JP2897445B2 - スパン調織物およびその製造法 - Google Patents
スパン調織物およびその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパン調のフィラメン
ト織物とその製造方法に関する。
ト織物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維フィラメント糸は、紡績糸に比
べ細繊度糸が安価であり、また腰、ハリのある製品が得
られたり、風合いの多様化が比較的行いやすいため、ス
パンライクな織物の原糸にしようという試みが数多くな
されてきた。現在、主に行われている技術は、合繊フィ
ラメントの熱可塑性を利用して糸にクリンプをつけ、ふ
っくらとしたかさ高加工糸を織物にするものである。
べ細繊度糸が安価であり、また腰、ハリのある製品が得
られたり、風合いの多様化が比較的行いやすいため、ス
パンライクな織物の原糸にしようという試みが数多くな
されてきた。現在、主に行われている技術は、合繊フィ
ラメントの熱可塑性を利用して糸にクリンプをつけ、ふ
っくらとしたかさ高加工糸を織物にするものである。
【0003】クリンプをつけてかさ高にする方法には、
仮撚り法、押し込み法、擦過法などがあり、できる糸も
異なるが、現在使われているのはほとんどが仮撚り法で
ある。
仮撚り法、押し込み法、擦過法などがあり、できる糸も
異なるが、現在使われているのはほとんどが仮撚り法で
ある。
【0004】この仮撚り法の原理は、合繊フィラメント
糸に1mあたり3000〜4000回の撚りを与え、そ
のまま熱セットしてから撚りを戻し、クリンプのついた
かさ高な糸を作るものである。撚りを戻すことで、繊維
束に独特のたわみをあたえ、手触りの柔らかい、スパン
ライクな風合を織物に与えることができるといわれてい
る。実際、このようにしてできた糸を製織してフラット
プレート、ジョーゼット、バレスクリープなどのフィラ
メント織物が作られてきた。
糸に1mあたり3000〜4000回の撚りを与え、そ
のまま熱セットしてから撚りを戻し、クリンプのついた
かさ高な糸を作るものである。撚りを戻すことで、繊維
束に独特のたわみをあたえ、手触りの柔らかい、スパン
ライクな風合を織物に与えることができるといわれてい
る。実際、このようにしてできた糸を製織してフラット
プレート、ジョーゼット、バレスクリープなどのフィラ
メント織物が作られてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スパンライクな織物
は、毛羽や糸むらなどの外観的要因を指向するものと、
柔らかさや、腰、しゃり感などのタッチや風合を指向す
るものの2つに分かれるが、従来技術の織物はこの2つ
の性能を兼ね備えるのがむずかしい。すなわち、外観を
重視し、糸むら、ネップの凹凸を激しく形成させれば、
編織工程での糸条の設計が難しくなり、風合いが悪くな
る。また、逆にフィラメント独特のタッチ、風合いを生
かした織物に仕上げようとする場合は、外観においてフ
ィラメント織物のシルクライクな感じが残ってしまう。
は、毛羽や糸むらなどの外観的要因を指向するものと、
柔らかさや、腰、しゃり感などのタッチや風合を指向す
るものの2つに分かれるが、従来技術の織物はこの2つ
の性能を兼ね備えるのがむずかしい。すなわち、外観を
重視し、糸むら、ネップの凹凸を激しく形成させれば、
編織工程での糸条の設計が難しくなり、風合いが悪くな
る。また、逆にフィラメント独特のタッチ、風合いを生
かした織物に仕上げようとする場合は、外観においてフ
ィラメント織物のシルクライクな感じが残ってしまう。
【0006】また、従来技術では糸段階でスパンライク
化された糸を用いて製織するために、製織工程における
操業トラブルの原因になる、製品の品位が劣化する、工
程が繁雑になるなど生産面における問題も依然残ってい
る。
化された糸を用いて製織するために、製織工程における
操業トラブルの原因になる、製品の品位が劣化する、工
程が繁雑になるなど生産面における問題も依然残ってい
る。
【0007】本発明の目的は、従来の加工糸から作られ
たスパン調フィラメント織物よりも、風合いは柔らか
く、外観は異外観の高いスパン調織物を提供するととも
に、工程において簡素化した製造方法を提供することに
ある。
たスパン調フィラメント織物よりも、風合いは柔らか
く、外観は異外観の高いスパン調織物を提供するととも
に、工程において簡素化した製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的を
達成する本発明の構成は、次のとおりである。
達成する本発明の構成は、次のとおりである。
【0009】すなわち、フィラメント織物において、一
方向の糸の繊維束の空隙率が20〜50%であり、他の
方向の糸に10〜500T/10cmのS撚りまたはZ
撚りが10cm以内に少なくとも2種類以上存在するこ
とを特徴とするスパン調織物と、噴射ノズルを1Hz以
上の揺動数で織物を移動方向と直角方向に揺動させなが
ら、高速流体を0.5デニール以上の無撚りまたは甘撚
りのフィラメント織物表面に噴射し、一方向の糸の繊維
束の空隙率を20〜50%、他の方向の糸に10〜50
0T/10cmのS撚りまたはZ撚りを10cm以内に
少なくとも2種類以上形成せしめることを特徴とするス
パン調織物の製造方法である。
方向の糸の繊維束の空隙率が20〜50%であり、他の
方向の糸に10〜500T/10cmのS撚りまたはZ
撚りが10cm以内に少なくとも2種類以上存在するこ
とを特徴とするスパン調織物と、噴射ノズルを1Hz以
上の揺動数で織物を移動方向と直角方向に揺動させなが
ら、高速流体を0.5デニール以上の無撚りまたは甘撚
りのフィラメント織物表面に噴射し、一方向の糸の繊維
束の空隙率を20〜50%、他の方向の糸に10〜50
0T/10cmのS撚りまたはZ撚りを10cm以内に
少なくとも2種類以上形成せしめることを特徴とするス
パン調織物の製造方法である。
【0010】以上のような構造をした本発明にかかる織
物は、スパン糸織物に酷似した、新しい布帛となる。こ
れはタテ糸、ヨコ糸の別々の効果によるものである。一
方向(タテまたはヨコ)の糸に空隙のある繊維束を用い
た場合、開繊した繊維は風合に強く影響するため、織物
の風合いは柔らかく、きめも細かいものとなる。一方、
この糸とは違う方向にランダムな撚りが入った糸を用い
ると、前述の糸のやわらかな感覚に、魅力的なシボがあ
る異外観の高い織物ができる。そして、この2つの性能
を合わせもった織物を、さらに上記の条件(空隙率、撚
数)の糸にすることで、よりスパンライクなものにする
ことが可能なのである。
物は、スパン糸織物に酷似した、新しい布帛となる。こ
れはタテ糸、ヨコ糸の別々の効果によるものである。一
方向(タテまたはヨコ)の糸に空隙のある繊維束を用い
た場合、開繊した繊維は風合に強く影響するため、織物
の風合いは柔らかく、きめも細かいものとなる。一方、
この糸とは違う方向にランダムな撚りが入った糸を用い
ると、前述の糸のやわらかな感覚に、魅力的なシボがあ
る異外観の高い織物ができる。そして、この2つの性能
を合わせもった織物を、さらに上記の条件(空隙率、撚
数)の糸にすることで、よりスパンライクなものにする
ことが可能なのである。
【0011】図1に本発明によるタテ糸に空隙のある繊
維を用いヨコ糸にランダムな撚りがかかった繊維を用い
て織物にし表面を拡大したモデル図を示した。図2に従
来品のジョーゼット風織物の拡大図を示した。図におい
て、1はタテ糸、2はヨコ糸である。
維を用いヨコ糸にランダムな撚りがかかった繊維を用い
て織物にし表面を拡大したモデル図を示した。図2に従
来品のジョーゼット風織物の拡大図を示した。図におい
て、1はタテ糸、2はヨコ糸である。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明では一方向の糸に空隙が存在するこ
とが必要である。前述したように、この空隙は織物を手
にもったときのソフト感を与えるのはもちろんのこと、
表面をさわったときに、きめの細かい感覚を与えるのに
も役立つ。空隙とは1本の繊維束中に存在する空間を言
い、繊維束とその隣の繊維束との間の隙間をいうもので
はない。本発明では空隙率を用い、この空隙の性質を数
値化した。
とが必要である。前述したように、この空隙は織物を手
にもったときのソフト感を与えるのはもちろんのこと、
表面をさわったときに、きめの細かい感覚を与えるのに
も役立つ。空隙とは1本の繊維束中に存在する空間を言
い、繊維束とその隣の繊維束との間の隙間をいうもので
はない。本発明では空隙率を用い、この空隙の性質を数
値化した。
【0014】空隙率は、繊維束断面において、繊維の断
面積と空隙の断面積を合わせたもの(総断面積)と、空
隙の断面積の比をいう。図3は、総断面積と空隙の断面
積の求め方を説明する図である。総断面積は隣り合った
最外殻フィラメント繊維の互いの円周上を接線で結び、
これらの接線と最外殻フィラメント繊維の円周でできる
一番短い閉曲線内の面積を、また空隙の断面積はこのよ
うな閉曲線内の繊維の存在しない部分の面積を表わす。
また、算出時には織物上の50点を任意に選び、この5
0点の平均をこの織物の空隙率とする。
面積と空隙の断面積を合わせたもの(総断面積)と、空
隙の断面積の比をいう。図3は、総断面積と空隙の断面
積の求め方を説明する図である。総断面積は隣り合った
最外殻フィラメント繊維の互いの円周上を接線で結び、
これらの接線と最外殻フィラメント繊維の円周でできる
一番短い閉曲線内の面積を、また空隙の断面積はこのよ
うな閉曲線内の繊維の存在しない部分の面積を表わす。
また、算出時には織物上の50点を任意に選び、この5
0点の平均をこの織物の空隙率とする。
【0015】実際の空隙率の測定は、織物をPVAの水
溶液につけ乾燥、固定した後、織物をタテ方向またはヨ
コ方向に切断し、その切断面の断面写真を撮影して行
う。つまり、写真から繊維束の面積比を求めてここから
空隙率を算出する。
溶液につけ乾燥、固定した後、織物をタテ方向またはヨ
コ方向に切断し、その切断面の断面写真を撮影して行
う。つまり、写真から繊維束の面積比を求めてここから
空隙率を算出する。
【0016】空隙率は20〜50%であることが必要で
ある。20%未満である場合通常の無撚糸を用いた場合
とあまり変わらず、柔らかさもスパン調のザラつきもな
い、すべりやすい織物となってしまう。また逆に50%
を越える場合は柔らかさはあるが、手にひっかかるほど
のザラつきがあり、また外観も目ずれがおきているよう
であり、好ましくない。
ある。20%未満である場合通常の無撚糸を用いた場合
とあまり変わらず、柔らかさもスパン調のザラつきもな
い、すべりやすい織物となってしまう。また逆に50%
を越える場合は柔らかさはあるが、手にひっかかるほど
のザラつきがあり、また外観も目ずれがおきているよう
であり、好ましくない。
【0017】空隙のある糸と異なる方向の糸にはランダ
ムな撚りがかかっていることも必要である。先に述べた
ように、このような不規則な撚りがあると、きめの細か
い柔らかさに、わずかのシャリ感を加えることができる
からである。
ムな撚りがかかっていることも必要である。先に述べた
ように、このような不規則な撚りがあると、きめの細か
い柔らかさに、わずかのシャリ感を加えることができる
からである。
【0018】以下、本発明の撚りについて詳しく説明す
る。
る。
【0019】本発明でいう撚りとは、一本の繊維束内に
繊維束方向に対してスパイラルに回転している繊維が存
在することをいう。これは従来の繊維束をねじって撚り
にしたものとは少し意味が異なる。すなわち繊維束の各
繊維が同一方向に回転して乱れている場合も撚りと呼
ぶ。
繊維束方向に対してスパイラルに回転している繊維が存
在することをいう。これは従来の繊維束をねじって撚り
にしたものとは少し意味が異なる。すなわち繊維束の各
繊維が同一方向に回転して乱れている場合も撚りと呼
ぶ。
【0020】そして、撚りの種類が10cm以内に2種
類以上あるというのは次のように測定する。まず10c
mの糸を1cmごとに10等分する。1つを1単位とし
て、1単位に含まれる撚数をS撚りのときマイナス符
号、Z撚りのときプラスの符号をつけて表わす。この撚
数が50T/10cm以上異なるものが存在するとき、
撚の種類が2種類以上存在すると定義する。
類以上あるというのは次のように測定する。まず10c
mの糸を1cmごとに10等分する。1つを1単位とし
て、1単位に含まれる撚数をS撚りのときマイナス符
号、Z撚りのときプラスの符号をつけて表わす。この撚
数が50T/10cm以上異なるものが存在するとき、
撚の種類が2種類以上存在すると定義する。
【0021】本発明では糸長さ10cm以内に10〜5
00T/10cmのS撚りまたはZ撚りの部分が2種類
以上存在するものである。またS撚りとZ撚りとは両タ
イプ(S、Z)が存在する必要はなく、S撚りもしくは
Z撚りだけで2種類以上存在してもよい。さらに、この
撚りの存在の判断に際して、10T/10cm未満の撚
りの部分については、撚りが存在しているとはみなさな
い。実際の撚りの測定においては拡大表面写真を撮影
し、そこから撚り数を算出する。ただし、このような方
法では1本の繊維をずっと追いかけることは不可能であ
るため、表面に見える部分だけで算出して2種類以上で
あるかどうかを推定する。すなわち、織物の繊維束10
cmを織物状態で選び10等分し、この10部分に2種
類以上の撚りがあるかを判断する。
00T/10cmのS撚りまたはZ撚りの部分が2種類
以上存在するものである。またS撚りとZ撚りとは両タ
イプ(S、Z)が存在する必要はなく、S撚りもしくは
Z撚りだけで2種類以上存在してもよい。さらに、この
撚りの存在の判断に際して、10T/10cm未満の撚
りの部分については、撚りが存在しているとはみなさな
い。実際の撚りの測定においては拡大表面写真を撮影
し、そこから撚り数を算出する。ただし、このような方
法では1本の繊維をずっと追いかけることは不可能であ
るため、表面に見える部分だけで算出して2種類以上で
あるかどうかを推定する。すなわち、織物の繊維束10
cmを織物状態で選び10等分し、この10部分に2種
類以上の撚りがあるかを判断する。
【0022】繊維の撚り数は、その等分された部位の中
央または中央に最も近い、繊維が表面にでている繊維部
分の撚り数から求める。例えば図1のAは長さ0.1m
mで0.5ターンしているから撚数500T/10cm
であり、Aを含み、表面にでている繊維束部分の平均撚
り数は500T/10cmとなる。また一様に撚りの入
っていないBのような繊維束では、Cという繊維がこの
部分の中央または中央にもっとも近い繊維であり、0.
2mmで0.125ターンしているから、この繊維束の
撚り数は−63T/10cmとなる。
央または中央に最も近い、繊維が表面にでている繊維部
分の撚り数から求める。例えば図1のAは長さ0.1m
mで0.5ターンしているから撚数500T/10cm
であり、Aを含み、表面にでている繊維束部分の平均撚
り数は500T/10cmとなる。また一様に撚りの入
っていないBのような繊維束では、Cという繊維がこの
部分の中央または中央にもっとも近い繊維であり、0.
2mmで0.125ターンしているから、この繊維束の
撚り数は−63T/10cmとなる。
【0023】このような測定方法では、織物のすべてに
撚りがランダムに入っていない場合に、たまたま存在し
ていない部分を測定してしまうことも考えられる。そこ
で50本の繊維を調べ、2種類以上「存在する」、2種
類以上「存在しない」の2通りに分類し、半数以上が
「存在する」に入るとき、「撚りが2種類以上存在す
る」と定義する。ちなみに実施例では50本のうち40
本程度に撚りが存在していた。
撚りがランダムに入っていない場合に、たまたま存在し
ていない部分を測定してしまうことも考えられる。そこ
で50本の繊維を調べ、2種類以上「存在する」、2種
類以上「存在しない」の2通りに分類し、半数以上が
「存在する」に入るとき、「撚りが2種類以上存在す
る」と定義する。ちなみに実施例では50本のうち40
本程度に撚りが存在していた。
【0024】この撚りの変化、すなわち撚りの種類は多
ければ多いほどいい。撚りが不規則になればなるほど、
異外観が生まれ、よりスパンライクな風合いとなる。特
に撚りが2cm以内に2種類以上存在するときは外観だ
けでなく、風合いもザラつき感のある、スパンライク織
物となる。従来の技術では撚りは1種類であり、全体に
一様な撚りを用いていた。しかし、このような織物は本
発明品より異外観の少ない、ごわごわした織物となる。
撚りを不規則にすることで、わずかなシャリ感覚をだす
のが、本発明の織物の特徴なのである。
ければ多いほどいい。撚りが不規則になればなるほど、
異外観が生まれ、よりスパンライクな風合いとなる。特
に撚りが2cm以内に2種類以上存在するときは外観だ
けでなく、風合いもザラつき感のある、スパンライク織
物となる。従来の技術では撚りは1種類であり、全体に
一様な撚りを用いていた。しかし、このような織物は本
発明品より異外観の少ない、ごわごわした織物となる。
撚りを不規則にすることで、わずかなシャリ感覚をだす
のが、本発明の織物の特徴なのである。
【0025】本発明でいう織物とは、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリル等の合成繊維、アセテート等の
半合成繊維、レーヨン等の再生繊維などの単独、あるい
は混合物からなる織物である。ただしスパンライクな織
物を作製するという意味では、もちろん合成繊維がふさ
わしい。また本発明に用いるフィラメント織物の織り方
としては平織りが一般に適しているが、例えば綾組織を
使ったあやタフタ、朱子織物などでも十分可能である。
リアミド、ポリアクリル等の合成繊維、アセテート等の
半合成繊維、レーヨン等の再生繊維などの単独、あるい
は混合物からなる織物である。ただしスパンライクな織
物を作製するという意味では、もちろん合成繊維がふさ
わしい。また本発明に用いるフィラメント織物の織り方
としては平織りが一般に適しているが、例えば綾組織を
使ったあやタフタ、朱子織物などでも十分可能である。
【0026】また繊維の太さは0.5デニール以上が好
ましい。0.5デニール未満のいわゆる極細繊維は繊維
が互いに交絡しやすいため、撚り、開繊が作りにくい。
ましい。0.5デニール未満のいわゆる極細繊維は繊維
が互いに交絡しやすいため、撚り、開繊が作りにくい。
【0027】さてこれらの開繊糸、交絡糸を、加工糸で
行っているような、いわゆる糸加工で作製することは非
常に困難である。なぜならば、開繊糸は織り加工時に繊
維束が閉束しやすく、また糸には通常一様な撚りしかか
けられないためである。そこで本発明者らは、これらを
簡便に作製する方法を発明した。
行っているような、いわゆる糸加工で作製することは非
常に困難である。なぜならば、開繊糸は織り加工時に繊
維束が閉束しやすく、また糸には通常一様な撚りしかか
けられないためである。そこで本発明者らは、これらを
簡便に作製する方法を発明した。
【0028】次に本発明の製造方法について説明する。
【0029】本発明は噴射ノズルを揺動させながら高速
流体を織物表面に噴射することによって糸の開繊、糸の
撚りを生じさせるものである。高速流体は空気、水、ア
ルコールなどの様々な液体、気体を5〜300Kgf/
m2 に加圧し、孔径の小さいノズルあるいは間隔の狭い
スリットから噴射して得られる。
流体を織物表面に噴射することによって糸の開繊、糸の
撚りを生じさせるものである。高速流体は空気、水、ア
ルコールなどの様々な液体、気体を5〜300Kgf/
m2 に加圧し、孔径の小さいノズルあるいは間隔の狭い
スリットから噴射して得られる。
【0030】この高速流体の使用方法は、従来のフェル
トの交絡や織編物のシボ立てを目的とした使用とは明ら
かに異なるものである。すなわち、本発明は細孔ノズル
から高速流体を噴射させ、噴射流の揺動方向によって無
撚り、甘撚りの繊維束が交絡、開繊、撚りなど様々な状
態をとることを利用している。これらの形態をタテ糸、
ヨコ糸で使い分けることによって上記織物の製造が可能
になるのである。
トの交絡や織編物のシボ立てを目的とした使用とは明ら
かに異なるものである。すなわち、本発明は細孔ノズル
から高速流体を噴射させ、噴射流の揺動方向によって無
撚り、甘撚りの繊維束が交絡、開繊、撚りなど様々な状
態をとることを利用している。これらの形態をタテ糸、
ヨコ糸で使い分けることによって上記織物の製造が可能
になるのである。
【0031】本発明では、高速流体噴射装置としてウォ
ータージェットパンチを使用したため、具体的には次の
ようなことを意味する。一般に高圧(50Kgf/m2
以上)のウォータージェットパンチは水流が複雑な動き
をするため、織物に噴射した場合、繊維が交絡し、撚の
入った状態となる。しかし、逆に低圧(25Kgf/m
2 程度)もしくは/かつ短時間(繊維束1本あたり0.
1秒程度)のウォータージェットパンチをあてた場合は
繊維は開繊する。よって噴射流を繊維束幅の数十倍のス
トロークで素早く揺動させ、織物を移動させた場合は、
進行方向の糸は水流があたる時間が短いために開繊し、
一方、進行直角方向の糸はこの時間が長いために交絡
し、いわゆる撚糸の状態となる。
ータージェットパンチを使用したため、具体的には次の
ようなことを意味する。一般に高圧(50Kgf/m2
以上)のウォータージェットパンチは水流が複雑な動き
をするため、織物に噴射した場合、繊維が交絡し、撚の
入った状態となる。しかし、逆に低圧(25Kgf/m
2 程度)もしくは/かつ短時間(繊維束1本あたり0.
1秒程度)のウォータージェットパンチをあてた場合は
繊維は開繊する。よって噴射流を繊維束幅の数十倍のス
トロークで素早く揺動させ、織物を移動させた場合は、
進行方向の糸は水流があたる時間が短いために開繊し、
一方、進行直角方向の糸はこの時間が長いために交絡
し、いわゆる撚糸の状態となる。
【0032】ストロークの大きさは繊維束幅の5倍〜1
00倍、具体的には1mm〜20mmの範囲が、織物の
移動速度は1m/分〜20m/分が好ましい。この範囲
外では繊維束が開繊しない、撚糸状態になりにくいなど
の弊害がある。
00倍、具体的には1mm〜20mmの範囲が、織物の
移動速度は1m/分〜20m/分が好ましい。この範囲
外では繊維束が開繊しない、撚糸状態になりにくいなど
の弊害がある。
【0033】ウォータージェットを使用する場合、本発
明で重要なパラメータは、圧力、噴射流の形状および揺
動時の揺動数である。圧力は5Kgf/m2 以上、好ま
しくは10Kgf/m2 〜100Kgf/m2 で処理す
るのがよい。圧力5Kgf/m2 以下では水流圧力が弱
く、効果が不十分である。また、あまりにも高圧下の処
理は構成糸の切断などが起こり、やはり好ましくない。
噴射流の形状としては柱の如く真っ直ぐな柱状流が一般
的には好ましい。しかしながら非柱状流処理を行った場
合は開繊効果がよりおおく得られるので、用途によって
使い分けることもできる。揺動時の揺動数は1Hz以上
が好ましい。1Hz未満では揺動方向と直角方向の糸に
水流が長く当たり、糸に撚りが入ったり交絡したりする
ため、開繊させることができない。
明で重要なパラメータは、圧力、噴射流の形状および揺
動時の揺動数である。圧力は5Kgf/m2 以上、好ま
しくは10Kgf/m2 〜100Kgf/m2 で処理す
るのがよい。圧力5Kgf/m2 以下では水流圧力が弱
く、効果が不十分である。また、あまりにも高圧下の処
理は構成糸の切断などが起こり、やはり好ましくない。
噴射流の形状としては柱の如く真っ直ぐな柱状流が一般
的には好ましい。しかしながら非柱状流処理を行った場
合は開繊効果がよりおおく得られるので、用途によって
使い分けることもできる。揺動時の揺動数は1Hz以上
が好ましい。1Hz未満では揺動方向と直角方向の糸に
水流が長く当たり、糸に撚りが入ったり交絡したりする
ため、開繊させることができない。
【0034】本発明のスパン調織物を作製する製造工程
は、応用範囲が非常に広いものであるとともに、産業界
にもたらすインパクトもまた強いものである。現在の糸
加工による操業時のトラブル、製品の品位に関係した問
題などが本製造方法によりほぼ解決できるからである。
またウォータージェット織機と上記の高圧流体布帛加工
装置を一体化することにより、乾燥工程が一度で行うこ
とのできるスパン調布帛を作ることも可能であり、生産
上のコストカットも期待できる。
は、応用範囲が非常に広いものであるとともに、産業界
にもたらすインパクトもまた強いものである。現在の糸
加工による操業時のトラブル、製品の品位に関係した問
題などが本製造方法によりほぼ解決できるからである。
またウォータージェット織機と上記の高圧流体布帛加工
装置を一体化することにより、乾燥工程が一度で行うこ
とのできるスパン調布帛を作ることも可能であり、生産
上のコストカットも期待できる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例を示すが、本発明は何
らこれに限定されるものではない。
らこれに限定されるものではない。
【0036】タテ糸に54デニール17フィラメント、
ヨコ糸に75デニール36フィラメントを用いた織密度
110×90本/インチのポリエステル織物を用い、
0.1mmφ、ピッチ1mmのノズルを5Hz、揺動ス
トローク5mmで揺動させ、柱状流の高圧水を圧力75
Kgf/m2 で噴射距離40mmからネットコンベア上
の該織物に噴射させ、5m/分の織物移動速度で連続処
理を行った。
ヨコ糸に75デニール36フィラメントを用いた織密度
110×90本/インチのポリエステル織物を用い、
0.1mmφ、ピッチ1mmのノズルを5Hz、揺動ス
トローク5mmで揺動させ、柱状流の高圧水を圧力75
Kgf/m2 で噴射距離40mmからネットコンベア上
の該織物に噴射させ、5m/分の織物移動速度で連続処
理を行った。
【0037】このようにして得られた織物の表面を拡大
鏡で観察すると、織物のタテ方向の繊維束は通常の繊維
幅に比べ約2倍に膨らみ、ヨコ方向の糸は−200〜+
200ターン/10cmの撚りが不規則に存在するのが
見られた。また、ヨコ糸方向を切断し、断面の拡大写真
を撮影したところタテ糸の空隙率は35%であった。風
合いはソフトタッチ、シャリ感、異外観などをかね備え
たスパン調の織物であった。
鏡で観察すると、織物のタテ方向の繊維束は通常の繊維
幅に比べ約2倍に膨らみ、ヨコ方向の糸は−200〜+
200ターン/10cmの撚りが不規則に存在するのが
見られた。また、ヨコ糸方向を切断し、断面の拡大写真
を撮影したところタテ糸の空隙率は35%であった。風
合いはソフトタッチ、シャリ感、異外観などをかね備え
たスパン調の織物であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によって、今までになく、かつ極
めてコットンの風合に酷似した布帛が作製できる。ま
た、今まで糸加工以外ではほぼ不可能であったスパン調
の織物を、フィラメント織物状態で加工可能にしたこと
により、大幅なコストダウンが可能となった。
めてコットンの風合に酷似した布帛が作製できる。ま
た、今まで糸加工以外ではほぼ不可能であったスパン調
の織物を、フィラメント織物状態で加工可能にしたこと
により、大幅なコストダウンが可能となった。
【図1】図1は本発明によるタテ糸に空隙のある繊維を
用いヨコ糸にランダムな撚りがかかった繊維を用いて織
物にし表面を拡大したモデル図である。
用いヨコ糸にランダムな撚りがかかった繊維を用いて織
物にし表面を拡大したモデル図である。
【図2】図2は、従来品のジョーゼット風織物の拡大図
を示したモデル図である。
を示したモデル図である。
【図3】図3は、総断面積と空隙の断面積の求め方を説
明する図である。
明する図である。
1:タテ糸 2:ヨコ糸
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06C 29/00 D02G 3/26 D03D 15/00 D03D 25/00
Claims (2)
- 【請求項1】フィラメント織物において、一方向の糸の
繊維束の空隙率が20〜50%であり、他の方向の糸に
10〜500T/10cmのS撚りまたはZ撚りが10
cm以内に少なくとも2種類以上存在することを特徴と
するスパン調織物。 - 【請求項2】噴射ノズルを1Hz以上の揺動数で織物移
動方向と直角方向に揺動させながら、高速流体を0.5
デニール以上の無ヨリまたは甘ヨリのフィラメント織物
表面に噴射し、一方向の糸の繊維束の空隙率を20〜5
0%、他の方向の糸に10〜500T/10cmのS撚
りまたはZ撚りを10cm以内に少なくとも2種類以上
形成せしめることを特徴とするスパン調織物の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3075318A JP2897445B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | スパン調織物およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3075318A JP2897445B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | スパン調織物およびその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04308248A JPH04308248A (ja) | 1992-10-30 |
| JP2897445B2 true JP2897445B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=13572793
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3075318A Expired - Lifetime JP2897445B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | スパン調織物およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2897445B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA2341714C (en) * | 1999-06-25 | 2008-12-23 | Milliken & Company | Napped fabric and process |
-
1991
- 1991-04-08 JP JP3075318A patent/JP2897445B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04308248A (ja) | 1992-10-30 |
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