせた信号を出力する
ものにも適用できる。図9はこのような場合の装置の構
成を示すもので、パルス光源16、干渉計2、試料3、
検知器4、プリアンプ10、ローパスフィルタ11、タ
イマ7、可変型遅延回路8、光源用電源17、分周器
6、刺激発生器5、メインアンプ12、AD変換器1
3、CPU14を図示のように接続し、試料3に刺激を
与えてからΔτ後の過渡状態及びτ/2+Δτ後の通常
状態の信号をゲート回路によって切り出す代わりに、図
9に示すように構成して、試料3に刺激を与えてからΔ
τ後及びτ/2+Δτ後にパルス光源16を励起するこ
とによって、図1の場合と同様の作用を行わせている。
この例では、パルス光源を設け、試料に刺激を与えると
共に、時間Δτ及びτ/2+Δτだけ遅延したパルス光
を放射するように構成したが、このようなパルス光源を
設けず、図10に示すように、ラマン励起用のパルスレ
ーザ27′と試料励起(刺激)用のパルスレーザ28を
用いて、タイマ24のクロック信号の1/2分周信号で
試料励起用のパルスレーザ28を動作させ、タイマ24
のクロック信号τ/2を可変型遅延回路26でΔτ遅延
させたタイミングでラマン励起用のパルスレーザ27′
を動作させて、時間分解FTーラマン分光を行わせるこ
ともできる。
【0035】また、このようなパルス光源を用いる場合
も、特願平2−259358号の場合と同様に、図9、
図10に示したような装置において、ローパスフィルタ
等からなるチャンネルを複数並列に設け、分配器を用い
て各チャンネルに異なる遅延時間の信号を振り分けるこ
とにより、刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測定対
象の反応過程における異なる時間の差スペクトルを同時
に測定するようにすることもできる。図11にそのため
の装置の構成の1例を示す。この場合、タイマ7で生成
されたクロック信号は複数の並列に配置された遅延回路
81、82、83…に入力して、刺激発生から遅延時間
Δτ1 、Δτ2 、Δτ3 …、τ/2+Δτ1 、τ/2+
Δτ2 、τ/2+Δτ3 …後にトリガ信号を送る。各遅
延回路81、82、83…からのトリガ信号はトリガ信
号合成器31により合成されて、刺激を試料3に与えて
から遅延時間Δτ1 、Δτ2 、Δτ3 …、τ/2+Δτ
1、τ/2+Δτ2 、τ/2+Δτ3 …後に光源用電源
17にトリガを与え、このトリガによりパルス光源16
を駆動するようにする。このため、繰り返しの刺激に対
し、その刺激よりΔτ1 、Δτ2 、Δτ3 …、τ/2+
Δτ1 、τ/2+Δτ2 、τ/2+Δτ3 …の遅延時間
でゲートをかけたときの検出信号のみをサンプリングし
たのと同じになり、刺激に対して遅延時間Δτ1 、Δτ
2 、Δτ3 …のインタフェログラム及び通常状態のイン
タフェログラムをサンプリングしたデジタルインタフェ
ログラムを足し合わせた櫛状の信号が得られる。この櫛
状の信号は、プリアンプ10を経て分配器32に入力
し、刺激からの遅延時間Δτ1 及びτ/2+Δτ1 、Δ
τ2 及びτ/2+Δτ2 、Δτ3 及びτ/2+Δτ3 …
毎に検知器4からの櫛状の信号が次段に接続されたロー
パスフィルタ111、112、113…に振り分けられ
る。その後、図8の場合と同様にして、各遅延時間Δτ
1 、Δτ2 、Δτ3 …における試料3の状態を表す差ス
ペクトルが同時に求められる。そのため、この場合も、
図9、図10の方法に比較して測定時間の短縮化が図れ
る。なお、この複数の異なる遅延時間におけるスペクト
ルを同時に求める方法については、特願平2−2593
58号の場合と同様に、その他種々の変形、適用が可能
であり、その明細書を参照されたい。
【0036】以上、本発明の時間分解フーリエ変換分光
測定法のいくつかの実施例について、特にm=1の場合
について説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定
されず、種々の変形が可能である。例えば、これまでロ
ーパスフィルタで説明してきた装置構成の代わりに、バ
ンドパスフィルタを用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、ゲート回路を用い
る第1の方法、パルス光源を用いる第2の方法何れにお
いても、干渉計による変調周波数をf、刺激の繰り返し
周波数を1/τとしたとき、m/2τ<f<(m+1)
/2τ(mは正の整数)にのみに検知器出力信号が存在
する場合に適用できるので、刺激の繰り返し周期がイン
タフェログラム信号の持っている最大周波数fmax の2
倍の逆数より長い測定の場合、すなわち、刺激に対する
反応周期が従来適用可能であった試料より長い測定対象
に対して、時間分解フーリエ分光測定法が適用できるよ
うになる。しかも、例えばm=1の場合には、従来の方
法に比べて、バンドパスフィルタをローパスフィルタで
置き換えることだけで可能になる。
【0038】なお、従来の方法と同様、刺激を干渉計の
持つ基準信号と非同期で与えることができるので、刺激
に対する制約を大幅に緩和することができ、また、差測
定法のメリットである装置の状態、測定環境の変化に影
響されないメリットも有しているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の時間分解フーリエ変換分光
測定法を実施するための時間分解フーリエ変換分光測定
装置の基本構成を示す図である。
【図2】アナログインタフェログラムとそれらに含まれ
るスペクトルを説明するための図である。
【図3】本発明に係る時間分解フーリエ変換分光測定法
の動作を説明するための波形図である。
【図4】励起状態、通常状態におけるデジタルインタフ
ェログラムのスペクトル及びゲート回路出力に含まれる
スペクトルを説明するための図である。
【図5】図1の装置に用いるローパスフィルタの周波数
応答特性とその出力スペクトルを説明するための図であ
る。
【図6】本発明の第1の時間分解フーリエ変換分光測定
法をラマン分光法に適用した実施例の構成の要部を示す
図である。
【図7】本発明の第1の時間分解フーリエ変換分光測定
法を蛍光分光法に適用した実施例の構成の要部を示す図
である。
【図8】本発明の第1の時間分解フーリエ変換分光測定
法をマルチチャンネルで実施する場合の1実施例の構成
を示す図である。
【図9】本発明に係る第2の時間分解フーリエ変換分光
測定法を実施するための時間分解フーリエ変換分光測定
装置の基本構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の時間分解フーリエ変換分光測
定法をラマン分光法に適用した実施例の構成の要部を示
す図である。
【図11】本発明の第2の時間分解フーリエ変換分光測
定法をマルチチャンネルで実施する場合の1実施例の構
成を示す図である。
【符号の説明】
1…光源 2…干渉計 3…試料 4…検知器 5…刺激発生器 6…1/2分周器 7…タイマ 8…可変型遅延回路 9…プリアンプ 10…ゲート回路 11…ローパスフィルタ 12…メインアンプ 13…AD変換器 14…CPU 16…パルス光源 17…光源用電源

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測
    定対象に刺激を周期的に与え、ラピッドスキャン干渉計
    を用いた検知器の出力をサンプリングして刺激よりある
    遅延時間に対するインタフェログラムを取得し、フーリ
    エ変換してスペクトルにより刺激に対して繰り返し同じ
    応答を示す測定対象の反応状態を測定する時間分解フー
    リエ分光測定法であって、干渉計による変調周波数を
    f、刺激の繰り返し周波数を1/τとしたとき、m/2
    τ<f<(m+1)/2τ(mは正の整数)にのみに検
    知器出力信号が存在する場合に適用する時間分解フーリ
    エ分光方法において、測定対象に反応周期の2倍より長
    い周期で繰り返し刺激を与えると共に、検知器出力を刺
    激繰り返し周期の2分の1の周期で刺激からの遅延時間
    を制御してサンプリングし、サンプリングされた信号の
    n/2τ<f<(n+1)/2τ(nはn=m+2k又
    はn=−(m+1)+2kで表されるゼロ又は正の整
    数。kは奇数)の範囲の周波数成分を取り出し、その信
    号に位相補正を施すことにより、励起状態の試料から得
    られるインタフェログラムと通常状態の試料から得られ
    るインタフェログラムの差のインタフェログラムを取り
    出し、この差のインタフェログラムをフーリエ変換する
    ことにより、前記制御された遅延時間での測定対象のス
    ペクトルと通常状態での測定対象のスペクトルの差スペ
    クトルを得ることを特徴とする時間分解フーリエ変換分
    光測定法。
  2. 【請求項2】 刺激に対して繰り返し同じ応答を示す測
    定対象に刺激を周期的に与え、ラピッドスキャン干渉計
    を用いた検知器の出力をサンプリングして刺激よりある
    遅延時間に対するインタフェログラムを取得し、フーリ
    エ変換してスペクトルにより刺激に対して繰り返し同じ
    応答を示す測定対象の反応状態を測定する時間分解フー
    リエ分光測定法であって、干渉計による変調周波数を
    f、刺激の繰り返し周波数を1/τとしたとき、m/2
    τ<f<(m+1)/2τ(mは正の整数)にのみに検
    知器出力信号が存在する場合に適用する時間分解フーリ
    エ分光方法において、パルス光源により刺激繰り返し周
    期の2分の1の周期で刺激からの遅延時間を制御して光
    を放射し、得られた検知器出力信号のn/2τ<f<
    (n+1)/2τ(nはn=m+2k又はn=−(m+
    1)+2kで表されるゼロ又は正の整数。kは奇数)の
    範囲の周波数成分を取り出し、その信号に位相補正を施
    すことにより、励起状態の試料から得られるインタフェ
    ログラムと通常状態の試料から得られるインタフェログ
    ラムの差のインタフェログラムを取り出し、この差のイ
    ンタフェログラムをフーリエ変換することにより、前記
    制御された遅延時間での測定対象のスペクトルと通常状
    態での測定対象のスペクトルの差スペクトルを得ること
    を特徴とする時間分解フーリエ変換分光測定法。
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