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JP2821766B2 - 微生物、酵素等の固定化生体触媒による水処理方法 - Google Patents
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JP2821766B2 - 微生物、酵素等の固定化生体触媒による水処理方法 - Google Patents

微生物、酵素等の固定化生体触媒による水処理方法

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泰 寺島
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、微生物,酵素等の生体触媒と、磁性体とを
固定化して得られる固定化生体触媒による水処理方法、
さらに詳しくは、主として下水,廃水中に含まれる易分
解性の有機物の他、難分解性物質,毒性物質,窒素,リ
ン等を反応槽内の固定化生体触媒の濃度を制御しながら
分解除去しうる水処理方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、汚濁物質を処理するための水処理方法として
は、浮遊性微生物を用いる活性汚泥法、固着性の微生物
を用いる生物膜法、或いは磁性体を含まない通常の固定
化物を用いる方法等が開発されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの方法においては、いずれも種
々の微生物の混合系から各々の若しくは特定の微生物の
みを選択的に回収し、或いは他の微生物が生存する系に
特定の微生物を添加した後に、再度その微生物のみを回
収することは不可能である。
従って、このような選択的な回収等が不可能であるた
めに、反応槽内の微生物濃度を制御しながら水処理を行
うことが不可能となっていた。
また、これらの方法では、培養が容易でない貴重な細
菌も余剰汚泥として微生物の混合系から不用意に引き抜
かれることとなる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされ
たもので、種々の微生物の混合系から各々の若しくは特
定の微生物のみを選択,回収し、流入水質,処理成績の
変化に合わせて対象となる微生物を適量に反応槽内に返
送することにより、個々の微生物,酵素等の濃度制御を
行いながら微生物,酵素反応を行わしめることを課題と
するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、このような課題を解決するためになされた
もので、その課題解決のための手段は、水質汚濁物質を
分解しうる2種以上の微生物または酵素等の生体触媒
と、磁気特性の異なる2種以上の磁性体とを、それぞれ
1種ずつ固定化して磁気特性の異なる2種以上の固定化
生体触媒をそれぞれ形成し、次に、上記のようにして形
成された各固定化生体触媒を、反応槽内において水と接
触させて水質汚濁物質を分解し、その後、反応槽から処
理水とともに流出する前記固定化生体触媒を、その磁気
特性の相違に応じてそれぞれ別々に分離,回収して水処
理を行うことにある。
また、磁性体を添加せずに生体触媒のみを固定化した
非磁性固定化生体触媒を形成し、この非磁性固定化生体
触媒を上記のような磁性化された固定化生体触媒ととも
に用いて処理することも可能である。
さらに、非磁性固定化生体触媒としては、粒径の異な
る2種以上のものを使用してもよい。
(作用) 本発明は、上述のように、磁気特性の異なる少なくと
も2種の磁性体をそれぞれ微生物,酵素等の生体触媒と
ともに固定化されて、磁気特性の異なる固定化生体触媒
が形成されることとなり、それ故にこのような磁気特性
の異なる固定化生体触媒は、その磁気特性の相違に応じ
てそれぞれ別々に分離,回収されることとなる。
また、磁性化された固定化生体触媒の他、非磁性固定
化生体触媒を用いる場合には、磁性の有無によっても分
離,回収可能である。
さらに、非磁性固定化生体触媒として粒径の異なる2
種以上のものを使用すれば、磁気的な分別の他、粒径の
相違に応じて分離,回収することもできる。
いずれにしても、種々の微生物,酵素の混合系から各
々の若しくは特定の微生物,酵素のみを分離,回収する
ことができるのである。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
(1) 固定化物の作成 先ず、アクリルアミド法により固定化微生物を作成す
る過程について説明する。
先ず、遠心分離後の汚泥8g(湿重量)をビーカー(1
)にとる。
次に、そのビーカー内に生理食塩水32mlを添加して混
合した後、磁性体1.6gを添加して混合する。
次に、その懸濁液にアクリルアミドモノマーの60gを
添加,混合した後、架橋剤としてのN,N′−メチレンビ
スアクリルアミド0.32gを混合する。
その後、重合促進剤としての5%のβ−ジメチルアミ
ノプロピオニトリル4.0mlを添加し、さらに重合開始剤
としての2.5%のペルオキソ二硫酸カリウムの4.0mlを添
加する。
そして、これを約37度で約30分間静置すると、ゲル状
の固定化微生物細菌が生成されることとなる。
その後、その固定化微生物を生理食塩水で洗浄した
後、ミキサーにより粉砕して149μm以上のもののみ篩
分けした後、水道水で洗浄し、磁気分離することによっ
て所望のゲル状固定化微生物が得られるのである。
(2) 3種の固定化物を混合した系における基質除去 上記のような固定化物の製法によって微生物と磁性体
との異種の固定化物をそれぞれ製造して準備し、これを
活性汚泥のみの固定化物とともに用いて固定化微生物を
3種類ずつ混合した系を2種形成し、それぞれについて
基質除去の回分実験を行った。
すなわち、Run1では、 活性汚泥のみ,磁性体なし フェノール分解菌とヘマタイト(寄生強磁性) トリエチレングリコール分解菌とマグネタイト(強
磁性) 上記〜の3種類の固定化微生物を用いる。
また、Run2では、 活性汚泥のみ,磁性体なし フェノール分解菌とピロリン酸マンガン(常磁性) トリエチレングリコール分解菌とマグネタイト(強
磁性) 上記〜の3種類の固定化微生物を用いる。
尚、活性汚泥のみの固定化物(,)は、グルコー
ス等の易分解性物質が処理対象である。
Run1の基質除去回分実験の結果を第1図に示す。
上記はグルコースが、はフェノールが、はトリ
エチレングリコールがそれぞれ処理対象である。
微生物の量や活性が必ずしも同じでないため除去性に
は差があるが、いずれも時間の経過とともに除去が進ん
でおり、このような3種の微生物の混合系においても、
それぞれの微生物が対象とする汚濁物質を分解している
ことがわかる。
また、Run2の結果を第2図に示すが、Run1と同様のこ
とが認められる。
(3) 磁性体によりラベル化された固定化物の分離,
回収 上記Run1,2の固定化からそれぞれ次の(a),
(b),(c)の手順にて固定化物の分離,回収実験を
行った。
(a) Run1或いはRun2の混合物をビーカーに入れ、永
久磁石磁気分離装置によりマグネタイトを含む固定化物
を分離する。
(b) 上記(a)の残留懸濁液を高勾配磁気分離装置
に通水(Run1では線速度44.2cm/min,Run2では線速度61.
9cm/min)し、ヘマタイト或いはピロリン酸マンガンを
含む固定化物を分離する。高勾配磁気分離装置には、内
径12mm,長さ30mmのセル内に、ステンレス製細線(sus30
4,直径0.3mm)が充填され(充填率3.2%)され、印加磁
場は10kOeである。
(c) 上記高勾配磁気分離装置にて固定化物を分離し
た後、その高勾配磁気分離装置で分離できなかった固体
化物を、さらに32メッシュ(500μm)の網状スクリー
ンによって分離回収する。
この結果、Run1では、フェノール分解菌とヘマタイト
との固定化物の回収率は48.4%であった。
また、Run2では、トリエチレングリコール分解菌とマ
グネタイトとの固定化物の回収率は87.4%であった。ま
た、フェノール分解菌とピロリン酸マンガンとの固定化
物の回収率は12.4%であった。
尚、Run1では、マグネタイトの他、ヘマタイトを含
み、これらはともにFeを含む化合物であるため、直接に
はマグネタイトの回収率を求めることができない。そこ
で、Run1では、Run2の結果をそのまま適用してマグネタ
イトの回収率は87.4%とした。
いずれにしても、マグネタイトを含む固定化物は、永
久磁石磁気分離装置により容易に分離することができ
る。
一方、ヘマタイトを含む固定化物の高勾配磁気分離法
による回収率(48.4%)及びピロリン酸マンガンを含む
固定化物の回収率(12.4%)はそれほどの高収率ではな
いが、これはフィルターの長さが30mmと短いこと、とく
に後者はそのセル中の線速度(61.9cm/min)が前者の線
速度(44.2cm/min)よりも大きいことなどに起因してお
り、操作条件の変更により回収率を高めることは容易に
行える。
さらに、上記のような網状スクリーンによって回収率
はほぼ100%となった。すなわち、このような網状スク
リーンの使用により、磁気のみでは分離し得ない固形化
物を分離することができるのである。
尚、上記の高勾配磁気分離装置への通水は1回のみで
あるが、多数回循環して通過させることによっても回収
率は増加する。
また、網状スクリーンとしてはたとえば第3図に示す
ようなものが使用される。
すなわち、同図のように網状スクリーン1がベルトコ
ンベアとしてローラー2,2に掛け回された構成からなる
もので、パイプ3の排水口4から流出される処理水はこ
の網状スクリーン1の網目を通過するが、非磁性固定化
物5はこの網目を通過せず、同図のように網状スクリー
ン1上で搬送され、分離,回収されることとなるのであ
る。
(4) 反応槽への返送 上述のようにして永久磁石磁気分離装置や高勾配磁気
分離装置により分離,回収された固体化物は、再度反応
槽に返送され、再利用されることとなる。
このような返送,再利用により、微生物混合系の連続
的な水処理作業が可能となる。
(5) 以上の結果より、磁性体と微生物を含む固定化
物は、対象とする汚泥物質の除去ができるとともに、そ
の磁気特性の差によって個別的に分離,回収することが
でき、このような処理方法によって微生物の高濃度化,
濃度制御が可能な微生物混合系の水処理が連続的に可能
となる。
尚、上記実施例では、強磁性体としてマグネタイト、
寄生強磁性体としてヘマタイト、常磁性体としてピロリ
ン酸マンガンをそれぞれ使用したが、使用する磁性体の
種類は決してこれに限定されるものではない。また、そ
の数も該実施例の2種に限定されず、それ以上であって
もよい。
さらに、上記実施例では、磁性体を具備せず活性汚泥
のみを具備する固定化物として1種のものを用いたが、
たとえば直径1mmと0.5mmという2種のものを用いること
も可能である。この場合には、上記のような網状スクリ
ーンとは別の粒度の異なる網状スクリーン(たとえば60
メッシュ,250μm)を設置することによって上記直径の
異なる固定化物をそれぞれ別々に分離,回収することが
でき、分離,回収しうる固定化物の種類を増加すること
ができ、ひいては微生物の濃度制御等をより高精度に行
うことができるという効果がある。
また、微生物の種類も上記実施例のトリエチレングリ
コール分解菌やフェノール分解菌に限らず、要は、水質
汚濁物質を分解しうるような微生物であればよい。
さらに、このような微生物に代えて、これらの微生物
由来の酵素を使用することも可能である。要は、このよ
うな微生物や酵素等の生体触媒が用いられていればよ
い。
さらに、上記実施例では、固定化物の磁気特性の相違
に応じて、永久磁石式磁気分離装置と、高勾配磁気分離
装置とがそれぞれ設けられているが、磁気分離装置の種
類や数は該実施例に限定されるものではなく、使用する
磁性体の数や種類に応じて任意に変更可能である。
さらに、上記実施例では網状スクリーンを設置したた
め、上記のように磁気で分離し得ない固定化物をも分離
でき、また、網状スクリーンを2以上設置することによ
り大きさの異なる非磁性固定化生体触媒を別々に分離で
きるという好ましい効果が得られたが、このような網状
スクリーンを設けることは本発明に必須の条件ではな
い。
また、非磁性固定化生体触媒を用いることも本発明の
条件ではなく、2種以上の磁性化固定化生体触媒の磁気
分離のみでは不十分な場合に必要に応じて行えばよい。
尚、磁気分離装置や網状スクリーンの後に、通常の沈
澱池を設置すると、固定化されていない活性汚泥が固定
化物とともに混合されている場合でも、それらを沈澱池
で分離することが可能である。
また、上記実施例では、分離,回収後の固定化物を反
応槽に返送したために、その固定化物の再利用が可能と
なり、ひいては水処理作業を連続的に行えるという効果
を得られたが、本発明の処理工程においては、この反応
槽への返送は必須の工程ではない。
さらに、磁性体と微生物,酵素等の固定化生体触媒と
を固定化する固定化剤や固定化の方法についても上記実
施例に限定されるものではなく、要はこれらが離散する
ことなく、固定化された状態を維持するような固定化剤
や固定化方法が用いられればよい。
さらに、本発明の用途も、下水,廃水処理の他、広く
水処理全般に使用することが可能である。
(発明の効果) 叙上のように、本発明は、磁性体として磁気特性の異
なる少なくとも2種のものを用い、その異種の磁性体を
それぞれ微生物,酵素等の固定化生体触媒と1種ずつ固
定化して、その固定化生体触媒をいわゆるラベル化、す
なわち磁気特性の異なる2種以上の固定化生体触媒を形
成し、そのラベル化された生体触媒を水と接触させて水
質汚濁物質を分解し、その後、処理水とともに前記固定
化生体触媒を、その磁気特性の相違に応じてそれぞれ別
々に分離して水処理を行う方法なるため、このような磁
気特性の異なる固定化生体触媒は、その磁気特性の相違
に応じてそれぞれ別々に分離,回収されることとなる。
よって、種々の生体触媒の混合系から各々の若しくは
特定の生体触媒のみを分離,回収することができ、磁性
体の数や種類を変えて種々の生体触媒とともに固定化
し、且つ磁気分離装置の性能や操作条件を変えることに
より、個々の固定化物毎に分離,回収が可能となり、ひ
いては各微生物や酵素等の生体触媒の濃度を任意に制御
することが可能となり、生体触媒の高濃度化が可能にな
るという効果がある。
また、上記のような磁性化固定化生体触媒とは別に、
磁性化されていない固定化生体触媒を用いれば、その非
磁性化固定化生体触媒として粒径の異なる2種以上のも
のを準備とすることにより、上記のような磁気による分
離,回収の他、粒径の相違によっても固定化生体触媒の
分離,回収を行うことができ、この結果、分離,回収す
べき固定化生体触媒の種類を増加することも可能とな
り、上記のような固定化生体触媒の濃度制御等をより高
精度にて行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はRun1における3種の固定化物の基質除去の回分
実験のグラフあり、(イ)は残留グルコース濃度の経時
変化、(ロ)は残留フェノール濃度の経時変化、(ハ)
は残留トリエチレングリコール濃度の経時変化を示す。 第2図はRun2における3種の固定化物の基質除去の回分
実験のグラフあり、(イ)は残留グルコース濃度の経時
変化、(ロ)は残留フェノール濃度の経時変化、(ハ)
は残留トリエチレングリコール濃度の経時変化を示す。 第3図は網状スクリーンで分離,回収する状態を示す概
略説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/00 C02F 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水質汚濁物質を分解しうる2種以上の微生
    物又は酵素等の生体触媒と、磁気特性の異なる2種以上
    の磁性体とを、それぞれ1種ずつ固定化して磁気特性の
    異なる2種以上の固定化生体触媒をそれぞれ形成し、次
    に、上記のようにして形成された各固定化生体触媒を、
    反応槽内において水と接触させて水質汚濁物質を分解
    し、その後、反応槽から処理水とともに流出する前記固
    定化生体触媒を、その磁気特性の相違に応じてそれぞれ
    別々に分離,回収して水処理を行うことを特徴とする微
    生物,酵素等の固定化生体触媒による水処理方法。
  2. 【請求項2】水質汚濁物質を分解しうる2種以上の微生
    物又は酵素等の生体触媒と、磁気特性の異なる2種以上
    の磁性体とを、それぞれ1種ずつ固定化して磁気特性の
    異なる2種以上の固定化生体触媒をそれぞれ形成し、且
    つ磁性体を添加せずに生体触媒のみを固定化した非磁性
    固定化生体触媒を形成し、次に、上記のようにして形成
    された各固定化生体触媒を、反応槽内において水と接触
    させて水質汚濁物質を分解し、その後、反応槽から処理
    水とともに流出する前記固定化生体触媒を、その磁気特
    性の相違若しくは磁性の有無に応じてそれぞれ別々に分
    離,回収して水処理を行うことを特徴とする微生物,酵
    素等の固定化生体触媒による水処理方法。
  3. 【請求項3】水質汚濁物質を分解しうる2種以上の微生
    物又は酵素等の生体触媒と、磁気特性の異なる2種以上
    の磁性体とを、それぞれ1種ずつ固定化して磁気特性の
    異なる2種以上の固定化生体触媒をそれぞれ形成し、且
    つ磁性体を添加せずに生体触媒のみを固定化した粒径の
    異なる2種以上の非磁性固定化生体触媒を形成し、次
    に、上記のようにして形成された各固定化生体触媒を、
    反応槽内において水と接触させて水質汚濁物質を分解
    し、その後、反応槽から処理水とともに流出する前記固
    定化生体触媒を、その磁気特性の相違若しくは磁性の有
    無に応じて、または粒径の相違に応じてそれぞれ別々に
    分離,回収して水処理を行うことを特徴とする微生物,
    酵素等の固定化生体触媒による水処理方法。
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